「寒いのによく脇汗をかく」「脇汗が多くてニオイが気になる」など、寒い季節の脇汗に悩んでいる女性は多くいます。
寒い季節の脇汗には自律神経や女性ホルモン、病気が関係している場合があり、外用薬や内服薬で対策できる場合があります。
本記事では、女性の脇汗の原因や対策方法を詳しく解説します。
脇汗が多くて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
脇汗のメカニズム
人間の身体にはエクリン腺とアポクリン腺という汗腺があります。
エクリン腺は毛穴から独立しており、成分の大半が水のため無臭の汗が出ます。
主に体温調節の役割があり、全身に分布している汗腺です。
一方、アポクリン腺は毛包の近くにあるため雑菌が繁殖しやすく、脂質やタンパク質を含んでおり汗特有のニオイを発します。
ストレスや緊張、自律神経の乱れなど、精神的要因によって発汗する特徴があります。
また、アポクリン腺は脇や陰部、乳房などの特定の部位のみ存在する汗腺です。
冬の脇汗はニオイがきつい?
汗は体温調節や精神的要因により出るため、季節を問わず脇汗をかいています。
夏場は発汗しやすく、半袖やタンクトップなどを着る場合は露出が増えるため、意識的に脇汗対策をしている方が多いでしょう。
しかし、冬場は脇汗をかくイメージがあまりないため、制汗スプレーやデオドラント商品を使用しない方が大半です。
また、冬服は生地が厚く、頻繁に洗濯しない衣服も多いため、雑菌が繁殖してニオイの原因になります。
これらの理由により、冬の脇汗のニオイがきついと感じる場合があります。
寒いのに脇汗をかく原因
寒い冬やエアコンで涼しい夏の室内など、身体は寒いのに脇汗をかくことがあります。
寒くても脇汗をかく方は次のような原因が考えられます。
寒い季節は代謝が高くなる
人間の身体は気温が10℃以下の条件下において、内臓を守るために体温を維持しようとする働きがあります。
平熱の体温を維持するためには積極的にカロリーを消費する必要があり、平常時と比較すると基礎代謝が高い状態です。
基礎代謝が上がると血流が良くなるため、寒くても発汗しやすくなります。
寒い季節は体温がこもりやすい
ニットやパーカー、コートなど、冬服は生地が厚く保温性に優れているため、体温がこもりやすい特徴があります。
また、寒さをしのぐために重ね着をする方も多いでしょう。
暖かい衣服を着た状態で暖房が効いた室内に行けば、より発汗しやすくなります。
ストレスや睡眠不足
アポクリン腺は精神的要因で発汗するため、ストレスや睡眠不足によって自律神経が乱れると汗をかきやすくなります。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、緊張により発汗するのは交感神経が関係しています。
しかし、自律神経が乱れると交感神経と副交感神経のバランスが崩れるため、平常時でも発汗する場合があります。
女性ホルモンバランスの乱れ
ストレスや睡眠不足は、自律神経の他に女性ホルモンのバランスを乱れさせる原因でもあります。
また、女性ホルモンの分泌と自律神経系は、いずれも脳の視床下部でコントロールしているため、密接に関係しています。
女性ホルモンのバランスが乱れると発汗しやすくなるだけでなく、全身の不調に繋がるため注意が必要です。
病気の可能性
発汗がひどい方は、次の病気が原因で多汗症になっている可能性があります。
自律神経失調症
自律神経失調症はストレスやホルモンの異常などにより、自律神経がコントロールできなくなる病気です。
前述の通り、交感神経と副交感神経のバランスが崩れるため発汗しやすくなります。
他にも動悸、倦怠感、めまい、頭痛、耳鳴り、関節痛、胃腸障害、不安感、気分の落ち込みなど、さまざまな症状が現れます。
治療は、薬物療法と並行してカウンセリングや自律訓練法などをおこなう場合が一般的です。
更年期
更年期障害は、閉経前後の女性に見られる病気です。
閉経に伴うホルモンバランスの乱れが原因で、発汗やほてりなどの身体的症状、抑うつ感やイライラなどの精神的症状が現れます。
季節や時間帯などの状況に関わらず、大量の汗をかく場合は更年期障害の可能性があるでしょう。
漢方薬やホルモン補充療法、カウンセリングなどで治療をおこないます。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は、甲状腺機能の異常により甲状腺ホルモンの分泌量が増加する病気の総称です。
甲状腺ホルモンには新陳代謝を促す働きがあるため、異常な発汗が起こる場合があります。
治療は薬物療法の他に、甲状腺を摘出する手術がありますが、手術後は生涯に渡りホルモン補充療法が必要です。
多汗症とは
多汗症は、神経障害や内分泌系の異常、精神的要因などのさまざまな原因により多量の汗をかいてしまう病気です。
全身に汗をかく全身性と、脇や手のひらなどの一部分に汗をかく局所性があります。
気温に関係なく起こり、生活に支障をきたす場合が大半です。
検査や問診で原因を特定しますが、原因不明のケースもあります。
多汗症のセルフチェック
多汗症の可能性があるかどうか、セルフチェックしてみてください。
- 多汗症の原因となる基礎疾患がある
- 25歳以下で発症した(初めて症状が現れた)
- 左右対称に発汗が起こる
- 睡眠中は発汗しない
- 週に1回以上、多量の発汗がある
- 多汗症の家族がいる
- 発汗により日常生活に支障をきたしている
当てはまる項目が多い方は多汗症の疑いがあります。
また、多汗症の原因となる基礎疾患がある場合は続発性多汗症、基礎疾患がない場合や原因不明の場合は原発性多汗症に分類されます。
多汗症の治療法
原因が明確な続発性多汗症は、原因に対する治療と並行して外用薬や内服薬が処方されます。
原因不明の原発性多汗症も同様に、外用薬や内服薬で対症療法をおこないます。
- 外用薬
- 内服薬
塩化アルミニウム、抗コリン薬など
抗コリン薬、漢方薬など
また、手術やレーザー療法、神経ブロックといった治療方法もあり、症状の程度に応じて選択されます。
脇の多汗症の薬はどこでもらえる?
脇の多汗症に対する治療薬は、薬局やドラッグストアなどでは市販されていません。
詳しい入手方法について解説します。
病院処方
病院で処方される薬は次の通りです。
- 外用薬
- 内服薬
ラピフォートワイプ、エクロックゲル、塩化アルミニウム
抗コリン薬
外用薬はいずれも原発性腋窩多汗症に処方される薬で、脇の下に塗布することで発汗を抑える効果があります。
内服薬の抗コリン薬には、発汗を促すアセチルコリンという神経伝達物質の働きを阻害する作用があります。
代表的な抗コリン薬はプロバンサインやエクロックゲルです。
海外通販
病院で治療薬を処方してもらうためには、通院や検査が必要です。
また、原発性多汗症と診断されなければ保険適用外のため、費用が自己負担になる可能性があります。
しかし、海外通販を利用すれば通院せずに多汗症の薬を購入可能です。
海外通販で購入できる薬は、外用薬の塩化アルミニウムや内服薬の抗コリン薬です。
病院処方より薬価も安いため、費用を抑えたい方や手軽に購入したい方は海外通販がおすすめです。
商品名 | プロバンサイン | プロスパス | パースピレックスロールオン | パースピレックスローション |
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画像 | ||||
タイプ | 内服薬 | 内服薬 | 外用薬 | 外用薬 |
有効成分 | プロパンテリン | プロパンテリン | 塩化アルミニウム | 塩化アルミニウム |
価格 | 100錠:5,700円 | 100錠:4,950円 | 1本:3,100円 | 1本:3,150円 |
購入 |
手軽にできる脇汗対策
脇汗がひどい場合におすすめの対策方法を3つ紹介します。
脇汗が気になる方は、手軽に実践できる方法で対策してみてください。
体温調節がしやすい服装
体温がこもると発汗しやすく、衣服に汗が付着するとニオイの原因となります。
生地が厚いニットやパーカーの着用をなるべく避け、吸水速乾素材のシャツやカーディガンなどを選びましょう。
また、カーディガンは自身で脱いだり着たりして体温調節ができるため、春や秋冬シーズンにおすすめです。
汗をかく習慣をつくる
全身にあるエクリン腺から出る汗自体は、本来は無臭とされています。
しかし、汗腺に溜まった老廃物や雑菌の繁殖などにより特有のニオイを発します。
普段から汗をかかない方は老廃物が溜まりやすいため、運動をして汗をかく習慣をつけてみてください。
毎日の有酸素運動が効果的ですが、運動する時間がない方は入浴やサウナもおすすめです。
また、汗をかいた後に放置するとニオイの原因になるため、タオルで拭き取ったり入浴したりして清潔に保つことが大切です。
食生活を見直す
アポクリン腺から出る汗には脂質やタンパク質などが含まれるため、食生活が乱れている方は汗のニオイが強くなります。
特に、動物性脂肪は汗のニオイに繋がるため、肉類ばかり食べないようにしましょう。
また、アルコールやタバコも汗のニオイの原因となるため注意が必要です。
汗のニオイが気になる方は、脂質やタンパク質の酸化を防ぐ抗酸化作用がある緑黄色野菜を積極的に摂りましょう。
ホルモンバランスを整える大豆製品もおすすめです。
まとめ
寒い季節に多量の脇汗をかく方は多汗症の可能性があります。
多汗症の原因によっては保険が適用されるため、まずはセルフチェックで調べてみてください。
手軽に薬を購入したい方は、通院不要の海外通販がおすすめです。
また、衣服や食生活の工夫で対策できる場合もあります。
本記事で紹介した方法を参考に、実践してみてください。