生理前になると、イライラや落ち込み、涙が止まらない…。
気分の浮き沈みで、つい彼にあたってしまい「ごめんね」と思いつつも、別れを考えてしまう――そんな悩みを抱える女性は少なくありません。
PMDD(月経前不快気分障害)は、生理前に強い精神的な症状が出るPMSの一種。
周りの理解が支えになりますが、「どう伝えればいいのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、PMDDが原因で起こる彼とのすれ違いや、その伝え方のコツをご紹介します。
PMDDで彼に迷惑をかけているとお悩みの方へ

PMDD(月経前不快気分障害)は、女性特有のつらい症状です。
生理のない男性には想像がしづらく「PMSやPMDDのつらさを理解してもらえない」と、一人で悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
PMDDは「感情のブレーキが利かない状態」になることがあり、発してしまった言葉や行動で自己嫌悪に陥いってしまい、そんな悪循環に苦しんでしまう方も、、。
でも、PMDDはきちんと治療ができる症状です。
原因はホルモンバランスの変化によるものなので、あなたの性格や意思などが問題ではありません。
まずは「これは病気の影響」と知ること、そして「治療すれば楽になれる」と考えてみてくださいね。
PMDDによる彼とのトラブル例

PMDDの症状が強くなると、自分でも抑えきれない感情があふれ、彼氏との関係に影響が出てしまうことがあります。
「どうしてあんなことを言ってしまったのだろう」と後悔し、自分を責めてしまう方も少なくありません。
PMDDによる彼氏とのトラブル例を紹介しながら、あなたの心が少しでも軽くなるような対処法をお伝えしていきます。
些細な一言で激しく怒ってしまう
彼との何気ない会話や普段なら気にならない行動に、突然イライラが爆発してしまった経験はありませんか。
このような場合、強い口調で彼を責めてしまうこともあるでしょう。
さらに、怒りの後には彼の戸惑った表情が頭から離れず、深い自己嫌悪に襲われ、距離を置かれてますます苦しくなることもあるかもしれません。
このように、PMDDは感情のブレーキが利かず、自分でも抑えられない苦しさがあるのです。
急に会いたくなくなり連絡も無視してしまう
生理前になると、気持ちが急に沈み込み「誰にも会いたくない」「LINEもしたくない」と感じてしまうことはありませんか。
彼からのLINEを無視してしまい、既読スルーが続いて心配させてしまうこともあるかもしれません。
後から「PMDDだった」と伝えても、不安や誤解からすれ違いが生じる可能性もあるでしょう。
PMSやPMDDは感情をコントロールしにくいため、自分でも理由がわからないまま人と距離を置いてしまうことも珍しくありません。
別れを切り出してしまったり「嫌い」と言ってしまう
PMDDの症状が強まると、不安やイライラがピークに達し「もう嫌い」「別れたい」と突発的に口走ってしまうことがあります。
本心ではないのに強い言葉で彼を突き放し、彼が真剣に悩んだり距離を置かれてしまうと、深く後悔してしまいますよね。
PMDDによる感情の波は、自分でも抑えきれないほど強いため、症状が落ち着いた後に自己嫌悪に陥り、苦しさがさらに積み重なるケースも少なくありません。
彼氏に別れ話を切り出す前に試してほしい2つのこと

PMDDのつらさから「もう別れたほうがいいかも」と思い詰めてしまう方もいるかもしれません。
ただ、その前に次のような対応を考えてみることが大切です。
PMDDはホルモンバランスの変動によるものであり、自分を責める必要はありません。
彼に伝えて理解を得ることで関係が改善するケースもあります。
さらに、治療を開始することで症状が軽くなり、以前のように穏やかな気持ちで接することができる可能性もあるのです。
PMDDであることを彼に伝える
男性には生理がないため、生理前後に起こる気分の変化を理解してもらうのは難しいものです。
そのため、どう説明すればいいのか分からないと悩む方も多いのではないでしょうか。
しかし、彼もパートナーのことを理解したい気持ちはきっとあるはずです。
そこで、以下では彼氏へのPMDDの伝え方の具体例を挙げているので、ぜひ参考にしてみてください。
「最近、感情がうまくコントロールできなくて、思わずきつくあたってしまうことがあってごめんね。
実はPMDDという症状があって、生理前になるとホルモンバランスの影響で気持ちが不安定になりやすいみたい。
私自身も悩んでいて少しずつ向き合おうとしているから、少しでも理解してもらえるとすごくうれしいな。」
このように伝えることで、彼もあなたの状況を理解しやすくなり、支えてあげたいと思ってくれるはずです。
PMDDの伝え方:3つのポイント
PMDDを彼氏に伝える際は、3つのポイントを意識すると理解を得やすくなります。
❶「PMDDはホルモンの影響で起こる症状」と伝える
PMDDはホルモンの影響による症状であり、性格や努力不足が原因ではありません。
そのことをきちんと伝えることで、誤解を防げます。
❷「申し訳ない気持ち」を素直に伝える
「感情の浮き沈みで傷つけたり振り回したりしてごめんね」と気持ちを添えると、相手も親身になってくれ、受け入れやすくなります。
❸「理解してもらうための工夫」も大事
専門サイトや本、SNSなどを見せながら説明すると、彼もより具体的にイメージしやすくなるでしょう。
最後に「これから少しずつ治療や対策をしていきたい」と前向きな姿勢を伝えることも大切です。
治療を始める
PMDDの症状を軽くするためには、次のような生活習慣がよいといわれています。
・運動習慣やヨガ
・飲酒と喫煙を控える
・カフェインを制限するなど
ただし、これらの方法は十分な効果が証明されていないものも多く、あくまで補助的な対策と考えられます。
規則正しい生活習慣やリラックス法は心身を安定させるために重要ですが、生活習慣の改善だけではPMDD改善への十分な効果が証明されていません。
つらい症状を軽くするには、ホルモンバランスの乱れを整える医薬品を使った治療が効果的とされています。
そのため、まずは医師に相談し、自分に合った治療法を見つけていくことが大切です。
PMDDを少しでも軽くする方法・対処法
PMDDの症状を改善するには、根本的な治療がとても大切です。
とはいえ、治療と聞くと少し重く感じたり戸惑ってしまう方もいるかもしれません。
PMDDの改善には、食事の見直しもおすすめです。
ここでは、取り組みやすいセルフケアをご紹介します。
- カルシウムやビタミンDを多く含む食事を心がける
- 複合炭水化物の摂取を意識する
カルシウムやビタミンDを多く含む食事は、神経の興奮を抑えて気分を安定させ、PMSやPMDDのリスクを下げる可能性があると報告されています。
また、黄体期と呼ばれる排卵から生理が始まるまでの時期には、さつまいもやじゃがいもなどの複合炭水化物を意識して摂取するようにしましょう。
複合炭水化物の摂取は、気分を整える栄養素であるトリプトファンが増加し、脳内セロトニンが上昇することで、気持ちの落ち込みや過剰な食欲の改善が期待できます。
カルシウムやビタミンDの多い食事を摂取すると,PMSの発症リスクが低下する可能性があるという報告 13)や,黄体期に複合炭水化物の摂取を増やすと,トリプトファンの利用可能性が高まり,脳内セロトニンレベルが上昇することで,PMSの精神症状と食欲の症状を改善したという報告がある 14).
日本産科婦人科学会 女性ヘルスケア委員会|2023-2024 年度月経前症候群・月経前不快気分障害に対する診断・治療指針
PMDDの治療法

PMDDの治療法としては、以下が推奨されています。
2021年度のPMS・PMDD診断治療実態調査において、日本では最初に選ばれる治療法として低用量ピルが用いられることが多いと報告されています。
一方、海外では、脳内のセロトニン濃度を高めて精神症状を改善するSSRIが第一選択薬として広く使用されています。
これらの治療法は、ホルモンバランスや脳内の神経伝達物質に働きかけることで、PMDDの症状改善が期待されています。
低用量ピル
低用量ピルは、女性ホルモンを少量含み、排卵を抑えることで妊娠を防ぐ医薬品です。
さらに、月経困難症やPMDDによる精神的な不調をやわらげる目的でも使用されています。
日本では、低用量ピルには2つのタイプがあります。
| 低用量ピル | |
|---|---|
| OC(経口避妊薬) | 避妊を目的として使うピル。 保険は使えません。 |
| LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤) | 婦人科の治療を目的として使うピル。 保険が適用されます。 |
OCとLEPは成分は同じですが、OCは避妊が目的で保険適用外なのに対し、LEPは治療が目的のため保険が適用されるといった違いが特徴です。
飲み方は1日1錠を同じ時間に服用を継続するのが基本です。
28日を1サイクルとし、24日間は有効成分入り錠剤、残りの4日間は有効成分の入っていない、偽薬を飲みます。
| 商品名 | ヤーズ |
|---|---|
| 画像 |
|
| 特徴 | 第4世代1相性の超低用量ピル。 エストロゲンの含有量が少なく、吐き気や頭痛などの副作用が出にくい。 |
| 成分 | ドロスピレノン、エチニルエストラジオール |
| 錠数 | 28錠(1シート) |
| 価格 | 1箱あたり2,583円~ |
| 商品詳細 | |
OC・LEP の効果は?
1. ドロスピレノン・エチニルエストラジオール配合錠を含む OC・LEP は PMS・PMDD の全般的な症状改善効果が期待できる.
2. 周期投与よりも連続投与の効果が期待できる
日本産科婦人科学会 女性ヘルスケア委員会|2023-2024 年度月経前症候群・月経前不快気分障害に対する診断・治療指針
SSRI(抗うつ薬)
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、脳内のセロトニン量を増やし、気分の安定をサポートする抗うつ薬です。
PMDDはホルモンバランスの変化によってセロトニン神経系が乱れ、感情の波が激しくなる症状とされています。
SSRIはこの状態を整え、落ち込みやイライラ、不安感など精神的な症状を改善する効果が期待されています。
また、PMDDの治療でSSRIを服用する場合は、うつ病などの治療と比べて低用量でも効果が現れやすいのが特徴です。
服用は、月経前の黄体期に限定した間欠投与でも効果が確認されており、症状が落ち着けば使用を中止できることもあります。
| 商品名 | ジェイゾロフト | レクサプロ・ジェネリック |
|---|---|---|
| 画像 | ![]() |
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| 特徴 | アメリカのファイザー社が開発したSSRIで、うつ病・不安障害・PTSDなどに使われる | SSRIの中でも副作用が少なめとされ、うつ病や社交不安障害の治療に使われる |
| 成分 | 塩酸セルトラリン | エスシタロプラムシュウ酸塩 |
| 錠数 | 30錠・90錠・150錠 | 100錠・200錠 |
| 価格 | 50mg 30錠 2,700円~ 100mg 30錠 4,050円〜 |
5mg 100錠 3,320円~ 10mg 100錠 3,800円~ 20mg 100錠 4,750円〜 |
| ボタン |
PMDDとは
PMDDは月経前不快気分障害とも呼ばれ、ホルモンの変化によって起こる心の不調、月経前にうつ病のような症状を発症するものと位置づけられています。
生理前の数日前から症状がでだし、生理が始まると消失したり症状が軽くなったりするのが特徴です
また、月経のある女性の一定数が悩んでおり、絶望感や焦燥感、孤独感に苦しむ人も少なくありません。
月の半分ほどがつらく「生きるのが苦しい」と感じることもあり、男性だけでなく女性同士でも理解を得られず、孤立感を深めてしまうケースも見られます。
PMDDは誰にでも起こり得る状態であり、決して本人の気持ちの弱さではありません。
PMDDの症状
PMDDの症状は、精神的なものと身体的なものに分けられ、その内容は多岐にわたります。
人によって現れる症状が異なるため、気づかれにくく、周囲に理解されづらいこともあります。
| 精神的な症状 | 身体的な症状 |
|---|---|
| ・些細なことでイライラする ・気分が落ち込みすぐ泣く ・不安や焦燥感が強くなる ・やる気が出ず無気力になる |
・頭痛やめまいが起こる ・胸の張りや痛みを感じる ・お腹の張りや吐き気がある ・体がだるく眠気が強くなる |
PMSとPMDDの違いは?
PMSとPMDDは、どちらも月経前に心や体の不調があらわれますが、症状の重さに違いがあります。
●PMS:イライラや頭痛など、日常生活に支障が少ないケースが多い
●PMDD:強い落ち込みや不安、怒りなどの精神的な症状が目立ち、日常生活に影響が出てしまうことがある
なお、PMDDは心の不調がとくに強いPMSともいわれています。
PMDDになりやすいひとの特徴
- ストレスに敏感で、環境の変化に弱い
- 気分の波が大きく、自分を責めやすい性格傾向がある
- 家族にうつ病など気分障害の既往がある
- 過去にトラウマなどの経験がある
- 日常的に不安感や孤独感を感じやすい
PMDDは、ホルモンの変化に対する心や体の敏感さが関係しているといわれています。
とくに排卵後の黄体期には、エストロゲンやプロゲステロンの濃度が変化するため、感情の調節が難しくなる傾向があります。
さらに、遺伝的素因や環境ストレスが組み合わさることで発症リスクが高まるともいわれているのです。
ただし、はっきりとした原因については、現時点では完全に解明されていません。
PubMed|卵巣抑制後の月経前不快気分障害の症状
PubMed|月経前不快気分障害患者における月経周期を通じたセロトニントランスポーター結合の増加
PubMed|月経前不快気分障害のリスクは、エストロゲン受容体α遺伝子であるESR1の遺伝的変異と関連している
PMDDがひどい人の特徴
責任感が強く、自分に厳しい性格の方は、日頃からストレスをため込みやすく、PMDDの症状が悪化しやすいといわれています。
また、過去にトラウマなどの経験をした方や喫煙・飲酒の習慣がある方も、ホルモンバランスが乱れやすく、PMDDのリスクが高いとされています。
このように、PMDDは心と体への負担が重なることで悪化しやすく、決して甘えや気持ちの問題ではないのです。
PMDD・診断【セルフチェックシート】
PMDDが気になる方は、以下のセルフチェックで当てはまる項目がないか確認してみましょう。
このチェックは、排卵後から生理が始まるまでに現れやすく、生理が始まると自然におさまる症状が対象です。
| セルフチェック項目 | ||
|---|---|---|
| ① | 気持ちが不安定になり、理由もなく涙が出てしまうことがある | □ |
| ② | いらだちや怒りが強く、家族や恋人とケンカが増える | □ |
| ③ | 気分が沈み込み、絶望感や自己否定が強くなる | □ |
| ④ | 不安や緊張が続き、リラックスできない | □ |
| ⑤ | 仕事や趣味への関心が薄れ、やる気が出ない | □ |
| ⑥ | 食欲が増したり、特定のものを無性に食べたくなる | □ |
| ⑦ | 寝すぎてしまう、または眠れなくなる | □ |
| ⑧ | 胸の張りや頭痛、むくみ、体重増加など体の症状が現れる | □ |
| ⑨ | 圧倒されるような感覚になり、自分で気持ちをコントロールできない | □ |
このような症状が複数当てはまる場合、PMDDが疑われます。
つらい症状が続く場合は、ひとりで抱え込まず、早めに婦人科や心療内科に相談してみましょう。
厚生労働省「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」では、PMS/PMDDの無料セルフチェックを用意しています。
「年代」「11個のチェックリスト」を答えるとPMDD診断結果がわかります。
病院受診を迷っている方は、是非試してみてください。
PMDDについてよくある質問
彼にどう接すればいい?と聞かれたらなんて伝える?
PMDDについて彼に相談する際は、症状が出やすい時期やそのときにしてほしいこと、控えてほしいことを具体的に伝えておくことが大切です。
たとえば「生理前は気分が落ち込みやすいから、見守ってほしい」と伝えてみましょう。
また「つらいときは返信が遅れるけど気にしないでほしい」といったお願いも、あらかじめ共有しておくと安心です。
事情を伝えておくことで、彼も状況を理解しやすくなり、お互いの気持ちの行き違いを防ぐことができます。
・生理がくる時期は○月○日頃が予定日だと伝え、リクエスト内容なども具体的に伝えてみましょう。
PMDDは婦人科と精神科どっちを受診?
PMDDについての相談は、婦人科、精神科、心療内科が選択肢となります。
ひとりで受診するのが不安な場合は、パートナーや友人に一緒に付き添ってもらうと心強いでしょう。
また、PMDDのときに感じた症状や出来事をメモにまとめて用意しておくと、医師に状況を伝えやすく、診察がスムーズに進みます。
PMDDを放置するとどうなる?
PMDDを放置すると、気分の落ち込みやイライラが強まり、仕事や学校、人間関係にも影響が出やすくなることがあります。
さらに、症状が続くことで自己嫌悪や無力感が積み重なり、うつ病などの精神疾患につながるケースもあります。
PMDDだから仕方ないとあきらめずに、心と体を守るためにも早めに医師へ相談することが大切です。
まとめ
PMDDは月経前のホルモン変動によって心と体に大きな負担を与える症状で、決してあなたの気の持ちようではありません。
「どうして私だけ」と感じることもあるかもしれませんが、つらさをひとりで抱え込む必要はないのです。
パートナーとの関係が不安なときも、気持ちを打ち明けて共有することで、心が少し楽になることがあります。
また、症状がつらい場合は医師に相談し、必要に応じて医薬品の力を借りることも検討してみましょう。




