EDは中高年層の男性に多いと思われがちですが、原因によっては20代でも発症する可能性があります。
本記事では、EDの主な原因や改善方法を解説します。EDの可能性がある方や改善したい方はぜひ参考にしてみてください。
まずは勃起の仕組みから
勃起には大きく分けて2種類あり、性行為での刺激と朝立ちに分けられます。
■性行為での刺激
性行為での刺激や性的興奮によって、脳から神経を伝って陰茎に命令が届きます。
陰茎の血流が増加し、スポンジ状の海綿体という部位に血液が集中することで陰茎が勃起する仕組みです。
■朝立ち
一方、朝立ちは性的刺激や興奮とは無関係に起こる生理現象で、睡眠中のレム睡眠とノンレム睡眠が関係しています。
眠りが浅くなるレム睡眠の間、脳が働き血圧や呼吸の数値が高くなるとされています。血圧が高くなることで血流が増加するため、無意識的に勃起を起こします。
EDの年代別原因
ED(Erectile Dysfunction)は勃起不全や勃起障害を意味しており、性行為時に十分な勃起を維持できない状態を指します。
また、勃起力が弱い場合や中折れしてしまう場合もEDに該当します。
EDの原因は大きく分けて4種類あり、年代別に発症割合が異なります。
EDには必ず原因があるため、改善したい方はまずは原因を知ることが大切です。
器質性ED
器質性EDとは、臓器や器官の異常によって勃起障害を起こしている状態です。
血管障害、神経障害、内分泌機能の低下で起こる場合が多く、基礎疾患や事故(怪我)、生活習慣などが関係しています。
特に、お酒やカフェインの過剰摂取、タバコの吸い過ぎや偏った食生活で動脈硬化を発症すると、血流が悪くなるため海綿体に流れ込む血液も減少します。
そのため、生活習慣の乱れによる血管障害が勃起不全に繋がると考えられています。
また、50~60代では加齢によって内分泌機能が低下して、男性ホルモンの分泌量が減少するためEDを発症しやすい傾向があります。
器質性EDになりやすい病気
高血圧
メタボリックシンドローム
脳卒中
パーキンソン病
男性更年期障害 など
器質性EDは動脈硬化が原因である場合が多く、糖尿病や高血圧、メタボリックシンドロームといった生活習慣病の方は特に注意が必要です。
飲酒や喫煙、偏った食生活、運動不足は生活習慣病を引き起こしやすいとされています。
また、脳や神経の疾患、男性更年期障害によっても器質性EDを発症しやすいため、まずは原因である疾患を治療することが大切です。
心因性ED
心因性EDは、ストレスや緊張、トラウマ、プレッシャーといった精神的な要因で引き起こされる勃起障害です。
性行為に苦手意識がある
過去に性行為で失敗した経験がある
子作り(妊娠)へのプレッシャーがある
原因は人それぞれ異なりますが、仕事の責任やパートナーとの関係性に悩みを抱えやすい20~40代に多いのが心因性EDです。
また、子作りへのプレッシャーや夫婦生活のストレスから「妻だけED」という方も多い傾向があります。
薬剤性ED
薬剤性EDは、常用している薬の副作用で起こる勃起障害で、年代に関係なく発症する可能性があります。
特に薬剤性EDが起こりやすい薬の種類は以下の通りです。
- 向精神薬:抗うつ剤、睡眠薬など
- 循環器系:降圧剤、不整脈治療薬など
- ホルモン剤:エストロゲン製剤、抗アンドロゲン剤など
薬を中断、減薬することで改善が期待できますが、薬を服用していた原因疾患の治療に支障をきたしてしまいます。
その場合は、薬を変更したりED治療薬と併用したりして対処します。
混合性ED
混合性EDは、器質性EDと心因性ED、そして薬剤性EDが混在している状態です。
「薬の副作用でEDになり、そこから自信がなくなってしまった」
「器質性EDで勃起不全だったため、性行為に自信がなくなってしまった」
「加齢に伴い勃起力が低下し、性行為で失敗することが増えて心因性EDも発症してしまった」
など、双方が複雑に絡み合っています。
40~60代では生活習慣病や動脈硬化を発症しやすいため、器質性EDの発症率が高い傾向があります。
また、40~60代は責任のある仕事を任されている方も多く、ストレスやプレッシャーが積み重なって混合性EDに発展します。
男性の更年期障害について
器質性EDの原因のひとつに、男性の更年期障害があります。
更年期障害と言うと女性のイメージが強いですが、男性もホルモンバランスの変化によって更年期障害を発症する場合があります。
特に、男性ホルモンのテストステロンが減少することでEDを発症しやすくなります。
その他には、以下のような症状が現れます。
身体的症状:動悸、めまい、疲労感など
男性ホルモンは20代をピークに分泌量が減少していくため、早ければ40代ごろから男性更年期障害を発症する可能性があるでしょう。
EDの改善方法
EDの改善方法は原因ごとに異なります。
器質性ED | 基礎疾患の治療、生活習慣の改善、食生活の改善、運動不足の解消 |
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心因性ED | ストレスやプレッシャーを取り除く、自身とパートナーだけでは改善不可能な場合はカウンセリングや治療を受ける |
混合性ED | 器質性と心因性の改善方法を併せておこなう |
薬剤性ED | 薬の変更や減薬について医師に相談する |
ご自身で改善できる場合もありますが、基礎疾患の治療やカウンセリング、薬の変更などは医師や専門家に相談しましょう。
これらの改善方法に加えて、ED治療薬は全ての原因に対して効果が期待できます。
ED治療薬について
ED治療薬はPDE5阻害薬に分類される経口薬です。
海綿体の中にあるPDE5という酵素の働きによって勃起機能が衰えるため、PDE5の働きを阻害することで勃起機能を改善します。
服用するタイミングは種類により異なりますが、一般的には性行為の1~2時間前の服用が推奨されています。
また、種類ごとに効果が現れるまでの時間や持続時間などの特徴が異なるため、症状や目的に合わせて選ぶことが大切です。
日本国内でもよく使用されているED治療薬を3種類ご紹介します。
バイアグラ
バイアグラは世界で初めて開発された経口のED治療薬です。
有効成分のシルデナフィルには、PDE5の働きを阻害して陰茎の血流を促進させる作用があります。
性行為の30分~1時間前に服用し、4~5時間程度効果が持続します。また、食事の影響を受けやすいため空腹時の服用が推奨されています。
商品名 | バイアグラ | カマグラ | バイスマ |
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画像 | |||
特徴 | 先発薬 | ジェネリック | ジェネリック |
価格 | 4錠(50mg):7,200円 | 4錠(50mg):1,500円 | 4錠(50mg):1,700円 |
通販 |
シアリス
シアリスは効果がマイルドな一方、持続時間が長い特徴があります。
有効成分のタダラフィルは、PDE5の働きを阻害して陰茎の血流を促進させる他、前立腺肥大による排尿障害にも有効です。
性行為の1~3時間前に服用し、30~36時間程度効果が持続します。
他のED治療薬に比べ食事の影響を受けにくい薬ですが、空腹時に服用した方がより高い効果が期待できます。
シアリスは安全性が高く、比較的副作用の発症が少ないですが、全くないわけではありません。必ず服用方法を守りましょう。
商品名 | シアリス | タダシップ | シアスマ |
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特徴 | 先発薬 | ジェネリック | ジェネリック |
価格 | 4錠(20mg):12,100円 | 4錠(20mg):1,750円 | 4錠(20mg):1,700円 |
通販 |
レビトラ
シアリスは即効性に優れたED治療薬で、早ければ服用から15分程度で効果が現れ始めます。ただし、より高い効果を得るためには性行為の1時間前の服用が推奨されています。
また、有効成分のバルデナフィルには、勃起機能の改善の他に射精時間を延長させる効果があり、早漏治療にも用いられる場合があります。
性行為の1時間前に服用し、5~8時間程度効果が持続します。食事の影響を受けにくい薬ですが、空腹時に服用した方がより高い効果が期待できます。
商品名 | レビトラ | バリフ | レビスマ |
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特徴 | 先発薬 | ジェネリック | ジェネリック |
価格 | 4錠(20mg):11,500円 | 10錠(20mg):1,900円 お買い得 |
4錠(20mg):1,700円 |
通販 |
EDは男性なら誰でもなりうる病気
生活習慣の乱れやストレスなどにより、ED患者は年々増加しています。
現代社会においては誰でもなりうる病気で、原因によっては若い世代でも発症するため、恥ずかしがらずに早期治療することをおすすめします。
また、EDを改善するためには原因を突き止めることが大切です。原因に合った方法で適切な治療をおこないましょう。