アフターピルは、避妊せずに性交渉をした後に避妊目的で服用する緊急避妊薬です。
病院で処方してもらうのが一般的ですが、時間や金銭に負担がかかってしまうため薬局で購入したいという方もいらっしゃると思います。
そこで本記事では、2023年現在日本国内の薬局でアフターピルを購入できるのかご説明します。
アフターピルは薬局で買える?
2023年現在、日本国内でアフターピルは市販されていません。
医師による処方が必要な処方薬に該当するため、薬局で市販薬として購入することはできないということです。
アフターピルは避妊して失敗してから72時間以内に服用することが大切です。
そのためすぐに病院を受診するか、または事前に海外通販で購入することをおすすめします。
また、病院では予備としてのアフターピルは処方してもらえないため、事前に備えておきたい方は、海外通販でしか備えることができません。
処方せんがあれば買える薬局も
アフターピルは市販薬ではないため薬局の商品棚に並ぶことはありませんが、処方せんがあれば購入できる薬局があります。
しかし、全ての薬局で対応しているわけではなく、処方せんの受付を行なっているツルハドラッグ、なの花薬局など一部の薬局の調剤店舗に限られていますので注意しましょう。
処方せんは病院を受診しなければ出してもらえませんので、まずはお近くの病院(婦人科など)を受診してください。
アフターピルの代わりになる市販品はある?
全ての避妊薬は、医師による処方せんが無ければ購入することができません。
そのため、避妊効果を得られる市販薬は存在せず、アフターピルの代わりになる薬は無いということです。
避妊せずに性交渉をしてしまった場合や避妊に失敗した可能性がある場合など、妊娠を望んでおらず急いで避妊をしたいのであれば、やはりアフターピルが必要になります。
市販薬を探しても該当する薬はありませんので、迷わずアフターピルを選んでください。
また、普段からしっかりと避妊をしておきたいという方は低用量ピルがおすすめです。


アフターピルはなぜ市販化されないのか
アフターピルの市販化に関して、厚生労働省や医師によってこれまでに何度も議論が交わされています。
これまでの議論では、気軽に手に入るようになると「知識不足の女性、特に若い世代の女性が悪用する恐れがある」として市販化が見送られてきました。
しかし2020年以降、アフターピル市販化に関する考え方が変わってきています。
昨今の新型コロナウイルス流行により在宅時間が増えたためか、10代の妊娠相談が増加していると言います。このような時代の変化に伴い、法改正に向けて流れが変わり始めました。
ただし現状は、「緊急避妊薬に関する専門の研修を受けた薬剤師が十分な説明の上で対面で服用させることを条件に、処方箋なしに緊急避妊薬を利用できるよう検討する。」と検討段階に過ぎません。
つまり法改正が行なわれても、薬剤師が常駐する薬局でなければ購入できないでしょう。
アフターピルは正しい知識で服用することが大切なため、市販化するのは難しいという結論に至ります。
海外における市販化状況
海外では、約90の国と地域で医師の処方せんが無くてもアフターピルを購入することができます。
レボノルゲストレルというアフターピルは、イギリス・ドイツ・フィンランド・インド・アメリカでは一般用医薬品として承認されており、処方せん無しで購入可能です。
ウリプリスタル酢酸エステルというアフターピルは、イギリス・ドイツ・フィンランドで一般医薬品に該当します。
しかし、イギリス・ドイツ・フィンランドといった国ではいずれも薬剤師による販売が必要で、イギリスでは16歳以上の年齢制限が設けられているため、誰でも自由に買えるというわけではありません。
日本と同様にシンガポールや韓国でも処方せんが必要ですが、処方せんが無くても購入できる国が増えている現状を考えると、日本はアフターピル後進国と言わざるを得ないでしょう。
海外を参考に薬剤師の関与や年齢確認といった制限を設ければ、日本でも処方せん無しで購入できるようになるかもしれません。
https://okusurinavi.shop/column/contraception1.php
市販化されるとどうなる?
アフターピルが市販薬化され、薬局で購入することができるようになることで、考えられる一番の要素は、「望まない妊娠をこれ以上増やさない」ということです。
現在、アフターピルは医師の処方がなければ購入できず、性行為後から72時間以内(できれば24時間以内が好ましい)に服用することで高い避妊効果が得られるという薬が一般的で、時間との兼ね合いで病院へ行くことができない方にとってはハードルが高いという一面がありました。
そこで薬局でも購入できるようにすることで、今までよりも多くの望まない妊娠を防げるといった期待があります。
地方の産婦人科では受診された方のプライバシーが守られない場合が多く、もしもの状況になったときに薬を処方してもらいづらいといった声も多くあげられているようです。
また、年末年始や休日などの病院の受付を行っていない期間にアフターピルの服用が必要になった場合には、避妊が間に合わないといったケースもあります。
そのような多くの状況を、アフターピルを市販薬化にすることで打破できるのです。
アフターピルはどこで買える?
日本国内でアフターピルを手に入れる方法は大きく分けて2パターンあります。
病院を受診して医師に処方してもらう方法と、個人輸入の海外通販で手に入れる方法です。ここからは、実際にアフターピルを手に入れる場合の購入方法や注意点をご説明します。
病院から処方してもらう
アフターピルは避妊薬のため、産婦人科や婦人科で処方してもらう方法が一般的です。検査や内診を受けずに問診のみで処方してもらえることがほとんどで、保険適用外のため保険証が無くても処方してもらえます。
また、近年ではオンライン診療によってアフターピルを処方してもらうこともできるため、病院を受診することへのハードルが下がってきています。オンライン診療であれば、お住まいの地域により異なりますが最短で翌日には手元にアフターピルが届きます。
これらを踏まえて、病院で処方してもらうのがおすすめの人は以下の通りです。
海外通販で購入する
アフターピルは海外通販でも購入することができます。病院で処方してもらうよりも価格が安いのが特徴で、5分の1程度の価格で購入できる薬もあります。
製品名 | 海外通販 | 病院 |
---|---|---|
ノルレボ(先発薬) | 1錠:3,320円 | 1錠:15,000~20,000円 |
ノルレボジェネリック | 1箱4錠入り:2,980円 | 1錠:10,000円前後 |
エラ・エラワン(海外製) | 1錠:4,950円 | 1錠12,000~25,000円 |
ただし、アフターピルは性交渉から72時間以内に服用しなければ十分な避妊効果が得られません。
近年では120時間以内の服用で効果が得られるアフターピルも販売されていますが、いずれにせよ3~5日以内の服用が必要です。
海外通販は、注文から手元に届くまでに数週間かかる場合もあるため、緊急時に注文したのでは間に合いません。
これらを踏まえ、海外通販での購入がおすすめの人は以下の通りです
アフターピルは女性の心強い味方
アフターピルは昔と比べて入手しやすくなっていますが、自分が処方してもらったアフターピルを他人に譲ったり(売ったり)、他人から譲ってもらう(購入する)ことは法律で禁止されています。
個人間でやり取りすることがないよう注意しましょう。
アフターピルをより気軽に購入できるように市販化を望む声は多く、時代の変化と共に有識者による議論も変化してきています。
望まない妊娠を防ぐことができますから、女性にとって心強い味方です。
また、アフターピルによる避妊は妊娠する前に手を打つ方法ですから、妊娠中絶を行なうよりも心身の負担を抑えることができるでしょう。
日本でも処方せん無しでアフターピルが購入できるようになるか、今後の動向に注目です。