アフターピルは、避妊なしの性行為や避妊の失敗による妊娠を予防できる非常に優れた医療用医薬品です。
アフターピルは、避妊効果が高いと言われる一方で、具体的にどのくらいの確率で妊娠を回避できるの?と疑問に思う方も少なくないでしょう。
本記事では、アフターピルの避妊確率や避妊の成功率を高める方法などについて詳しく解説していきます。
アフターピルの避妊確率について
アフターピルは、望まない妊娠を防ぐために服用する緊急避妊薬です。
避妊確率・妊娠阻止率・妊娠確率はピルの種類によって異なりますが、いずれも早めに服用することで、高確率で妊娠を回避できます。
どのタイプの避妊薬を処方しているか婦人科によっても異なるため、処方されたピルの特徴なども把握しておくことが大切です。
アフターピルの避妊確率・妊娠阻止率・妊娠確率
アフターピルによる妊娠確率や避妊確率、妊娠阻止率の違いは分かるけど、避妊確率と妊娠阻止率は同じじゃないの?と思っている方はいませんか。
そこで、ここからは「避妊確率」「妊娠阻止率」「妊娠確率」について解説していきます。
それぞれ似た言葉ですが意味合いは異なりますので、しっかりと避妊をするためにも覚えておきましょう。
避妊確率
避妊確率とは、緊急避妊薬を服用して妊娠を回避できる確率です。
アフターピルの避妊確率は非常に高く、98%妊娠を防ぐことができるといわれています。
服用タイミングによって効果が異なり、性行為から時間が経過すればするほど避妊確率も低くなります。
正しく服用できれば避妊効果は高まりますが、100%妊娠を回避できるわけではありません。
そのため、避妊失敗のリスクもあるということを理解しておく必要があります。
妊娠阻止率
妊娠阻止率とは、妊娠する可能性が高い方がアフターピルを服用して、妊娠を阻止できる確率です。
日本国内のクリニックで処方される「ノルレボ」を、72時間以内に服用した場合の妊娠阻止率は85%といわれています。
先述のとおり、避妊確率はアフターピルを服用したすべての方に対して、妊娠を防ぐことができた割合です。
一方、妊娠阻止率は、妊娠しやすい排卵日付近で性行為をした方のうち、避妊に成功した確率のことを言います。
排卵日付近に性行為をした場合でも高確率で妊娠を阻止することができますが、100%防ぐことはできません。
そのため、妊娠を望まない場合は、必ずコンドームなどの避妊具を使用しましょう。
妊娠確率
妊娠確率とは、アフターピルを服用したにもかかわらず妊娠してしまった確率です。
性行為後24時間以内に服用した場合、妊娠確率は5%ほどです。
アフターピルには、排卵を抑制して排卵のタイミングを遅らせる作用があるため、排卵さえしなければ妊娠する確率は限りなく低いです。
ただし、妊娠確率が0%になることはなく、服用したにもかかわらず妊娠してしまう可能性もあります。
服用タイミングが早ければ妊娠率を大幅に下げられるため、なるべく早めに服用しましょう。
アフターピルの種類によっても避妊確率が違う
アフターピルには「レボノルゲストレル」と「ウリプリスタール酢酸エステル」を主成分とするピルがあり、避妊確率は大きく異なります。
ここからは、2種類の避妊確率の違いについて解説していきます。
レボノルゲストレルの避妊確率
レボノルゲストレルとは、2011年に日本初の緊急避妊薬として承認されたアフターピルの有効成分で、代表的な医薬品は「ノルレボ」です。
レボノルゲストレルは、排卵と受精卵の着床を抑制して妊娠を防ぐため、性行為から72時間以内に服用しなければいけません。
レボノルゲストレルによる避妊率は、性行為後12時間以内に服用した場合の避妊率は99%、72時間以内で84%のため、速やかに服用できれば避妊確率も高くなります。
また、レボノルゲストレルの妊娠確率は、72時間以内の服用で15%、72時間~120時間以内の服用で約40%となっています。
日本国内でも承認されているため、安全性の高さを求める方に適しています。
商品名 | ノルレボ | ナイピル | アイピル |
---|---|---|---|
画像 | |||
成分 | レボノルゲストレル | レボノルゲストレル | レボノルゲストレル |
効果 | 緊急避妊 | 緊急避妊 | 緊急避妊 |
副作用 | 吐き気、頭痛、消退出血 | 吐き気、頭痛、消退出血 | 吐き気、頭痛、消退出血 |
飲み方 | 性行為後の72時間以内に1回1錠 | 性行為後の72時間以内に1回1錠 | 性行為後の72時間以内に1回1錠 |
避妊率 | 84%(性行為後72時間以内の服用) | 84%(性行為後72時間以内の服用) | 84%(性行為後72時間以内の服用) |
ボタン |
ウリプリスタール酢酸エステルの避妊確率
ウリプリスタル酢酸エステルは、海外では一般的な緊急避妊薬「エラ」の有効成分です。性行為から72時間以内に服用した際の避妊確率は、97%と非常に効果が高いです。
72時間以内に服用しなければいけないノルレボに対して、エラは120時間以内に服用すれば避妊効果が十分に得られるとされています。
妊娠の可能性がある方が72時間以内に服用した場合の妊娠率は2.3%、120時間以内で1.3%と報告されています。
これらのことから、エラは性行為から72時間を超えてしまったという方に適しています。
商品名 | エラ | エラワン |
---|---|---|
画像 | ||
成分 | ウリプリスタール酢酸エステル | ウリプリスタール酢酸エステル |
効果 | 緊急避妊 | 緊急避妊 |
副作用 | 消退出血、吐き気、頭痛、胸の圧痛、経血量の増加 | 消退出血、吐き気、頭痛、胸の圧痛、経血量の増加 |
飲み方 | 性行為後の120時間以内に1回1錠を服用 | 性行為後の120時間以内に1回1錠を服用 |
避妊率 | 85%(120時間以内の服用) | 85%(120時間以内の服用) |
ボタン |
アフターピルを飲んでも避妊に失敗するケース
アフターピルは適切に服用できれば高確率で妊娠を予防できますが、100%ではないため中には妊娠してしまう方もいます。
ここからは、避妊に失敗するケースをいくつか紹介していきます。
避妊効果のある時間内に服用できなかった
1つ目の失敗原因は、「避妊効果がある時間内に服用できなかった」ことです。
アフターピルの効果は性行為からの経過時間が大きく影響するため、経過時間が長くなればなるほど避妊効果は低下していきます。
「婦人科が休診日だった」「薬を受け取るまでに時間がかかった」などの理由で、服用タイミングが遅れてしまうケースも少なくありません。
アフターピルを服用してから2時間以内に嘔吐した
2つ目の失敗原因は、「服用から2時間以内に嘔吐した」ことです。
アフターピル服用後2時間以内に吐いてしまうと、成分が体内に吸収されず、避妊効果が得られなくなってしまいます。
個人差はありますが、副作用として吐き気が起こる場合があると報告されており、我慢できずに吐き出してしまうケースも少なくありません。
購入したアフターピルが偽薬・粗悪品だった
3つ目の失敗原因は、「偽物・粗悪品だった」ことです。
近年、個人輸入代行サービスが普及し、海外医薬品やサプリメントを気軽に個人輸入できるようになりました。
悪質なサイトによる偽物や粗悪品も多く出回っているのも事実で、妊娠を回避できなかったケースもあります。
避妊効果を得られないだけでなく、健康被害を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。
アフターピルの効果を減退させるサプリや薬を併用していた
4つ目の失敗原因は、「避妊効果を減退させるサプリや薬を併用していた」ことです。
普段摂取しているお茶やサプリに「セイヨウオトギリソウ」が含まれていたことで、避妊効果が減弱し、妊娠してしまったというケースがあります。
また、以下の医薬品と併用したことによって避妊に失敗したという例も。
- 抗生物質
- 抗てんかん薬
- 精神刺激薬
- 抗結核薬
- 抗HIV薬
事前に配合されている成分をしっかり確認しておきましょう。
普段服用しているサプリメントや他の医薬品との飲み合わせが悪かった
5つ目の失敗原因は、「常用しているサプリメントや医薬品との飲み合わせが悪かった」ことです。
アフターピルには併用してはいけないサプリメントや医薬品があり、知らずに併用したことによって避妊に失敗するケースも少なくありません。
解熱鎮痛薬「アセトアミノフェン」や抗真菌薬「フルコナゾール・ボリコナゾール」などとの併用は相互作用を起こす恐れがあるため、十分に注意してください。
アフターピルを服用してから避妊せずに性行為をしてしまった
6つ目の失敗原因は、「アフターピルを服用してから避妊せずに性行為をおこなった」ことです。
アフターピルを服用したという安心感もあり、避妊なしで性行為をして妊娠してしまったというケースも多くあります。
排卵のタイミングが遅れることによって受精の確率が上がるため、避妊に失敗してしまうのです。
コンドームが破れてて精液が膣内にこぼれてしまった
7つ目の失敗原因は、「コンドームが破れていて精液が膣内にこぼれてしまう」ことです。
コンドームの破損が原因で、避妊に失敗するケースは珍しくありません。
非常に薄い素材で作られているため、爪が長いと装着時にコンドームに傷がつき、性行為中に破れてしまう恐れがあります。
また、使用期限が過ぎていたり、保管方法や保管場所が適していなかったりすると、劣化して破れる可能性が高くなります。
アフターピルで避妊に失敗しないためのポイント
アフターピルは、正しい使い方をすれば高確率で妊娠を防げる優れた医薬品です。
「性行為のあとに飲んだけど失敗してたらどうしよう」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
望まない妊娠を防ぐために、これから紹介するポイントを把握しておきましょう。
適切な時間・適切な用量用法を守って服用する
1つ目のポイントは、「適切な時間・用量用法を守る」ことです。
緊急避妊薬には時間制限があり、性行為から服用までの時間が経過するとともに避妊率は低下していきます。
ピルの種類によって異なりますが、72時間以内または120時間以内に1錠服用することで、受精や受精卵の着床を防ぎます。
避妊確率を高めたいからといって通常用量以上服用しても、効果が上がるわけではないため過剰摂取は避けましょう。
アフターピルを飲んだ後に性行為をしないこと
2つ目のポイントは、「アフターピル服用後の性行為は避ける」ことです。
基本的に、アフターピル服用後の性行為に対しての避妊効果はありません。
排卵の抑制作用によって排卵タイミングがズレるため、次の生理が来るまでは妊娠のリスクが高くなります。
避妊の成功が確認できるまで性行為を避けるもしくは、コンドームを使用しましょう。
正規のアフターピルを購入すること
3つ目のポイントは、「正規品を使用する」ことです。
個人輸入代行サイトは、日本の通販サイトと同じように医薬品を購入できるため、利用している方も増えています。
偽物を取り扱うサイトも存在するため、信頼できる安全なサイトなのか見極めることが重要です。
お薬なびでは、信頼の置ける製薬会社の安全な製品のみを取り扱っており、定期的な成分鑑定もおこなっているため、安心してご利用いただけます。
アフターピルを飲んでから嘔吐をしたら再度服用すること
3つ目のポイントは、「2時間以内に嘔吐した場合、再度服用する」ことです。
副作用によって服用後2時間以内に吐き出してしまった場合、速やかにもう1錠服用してください。2時間以内に嘔吐してしまうと、体内に成分が吸収されておらず、十分に効果が発揮できないためです。
また、嘔吐を予防するために、吐き気止めを飲んでおくこともおすすめです。
アフターピルを服用する際は、なるべく他のサプリや医薬品と飲み合わせしないこと
4つ目のポイントは、「サプリや医薬品との併用は避ける」ことです。
サプリや医薬品がアフターピルの効果に悪影響を及ぼす恐れがあるため、注意が必要です。
飲み合わせによって避妊効果が弱まってしまう恐れや、逆に効果が増強して副作用が強く出る場合もあります。
常用薬などがある場合は、必ず成分の確認をしてください。
アフターピルを服用してから避妊ができているかを確認する方法
避妊に成功しているかは、以下の方法で確認ができます。
ここからは、それぞれの確認方法について解説していきます。
避妊成功をどうやって判断するのかわからない方は、参考にしてみてください。
生理(月経)で確認
1つ目の確認方法は「服用後3週間前後に生理が来たか」です。
通常、服用後3週間前後に生理が訪れ、十分な経血量であれば避妊に成功したといえます。
アフターピルは大量の女性ホルモンを補充するため、ホルモンバランスが大きく崩れ、生理周期が乱れやすいです。
予定日よりも早まったり遅れたりする場合もありますが、数日のズレであれば問題はありません。
消退出血が出ているか確認
2つ目の確認方法は「消退出血が出ているか」です。
アフターピルによって、薄くなった子宮膜が剥がれ落ちることで少量の出血が2~3日続きます。
消退出血は避妊成功のサインとなり、早くて3日、遅くても3週間以内には出血がみられます。
消退出血がみられないケースも少なくなく、消退出血が来ないまま生理を迎える場合もあります。
妊娠検査薬を使って確認
3つ目の確認方法は「妊娠検査薬を使用する」です。
消退出血や生理が問題なく来れば、妊娠を阻止できたといえます。
ただし、子宮内膜が剥がれ落ちる「消退出血」と妊娠時に起こる「着床出血」の判断が難しいため、必ず妊娠の検査をおこないましょう。
出血の有無で判断せずに服用から3週間が経過したら、妊娠検査薬を使用するもしくは、婦人科を受診してください。
アフターピルに関する質問
ここからは、アフターピルに関する質問をQ&A形式でお答えしていきます。
アフターピルの避妊の成功率はどれくらいですか?
アフターピルは服用タイミングがとても重要で、正しく服用すれば非常に高い避妊効果が得られます。
性行為から72時間以内に服用すると、95%~99%の確率で避妊することができます。
避妊効果を十分に発揮させるためにも、適切な時間・用量用法を守って服用しましょう。
アフターピルを服用する際は早ければ早いほど避妊確率は上がりますか?
服用タイミングが早ければ早いほど、避妊効果は高くなります。
性行為後12時間以内に服用することで、99%の確率で避妊できるとされています。
ただし、時間の経過に伴いどんどん避妊効果は低下するため、24時間以内の服用が望ましいです。
アフターピルを飲めばほぼ確実に避妊ができますか?
アフターピルの避妊効果は非常に高いですが、100%妊娠を防げるわけではありません。
望まない妊娠を防ぐためにも、コンドームなどそのほかの避妊方法と併用してください。
生理が来たら避妊に成功したということですか?
服用後、3週間前後に生理が来れば避妊に成功したといえます。
予定日より1週間以上経過しても生理が来ない場合は、妊娠している可能性が高いため、妊娠検査薬または、産婦人科で検査をおこないましょう。
アフターピルの服用後に性行為をしたら妊娠する確率が上がりますか?
アフターピルの効果は5~7日間継続しますが、その後排卵が再開するため妊娠しやすくなります。
生理が来るまでは妊娠の確認ができないため、服用後に性行為をしてしまうと避妊に成功しているかの判断が難しくなります。
そのため、次の生理が来るまでは性行為を避けるか、コンドームなどで避妊をおこなってください。
アフターピルを服用するタイミングを教えてください
一般的に婦人科などで処方されるアフターピルは、性行為から72時間以内に服用しなければいけません。
服用までの時間が早ければ早いほど避妊率は高いため、なるべく早めに服用してください。
万が一、72時間を超えてしまった場合は、最大120時間効果を発揮するアフターピルを使用するとよいでしょう。
避妊失敗から1時間後に飲んだ場合の避妊確率はどのくらいですか?
避妊失敗から1時間後の服用であれば、避妊できる可能性は高いです。性行為後12時間以内に服用できれば、99%妊娠を防ぐことができるとされています。
ただし、アフターピルを服用しても避妊率は100%には届かず、妊娠してしまう可能性もあることは理解しておきましょう。
アフターピルを飲んだのにいつもの生理の予定日が来ないんですけど、これは避妊に失敗したということですか?
予定日を過ぎても生理が来ないケースもあります。
これは、アフターピルによってホルモンバランスが大きく崩れ、生理周期が乱れるためです。
数日のズレであれば問題はありませんが、予定日を1週間以上過ぎても生理が来ない場合は、妊娠検査薬での検査をおすすめします。
消退出血と生理の違いを教えてください
消退出血はアフターピル服用後2日~3週間以内に起こる出血です。アフターピルによって、薄くなった子宮内膜が剥がれ落ちることでおこります。
生理は、粘性がある多量の出血が3日以上続きますが、消退出血の場合は、サラサラした少量の出血が2~3日間続きます。
まとめ
アフターピルは、避妊なしの性行為や避妊に失敗した場合の緊急時に服用する避妊薬です。
性行為後の時間経過に伴い避妊効果は低下するため、速やかに服用することが妊娠を阻止するポイントとなります。
望まない妊娠を防ぐためにも、今回紹介した「避妊に失敗する例」や「失敗しないためのポイント」を押さえておきましょう。
また、お薬なびでは処方箋がなくても医薬品を購入できるため、もしもの時に備えてアフターピルを常備しておくことをおすすめします。