ピルの効果は避妊だけじゃない!PMS・ニキビ・さらに妊活にも

ピルは、女性が主体的に利用することのできる代表的な避妊方法の一つです。

さらにピルは避妊だけでなく、生理痛やPMSの改善、妊活のサポートなど女性にとって嬉しい効果がたくさんあります。

現在は海外通販などで手軽にピルを入手できることもあり、避妊目的以外でピルを活用する女性も増えています。

そんなピルの効果や服用方法、気になる副作用まで、徹底的に解説していきますのでぜひ参考にしてみてください。

低用量ピルの効果

一般に「ピル」と言われるのは、毎日決まった時間に継続服用する低用量ピルと、性行為後に服用するアフターピルの二種類です。

低用量ピルには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という女性ホルモンが含まれており、1日1回飲み続けることによって確度の高い避妊効果が得られます。

英語で「経口避妊薬」=Oral Contraceptivesと言うことから、OCと省略される場合もあります。

一方アフターピルは、性行為後に服用することで妊娠を防止する緊急避妊薬です。

ほぼ100%の避妊効果

避妊
低用量ピルは、飲み忘れさえなければ100%の避妊効果を発揮します。

低用量ピルに含まれるエストロゲンとプロゲステロンは、そもそも卵巣から分泌される女性ホルモンの一種です。

低用量ピルを飲むと、脳はこれらの女性ホルモンをこれ以上分泌する必要がないと判断します。

その結果、卵胞を大きくして排卵を促す卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)が減少するため、卵胞が育たず排卵が起こらなくなるのです。

またプロゲステロンには子宮内膜が着床に備えて厚くなるのを抑制する働きや、頸管粘液(おりもの)の粘性を高めて精子が侵入しにくい状態にする働きもあります。

低用量ピルは排卵を阻止するだけでなく、受精や着床も起こりにくくするという三重の避妊効果を持っていると言えます。

PMS(月経前症候群)の改善

PMSの改善
PMS(月経前症候群)とは、月経が始まる3~10日前からホルモンバランスの変動に伴う心身の症状が現れる現象のことです。

実はPMSが起こる仕組みについてはっきりしたことはまだ分かっていませんが、排卵後に分泌が増えるプロゲステロンが原因の一つだとされています。

PMSの症状の現れ方は、下腹部痛や頭痛などの身体症状、イライラや抑うつ状態などの精神症状、さらに動悸やめまいなどの自律神経失調症状と人によって様々です。

しかし低用量ピルを服用すると排卵が止まるため、プロゲステロンの分泌も止まります

低用量ピルはプロゲステロンの分泌を抑え、月経前の不快な症状を和らげる働きも持っているお薬です。

生理痛の軽減

生理痛の改善
PMS同様、生理痛のメカニズムも完全に解明されているわけではありません。

ただ有力とされているのが、プロスタグランジンという発痛物質の増加によるものという説です。

プロスタグランジンは子宮の収縮を促し、剥がれ落ちた子宮内膜を排出して月経を起こす働きを持っていますが、この時に起こる痛みが生理痛だとされています。

そして、子宮内膜においてこのプロスタグランジンの合成に関わっているのが、プロゲステロンです。

低用量ピルによって排卵が止まりプロゲステロンの分泌が抑えられるため、生理痛そのものや生理に伴う腰痛の軽減ができます。

さらに生理の出血量も抑えるため、生理中の不快感や貧血の改善にも効果的です。

ニキビの改善

ニキビの改善
皮膚科での低用量ピルによるホルモン療法は、ニキビの治療法として非常に一般的です。

実はいわゆる大人ニキビにも、プロゲステロンが関係しています。

プロゲステロンは男性ホルモンであるテストステロンに変化するという特徴も持っており、そのテストステロンが皮脂の分泌を増加させて毛穴が詰まりやすくなり、ニキビができてしまうというわけです。

低用量ピルの服用で、それまで塗り薬や内服薬で治らなかったニキビが改善する場合もあります。

また、ピーリングや漢方など他のニキビ治療法と比べて治療コストを抑えることもでき、ニキビ治療にあまりお金をかけられない若い世代の方でも気軽に試すことが可能です。

女性特有のがんの発症率の低下

がんリスク低下
低用量ピルの服用により、卵巣がん及び子宮体がんの発症率が下がることが臨床試験によって明らかになっています。

卵巣がんの場合、低用量ピルを5年間継続服用すると約30%、10年間継続服用すると約40%の発症リスク軽減効果があるとされています。

また子宮体がんの場合は、発症率と共に子宮体がんによる死亡率も下がると言われています。

4年間の継続服用によって子宮体がんの発症リスクは約60%軽減するという試算もあり、血縁者に子宮体がんの既往歴を持つ人がいる場合などの予防措置として低用量ピルを活用することも有効です。

子宮体がんの発症リスク軽減効果は服用を中止した後も15年程度持続するとされ、これから妊娠の可能性がある方も子宮体がん予防のために取り入れることができます。

生理日の調整

生理日の調整
低用量ピルには、1ヶ月分21錠の全てが同用量の1相性と呼ばれるものと、服用中に用量が変化する2相性、段階的に用量が2回変化する3相性の3タイプが存在します。

実際には1相性のものと3相性のものがシェアのほとんどを占めており、代表的なものは1相性ならマーベロンやヤーズ、3相性ならトリキュラーなどが挙げられます。

このうち用量が変化しない1相性のピルであれば、旅行やスポーツイベント、大事な試験などのスケジュールに合わせて生理日を調整することが可能です。

生理を早めたいとき

予定より生理日を早めたい時は、生理開始から5日以内に低用量ピルの服用を始め、10~14日間服用を継続します。
服用中は卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体ホルモン(LH)の分泌が抑えられ、卵胞が育たず生理が起こりませんが、服用を中止すると数日で生理になります。

この服用方法で、約1週間生理日を早めることが可能です。

生理を遅くしたいとき

逆に生理日を遅らせたい時は、本来の生理予定日の5日前から低用量ピルの服用を開始し、生理になるのを避けたい間服用を継続してください。

服用を中止すると、その2~3日後に生理が起こります。

この服用方法で、7~10日程度生理を遅らせることが可能です。

妊活の体つくりに

妊活
低用量ピルは避妊を目的としたお薬ですが、一方で妊娠力アップにも効果的です。

妊活のため基礎体温を測っている方の中で、高温期と低温期がきれいに分かれないというような方は、体内のホルモンバランスが崩れている可能性があります。

そんな時は、低用量ピルの作用で一旦排卵を止めるとホルモンバランスが整い、さらにその間子宮を休めることができます。

低用量ピルの服用で子宮環境を整えることは、次回以降の周期での妊娠可能性を上げることにもつながるのでおすすめです。

また、低用量ピルの服用で妊娠しにくくなるといったことはありません。

通常は低用量ピルの服用を中止して2~3日後に生理が起こり、1ヶ月以内には排卵が再開します。

ピルの効果はいつから?

それぞれの効き始め
  • 避妊効果…服用継続中であれば、避妊効果は服用1日目(生理初日)から得られます。
    その他のタイミングで飲み始めた場合は、最低でも7日間ほど継続して服用すると避妊効果が得られます。
  • PMS・生理痛の改善…服用開始後、次の生理の時から効果を発揮
  • 生理日の調整…服用開始後、次の生理の時から効果を発揮
  • ニキビの改善…軽度のものであれば服用1ヶ月ほどで、ほとんどの方は3ヶ月の服用継続で改善が見られます。
  • 女性特有のがん予防…年単位での服用継続がおすすめです。
  • 妊活…一周期排卵を止めた後、次の周期には子宮環境が改善し排卵が再開

得たい効果によってピルの服用期間などが異なります。

ピルは飲み忘れると効果がなくなる?

低用量ピルは1日1錠ずつ毎日飲み続けることが必要なお薬ですが、48時間以上服用間隔があいてしまうと避妊効果が薄まる可能性があります。

避妊を目的として低用量ピルを服用しており48時間以上飲み忘れてしまった時は、飲み忘れた日から1週間の休薬期間をおいて新たに再開するか、次の生理を待って一からサイクルをやり直すかのいずれかです。

また、新しいシートを飲み始めて1週間ほどは、避妊効果が100%ではありません。

コンドームなど別の避妊方法を併用するようにしましょう。

一方で避妊以外の目的で服用している場合は、飲み忘れに気付いた時点でなるべく早く2錠をまとめて服用し、その翌日以降はそれまでと同じように1日1錠ずつ服用を継続してください。

ピルの種類

ピルには世代や相性といったように様々な種類があります。
種類によっても効果が若干異なりますので、自分に合ったピルを服用することが大切です。

その中でも特におすすめなものを表にまとめました。

トリキュラー
トリキュラー
マーベロン
マーベロン
ヤスミン
ヤスミン
ホルモン レボノルゲストレル デソゲストレル ドロスピレノン
世代 第2世代 第3世代 第4世代
相性 3相性 1相性 1相性
特徴 不正出血が起こりにくく、安定した生理周期を作りやすい 男性ホルモン抑制効果が高く、ニキビや多毛症に有効 むくみにくく、ニキビにも有効、PMSの治療にも使われる

ピルの服用方法

低用量ピルは、1日1回決まった時間にたっぷりの水かぬるま湯と一緒に服用してください。

1シートは21錠入りもしくは28錠入りとなっており、生理の初日から1錠ずつ継続服用します。

1シート21錠のものは3週間服用した後1週間の休薬期間を挟み、1シート28錠のものは飲み忘れを防ぐため最後の1週間分がプラセボ(偽薬)となっています。

ピルの副作用

低用量ピルの主な副作用は、次の通りです。

  • 吐き気、下痢、腹痛、便秘などの消化器系症状
  • 乳房痛
  • 生理日の調整…服用開始後、次の生理の時から効果を発揮
  • 頭痛や倦怠感などの神経系症状
  • 不正性器出血や下腹部痛などの子宮に関連した症状

これらの副作用症状はいずれも軽微なもので、服用を継続していくにつれ症状も軽減していくことがほとんどです。

服用を開始してから最初の3ヶ月は慎重に症状の経過を観察し、万一症状が悪化した場合は医師か薬剤師にご相談ください。

重大な副作用

低用量ピルの重大な副作用として、血栓症が挙げられます。

血栓症とは、血管において血液の塊が詰まってしまう症状のことで、心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなり得る重篤な副作用です。

低用量ピルによる血栓症の発症リスクは、妊婦の発症リスク(1万人中5~20人)と比べても1万人中3~9人とさほど多くはありません。

しかし決して軽視してはいけない副作用ではあるため、次の項で挙げる血栓症リスクの高い方は低用量ピルの服用は控えるようにしましょう。

ピルを服用できない方

低用量ピルを服用できない方は、次のような方です。

  • 中等度以上の高血圧症の人
  • 35歳以上で1日15本以上の喫煙者
  • 前兆を伴う片頭痛がある人
  • 心臓病、糖尿病などで血管の病変を伴う人
  • 家族に血栓症を発症した人がいる人
  • 血栓性の疾患またはその既往歴がある人
  • 乳がんや子宮内膜がん、子宮頸がんの患者及びその疑いがある人
  • 閉経後または月経が始まっていない人
  • 妊娠中またはその可能性がある人、授乳中の人
  • 高度の肥満の人
  • 手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内の人

ピルは女性にとって嬉しい効果がたくさん

低用量ピルは、単に確実な避妊手段の一つというだけでなく、生理痛やPMSの改善、生理日の調整、妊娠力アップなど、様々な効果をもたらします。

体内のホルモンバランスによって体調やメンタルが大きく変化する女性にとって、低用量ピルは心身の健康を強力にサポートしてくれる存在です。

欧米と比べると日本の低用量ピル内服率は非常に低いものですが、最近は海外通販などで手軽に入手することができます。

QOL向上のためにも、ぜひ低用量ピルを普段の生活に取り入れてみましょう。

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