超低用量ピルには避妊効果がないのは本当?妊娠するのか詳しく解説

超低用量ピル
ピルは日本の医療機関でも処方されており、主に避妊を目的として使用される医薬品です。
しかし、超低用量ピルは避妊効果がないという噂を耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際、海外では避妊薬として使用されており、高い避妊効果が期待できます。
では、なぜ超低用量ピルには避妊効果がないといわれているのか、詳しく解説していきます。

超低用量ピルの避妊効果に関する誤解と真実

海外では避妊薬として超低用量ピルの有効性が認められており、一般的に使用されています。
女性ホルモンを補充することで排卵を抑制し、子宮内膜の増殖を抑え月経困難症や子宮内膜症を改善します。

また、卵子の成長を止めることで受精卵の着床を阻止できるため、正しく服用すれば避妊の効果も期待できるのです。
病院によってはHPなどでも避妊効果があることは記載されています。

ではなぜ避妊効果がないと噂されているのか、ここからその理由について解説します。

避妊効果がないとされる根拠

現在日本では、月経困難症や子宮内膜症の治療薬として承認されており、多くの医療機関でも処方されています。

しかし、日本で超低用量ピルの避妊に対する臨床試験は実施されておらず、避妊目的での使用は認められていません。
そのため、海外では避妊薬として使用されていますが、日本では避妊目的では使用できないため、避妊効果がないのでは?といわれているのです。

以下超低用量ピルルナベルの注意事項です。

8. 重要な基本的注意
<効能共通>
8.1 本剤を避妊目的で使用しないこと。

医療用医薬品 : ルナベル

超低用量ピルの避妊確率

超低用量ピルの避妊率は、低用量ピルと同じ99.7%といわれています。

しかし、海外では避妊目的で広く使用されていますが、日本では避妊薬として認められておらず、医療機関でも避妊薬として処方されません。
WHOでも避妊目的では低用量ピルの使用を推奨しており、日本で避妊効果が認められるピルの中では、もっとも血栓症のリスクが低いとされています。

超低用量ピルとは

超低用量ピルとは、月経困難症や子宮内膜症の治療に用いられる医薬品です。
排卵の抑制や子宮内膜の増殖抑制作用により、子宮内膜症による痛みや生理痛などを軽減します。

ピルの中でも卵胞ホルモンの含有量が少ないため、副作用が起こりにくいとされています。
超低用量ピルに分類される医薬品の有効成分や特徴を簡単にまとめてみました。

ルナベル ヤーズ ジェミーナ マーシロン
画像 ルナベル ヤーズ ジェミーナ マーシロン
有効成分 ノルエチステロン

エチニルエストラジオール

ドロスピレノン

エチニルエストラジオール

レボノルゲストレル

エチニルエストラジオール

デソゲストレル

エチニルエストラジオール

特徴 超低用量ピルの中でもっともエストロゲンの量が少なく、
副作用が起こりにくい
成分量が均一で飲み間違いの心配がない 1シートに含まれるホルモンの量が一定した一相性ピル マーベロンと同成分
通販 取扱い無し 取扱い無し

低用量ピルとの違い

超低用量ピルと低用量ピルは、エストロゲンの含有量に違いがあります。

低用量ピルに含まれるエストロゲンの量をさらに少なくしたものが、超低用量ピルです。

また、低用量ピルはOCと呼ばれる避妊目的で使用される医薬品で、超低用量ピルはLEPと呼ばれる月経困難症や子宮内膜症の治療が目的で使用される医薬品です。

日本でも避妊薬として処方される「トリキュラー」や「マーベロン」は、低用量ピルに分類されます。

低用量と超低用量、どちらが避妊効果が高いか?

日本では超低用量ピルの避妊薬としての有効性が認められていないため、どちらが避妊効果が高いのかは明確にされていません。

ピル服用中は排卵が止まり、子宮内膜の増殖が抑えられるため妊娠することはほとんどありません。
低用量ピルを正しく服用していた場合の避妊率は99.7%と高く、避妊を目的とする場合は、低用量ピルの服用をおすすめします。

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エストロゲンの量でピルは分類される

ピルの主成分は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲストーゲン(黄体ホルモン)の2種類の女性ホルモンです。

1錠あたりのエストロゲン含有量によって、以下の表のように高用量から超低用量に分類されています。
高用量ピルは副作用のリスクが高いことから、現在は中用量・低用量・超低用量の使用が一般的です。

分類 エストロゲン含有量
高用量 1錠中50μgより多い
中用量 1錠中50μg
低用量 1錠中50μgより少ない(低用量ピルは30μg~35μg)
超低用量 1錠中30μgより少ない
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超低用量ピルの正しい服用方法

超低用量ピルの種類や症状によって服用方法が異なるため、使用する前に必ず服用方法を確認するようにしてください。
また、超低用量ピルは、7日間連続して服用することで効果を発揮します。

そのため、1週間は性行為を控えるまたは、そのほかの避妊法との併用をおすすめします。
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ルナベル服用方法

■月経困難症■
①1日1錠を21日間、毎日決まった時間帯に服用し、7日間休薬する
②29日目から出血の有無にかかわらず、次のシートを服用し始める
③その後、①・②を繰り返す

ヤーズフレックス服用方法

■月経困難症
<24日または120日ごとの4日休薬>
①1日1錠を24日間出血の有無にかかわらず、毎日決まった時間に服用する
②25日目以降に連続して3日間出血がみられた場合や120日間連続して服用空いた場合、4日間休薬する
③その後、出血の有無にかかわらず服用を開始する
④①~③を繰り返す

<28日周期>
④1日1錠を21日間、毎日決まった時間帯に服用し、7日間休薬する
⑤29日目から出血の有無にかかわらず、次のシートを服用し始める
⑥その後、①・②を繰り返す

■子宮内膜症に伴う疼痛の改善
①1日1錠を24日間出血の有無にかかわらず、毎日決まった時間に服用する
②25日目以降に連続して3日間出血がみられた場合や120日間連続して服用空いた場合、4日間休薬する
③その後、出血の有無にかかわらず服用を開始する
④①~③を繰り返す

いつから効果がある?

生理開始5日目以内に服用を開始する場合、卵子の成長を止められるため、服用した日から効果が期待できます。

しかし、100%避妊できるわけではないため、望まない妊娠を避けるためにも服用後7日間は、コンドームなどのピル以外の避妊法との併用が推奨されています。

血栓症に注意

超低用量ピルの重篤な副作用として血液が固まり血管が詰まってしまう「血栓症」が起こる場合があるため注意が必要です。
手足のしびれや息苦しさ、激しい胸の痛みなどの症状がみられる場合は、服用を中止し医療機関を受診してください。

また、飲み始めや体質によっては以下のような症状があらわれる場合があります。

・不正出血
・吐き気
・むくみ

これらの症状は一時的なもので、服用開始1~2ヶ月ほどで落ち着くことが多いです。

避妊に失敗する飲み方

超低用量ピルの効果を得るためには気を付けるべきポイントがいくつかあります。
以下のような飲み方をしている場合は、十分な効果を得られないため注意しましょう。

■飲み忘れた
ピルは服用し続けることで避妊効果を発揮します。
1日分を飲み忘れた場合は気づいた時点で服用し、2日分の飲み忘れの場合は前日分を含む2錠をまとめて服用します。
3日以上の飲み忘れの場合は避妊に失敗する可能性があるため、次の生理開始日から再度服用を始めてください。

■吐いてしまった
服用後3時間以内に吐き出してしまった場合は、成分が吸収されずに避妊効果が得られない可能性があるため、すぐにもう1錠を服用してください。

■ほかのサプリメントや薬と併用した
ピルの作用に影響を及ぼすサプリメントや医薬品の成分があるため、服用前に必ず確認をしましょう。

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避妊目的では処方してもらえない

超低用量ピルは月経困難症や子宮内膜症の治療薬として処方されており、保険が適用されます。
しかし、日本では避妊目的では承認されておらず、月経困難症などの治療目的以外では処方されません。

超低用量ピルを処方しているオンラインクリニックもありますが、保険適用外になる場合が多いため、事前に確認をしておく必要があります。
クリニック以外では個人輸入で、超低用量ピルを購入できます。

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個人輸入とは?

個人での使用を目的として海外の医薬品を購入することを「個人輸入」といいます。
個人輸入は医療機関を受診する必要がないため、診察代がかからず医薬品代のみで購入が可能です。

ただし、超低用量ピルは副作用として血栓症のリスクが高まるため、定期的な検査が必要になります。
また、初めて服用する場合は、医師へ相談したうえで使用するようにしてください。

個人輸入で購入できる超低用量ピル

個人輸入で購入できる超低用量ピルをご紹介します。

ヤーズ マーシロン ロエッテ ヤミニLS
画像 ヤーズ マーシロン ロエッテ ヤミニLS
有効成分 ドロスピレノン

エチニルエストラジオール

デソゲストレル

エチニルエストラジオール

レボノルゲストレル

エチニルエストラジオール

ドロスピレノン

エチニルエストラジオール

特徴 成分量が均一で飲み間違いの心配がない マーベロンと同成分 トリキュラー、ジェミーナ同成分 ヤーズのジェネリック
価格 最安値1周期:2,583円 最安値1周期:1,726円 最安値1周期:1,583円 最安値1周期:2,583円
通販

緊急避妊薬との違い

避妊薬の中には性行為後に服用する、緊急避妊薬(アフターピル)もあります。
その名の通り、緊急時に服用する避妊薬で、毎日服用するわけではありません。

超低用量ピルと緊急避妊薬は、それぞれ使い方に違いがあります。
超低用量ピルは毎日服用を続けることで避妊効果を発揮しますが、緊急避妊薬は避妊に失敗した場合、72時間以内に服用します。

そのため、避妊に失敗した際に超低用量ピルを1錠服用しても、避妊効果は発揮できません。
また、緊急避妊薬を服用するとホルモンバランスが大きく乱れ、身体に負担がかかるため、連続服用は避けてください。

避妊が目的なら低用量ピル

超低用量ピルは月経困難症や子宮内膜症の治療薬として多くの医療機関で処方されています。

しかし、海外では避妊目的として超低用量ピルが使用されていますが、現時点日本では未承認のため避妊目的としては処方されません。
そのため、避妊目的でピルを服用する場合は、日本でも避妊薬として処方されている低用量ピルがおすすめです。

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