妊娠しやすい時期を「危険日」、妊娠しにくい時期を「安全日」として言われることがありますが、実際に危険日や安全日をしっかり把握していますか?
この記事では、危険日の計算方法や、万一避妊に失敗してしまったときの対処法や妊娠確率について解説しています。
危険日はいつのこと?
危険日とは、女性の生理周期の中で、最も妊娠しやすい排卵日の前後のことを指します。
妊娠する可能性が高いのは排卵日の6日前から排卵後の1日後で、特に妊娠しやすいのが排卵日の1~2日前と言われています。
つまり生理周期が28日の方の危険日は生理が始まってから8~15日間のことを言い、生理が始まって12~13日が特に妊娠しやすい時期です。
しかし、月経周期が28~35日と周期は人によってそれぞれ異なります。
自分の月経周期に合わせて計算したい方は以下の計算式を参考にしてみて下さい。
- 月経期:5~7日
- 卵胞期:生理が始まって1~14日
- 排卵期:生理が始まって14日前後(この6日前から排卵後1日後が危険日)
- 黄体期:生理が始まって14~28日
卵巣から卵子が放出される日。
生理周期が28日であれば、生理の約14日後に起こる。
危険日に避妊失敗してしまった場合、シャワーで膣をよく洗い流す・精子をかきだすなどしても妊娠は阻止できません。
唯一の方法となるのが、アフターピルによる避妊法です。
危険日を知る方法
確実に避妊するためには、危険日の性交渉を避ける必要があります。
その危険日を知る方法として、以下の3つを紹介します。
オギノ式計算方法
オギノ式計算方法とは、生理周期から14日を引くことで、生理の予定日から何日目に排卵が起こるのかを特定する計算方法です。
(生理周期)30日-14日=16日後
上記の通り、生理周期から14日を引くと「生理開始予定の16日後」を排卵日と予想できます。
危険日は排卵日の6日前から排卵後の1日後となるため、生理開始予定の8~15日間となります。
ただし、排卵日は前後2~3日ずれる可能性もあるため、それらも憂慮するようにしましょう。
生理周期 | 28日 | 29日 | 30日 | 31日 | 32日 |
---|---|---|---|---|---|
排卵日 | 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 18日 |
危険日 | 8~15日 | 9~16日 | 10~17日 | 11~17日 | 12~18日 |
最も妊娠しやすい時期 | 12~13日 | 13~14日 | 14~15日 | 16~17日 | 17~18日 |
基礎体温
排卵日を知るために基礎体温を測るのは有名な方法です。
基礎体温とは、朝目が覚めてすぐ、起き上がらずに眠っていた体制のまま測った体温のことです。
排卵期に近づくと基礎体温が下がるため、その前後を排卵日と予想します。
普通の体温計では微妙な体温の差が確認できないため、婦人用の基礎体温計を使用するのが確実です。
①朝目が覚めたら起き上がらず、眠っていた状態の姿勢で婦人用基礎体温計を取り出す
②口をあけ、体温計の先を舌の下側に入れる
③「36.50」「36.70」などのコンマ以下の数値まで日々記録を取り、変化を見る
排卵した後は高温期に入り、体温の高い期間が約2週間続きます。
2週間経過しても体温が下がらず高温期のままの場合は、妊娠の可能性があります。
排卵検査薬
尿の中に含まれている黄体ホルモンの量によって、いつ排卵が起きるかを予測する検査薬を「排卵検査薬」と言います。
通常妊活中の方が使うものですが、排卵を予測できるため危険日の予測にも役立つでしょう。
排卵期が近づくとLH値(黄体ホルモン)が徐々に上昇します。
排卵検査薬はこのLHを検査するもので、検査薬に尿をかける、浸すなどをして数分放置し、出てきたラインの色の濃さで排卵日を予測します。
検査薬は、排卵の3日ほど前から反応を始め、排卵が起こる1日前に最も線が濃くなります。
排卵検査薬はドラッグストアでも販売されているので簡単に手に入れることができますが、購入の際は薬剤師の説明が必要となります。
当サイトでも排卵検査薬の取り扱いがあります。
排卵検査薬 5個:1,900円~ |
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危険日の妊娠の確率は?
危険日に中出し等避妊せずに性交渉した場合、1周期あたりの妊娠の可能性は年齢にもよって異なります。
年齢 | 1周期あたりの確率 |
---|---|
20代 | 25~30% |
30~34歳 | 25~30% |
35~39歳 | 約18% |
40~44歳 | 約5% |
もし今妊娠を望まないなら、危険日の性交渉は避けるか、避妊効果の高いピルやコンドームを使用してしっかりと避妊対策を行うことが重要です。
安全日による妊娠しにくい時期はいつ?
安全日とは、性行為を行っても妊娠しにくい時期のことを言います。
安全日の定義は、オギノ式と呼ばれる方法だと「次回の生理予定日の7日前」として計算します。
例えば、生理が28日周期の人だと、前回の生理開始日から21~28日目が安全日ということになります。
卵子は通常、前回の生理開始日から14日後に排卵するとされており、24時間しか生存しません。
そのため、排卵から24時間以上経過した21~28日目なら安全だと判断します。
オギノ式はもともと不妊の人を救いたいと願った荻野久作医師により、妊娠しやすい期間を導き出すためのものとして研究、発表されました。
それをオーストラリアの医師が逆転させて避妊法として使用したのが始まりのため、100%確実に避妊できるわけではありません。
また、排卵は健康な人でも1~3日のズレがおきるため、前回の生理から割り出した安全日が必ずしも安全とは言えず、絶対に妊娠しないということはありません。
生理前(黄体期)の妊娠確率は?
生理前は黄体期と言い、妊娠に備えて子宮内膜を厚くする時期で、妊娠はしずらいです。
ですが、これも安全日と同様に妊娠する確率は0~5%はあります。
また、排卵の周期がズレてしまっている可能性もあるため、安全日と言い切れる日は実は1日もありません。
危険日による避妊失敗の事前対策と対処法
性行為は愛情を確かめ合うための行為であると共に、子孫を残す行為でもあります。
子供を望んでいない場合は避妊が必要ですが、パートナーがコンドームを使用しなかった、コンドームが破れてしまった等によって、避妊に失敗することもあります。
それが妊娠する可能性の高い危険日だと、子どもができる確率がさらに高くなってしまいます。
ここでは危険日に避妊に失敗しないように、事前対策と対処法を説明します。
まだ避妊に失敗していない人はアフターピルを事前準備しておくと安心
最も妊娠しやすいとされている危険日には性行為を行わないのが一番ですが、もし性行為を行う場合は、必ずコンドームを使用するなどをして避妊を行いましょう。
コンドームは正しい使用を行うことで、約85%の避妊率が期待できる避妊具です。
しかし、実際には使用方法が間違っていたり、使用中に破れてしまったりとさらに避妊率が低くなる可能性があります。
もし、危険日やそれ以外の日でも避妊に失敗した場合、アフターピルでの避妊をおすすめします。
アフターピルとは、避妊に失敗してしまった性行為の後からでも避妊ができる緊急避妊薬のことです。
性行為後72時間以内に服用することで、98%の高い効果が期待できます。
病院で処方してもらえますが、事前の処方は対応していないため、前もってアフターピルを用意しておきたい方は海外通販での購入となります。
既に避妊に失敗している人はすぐに病院へいきましょう
既に危険日に性行為をして避妊に失敗してしまった人は、すぐに病院へ行ってアフターピルを処方してもらいましょう。
アフターピルは、性行為後から服用までの時間が短ければ短いほど、高い効果が期待できる避妊薬のため、なるべく早めに服用してください。
自分の危険日がよく分からないという人は「オギノ式計算方法」で紹介していますので、自分の危険日と実際に性行為を行った日を照らし合わせてみると良いでしょう。
病院でアフターピルを処方してもらうまでの流れや費用
アフターピルを病院で処方してもらうまでの、流れや費用は以下のとおりです。
流れ | 補足 |
---|---|
①来院・受付 | – |
②問診表の記入 | – |
③検査 | 血液検査・尿検査・血圧測定など |
④医師の診察 |
最終生理日はいつなのか 避妊に失敗した性行為をした日時はいつか 来院したのはその性行為から何時間後なのか その他、アフターピルの飲み方や注意点について医師から説明があります。 |
⑤アフターピルの処方 | – |
⑥会計 | – |
費用 | |
---|---|
交通費 | 変動 |
診察代 | 初診2,000円~5,000円前後 再診500円~1,000円前後 |
配送料 | – |
アフターピル | 10,000円~20,000円前後 |
支払い方法 | 現金・クレジットカード |
上記のように、アフターピルを処方してもらうまでの流れは、どの病院も同じような流れとなります。
場合によっては検査が必要になることもありますが、アフターピルは保険が効かないため、全額自己負担となります。
また、病院でアフターピルを処方してもらう際、親にバレないか心配という人もいますが、保険が効かない自己負担のため、保険証の利用履歴からバレることはありません。
しかし、クレジットカードなどで支払った場合、明細書などでバレてしまう可能性があります。
アフターピルの親バレに関する詳しい内容は、以下の記事で紹介しております。
危険日に起こる体調の変化
危険日とされる排卵期は、ホルモンの変化が急激におこる時期です。
卵を育て、排卵の準備のために増えていた「エストロゲン」が、排卵後には分泌量が減り、代わりに体温を上げる作用のある「プロゲステロン」が分泌されます。
この急激なホルモンの変化によって身体に負担がかかり、むくみや冷え、腰痛、眠気やだるさを感じる人もいます。
先ほど説明したオギノ式や基礎体温の計測、排卵検査薬などの方法と一緒に覚えておくと良いでしょう。
排卵期特有の症状
排卵期には、排卵によって起こる特有の症状があります。
精子を受け入れやすくするためにおりものの量が増えます。
・粘り気のあるおりものが出るようになる
精子を受け入れやすくするために、粘り気のあるおりものが出るようになります。
・排卵痛(下腹部や子宮周辺の痛み)
卵子が排出される際に、卵胞が破れてしまい、血液と卵胞液が流れ出て腹膜を刺激、お腹や下腹部に痛みが出ます。また、排卵の時期は少し卵巣が炎症を起こしている状態なので、お腹が張るような痛みや、子宮周辺に痛みを感じることがあります。
・出血
卵胞が破れた際に、血液が流れ出たものが「出血」という形で現れますが、不正出血とは違い病気ではないので安心してください。しかし、血液の量が多い出血は病気の可能性があるので、すぐに婦人科へ相談に行きましょう。
頭痛やめまいなど生理痛に似た症状
人によって起きる症状は様々ですが、排卵日に生理痛と似た以下の症状が表れる場合があります。
・吐き気
・冷え
・肌荒れ
・便秘
・胸の張り
先ほど紹介したオギノ式の計算方法と照らし合わせ、毎月同じタイミングで似たような症状が表れる場合は、危険日のサインと読み取って良いでしょう。
上記のような症状が現れるのは、いずれもホルモンバランスの変化によるものなので、あまり無理せず体調がすぐれない時は安静にして休みましょう。
妊娠を望まないなら避妊しよう
妊娠する可能性の低い安全日でさえ、妊娠してしまう可能性はゼロではありません。
今現在妊娠を望んでいない場合は、性交渉を行うたびに不安にならないようしっかりと避妊を行いましょう。
低用量ピルを服用する
「今日は安全日だからOK・・」「今日は危険日だからNG・・」と生理周期に振り回されることから解放されたいなら、低用量ピルの服用がおすすめです。
低用量ピルは正しく服用することで99%避妊することができ、PMS(月経前症候群)やニキビの改善、生理周期を安定させるなど避妊以外にも多くのメリットがあります。
また低用量ピルは基本的に病院での処方となりますが、毎月かかる費用は2,400円ほど。
年換算だと28,800円と痛い出費になってしまうため、費用を抑えて避妊したい場合は海外通販サイトでの購入がおすすめです。
トリキュラー | マーベロン | ヤスミン | |
---|---|---|---|
画像 | |||
主成分 | レボノルゲストレル エチニルエストラジオール |
デソゲストレル エチニルエストラジオール |
ドロスピレノン エチニルエストラジオール |
世代と相性 | 第2世代/3相性 | 第3世代/1相性 | 第4世代/1相性 |
特徴 | 自然なホルモンバランス 国内クリニックでも処方 |
ニキビでお悩みの方 国内クリニックでも処方 |
月経困難症でお悩みの方 国内クリニックでも処方 |
コンドームをつける
コンドームは男性性器に装着するだけで使用できる手軽さから、避妊方法として定着しています。
装着方法や装着するタイミングなど正しい方法で使用すると85%の確率で避妊効果を得られますが、間違った方法で装着してしまうと、行為中に脱落したり、精液が漏れる、コンドーム自体が破れるなどのトラブルを引き起こし、避妊に失敗する可能性があるので正しく装着することが大切です。
コンドームは性器同士を直接接触させないことから、性病予防効果も期待できるため、性交渉のたびに毎回使用することをおすすめします。
99%の避妊率を誇る低用量ピルと合わせて使用すると、ほぼ完璧な避妊効果が期待できます。
商品名 | 早漏防止コンドーム | カーマスートラピンクドットコンドーム | メガマックスコンドーム |
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画像 | |||
価格 | 1箱:2,100円~ | 1箱:1,800円~ | 1箱:1,650円~ | 特徴・効果 | 男性性器への刺激や感覚が鈍くなり、通常よりも射精までの時間を引き延ばす効果があります。 | コンドームの外側(女性器側)にピラミッド状の突起があるため、普段では得られないような刺激を与えられます。 | コンドームの内側(男性器側)にベンゾカインが塗布されている為、早漏防止効果が期待出来ます。 |
ボタン |
避妊器具をつける
低用量ピルのように毎日継続して薬を服用したり、コンドームのように性交渉の際に使用するなど煩わしいことが一切ない避妊をしたい場合は、避妊器具を付けるという方法もあります。
子宮内に、直接合成樹脂やプラスチックでできた小さな避妊器具を入れる方法で、IUS(子宮内避妊システム)とIUD(子宮内避妊用具)の2種類があります。
どちらもクリニックで装着してもらう必要がありますが、1度装着すると最長5年避妊効果を発揮してくれます。
低用量ピルとは違い副作用のリスクがなく、避妊効果も99.8%とほぼ100%に近い効果があります。
危険日に関する気になる質問
ここでは、危険日に関する気になる質問をご紹介します。
危険日だけどコンドームをして性交渉したから問題ない?
危険日でもコンドームなど避妊をしていれば妊娠の確率は下がりますが、確実に妊娠しないとは言い切れません。
避妊しても妊娠してしまった方の中には、コンドームを使用した方が多数います。
一口にコンドームをしたといっても、最後の射精時だけ使用した・途中で破けてしまったなどさまざまなケースが想定できます。
不安な場合はアフターピルを服用するか、日頃から低用量ピルを服用することを推奨します。
参考:10代の人工妊娠中絶についてのアンケート結果から|日本産婦人科医会
危険日(排卵日)付近にアフターピルを飲んでも意味がない?
アフターピルは、主に排卵しないようにする作用によって妊娠を阻止しています。
そのため、避妊効果がより高くなるのは排卵前の服用といわれています。
すでに排卵している状態だと意味がないのか?と思う方もいるかもしれませんが、排卵後の服用でも効果は期待できます。
アフターピルは、排卵抑制以外にも以下の作用によって妊娠を阻止します。
- 受精卵の着床を阻害する
- 子宮内の粘液の質を変えて精子の侵入を防ぐ
しかし、服用のタイミングがいつであっても、性交渉後なるべく早く服用しなければ高い効果は期待できません。
服用の際はとにかく早く服用することを覚えておきましょう。
危険日っていつですか?その日「1日」だけが危険日ということでしょうか?
危険日とは、妊娠する可能性の高い時期のことを言い、通常排卵日の6日前から排卵後の1日後と言われています。そのため、1日だけが危険日というわけではありません。
妊娠しづらい期間っていつですか?
妊娠は精子と卵子が出会って受精、着床しないと起こりません。
そのため、排卵が起こったものの、受精をしなかったため不必要となった子宮内膜を体の外へ排出する生理の前や生理中、生理直後が妊娠しづらい期間です。
安全日なら妊娠はしませんか?
安全日とは、排卵が終わり受精する可能性が低くなった期間のことを言います。
通常28日周期の場合だと、前回の生理開始日から21~28日が安全日ということになりますが、安全日だからといって絶対に妊娠しないわけではありません。
健康な人でも排卵のタイミングが1~3日ズレることがあるため、安全日でも避妊はきちんと行いましょう。
周期に関わらず避妊すると安心
女性の生理周期の中で最も妊娠しやすい「危険日」と、妊娠の可能性や確実に避妊できる方法について説明しましたが、いかがだったでしょうか。
避妊は男性まかせにしておくと、いざ失敗した時に女性だけが苦しい思いをする可能性があります。
自分やパートナーの未来を大切にする意味でも、危険日や安全日に関わらず、普段から自分に合った方法で避妊を行いましょう。