むくみとは「浮腫(ふしゅ)」とも呼ばれ、血液中の水分が血管の外にしみ出してしまった状態です。
顔や手足がむくむと太って見えるだけではなく、疲労感が増すなど、見た目だけではなく体調にも悪影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、むくみの原因とその対策について説明します。
体に余分な水分が溜まる理由
体内に余分な水分が溜まるのは、以外なことに体内の水分不足です。
水分の不足により、血液やリンパ液の循環が悪くなり、細胞の間に水分が残ってむくみとなります。
しかし、水分不足を避けるために過剰に水分を摂ると、今度は水分過剰になります。
1時間以内に水分を1L以上飲むと、不要な水分が体内に残りむくみの原因となってしまうので注意が必要です。
むくみの原因とは
むくみの原因は塩分の過剰摂取や運動不足などの生活習慣、心不全や腎不全などの疾患、また更年期や加齢によるホルモンバランスの変化など原因はさまざまです。
詳しい原因や対策については、こちらのコラムで詳しく紹介しているため、気になる方は是非ご覧ください。
むくみを改善するには
次の項目では、むくみを改善するために効果が期待できる方法を紹介します。
ツボを刺激する
むくみにはツボ刺激が効果的です。

皮膚や皮下組織にたまった体液を、皮膚に手をあてることで健康なリンパ管に移動させます。
●両手、両足にある6種類の経穴刺激
東洋医学で用いられる経絡(体をめぐるエネルギーの通り道)上にある、経穴(ツボ)に対して刺激を与えます。
8時間の勤務が終了した直後のスタッフにこれらを行ったところ、むくみとそれに付随する症状が改善し、生活の質を向上させる可能性があると報告されています。
手や足、顔などのツボ押しに関しては以下のコラムに詳しく紹介しているため、ご一読ください。
運動やストレッチ、マッサージをする
適度な運動やストレッチ、マッサージは、体を温め血流を良くすることでむくみを軽減します。

ストレッチを行った直後とその後自宅で2週間継続した後、足の太さ(周径)や皮下脂肪の厚さ(超音波画像診断)を測定したところ、全員に足の甲のむくみ改善効果が確認されました。
また特にむくみが強い方は、ひざ下の皮下組織が薄くなり、測定したすべての部位の減少が確認できたと報告されています。
その他、各部位ごとに効果のあるマッサージやストレッチ、運動などをこちらのコラムで詳しく解説しています。
入浴で温める
入浴は体を温めることで血流を促進するため、むくみの改善効果が期待できます。

また多様な入浴方法が体に与える影響を調べた実験では、小さな気泡が含まれているマクロバブルやウルトラファインバブルのお湯で入浴をすると、血流が良くなり疲労回復やリラックス効果、覚醒効果が得られると報告されています。
臨床試験
多様な入浴方法が生体情報に与える影響:マイクロバブル入浴とウルトラファインバブルシャワー浴の比較検証
部分浴である足浴および手浴の体温応答
サウナで血行促進する
サウナは体温を上昇させるため、血管が拡張し血流が促進されます。

リンパむくみの場合は、サウナ利用を控えた方が良いでしょう。
臨床試験
サウナはリンパ浮腫のリスクになるか?
食べ物や飲み物を意識する
食べ物や飲み物を意識することも、むくみの改善につながります。

またカリウムを多く含むバナナや、ビタミンB1が豊富な豚肉、豆腐などはむくみ改善効果が期待できるため、積極的に摂取することをおすすめします。
アルコールの飲みすぎは体内の水分バランスを崩し、むくみを悪化させる可能性があります。
日頃の食べ物や飲み物に注意することでむくみ対策ができるため、詳しくは以下のコラムをご覧ください。
サプリや漢方薬を飲む
むくみの改善に、サプリや漢方薬も一定の効果を期待できますが、それぞれの特性を理解して使用することが大切です。

また、ガン治療の手術の影響などでおきる続発性リンパむくみは、柴苓湯や五苓散が有効であると報告がある一方、質の高いエビデンスが不足しているため、推奨できないとされています。
漢方薬の臨床試験
下肢静脈瘤に伴う浮腫に対する五苓散の治療効果
続発性リンパ浮腫に対して漢方薬を使用した場合、使用しなかった場合と比べてリンパ浮腫は軽減するか?
サプリの臨床試験
4種のハーブエキス配合サプリメントによる浮腫みの軽減効果
自分の状態に合わせて、適切に活用しましょう。
むくみ取りにおすすめのサプリメントや漢方薬については、こちらのコラムで詳しく説明しています。
弾性ストッキングの使用
むくみ解消には、ストレッチやマッサージも効果的ですが、弾圧ストッキングを着用するだけでも血流をサポートし、むくみを軽減できます。
詳しい臨床試験結果については、以下のコラムをご覧ください。

水分で増えてしまった体重は戻る?
水分で増えてしまった体重を元に戻すには様々な方法があります。
一番おすすめなのが利尿剤の使用ですが、食事の見直しで塩分を控えることもひとつの方法です。
また、むくみの原因が慢性的な病気など他の原因にある場合は、何より治療が必要です。
水太りの予防方法
水太りの予防方法は、体の血液、リンパ液の循環を良くすることです。
そのためには毎日適切な量の水分補給をし、長時間同じ姿勢でいないようにする、入浴はシャワーではなく湯船に浸かるなどの、日々の生活スタイルの見直しが必要です。
こういった方法以外でも直ちに水太りを解消したい場合は利尿剤の使用もおすすめです。
慢性的なむくみは医薬品がおすすめ
むくみの原因となる余分な水分や老廃物を排出するには、利尿剤がもっともおすすめです。
利尿効果のある食べ物や飲み物なども存在しますが、効果の速さ、高さは段違いと言って良いでしょう。
服用後1時間以内に効果が発現され、尿として体内に溜まった余分な水分を排出します。
商品名 | ムクミレス錠 | アルダクトン | アクアザイド | インダパミド |
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種類 | ループ利尿剤 | カリウム保持性利尿剤 | チアジド系(サイアザイド系)利尿薬 | チアジド(サイアザイド)系類似利尿薬 または 非チアジド(サイアザイド)系利尿薬のタイプに分類 |
特徴 | 全身のむくみに効果が期待されるルプラック・ジェネリックと同様 | 初めて利尿剤を服用する方におすすめ | 200錠と大容量でむくみに効果が24時間続く | むくみに効果が24時間続き利尿作用はマイルド |
主な効果 | むくみ改善、利尿作用、高血圧改善など | 女性の薄毛治療、むくみ改善、ニキビ改善など | むくみ改善、利尿作用、高血圧の改善など | むくみ改善、利尿作用 |
副作用 | 血液障害、電解質失調、高カリウム血症、発疹、食欲不振、下痢など | 食欲不振、悪心、女性型乳房、性欲減退など ※貧血、黄疸が見られた場合はすぐに服用を中止してください |
倦怠感、めまい、ふらつき、立ちくらみなど | 発疹、食欲不振、嘔吐、口渇など |
成分 | トラセミド | スピロノラクトン | ヒドロクロロチアジド | インダパミド |
価格 | 5mg90錠:2,700円~ | 100mg20錠:2,440円~ | 25mg200錠:4,000円~ | 1.5mg30錠:5,800円 |
ボタン |
よくある質問
ここでは、むくみに関するよくある質問とその答えを紹介します。
水分代謝が悪い人の特徴は?
水分代謝が悪い人の特徴はつぎのとおりです。
・夏でも手足が冷たい
・便秘
・よくお腹を壊す
・運動不足
・塩辛い食べ物が好き
・水分をよく摂取するわりにトイレの回数が少ない
これらが該当する場合は、自分に合った改善方法を試してみてください。
むくみで体重増加はどのくらい?
むくみは普段の体重5~10%くらいの水分が溜まることもあるといわれており、体重50kgの方だと2.5kg~5kgほど増える計算になります。
放置すると見た目の問題だけではなく、健康問題にもつながるため、早めに対処してください。
体の水分を出す方法のまとめ
体の余分な水分を出す方法について、いろいろ説明しましたが参考になったでしょうか。
食事の見直しや運動、マッサージを取り入れるなど生活習慣の改善なども大切ですが、すぐに改善したい方や、慢性的なむくみには医薬品をおすすめします。
自分に合った方法でむくみを改善し、快適な生活を手に入れましょう。