日本人のピル使用率は低い?海外との驚くべきその差

ピルの役割は

ピルは大きく分けて低用量ピルとアフターピルに分けられます。

どちらとも避妊薬としては用法用量を守って正しく服用していれば9割近い避妊率を誇るほか、低用量ピルには生理痛や月経前症候群(PMS)を和らげるという女性にはありがたい効果を有しています。

避妊目的というよりも、生理痛や月経前症候群といった女性特有の症状を抑えるために、普段から低用量ピルを常備する女性が増えています。

今回は、日本における、ピルの使用率に焦点を当ててご紹介していきたいと思います。

日本での使用率はわずか1~3%!?

1960年代に米国でピルが初めて開発されて以来、欧米では独身・既婚問わず女性の半数近くがピルを使用していたようです。

その後も使用率は先進国では増加の一途をたどり、平成25年に行われた国連の調査によると、フランスで約40%、ドイツで約37%、英国で約28%、また米国でもおよそ16%の女性がピルを使用していることがわかりました。
※欧米では避妊というとコンドームよりもピルが主流になっているようです。

一方、日本はというと、服用率はわずか1~3%を推移しており、他の先進各国と比較すると圧倒的に少ないことがわかります。

なぜ日本のピル使用率が低いのか?

数字にも表れている通り、日本でのピル使用率は他の先進国と比べて非常に低いといえます。

1つ目のピルが普及しない理由としてあげられるのは、ピルの副作用です。

ピルと他の医薬品や漢方薬、サプリメントとの相互作用に関する相談が多いようで、抗結核薬などの長期間の治療が必要となる医薬品との併用は問題があるものの、風邪薬や短期間治療で使用される医薬品であれば心配はないようです。

医薬品ということで、構えてしまい過敏に副作用を気にされてる方が多いのですね。

また2つ目の理由は日本でピルの認可が遅れたことでしょう。

欧米では1960年代から広く浸透していたにもかかわらず、日本では90年代後半に入ってから認可を受けるという、なんと開発から30年以上経過した後でのことでした。

そのため、いまだピルについて正しい知識が世の中で認知されず、一部では日本はピル後進国とも呼ばれているんだとか…。

しかし、ピルの避妊効果やその他の効果についてはWHO(世界保健機関)も推奨しているほどで、いまや主流となる避妊方法はピルであることは世界の常識となりつつあります。

日本ではピルに対して知識を持っている方が未だ少なく、欧米と反して日本ではピルを避妊以外での目的で使用される機会はとても少ないのは事実です。

ピルがどういったお薬なのかということを、日本国内の女性が知る機会が少ないことが、ピルが普及しない要因の1つでしょう。

副作用などデメリット面の誇張も手伝って、ピルに対して一般的にあまり健全なイメージを持っていないというところが「ピル後進国」と言われる所以かもしれません。

広まってきた月経困難症としての使用方法

女性が活躍する社会を作るうえで、企業や団体では月経不順による女性従業員の体調不良は無視できません。
企業によっては大事をとって生理休暇などを授けているところもありますよね。

それに加えて働く女性自身も月経前の体調不良、生理痛、また過多月経などに対応するためにピルを服用する方が年々増えており、月経困難症を抑える薬としては以前と比べてかなり認知されてきました。

しかし、未だ多くの女性が社会進出をするにあたって、女性のための社会制度の改革がなかなか日本で進んでいないのは問題ですね…。

欧米では月経前症候群や生理痛緩和の目的でピルが使用されている

欧州や米国では月経前症候群や生理痛緩和のため、ピルが使用される機会が多いです。

「月経をコントロールできる」、「生理特有の不快感を取り除ける」、「ニキビ予防になる」などのメリットを各々が享受し、仕事やスポーツ面でもより良いパフォーマンスが発揮できるうえ、女性が社会的に業績を上げることで国全体の経済にも好影響をもたらしているのではないか、とまで言われています。

日本と異なり、欧米では一般大衆薬品として薬局で手軽に買えるのも一因と言えるでしょう。

ピルを使用するメリットを知ろう

ピルはしっかりと服用すればその性質上、9割を超える確率で避妊することができ、生理痛や月経前症候群を抑える作用まであるという女性にとって大変うれしい2つの効果があるのです。

もちろん副作用の心配もありますが、その確率はかなり低く、吐き気、頭痛、むくみなどが起こったとしても2~3か月後には治まっていることがほとんどです。

重篤な副作用である血栓なども僅かに生じる可能性はありますが、クリニックで処方すればリスクがある方には事前に詳しい説明や忠告がありますし、発症する可能性が高いと診断されればそもそも服用自体を止めらます。

心配な方はまずはじめにお近くのクリニックに足を運ばれると良いでしょう。

ピルを普及させるために

私たちにできることは皆さんにピルのメリットやデメリットを公開し、できる限り正しいピルの効果を知っていただくことです。

少しずつでも皆さんの生活習慣の改善をはじめ、健康的に過ごせるようになって頂けると幸いです。

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