パニック障害や強迫性障害といった不安障害の治療のひとつとして、薬による治療があります。
しかし、治療薬の種類が多く、自分に合った薬が分からないという方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、不安障害の治療に用いられる抗不安薬の効果の強さを、ランキング形式でご紹介します。
不安障害に使われる薬について
不安障害の治療薬として用いられるのは、主に「抗不安薬」と「抗うつ薬」の2種類です。
- 即効性があり効果が強い。
- その分副作用が強く依存性がある、耐性がつきやすいなどの特徴も。
⇒抗不安薬ランキングを見る
- 即効性は無いが、依存性がなく安全に服用しやすい。
- 不安障害の第一選択薬として処方される。(例.SSRIなど)
⇒不安障害に効果のある抗うつ薬を見る
一般的に日本で不安障害と診断、処方される抗不安薬は大きく2種に分かれます。
①ベンゾジアゼピン系抗不安薬:不安を抑え、日本処方の多くがこちら。
ベンゾジアゼピン受容体を刺激し、脳の緊張を抑制することで不安や緊張を改善する効果があります。
②セロトニン1A部分作動薬:不安、うつ、睡眠障害を和らげる薬。
①のベンゾジアゼピン系に比べ依存性が少ない分、効果が薄いのがデメリット。
このように副作用に関してメリット・デメリットがあるため、両者の特徴をきちんと理解した上で使用しましょう。
抗不安薬の強さランキング
抗不安薬の強さは、作用時間の長さや症状への効き目の強さによって分類されます。
代表的な抗不安薬を、作用時間と効き目の強さに着目してまとめました。
- 短時間型:3~6時間
- 中間型:12~20時間
- 長時間型:20~100時間(最大4日)
- 超長時間型:100時間~(4日以上)
商品名 | 分類 | 効果 |
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グランダキシン | 短時間型 | 非常に弱い |
デパス | 短時間型 | 強い |
リーゼ | 短時間型 | 弱い |
レキソタン | 中間型 | 強い |
ワイパックス | 中間型 | 強い |
ソラナックス/コンスタン | 中間型 | 中程度 |
セルシン/ホリゾン | 長時間型 | 中程度 |
セパゾン | 長時間型 | 強い |
リボトリール/ランドセン | 長時間型 | 強い |
メイラックス | 超長時間型 | 中程度 |
本記事では、このなかでも特に効果の強い抗不安薬5つをランキング形式でご紹介します。
ただし、効果が強ければ強いほど依存性が高く副作用も現れやすいとされているため、
初めて服用する方や副作用が心配な方は、有効性・安全性の高い抗うつ薬から服用してみることをおすすめします。
第1位:ランドセン(リボトリール)
※出典:QLife
有効成分 | クロナゼパム |
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薬の分類 | 長時間型 |
効果のピーク | 1~8時間 |
持続時間 | 20~100時間 |
主な副作用 | 眠気、ふらつき、喘鳴、興奮など |
眠気 | 弱め |
抗てんかん薬としても用いられるランドセンは、身体の緊張をほぐすことで不安を和らげ、心をリラックスさせる薬です。
催眠作用があるため、眠気やふらつきといった副作用には注意が必要です。
効果が強い割に比較的安全とされていますが、それでも長期服用で依存が形成されやすいため連用にはご注意ください。
第2位:ソラナックス(コンスタン)
※出典:QLife
有効成分 | アルプラゾラム |
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薬の分類 | 中間型 |
効果のピーク | 1~3時間 |
持続時間 | 12時間~20時間 |
主な副作用 | 眠気、ふらつき、口の渇き、倦怠感など |
眠気の強さ | 中 |
抗不安作用に優れた薬で、発作的な不安感に襲われる方によく処方されます。
即効性がありつつ、眠気やふらつきといった副作用は抑えられているため使いやすい薬です。
ただし、効果を持続させるために1日数回服用すると依存しやすくなるためご注意ください。
第3位:ワイパックス
※出典:QLife
有効成分 | ロラゼパム |
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薬の分類 | 中間型 |
効果のピーク | 1~3時間 |
持続時間 | 12時間~20時間 |
主な副作用 | 眠気、ふらつき、頭痛、吐き気など |
眠気の強さ | 中 |
即効性のある抗不安作用と、比較的マイルドな副作用が特徴の薬です。
ただし、眠気やふらつきが絶対に現れないというわけではありませんので、車の運転は禁止されています。
また、肝臓に負担がかかりにくいため、肝臓を患っている方の抗不安薬として処方されることがあります。
第4位:デパス
※出典:QLife
有効成分 | エチゾラム |
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薬の分類 | 短時間型 |
効果のピーク | 1時間未満 |
持続時間 | 3~6時間 |
主な副作用 | 眠気、ふらつき、頭痛、吐き気など |
眠気の強さ | 強め |
抗不安作用や催眠作用、筋弛緩作用によって心と身体をリラックスさせる薬です。
身体の緊張を伴う不安障害や、不眠症にお悩みの方に効果が期待できます。
強い効果が期待できる反面、持続時間は短く効果を得るために連用してしまいがちな薬です。
実際にデパスの乱用で依存症など精神疾患になってしまった症例は数多く報告されているため、慎重に使用する必要があります。
第5位:レキソタン
※出典:QLife
有効成分 | ブロマゼパム |
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薬の分類 | 中間型 |
効果のピーク | 1~3時間 |
持続時間 | 12~20時間 |
主な副作用 | 眠気、ふらつき、口の渇き、発疹など |
眠気の強さ | 中 |
脳の活動を落ち着かせるGABAの働きを高めることで、心と身体をリラックスさせる薬です。
強迫性障害など、不安感が特に強い方に処方されることが多く、SSRI抗うつ薬と併用されることもあります。
不安障害に効果のある抗うつ薬
不安障害の治療には、多くの場合抗不安薬だけでなく抗うつ薬による治療も行なわれています。
抗不安薬ほどの即効性はありませんが、2週間ほど継続して服用することで効果を実感できるようになります。
個人輸入(海外通販)でも購入可能なため、「通院が大変」「忙しく病院へ行けない」など事情があって通院できない方にもおすすめです。
商品名 | レクサプロ | ジェイゾロフト | サインバルタ | パキシル | イフェクサー |
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画像 | |||||
口コミ | ★4.3(口コミ数121件) | ★4.3(口コミ数105件) | ★4.3(口コミ数88件) | ★4.2(口コミ数72件) | ★4.3(口コミ数63件) |
有効成分 | エスシタロプラム | セルトラリン | デュロキセチン塩酸塩 | パロキセチン | ベンラファキシン |
特徴 | 特に社会不安障害の方向き よく処方される |
パニック障害の方向き よく処方される |
気力低下にも効果あり | パニック障害 強迫性障害の方向き |
特に社会不安障害の方向き |
副作用 | 眠気、吐き気 | 吐き気、めまい、眠気 | 倦怠感、頭痛 | 眠気、吐き気 | 眠気、吐き気、腹痛 |
価格 | 100錠:3,320円~ | 30錠:2,700円~ | 100錠:4,450円~ | 28錠:4,500円~ | 28錠:3,320円~ |
詳細 |
不安障害の症状ごとに向いている薬が異なるため、上記の表を参考にしてください。
なかでもよく処方されているのはレクサプロ、ジェイゾロフトといった抗うつ薬です。
通販でも処方薬と同等の薬が購入できるため、気になる方は各商品の詳細をご確認ください。
抗不安薬の選び方
抗不安薬には作用時間の長さや効き目の強さ、副作用の種類などそれぞれ特徴があります。
効き目が強いからといって、必ずしもご自分の症状に適しているとは限りません。
ここからは、抗不安薬の選び方の一例をご紹介します。
症状の強さで選ぶ
抗不安薬は効き目の持続時間による違いがあり、症状によって適したタイプが変わります。
→【即効性がある短時間型】がおすすめ
(例:リーゼ、デパス、グランダキシンなど)
ただし、短時間型は依存形成しやすいため、服用量や回数にはご注意ください。
→【短時間型~中間型】がおすすめ
(例:リーゼ、デパス、ソラナックス、ワイパックスなど)
一時的な強い不安感を抑えるために短時間型を飲むなど、即効性と作用時間の長さのどちらを重視するかによって選ぶことができます。
→【長時間型~超長時間型】がおすすめ
(例:セルシン、リボトリール/ランドセンなど、もしくはSSRIなどの抗うつ薬)
長時間型は1度の服用で効果が長続きしますが、眠気やふらつきなどの副作用がなかなか抜けない可能性もあるためご注意ください。
症状にあわせて選ぶ
抗不安薬には、抗不安作用の他にも催眠作用、筋弛緩作用、抗けいれん作用といった効果があります。
そのため、不安以外の症状に合わせて選ぶという方法もあります。
→【催眠作用】のある抗不安薬がおすすめ
(例:デパス、レキソタン、ワイパックス、セルシン/ホリゾンなど)
→【筋弛緩作用】のある抗不安薬がおすすめ
(例:レキソタン、セルシン/ホリゾン、デパスなど)
持続時間で選ぶ
その日の予定やそのときの不安の強さに応じて、持続時間で抗不安薬を選びたいという方もいらっしゃると思います。
ここでは持続時間での選び方をお伝えします。
→【短時間型~中間型】の抗不安薬がおすすめ
(例:リーゼ、デパス、グランダキシンなど)
短時間型〜中間型は持続時間が短い一方で即効性に優れており、一時的な症状の緩和に効果を期待できます。
ただし、効果が短いことで服用回数が多くなるため依存性が高くなる傾向にあります。
常用を避けることで依存性を感じる確率は激減するため、不安が強いときだけ飲む(頓服)をおすすめします。
→【長時間型~超長時間型】がおすすめ
(例:セルシン、リボトリール/ランドセンなど)
セルシン、リボトリール/ランドセンといった薬は持続時間が長いことが特徴です。
身体に長い時間薬が留まるため、副作用が出やすい傾向にあります。
その一方で身体から薬が抜けていくのが比較的穏やかなので、離脱症状(依存)が起こりにくいというメリットもあります。
副作用&依存性で選ぶ
抗不安薬に多いベンゾジアゼピン系の薬は、長期的に服用すると依存しやすい傾向があります。
このような副作用や依存が心配な方は、効果がマイルドな分、依存性も低いグランダキシン(トフィソパム)がおすすめです。
グランダキシン(トフィソパム) 100錠:4,750円~ |
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また、依存性がほとんど無い抗うつ薬も選択肢のひとつとなります。
抗不安薬は通販で購入できる?
抗不安薬は効果が強い反面、依存性などのリスクもある薬です。
そのため、ほとんどの薬は薬局・国内通販はもちろん、海外通販も輸入規制によって購入できません。
・ランドセン
・ソラナックス
・デパス
・リーゼ などほとんどの薬が該当
これらの抗不安薬は、心療内科などを受診すれば処方してもらうことができます。
しかし、通院できない事情がある方は、抗不安薬でも効果がマイルドなトフィソパムや抗うつ薬であれば海外通販で購入可能です。
商品名 | グランダキシン | レクサプロ | ジェイゾロフト |
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分類 | 抗不安薬 | 抗うつ薬 | 抗うつ薬 |
有効成分 | トフィソパム | エスシタロプラム | セルトラリン |
特徴 | マイルドな効き目で安全性◎ | 特に社交不安障害におすすめ | すべての不安障害に有効 |
価格 | 100錠:4,750円~ | 100錠:3,320円~ | 30錠:2,700円~ |
購入 |
抗不安薬が効かない場合
抗不安薬では効果が現れない場合は、他の作用機序の薬に切り替えることをおすすめします。
ここでは他の作用機序の薬と、薬以外で日常生活に取り入れられる改善方法をご紹介します。
抗不安薬の代替品
抗不安薬のほとんどを占めるベンゾジアゼピン系の薬は耐性が付きやすいという特徴があるため、次第に薬が効きにくくなってしまう傾向があります。
このような場合には、SSRIなどの抗うつ薬、SDAなどの統合失調症の薬に切り替えることで症状を抑えられることがあります。
薬以外の対処法
カフェインレスを心がける
カフェインは脳を緊張状態にする化学物質です。
これを摂取し続けることで不安、抑うつのほか下痢や頭痛といった副作用をもたらします。
この副作用はパニック障害や不眠症、うつ病の方々の症状を悪化させてしまいます。
カフェインレスを心がけ、「ノンカフェインの飲み物を飲む」「カフェインの入った飲み物の飲む量を減らす」ことを心がけましょう。
生活習慣を整える
「早寝早起きをする」「食事を決まった時間にとる」などを心がけ、生活習慣を整えることで不安を軽減する効果が期待できます。
不安障害の要因の1つとしてストレスがあげられますが、自身のストレスの原因と思われる場所から距離を置いて休める環境作りをすることも大切です。
本記事でご紹介した方法も参考に、不安障害の症状を改善へと導きましょう。
まとめ
不安障害にはさまざまな症状があり、人それぞれ症状の強さは異なります。
抗不安薬にも作用時間や効き目の種類に違いがあるため、症状や体質によって治療薬の選び方も異なるのです。
ただし、抗不安薬の多くは依存性に注意が必要な薬です。自己判断で服用せず、まずは医師に相談することをおすすめします。