生理や生理前に腰痛や吐き気、頭痛などといった症状が伴う月経困難症の方に処方されるヤーズ。
国内では月経困難症の治療薬として処方されていますが、低用量ピルのように避妊効果もあるのか気になりますよね。
ここではヤーズの効果や副作用、購入方法などを詳しく説明します。
ヤーズとヤーズフレックスの違い
ヤーズとヤーズフレックスは、服用方法や効果に違いがあります。
ヤーズは28日ごと、ヤーズフレックスでは120日間ごとに休薬期間があります。
ヤーズは月経困難症治療薬ですが、ヤーズフレックスは最長4ヶ月間月経を止められるので、月経困難症に加えて子宮内膜症の痛みの緩和のも効果的です。
また、ヤーズとヤーズフレックスには、同じ有効成分が配合されています。
ヤーズでも、有効成分配合の錠剤だけ服用して休薬期間をつくらなければ、ヤーズフレックスと同等の効果を得ることが可能です。
ヤーズの避妊効果はある?
ヤーズとヤーズフレックスには、避妊効果もあります。正しく服用していれば、服用中に妊娠することはありません。
有効成分に「黄体ホルモン(プロゲステロン)」と「卵胞ホルモン(エストロゲン)」が配合されています。
ホルモンバランスが保たれることで、身体が排卵の時期ではないと勘違いして、排卵が抑制されるのです。
しかし、日本ではヤーズは月経困難症治療薬、ヤーズフレックスは月経困難症治療薬と子宮内膜症の痛み緩和のみの承認です。
そのためヤーズフレックスの注意事項にも、以下のように避妊目的で使用しないことと記載されています。
8. 重要な基本的注意
8.1 本剤を避妊目的で使用しないこと。日本人における避妊目的での有効性及び安全性は確認されていない。参考:ヤーズフレックス配合錠
このように記載されているため、ヤーズやヤーズフレックスには避妊効果が無いとイメージが広まっているようです。
避妊効果はいつから?
ヤーズは7日間連続服用後、8日目から避妊効果があります。
しかし、飲み忘れてしまった場合などは避妊効果が薄れてしまうため、他の避妊方法を取る必要があります。
ヤーズは、生理がはじまって5日以内に服用を開始することが推奨されていますが、それ以外のタイミングでも開始することが可能です。
しかし、その場合も服用を開始してから1週間の間はコンドームなど他の避妊方法を行う必要があります。
正しく服用を続けている間であれば避妊効果が得られます。
また、服用を中止して2ヶ月ほど経過すれば、身体は元の状態に戻るので妊娠も可能です。
数年にわたってヤーズフレックスの服用を続けている方では、排卵や妊娠もしやすくなると考えられています。
休薬期間中の避妊効果
休薬期間中であっても、ほかのピルと同じように避妊効果は継続します。
しかし、休薬期間が延びたり、服用方法を守らなかったりすれば効果は得られません。
また、ヤーズやヤーズフレックスに避妊効果はありますが、感染症などは予防できません。
妊娠を希望しない目的の服用でも、コンドームの着用が推奨されています。
確実に避妊をしたいなら
ヤーズは海外では避妊効果があるとされており、避妊薬として認定もされていますが、残念ながら国内では認められていません。
そのため確実に避妊をしたいなら、国内でも避妊薬として認可されているマーベロンやトリキュラーなどの低用量ピルがおすすめです。
商品名 | マーベロン | トリキュラー |
---|---|---|
画像 | ||
製造元 | MSD | バイエル |
価格 | 1ヶ月分:2,000円~ | 1ヶ月分:2,180円~ |
特徴 | 第3世代/1相性 ニキビ治療薬として皮膚科でも処方されているピル |
第2世代/3相性 婦人科で最も多く処方されているピル |
ボタン |
ヤーズを飲んでて妊娠するケース
ヤーズを服用しているのにも関わらず、妊娠してしまったケースはあります。
ヤーズに限らず、避妊効果の高い低用量ピルを服用していても妊娠してしまうことはあります。
ピルを服用していても妊娠してしまうケースは以下の原因が考えられます。
ピルを飲み忘れた
ピルは毎日決まった時間に服用すると99.7%の避妊効果があります。
しかし、服用を忘れてしまうと、忘れた回数や時間によって避妊率は低下していき、避妊効果は92%まで下がると言われています。
つまり100人のうち8人は妊娠してしまうということです。
飲み忘れがあった場合は、その後7日間は必ずコンドームなどを使用して避妊するようにしましょう。
嘔吐や下痢をしてしまった
ピルは服用してから、体内に成分が吸収されるまでに2時間ほどかかると言われています。
そのため、服用してから2時間以内に下痢や嘔吐をしてしまうと成分が吸収されずに体外へ排出されてしまいます。
すると十分な効果が得られなくなり、避妊率も下がります。
下痢や嘔吐を繰り返してしまっているときは服用を中止するか、服用しつつも他の避妊方法を取るようにしましょう。
併用禁忌・併用注意薬と一緒に飲んだ
ヤーズには併用するとヤーズやその他の薬剤の効果を弱くするもの、反対に効果を強くし副作用を生じさせる薬剤があります。
ヤーズを服用中はこれらの薬剤を覚えておくようにしましょう。
併用注意薬 | |
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HIVプロテアーゼ阻害剤 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤 |
ヤーズの作用を減弱する恐れがある |
ラモトリギン モルヒネ サリチル酸 |
血中濃度を低下させる恐れがある |
副腎皮質ホルモン 三環系抗うつ剤 |
これらの薬剤の作用が増強する恐れがある |
参考サイト:医療用医薬品 : ヤーズ
その他にも併用するときに注意が必要な薬剤があるため、他の薬剤を服用する際は確認しておきましょう。
ヤーズの効果は避妊以外にも
ヤーズは国内において月経困難症の治療薬として認可された超低用量ピルです。
月経困難症とは、月経期間中に月経に伴っておこる病的な症状のことで、下腹部の痛みや腰痛をはじめ、頭痛、食欲不振、下痢などが起きます。
症状が重いとベッドから起き上がれなくなる方もいますが、そんな症状を、ヤーズの持つ「排卵を抑え子宮の内膜が厚くなるのを防ぐ」作用により和らげてくれます。
正しい服用方法
ヤーズやヤーズフレックスは、正しく服用することで効果が得られます。
どちらの医薬品も、服用開始は月経の第1日目からです。
それぞれの飲み方は、以下を参考にしてください。
ヤーズ
1周期分(1シート)で定められた順に従い、28日間毎日同じ時間に服用します。
出血の有無にかかわらず、29日目から次の周期分を服用してください。
終わればまた、同様に繰り返します。
25~28日目は成分が含まれていない偽薬のため、休薬期間となります。
ヤーズフレックス
1周期分(1シート)を24日間、出血の有無にかかわらず、毎日同じ時間に服用します。
25日以降に3日連続で出血(点状出血を含む)がある、もしくは服用が120日続いた場合は4日間休薬します。
休薬期間の翌日からは、出血にかかわらず連続服用を再開してください。
ヤーズの副作用は?
ヤーズの副作用としては以下が報告されています。
主な副作用
・吐き気
・不正子宮出血
・下腹部痛
・悪心
重大な副作用としてまれに血栓が起きる場合があります。
以下の症状が表れた場合はすぐに服用をやめ、医師に相談してください。
・突然息切れする、胸が痛い
・激しい頭痛
・四肢の麻痺、脱力
・うまく言葉を発せなくなる
・急に物が見えにくくなる
上記でヤーズの副作用について説明しましたが、ヤーズはピルの中でも一番成分量が少ない超低用量ピルなので、他の低用量ピルと比べても副作用が少なく安全性の高いピルとされています。
ヤーズを購入する方法
ヤーズを購入する方法は、病院か通販(個人輸入)のどちらかになります。医療用医薬品なので、薬局やドラックストアなどでは販売されていません。
今まではヤーズを購入するには通院が必要でしたが、近年ではオンライン処方が可能なクリニックも増えています。
通販の場合、スマホがあれば24時間いつどこでも購入が可能です。
現在は購入方法も手軽になっているので、ピルも使用しやすくなっています。
購入方法の比較
ヤーズを購入するには、海外通販を利用するか、病院で処方してもらうかの2通りの方法があります。
海外通販 | 病院処方 | |
---|---|---|
薬の価格 | 1シート(28錠)2,700円 | 1シート(28錠)2,500~3,100円 |
メリット | ・スマホやPCで簡単に注文可能 ・他の種類のピルと比較、検討できる |
・疑問や不安があれば医師に相談可能 |
デメリット | ・届くまで約2週間かかる | ・通院の手間がかかる ・病院により値段はばらつきがある |
一見どちらを利用しても金額的に大きな差は無いように見えますが、海外通販ならサイト内のキャンペーンやクーポンを利用することで、定価からさらに安く購入できます。
また、国内ではヤーズを避妊目的で処方してもらうことはできませんが、海外通販なら避妊目的でも月経困難症の治療目的でも関係なく購入できます。
スマホやPCで簡単に注文できるので、通院する手間をはぶくことができとても便利ですが、注文してから薬が手元に届くまで2週間かかるので、そのあたりを計算して注文しなくてはいけません。
病院処方なら疑問や不安があればすぐに医師に相談できるし、その場で薬を出してもらうことができますが、通院する手間が発生します。
また、避妊目的では処方してもらえないのと、病院によって薬の値段が違うので、高くついてしまう場合があります。
どちらもメリットとデメリットがあるので、自分に合った方法を選びましょう。
ヤーズは避妊目的では処方できない
ヤーズやヤーズフレックスは、国内のクリニックでは避妊目的で処方はできません。
日本では、どちらも月経困難症などの治療で承認されている医薬品です。
保険が適応されるのはヤーズが月経困難症、ヤーズフレックスは月経困難症や子宮内膜症の痛みの緩和などへの処方になります。
そのため、ヤーズやヤーズフレックスに避妊効果があっても、避妊が主な目的として処方できないのです。
ヤーズフレックスを通販で購入したい場合
残念ながら、ヤーズフレックスは個人輸入では購入できません。
しかし、同じ有効成分配合のヤーズであれば、個人輸入で購入可能です。
ヤーズでも、休薬期間をつくらずに有効成分配合の錠剤だけ服用を続ければ、ヤーズフレックスと同等の効果が得られます。
避妊効果を得ながら、最長120日間月経を止めることも可能です。