痛み止めとして使用される筋弛緩剤ですが、使用しても症状がおさまらない人がいます。
そこで、もっとも効果の高い薬はどれなのか、強さランキングを調査しました。
薬の特徴と副作用についてもあわせて解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
筋弛緩剤の種類一覧
筋弛緩剤とは、筋肉の緊張をほぐす薬です。
- 肩こり
- 腰の痛み
- 手足のつっぱり
- こわばり
筋弛緩剤の種類には中枢性・末梢性の2つがあり、以下のような特徴があります。
・中枢性…主に肩こりや腰痛に使用
・末梢性…主に症状が重い麻痺や痙攣に使用
中枢性は脊髄の中枢シナプス反射を抑制することで筋肉を和らげます。
またシナプス反射にも多シナプスと単シナプス反射があり、作用する範囲や抑制力は薬により異なります。
多シナプスと単シナプスの両方を抑制する薬もあれば、多シナプス反射のみ抑制する薬もあるのです。
種類 | 医薬品名 | 成分名 |
---|---|---|
中枢神経系筋弛緩剤 | テルネリン | チザニジン |
ミオナール | エペリゾン | |
リンラキサー | クロルフェネシンカルバミン酸エステル | |
アロフト錠 | アフロクアロン | |
ギャバロン、リオレサール | バクロフェン | |
ロバキシン | メトカルバモール | |
末梢性筋弛緩剤 | ダントリウム | ダントロレンナトリウム水和物 |
エスラックス静注など | ロクロニウム臭化物 | |
スキサメトニウム注 | スキサメトニウム塩化物水和物 | |
ボトックスビスタ注 | A型ボツリヌス毒素 |
筋弛緩剤の強さランキングはある?
筋弛緩剤の強さを比較した研究はありません。
また、効き目の強さは症状や個人差にもより異なります。
そのためどれが一番強いのかランキングづけをすることはできません。
そこで代わりに「日経メディカル」を参考に、よく処方されている中枢性の筋弛緩剤のランキングを紹介していきます。
薬の特徴や成分、副作用などについてもあわせて解説します。
第1位:ミオナール
多シナプスと単シナプス反射を抑える中枢性筋弛緩薬。
もっとも処方されている薬「ミオナール」は筋肉のコリをほぐし、痛みをやわらげるお薬です。
脊髄の多シナプスと単シナプス反射に作用し筋肉を緊張させている神経をゆるめたり、血流を改善したりすることにより、コリやこわばりをとって痛みをやわらげます。
- 肩こり
- 腰痛
- 手足のこわばり
- くびこり
- 五十肩
- 頭痛
- つっぱり
商品名 | ミオナール | ミオナール・ジェネリック |
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有効成分 | エペリゾン塩酸塩 | エペリゾン塩酸塩 |
価格 | 50mg30錠:2,880円~ | 50mg100錠:4,950円~ |
特徴 | 筋肉の緊張の改善、緊張性の頭痛に効果的 | 大容量で、腰痛や肩こり、五十肩などに効果的 |
ボタン |
第2位:テルネリン
多シナプス反射を抑える作用が強く、単シナプス反射を抑える作用は弱い中枢性筋弛緩薬。
有効成分チザニジンにより、緊張による筋肉のつっぱりやこわばりを抑えます。
とくに腰痛に効果が高いとされ、ミオナールと比較した研究ではテルネリンの方が有用性が高かったという結果が報告されています。
- 肩こり
- 腰痛
- 痙性麻痺
- 脳血管障害
商品名 | テルネリン・ジェネリック |
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有効成分 | チザニジン |
価格 | 2mg100錠:4,750円~ |
特徴 | 過度な緊張した筋肉、肩こりや腰痛、四十肩などに効果的 |
ボタン |
第3位:ギャバロン、リオレサール
バクロフェンを主成分とするギャバロン、リオレサールは、とくに脳性麻痺や脳卒中の後遺症などの治療に使われます。
脳に疾患や障害がある場合、手足、背中、首の筋肉に力が入りすぎてしまうことで痛みが生じ、睡眠や呼吸、消化に悪影響を及ぼすことがあるのです。
バクロフェンは多シナプスと単シナプス反射を抑えることで、これらを改善することが期待できます。
第4位:アロフト
多シナプスと単シナプス反射の2つを抑える中枢性筋弛緩薬。
有効成分アフロクアロンにより緊張による筋肉のこわばりを改善し、痛みをやわらげることができます。
その他肩こり、五十肩、腰痛、手足のこわばり、痺れ、けいれん、緊張による頭痛などに効果的です。
- 肩こり
- 腰痛
- 神経痛
- 筋緊張状態の改善、痙性麻痺
商品名 | アフロクアロン |
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有効成分 | アフロクアロン |
価格 | 20mg100錠:3,900円~ |
特徴 | 筋肉痛や関節炎、肩こりや腰痛、五十肩などに効果的 |
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第5位:リンラキサー
多シナプス反射だけを抑える中枢性筋弛緩薬。
腰や腕、肩などの痛み、手足のツッパリやこわばりなどの症状を和らげます。
おもに椎間板ヘルニアや変形性脊椎症などによる痛みの治療にも効果的です。
また多シナプス反射だけを抑えるため、ほかの薬と比べて副作用が少ないことも特徴として挙げられます。
筋弛緩剤の購入方法
筋弛緩剤を購入する方法は、病院処方、市販、海外通販の3つです。
コスパや薬の種類、特徴などに差はあるのか調査し比較してみました。
おすすめの購入方法をご紹介します。
市販
筋弛緩剤は市販でも販売されており、薬局やドラッグストアでも購入が可能です。
医師や薬剤師の判断や指示が不要で、手軽に購入や服用ができます。
しかしその一方で、処方薬と比べると薬の成分の種類、含有量が異なり、効きめの早さや強さは低くなってしまうのです。
すでに市販薬を試したが効かなかった、痛みが強くより高い効果を得たいなどの場合は海外通販がおすすめです。
海外通販では、通販で手軽に処方薬と同じ医薬品を購入できます。
商品名 | コリホグス | ドキシン錠 |
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有効成分 | クロルゾキサゾン、エテンザミド、カフェイン水和物 | メトカルバモール、エテンザミド、トコフェロール酢酸エステル、無水カフェイン、ジベンゾイルチアミン |
価格 | 16錠:1,060円~ | 18錠:1,518円~ |
特徴 | 筋肉をゆるめて肩こりや四十肩、関節痛などに効果的 | 筋肉の異常緊張や、筋肉痛、五十肩などに効果的 |
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病院処方・海外通販
ランキングでご紹介した薬は病院で処方されますが、市販品よりも成分の含有量が多く、より高い効果を得られます。
すでに市販薬を試して効果がなかった場合は、病院で医薬品の処方を受けるのがおすすめです。
そして病院で処方される薬のなかには海外通販で購入できるものもあります。
海外通販は診察や処方箋も不要で、安く購入が可能です。
また医師や薬剤師によるサポートはありませんが、お薬なびでは服用方法や副作用などが商品ページで確認できます。
通院せずに手軽に入手したい、コスパ重視でお得に購入したい場合は海外通販がおすすめです。
筋弛緩剤が効かないときの対処法
筋弛緩剤が効かず痛みが引かない場合は、鎮痛剤や抗うつ剤の使用を検討してみるのもいいでしょう。
症状や成分などが自分に合っていれば効果的に働きかけ、痛みが引く可能性があります。
筋弛緩剤が効かないときに使用したい医薬品についてそれぞれご紹介します。
鎮痛剤
鎮痛剤の種類はさまざまですが、大きく分けてオピオイド鎮痛剤と非オピオイド鎮痛剤(NSAIDs)があります。
症状が軽い場合は、非オピオイドのイブプロフェンやロキソニン錠など、市販薬をつかって対処できます。
しかし市販の鎮痛剤が効かないほどひどい痛みには、ボルタレンやトラマドールなどの処方薬がおすすめです。
商品名 | ボルタレン(ボベラン) | トラマドール(TEVA) | トラムセットジェネリック | ボルタレンサポ |
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有効成分 | ジクロフェナクナトリウム | トラマドール | トラマドール、アセトアミノフェン | ジクロフェナクナトリウム |
価格 | 75mg100錠:3,300円~ | 50mg100錠:9,200円~ | 20錠:4,700円~ | 25mg50錠:4,200円~ |
特徴 | 鎮痛剤の中でも効き目が高く、即効性があるため症状を緩和したい方にオススメ | 慢性的な痛みや強い痛みを抑えたい方にオススメ | 副作用が気になる方や、他の痛み止めや強い痛みに悩んでいる方にオススメ | 即効性のある鎮痛剤で、痛みを和らげたい方にオススメ |
ボタン |
抗うつ剤
痛みの治療に抗うつ剤が使われることがあります。
抗うつ剤の中には脳内の神経伝達物質に作用することで痛みを和らげることができる薬があるのです。
たとえば片頭痛の予防にはアミトリプチリン、慢性腰痛にはサインバルタが有効な例があります。
それぞれの効果や特徴について下記よりまとめました。
商品名 | サインバルタ | サインバルタ・ジェネリック | トリプタノール・ジェネリック |
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有効成分 | デュロキセチン塩酸塩 | デュロキセチン塩酸塩 | アミトリプチリン |
価格 | 30mg28錠:4,050円~ | 20mg100錠:4,450円~ | 10mg100錠:2,300円~ |
特徴 | 慢性的な腰痛や中枢神経系の痛みを抑制してくれる | サインバルタと同等の効果があり、大容量で安く購入したい方にオススメ | 片頭痛の予防や痛みを和らげたい方にオススメ |
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筋弛緩剤の副作用
筋弛緩剤の主な副作用は下記の通りです。
・眠気
・めまい
・脱力
・吐き気
・嘔吐
・食欲不振
・腹痛
・下痢
・発疹
・かゆみ
とくに眠気やめまいは現れやすい症状です。
服用後は危険を伴う作業や運転などは控える必要があります。
また、まれにですが下記のような重篤な副作用を起こす可能性もあります。
・浮腫
・発熱
・呼吸困難
・水疱など
・スティーヴンス・ジョンソン症候群
(※皮膚粘膜がただれ、全身に水ぶくれや赤い斑点が出る症状)
重篤な副作用に当てはまらない場合も、副作用が強ければ使用を中止し医師に相談することをおすすめします。
ほかにも長期服用により肝機能に影響を与えてしまうこともあるため注意しましょう。
筋弛緩剤で動けなくなる?
過去に筋弛緩剤が犯罪に使われた例があり、筋弛緩剤に対して怖いイメージをもつ人もいるかもしれません。
しかし筋弛緩剤といっても種類は中枢性と末梢性の2つがあります。
使用が難しくリスクが伴うのは末梢性、本記事で紹介しているのは中枢性の筋弛緩剤です。
中枢性はおもに痛み止めに使われ、末梢性のように動けなくなってしまうなどの危険な副作用はありません。
テルネリン、ミオナールなどは整形外科などでもよく処方されている安全性の高い治療薬です。
筋弛緩剤に関するQ&A
筋弛緩剤の使用を検討している人に向けて、よくある質問をまとめました。
痛みを解消したいけれど副作用が不安、依存性が怖い、などさまざまな質問にお答えします。
ぜひ参考にしてみてください。
ミオナールとデパスはどう違うのか?
ミオナールとデパス、2つの違いを比較しました。
ミオナールが緊張した筋肉を和らげる作用のみを有するのに対し、デパスは筋肉を和らげるとともに不安や緊張を緩和する作用も持ちあわせています。
またミオナールには依存性はありませんが、デパスは依存性が強く副作用も重くなるところも違いのひとつです。
そのほかについてもそれぞれまとめました。
ミオナールは依存性がある?
ミオナールに依存性はなく、長期に渡る使用にも問題ありません。
肩こりや腰痛といった症状は慢性的な痛みに悩まされやすく、治療も長期に渡ることも多いです。
しかし依存性が高い薬は離脱症状が起こりやすく、自己判断での服用は危険が伴います。
ランキング1位のミオナールも、中枢に作用するため依存性がないか不安に思う人も多いです。
ですがミオナールには精神安定剤のような作用は含まれていないため、服用をやめることで離脱症状が起こる心配もありません。
筋弛緩剤はどんな症状に有効なのか?
筋弛緩剤は痛みや手足のつっぱり、しびれ、こわばりに有効です。
また、筋弛緩剤は中枢性と末梢性のふたつに分類され、作用も異なります。
それぞれどんな症状に有効なのか下記に詳しくまとめました。
肩こり
腰痛
頭痛
痙性麻痺
脳性麻痺
椎間板ヘルニア
変形性脊椎症
麻痺や痙攣の症状が重い場合
外科手術の全身麻酔との併用
おもに痛みを和らげるのに使われる中枢性は重篤な副作用が起きにくく依存性などもありません。
そのため多岐に渡る症状に有効です。
一方で末梢性は副作用などのリスクが伴うため、使用も厳しく制限されています。
たとえば症状の重い人の治療や、全身麻酔との痛み止めのとしての併用といった医療行為に末梢性は使用されています。
筋弛緩剤で筋肉が落ちるのか?
筋弛緩剤の服用が原因となり筋肉が落ちるということはありません。
筋弛緩剤は筋肉を緩める作用があるため、服用を続けることで筋肉が落ちるのではないかと思う人もいるでしょう。
しかし、筋弛緩剤は緊張した筋肉を「一時的に」緩めるものです。
一時的に筋肉を緩めたからといって、筋力がなくなることはありません。
これは市販薬に限らず医薬品でも同様です。
副作用で筋肉が落ちるという副作用は医薬品にも記載されていません。
自分に合う筋弛緩剤を見つけよう
症状が軽ければ市販薬で改善できますが、そうでない場合は医薬品を検討しましょう。
また、筋弛緩剤には複数の種類があります。
本記事を参考に、自分の症状や体質に合った筋弛緩剤をお探しください。