利尿剤の強さランキング|選び方や安全に服用する方法も解説

むくみや心不全、高血圧などさまざまな症状の改善に使用されている利尿剤。

今回は、そんな利尿剤の強さをランキング形式でご紹介します。

効果の高い利尿剤が欲しい方、利尿剤の服用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

ランキング

利尿剤の強さの比較

利尿剤で1番効果のあるものがどれなのか、気になる方が多いのではないでしょうか。

利尿剤の利尿作用・降圧作用の強さについて、以下の表にまとめてみました。

ループ利尿薬 チアジド系(サイアザイド系)利尿薬 カリウム保持性利尿薬 バソプレシンV2受容体阻害薬
利尿作用 強い やや強い 弱い 強い
降圧作用 弱い 強い やや強い ほぼない
代表的な薬 ・ラシックス(フロセミド)

・ルプラック(トラセミド)

・ダイアート(アゾセミド)

・ダイクロトライド(ヒドロクロロチアジド)

・フルイトラン(トリクロルメチアジド)

・ベハイド(ベンチルヒドロクロロチアジド)

・アルダクトン(スピロノラクトン)

・トリテレン(トリアムテレン)

・ソルダクトン(カンレノ酸カリウム)

・サムスカ

参考:利尿薬を正しく使いこなそう 腎疾患における処方の基本|第55回日本腎臓学会学術総会
参考:利尿薬を使い分ける|第110回日本内科化学会講演会

利尿剤の種類一覧|違いや特徴を詳しく解説しています
利尿剤はむくみの改善や心不全、高血圧などの疾患に服用される薬です。そんな利尿剤の種類や違いについて本記事では分かりやすく、詳しく解説しています。

利尿剤の強さランキングは?

利尿剤は症状や疾患によって、さまざまな利尿作用や降圧作用があるため、どれが1番強いかについては決めるのが難しいと言えます。

そのため、今回はナトリウム利尿薬の利尿作用の強さに重点を置き、以下をランキング化しました。

それぞれの特徴や効果、代表的な薬についても詳しく解説していきます。

利尿薬の服用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

第1位:ループ利尿薬

ループ利尿薬は利尿作用が強く、即効性に優れているのが特徴です。

血液中に溜まった余分な水分や老廃物を排出するため、むくみを改善するデトックス効果を期待できます。

ラシックス

ラシックス
75錠:1,200円~
有効成分 フロセミド
副作用 脱力感、めまい、倦怠感、のどの渇き
服用方法 1日40~80mgを1~2回服用
入手方法 病院処方

ラシックスは強力な利尿剤であり、有効成分が腎臓に作用して尿量を増やす働きをします。

そのため、体内にある余分な水分や老廃物などを尿と一緒に排出するため、短時間でむくみの症状を改善できます。

ただし、乱用による依存性や健康被害のリスクが高いため、2019年に個人輸入代行での販売が規制されました。

そのため、現在では病院でのみ処方される医薬品です。

ルプラック・ジェネリック

ルプラック・ジェネリック
100錠:2,250円~
有効成分 トラセミド
副作用 倦怠感、頭痛、めまい、血液障害
服用方法 1回5mgを1日1回服用
入手方法 病院処方、海外通販

ルプラック・ジェネリックはループ利尿薬の中でも利尿作用が最も強く、ラシックスの10~30倍ほどと言われています。

また、ラシックスと比べて効果の即効性・持続性に優れており、高い効果を期待できます。

利尿作用が強い場合、水と一緒にカリウムも排出されますが、ルプラック・ジェネリックは他のループ利尿薬と比べてカリウムの排出量が少ないのが特徴です。

第2位:チアジド系(サイアザイド系)

チアジド系(サイアザイド系)はむくみや血圧の改善が期待できますが、利尿作用はループ利尿薬と比べて緩やかです。

ヒドロクロロチアジド・ジェネリック

ヒドロクロロチアジド・ジェネリック
100錠:1,800円~
有効成分 ヒドロクロロチアジド
副作用 発疹、ふらつき、めまい、食欲不振
服用方法 1回25~1000mgを1日1~2回服用
入手方法 病院処方、海外通販

有効成分ヒドロクロロチアジドを含むチアジド系の利尿薬です。

腎臓に作用して尿細管での水分や塩分の再吸収を抑え、尿量を増やしてむくみを改善します。

また、血液中の余分な水分を排出するため、血圧を下げる効果が期待できます。

第3位:カリウム保持性利尿剤

カリウム保持性利尿剤は、他の利尿剤と比べて利尿作用は弱いですが、カリウムを保持するため副作用の低カリウム血症になりにくいのが特徴です。

スピロノラクトン(アルダクトン)

スピロノラクトン(アルダクトン)
28錠:3,400円~
有効成分 スピロノラクトン
副作用 悪心、食欲不振、性欲減退、女性型乳房
服用方法 1日1錠を服用
入手方法 病院処方、海外通販

アルダクトンのジェネリック医薬品。尿細管での水分の再吸収を抑制して尿量を増加させます。

体内にある余分な水分やナトリウムが排出されるため、むくみや血圧を改善する効果があります。

ハイレス

ハイレス
100錠:4,980円~
有効成分 スピロノラクトン
副作用 悪心、食欲不振、性欲減退、女性型乳房
服用方法 1日1錠を服用
入手方法 病院処方、海外通販

ハイレスは抗アルドステロン薬に分類される利尿・降圧剤で、尿中へのカリウム排出を抑える効果があります。

アルドステロンの働きを抑えて、水分やナトリウムが尿細管で再吸収をされるのを防ぎます。

余分な水分を尿として排出するため、血圧やむくみの改善が可能です。

番外編:バソプレシンV2受容体阻害薬

バソプレシンV2受容体阻害は利尿作用が強い医薬品ですが、先ほど紹介した3つの利尿剤とは作用が異なります。

体内にある余分な水分だけを排出するため、むくみの改善に効果的です。

トバプタン(サムスカジェネリック)

トバプタン(サムスカジェネリック)
12錠:7,100円~
有効成分 トルバプタン
副作用 頭痛、めまい、口渇、血圧上昇
服用方法 1日1回、7.5mgから服用
入手方法 病院処方、海外通販

トバプタンはバソプレシンの働きを抑えて水分の再吸収を抑制します。

ナトリウムやカリウムは残して余分な水分だけを排出するため、むくみの改善に効果が期待できます。

ただし、効果が強く脱水症状のリスクがあるため、他の利尿剤で効果を得られなかった場合に使用しましょう。

利尿剤の購入方法

ランキングで紹介した利尿剤は、市販品と比べて効果が高いため、病院処方でのみ入手可能です。

市販品を試して効果を実感できなかった方は、より効果の高い利尿剤を病院で処方してもらうと良いでしょう。

処方薬の中には、実は海外通販で手軽に購入できるものがあります。

海外通販であれば、自宅でネット注文できるため、通院する手間や診察費などがかからず手軽に入手可能です。

通院したくない方や手軽に試したい方には、海外通販での購入がおすすめです。

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利尿剤の選び方

利尿剤は効果の強さや持続時間、副作用のリスクなどが異なります。

利尿剤の選ぶポイントについて、詳しく解説していきますのでぜひ参考にしてみてください。

作用の長さで選ぶ

作用時間の長さで選ぶ場合、以下の利尿剤がおすすめです。

商品名 ヒドロクロロチアジド・ジェネリック トラプレス
画像 ヒドロクロロチアジド・ジェネリック トラプレス
有効成分 ヒドロクロロチアジド トラセミド
持続時間 約12時間 約4~6時間
価格 100錠:1,800円~ 100錠:2,530円~
ボタン

とくに、ヒドロクロロチアジド・ジェネリックは持続時間が12時間あり、持続的な利尿作用が期待できます。

そのため、少ない錠数で効果を期待でき、コストパフォーマンスに優れています。

利尿作用の強さで選ぶ

以下の3つの利尿剤は、高い利尿作用が期待できるためおすすめです。

商品名 サムスカジェネリック(トバプタン) ルプラック・ジェネリック ムクミトール
画像 トバプタン(サムスカジェネリック) ルプラック・ジェネリック ムクミトール
有効成分 トルバプタン トラセミド トラセミド
価格 12錠:7,100円~ 100錠:2,250円~ 100錠:2,200円~
ボタン

利尿作用が強いものが欲しい方は、ループ利尿薬またはバソプレシンV2受容体阻害薬を選ぶと良いでしょう。

ループ利尿薬は即効性にも優れており、むくみをすぐに改善したい方におすすめと言えます。

バソプレシンV2受容体阻害薬は最も利尿作用が強いですが、脱水症状のリスクがあるため注意しましょう。

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副作用で選ぶ

利尿剤を服用するにあたって、低カリウム血症などの副作用が心配な方は、以下のカリウム保持性利尿剤がおすすめです。

商品名 スピロノラクトン錠 ハイレス スピロノラクトン(アルダクトン)
画像 スピロノラクトン錠 ハイレス(利尿・降圧剤) スピロノラクトン(アルダクトン)
有効成分 スピロノラクトン スピロノラクトン スピロノラクトン
価格 20錠:2,000円~ 100錠:4,980円~ 28錠:3,400円~
ボタン

利尿作用は他の利尿剤と比べて緩やかですが、カリウムの排出を抑えるため低カリウム血症のリスクが低いです。

また、急激な利尿作用がないため外出先でも問題なく服用することができます。

利尿剤の危険性

注意点

利尿剤は血圧やむくみを改善しますが、長期的な服用は以下の副作用を引き起こす可能性があります。

服用を検討している方はぜひご覧ください。

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腎臓への負担

利尿剤は、体内にある余分な水分やナトリウムを尿として排出してむくみを改善しますが、脱水を引き起こす可能性があります。

体内の水分が過度に不足してしまうと、腎臓の血流が低下するため、腎臓に負担がかかり腎機能を悪化させます。

とくに、高齢者や高血圧の方の場合は、腎機能が低下している可能性があるため服用には注意が必要です。

腎臓への負担を最小限に抑えたい方におすすめ

腎臓への負担を最小限に抑えたい方は、以下を参考に選ぶと良いでしょう。

ループ利尿薬>バソプレシンV2受容体阻害薬>カリウム保持性利尿剤>チアジド系(サイアザイド系)

利尿薬の中でも、腎臓への負担が少ないのはループ利尿薬です。

ループ利尿薬は利尿作用が強いですが、降圧作用が弱く持続時間も短いため、他の利尿剤と比べて腎臓の負担を抑えることができます。

むくみや血圧は改善したいけど腎臓への負担は抑えたいという方におすすめです。

低血圧

低血圧とは血圧が低い状態で、失神やめまいなどの症状を引き起こします。

低血圧の原因はさまざまありますが、医薬品によっても起きる場合があるため注意が必要です。

利尿剤の服用によって体内の水分が不足して脱水状態になると、血液量が減って血圧が低下するため低血圧になります。

服用する場合は、水分補給をこまめにおこない、低血圧にならないように注意しましょう。

低血圧の方におすすめ

以下は、低血圧が気になる方におすすめの利尿剤の順番ですので参考にしてみてください。

チアジド系(サイアザイド系)>ループ利尿薬>カリウム保持性利尿剤>バソプレシンV2受容体阻害薬

チアジド系(サイアザイド系)は、ループ利尿薬よりも利尿作用が低く、カリウム保持性利尿剤よりも降圧効果が低いです。

そのため、過度な水分不足にならず血圧の低下を防ぐことができ、低血圧が心配な方におすすめです。

低ナトリウム血症

利尿剤の服用によって、ナトリウムやカリウムなどが過剰に排出されて、血液中のナトリウム濃度が減り低ナトリウム血症を引き起こす場合があります。

主な症状は、吐き気や頭痛、倦怠感などがあり、悪化すると意識障害やけいれん、昏睡を起こす可能性があるため注意が必要です。

低ナトリウム血症が気になる方におすすめ

以下は、低ナトリウム血症を起こしにくい順番ですので、ぜひ参考にしてみてください。

バソプレシンV2受容体阻害薬>>ループ利尿薬>カリウム保持性利尿剤>チアジド系(サイアザイド系)

低ナトリウム血症が心配な場合は、ナトリウムやカリウムを排出しないバソプレシンV2受容体阻害薬を選ぶと良いでしょう。

低カリウム血症

低カリウム血症とは、血液中のカリウム濃度が低下して呼吸困難や不整脈、脱力感などの症状を引き起こします。

利尿剤を服用すると、体内にある水分やカリウム、ナトリウムが排出されて血液中のカリウムが低下します。

また、利尿剤は低カリウム血症の原因となることが多く、手足のだるさや麻痺、こわばりなどの症状がある場合は注意が必要です。

低カリウム血症が気になる方におすすめ

低カリウム血症が気になる方は、以下を参考にして利尿剤を選びましょう。

カリウム保持性利尿剤>バソプレシンV2受容体阻害薬>チアジド系(サイアザイド系)>ループ利尿薬

カリウム保持性利尿剤は、水分とナトリウムは排出しますが、カリウムの排出量を抑制する作用があります。

そのため、副作用の低カリウム血症を起こしにくく、低カリウム血症が心配な方におすすめです。

利尿剤を安全に服用する方法

利尿剤を安全に服用するためのポイントについて、詳しく解説していきます。
これから利尿剤を服用する方は、ぜひチェックしてみてください。

用法用量を守る

用法用量を守り服用しましょう。

より効果を得るために1日の最大摂取量を超えて服用する方がいますが、用量を超えて服用しても効果が強まることはないため注意しましょう。

また、用法用量を守らない場合、副作用が増強される可能性があり危険です。

少ないmgから服用してみる

初めて利尿剤を服用する場合は、少ない用量から服用して、副作用が出ないか成分が体に合っているかなどを確認しましょう。

例えば、10mgの錠剤をハサミやピルカッターなどで半錠にすると5mgになります。

効果や副作用を確認しながら、自分に合った用量で服用することが大切です。

水分補給をしっかりとする

利尿剤は体内の水分を排出することでむくみや血圧を改善しますが、過度の水不足により脱水症状や便秘を引き起こす恐れがあります。

そのため、利尿剤を服用する場合は水分補給をこまめにおこないましょう。

また、脱水症状から低血圧につながることもあるため、強い口の渇きや立ちくらみなどの症状が出た場合は経口補水液で水分補給してください。

よくある質問

Q&A

利尿剤についてよくある質問をまとめてみました。興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

Q1.ループ利尿薬で最強の薬は?

ループ利尿薬の中には、ラシックス・ダイアート・ルプラックがありますが、最も作用が強いのはルプラックです。

また、ルプラックには抗アルドステロン作用があり、他のループ利尿薬と比べてカリウムを保持するため低カリウム血症のリスクが低いです。

Q2.フロセミドとラシックスは同じ薬ですか?

フロセミドは成分名、ラシックスは製薬会社がつけた商品名で効果に違いはありません。

どちらもループ利尿薬に分類されており、期待できる効果や副作用は同等です。

Q3.ラシックスとサムスカの違いは?

ラシックスとサムスカはどちらも利尿剤ですが、以下の点が異なります。

・作用メカニズム
・低ナトリウム血症、低カリウム血症のリスク

ラシックスは体内の水分と一緒にナトリウムやカリウムも排出しますが、サムスカはナトリウムやカリウムを残して水分のみ排出します。

そのため、サムスカはラシックスと比べて、低ナトリウム血症と低カリウム血症のリスクが低いのが特徴です。

自分にあった利尿剤を見つけよう

利尿剤はそれぞれの特徴や効果の強さ、持続時間、副作用などから自分に合ったものを見つけることが大切です。

また、用法用量を守り、副作用の対策をすることで安全に服用することができます。

市販薬で効果を実感できなかった方、利尿剤の服用を検討している方は、ぜひランキングを参考にしてみてください。

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