男性ホルモンのテストステロンは男性らしい体つきや、男性機能にとって欠かせない存在です。
- 最近心身ともに調子が悪い…
- 中年太りが気になる…
- 性欲・活力共に元気が無い…
これらはテストステロンの減少が原因かもしれません。
テストステロンを増やすとどうなるのか、テストステロンを増やすためにすぐできる方法などを紹介していきます。
テストステロンの働き
男性ホルモンの95%はテストステロンで、胎内での外性器生成など産まれる前からその役割を果たしています。
- 胎内での外性器の発達
- 思春期の男性の二次性徴(陰毛、声変わり、男性性器の発育)
- 男性的な体作り(骨格や筋肉の増加など)
- 活力や性欲などバイタリティ向上
このようにテストステロンは男性の体の成長やメンタルを支えているのです。
テストステロンの基準値
そもそも、テストステロンは体内でどのくらい分泌されていると正常の範囲内と言えるのでしょうか?
LOH症候群と呼ばれる、男性の更年期障害を測る際には「遊離型テストステロン」と呼ばれるものの数値を基準にして診断されます。
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | |
---|---|---|---|---|---|---|
平均値 | 16.8 | 14.3 | 13.7 | 12.0 | 10.3 | 8.5 |
一般的には、遊離型テストステロン値が11.8 pg/ml以上であれば正常とされています。
この数値が8.5pg/ml以下になると明らかに低いとされ、医療機関を受診した際にホルモン補充療法がおこなわれる可能性が高くなります。
ただし、テストステロンの分泌量には個人差があるため、正常値だからといって更年期に現れる症状が全く現れないというわけではなく、低いからといって必ず症状が現れるわけでもありません。
テストステロンが増えるとどうなるのか?
テストステロンは、男性の体の成長や精神面を支えるために必要なホルモンです。
思春期ではテストステロンの分泌が増加することで第二次性徴を促進させますが、大人になってから得られる効果としては以下のようなものが挙げられます。
・集中力ややる気が向上して精神状態が安定
・体力の向上と脂肪の減少
テストステロンの分泌量が増えることで集中力ややる気が向上し、精神状態が安定するなどの効果が見込めます。
また、体力を向上させて脂肪を減少させる効果もあります。
このように、テストステロンの分泌は成長期だけでなく、成人してからも心身の健康に影響を及ぼします。
なお、女性の場合でも微量ではありますがテストステロンは分泌されており、女性の心身の健康に影響を与えています。
テストステロンが増えるとモテることが実証されている
テストステロンが増えるとモテるのか、ウズラという鳥を用いて研究をした結果が静岡大学より発表されています。
これによると、モテるオスは血中のテストステロン濃度が高く、メスがそれを見分けているということが判ったのです。
ウズラのオスは、テストステロン濃度が高くなるにつれて頬羽の赤みと黄みが強くなり、メスは繁殖期にだけこの頬羽の色の違いを見分けているのです。
テストステロンは、置かれている環境やストレス、栄養状態に敏感に反応して増減するため、テストステロンの濃度が高いオスはコンディションの良いオスであるということになります。
この結果から、ウズラのメスはコンディションの良いオスと交尾することで、生まれてくる子や孫にも優良な遺伝子を残そうとしていると言えます。
参照:やはり肉食系男子がモテる?メスが魅力的なオスを見分ける仕組みを鳥類で解明|静岡大学
テストステロン減少によって起きる症状
女性ホルモンは更年期に入り急激に女性ホルモンが減少しますが、男性の場合20代をピークに30代からどんどん減少していきます。
テストステロンが減ることによって、身体だけでなくメンタルなど様々な面で影響が起きます。
- 性欲が落ちる、勃起しにくくなる
- 筋肉が付きにくくなる
- お腹周りに脂肪がつきやすくなる
- 疲れやすくなるor疲れが取れにくくなる
- 物事に集中できない、記憶力が下がる
- イライラや不安感をかんじる
中年太りなど段々男性の体に変化が出てくるのも、男性ホルモンの減少が原因で、筋肉が付きにくく、若いときよりも努力が必要となります。
減少に気づかない場合も
女性ホルモンは更年期に入ると急激にホルモンが減少するため、その影響を感じやすいです。
そして更年期障害と呼ばれる心身ともに訪れる症状に、悩まされる方はたくさんいます。
男性の場合女性に比べ、緩やかに男性ホルモンが減っていきます。
20~30代はテストステロン分泌量がピークで、バイタリティに満ち溢れています。
しかしそこから徐々に減っていくので、昔はもっとやる気があったのにな…とか、
そのため体調面などの不調が、男性ホルモンの減少が影響だと気づかない方がほとんどです。
30代を過ぎたあたりから男性ホルモンの減少を意識していきましょう。
テストステロンを増やす方法6選
テストステロンはピークを境に減少していく一方ですが、様々な方法で増やすこともできます。
そこでテストステロンを増やす方法をご紹介していきます。
食事で増やす方法
テストステロンを増やすにはどのような食事を摂るかも大切です。
特に、以下のような食材はテストステロンを増やす効果が期待できます。
・牛肉、豚肉、鶏肉
・魚
・牛乳、
・アボカド
・ウコン
・人参
・ヤマイモなどのネバネバ食品
・ニンニク、ニラ、ネギ、タマネギ
など
たんぱく質を多く含む食材はテストステロンを生成し、分泌量を増やすために必要不可欠です。
また、ニンニクはたんぱく質と一緒に摂取することで、テストステロンの増強につながります。
その他、極端な糖質制限は筋肉を減らすことに繋がります。
テストステロンを生成する際にもある程度の糖質が必要となるため、筋肉中に蓄えられているグリコーゲンからの糖が不足すると、筋肉のたんぱく質を分解してエネルギーにしようとします。
良質なタンパク質や、男性ホルモンの分泌を促す食材や成分など、詳しくは以下の記事に記載しています。
もちろんテストステロンを増やすために、限定された栄養を摂取するのはよくありません。
バランスの良い食事をとることが理想です。
運動で増やす方法
テストステロンが運動で増えるということは、多くの研究によって証明されています。
- 運動しない男性に比べて、運動した男性の方がテストステロンの分泌量が高い
- 肥満男性が運動した場合、痩せただけではなくテストステロンの分泌量が増えた。
運動の中でも筋トレがテストステロンを増やす方法の代表格です。
筋肉をつけるためにはテストステロンとアンドロゲン受容体が必要になります。
筋トレして筋肉に刺激を与えるとテストステロンだけでなく、アンドロゲン受容体も増えます。
その他テストステロンの維持や、基礎体力のアップなど筋トレにはメリットがたくさんあります。
普段筋トレをしていない方は、まず以下の簡単な筋トレから始めましょう。
・ゆっくりめのスクワット(10回×2~3セット)
1回きりではなく継続して筋トレすることが重要ですので、無理のない範囲で初めて段々負荷を付けて筋トレしていきましょう。
以下のページでは若々しさを保つための筋トレ方法を詳しく記載しています。
※ソイプロテインはテストステロンを減少させてしまう効果があります。
筋トレでプロテインを摂取する際に注意しましょう。
筋トレでテストステロンを増やすことによって、筋肉だけでなく意欲や活力もアップしていきます。
そうすればまた筋トレに対して前向きになり、良い循環が生まれます。
有酸素運動はテストステロンが減る?
運動はテストステロンの分泌量を増やすために大切ですが、問題はその強度です。
近年では、有酸素運動のしすぎでテストステロンが減ることがあると言われており、特にマラソンをやっている場合に減ることがあるとされています。
中にはひと月でマラソン走行距離が何百キロにもなる人がいますが、そこまで体に負担がかかると、テストステロンを作り出す能力が落ちるとされています。
また、走ることで筋肉を使い、テストステロンが筋肉に運ばれて使われてしまうため、走りすぎはテストステロンを枯渇させるのです。
テストステロンを増やすためには、大会などでフルマラソンを走った後、次の大会まで3ヶ月ほど休息期間を取ったほうがよいとされています。
強い運動をした後は、休息も大切だということです。
テストステロン補充療法
メンズクリニックや泌尿器科などでは、テストステロン補充療法がおこなわれています。
男性更年期障害やその他男性ホルモン減少による症状改善のために、テストステロンを注射剤やクリーム、カプセルなどで補充する方法です。
- 注射剤
- 外用薬(クリームやジェル)
- 内服薬(カプセル)
注射剤はクリニックでしかできませんが、その他海外から個人輸入で購入できるものや、テストステロン1%のクリーム剤であれば薬局でも購入できます。(第一類医薬品)
クリニック
クリニックによって異なりますが、注射剤と、クリーム剤で治療していきます。
主にメンズヘルス外来や、泌尿器科など。
- ①カウンセリングや・診察
- ②血液検査
- ③治療開始(1~4週間おきに治療など)
注射剤 | エナント酸テストステロン └日本で医療用に唯一承認されているテストステロン剤です。 |
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外用薬(クリーム) | テストステロン1%製剤 └市販されています。 テストステロン5%製剤 └日本では未承認のため、海外から輸入して処方しているクリニックも |
クリニック処方のテストステロン剤 | ||
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アンドロフォルテクリーム5% (テストステロン5%) |
1箱 17,980円 | |
アンドロフォルテクリーム5%はテストステロンが5%も配合されています。
日本で未承認のため、通常クリニックで処方されませんが、一部のクリニックでは海外から個人輸入して処方してるようです。
※クリニック相場1本22,000円~30,000円ほど。
その他クリニックによっては注射剤も海外から取り寄せているところもあります。
費用は、保険が適応される場合と適応されない場合がありますが、多くが自費診療です。
例:地方泌尿器科A | 初診3,000円ほど 6回コースで140,000円 検査込みで3ヶ月 |
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例:都内病院 | 初診:45,000円ほど クリーム剤:20,000円ほど |
病院によって治療方法や費用が異なるため、詳しくは病院HPを確認か、医師に相談してください。
通販サイト
海外で販売されているテストステロン剤を個人輸入で購入可能です。
海外からの個人輸入ですので、医師の診察や処方箋は必要ありません。(病院でも個人輸入して処方しているところもある。)
海外製のテストステロン剤 | ||
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セルノスジェル (テストステロン1%) |
1袋5g×14包 4,500円 | |
セルノス(カプセル) (ウンデカン酸テストステロン40mg) |
30錠 4,280円 | |
テストジェル (テストステロン50mg) |
1袋5g×30袋 16,500円 | |
日本製よりもかなり価格が安いため、個人輸入で購入する人が増えています。
テストステロン剤は医薬品ですので副作用の懸念があります。
その他妊活中は使用できないなど注意事項もあるので、使用に関しては医師に相談しましょう。
各通販ページには副作用、併用禁忌など記載してあります。
市販(薬局)
ドラッグストアや薬局ではクリーム剤のみ販売されています。
市販で買えるテストステロン剤 | ||
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グローミン (テストステロン1%) |
メーカー小売り希望価格 1本10g 3,780円 |
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トノス (テストステロン1mg、 その他アミノ安息香酸エチルなど局所麻痺剤) |
メーカー小売り希望価格 1本5g 4,500円 |
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どちらもテストステロンを含む塗り薬ですが、トノスには局所麻酔薬が含まれており早漏防止にも効果があります。
第一類医薬品ですので、薬局やドラッグストアで購入時に薬剤師の指導や管理の下でしか購入できません。
サプリで増やす方法
テストステロンを直接増やせるサプリメントはありません。
しかし、栄養補給やストレス緩和などの効果によって、テストステロンの増加をサポートするサプリメントは存在します。
ただし、サプリメントはあくまで補助食品で、効き目も個人差があります。
テストステロンを確実に増やしたい場合は、サプリだけでなく筋トレやホルモン補充療法も視野に入れることを推奨します。
海外製サプリ
・亜鉛
・ビタミンD
・アシュワガンダ
・トリビュラステレス
・トンカットアリ など
商品名 | 亜鉛 | アシュワガンダ | トリビュラスマキシマス | テストジャック100 |
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画像 | ||||
価格 | 250錠:4,500円~ | 60錠:2,000円~ | 90錠:4,320円~ | 120錠:6,900円~ |
特徴 | 男性機能向上の他、 薄毛予防や精力維持にも |
4000年以上前から使用されてきたハーブ 精力増強や老化防止に |
主成分のトリビュラスエキスが テストステロンの分泌を助ける |
有効成分のトンカットアリや亜鉛が テストステロンの分泌を助ける |
ボタン |
国産サプリ
商品名 | DHC トンカットアリエキス | TAGILAS(タギラス) | テストロイドEX |
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画像 | |||
メーカー | DHC | MAGINA | LEVEL.FIT |
有効成分 | 亜鉛、セレン、トンカットアリ | シトルリン、アルギニン、亜鉛、高配合クラチャイダム、特許成分アミノシール、さらに全11種類の話題成分を配合 | Testofen®(フェヌグリーク種子抽出物)700ミリグラム、AstraGin®(キバナオオギとデンシチニンジンを1:1の比率で配合した植物由来の原料)50ミリグラム |
特徴 | トンカットアリは、研究によってテストステロン量を増やす効果が期待できると報告されている植物。熟成させた根から抽出したトンカットアリエキスを使用。 | シトルリン、アルギニン、亜鉛、クラチャイダムや黒マカもプラス。 テストステロン向上の成分トンカットアリや醗酵黒にんにくなどを配合し、手軽に栄養補給ができるサプリメント。 |
Testofen® (フェヌグリーク種子抽出物)、AstraGin®(キバナオオギとデンシチニンジンを配合した植物由来の原料)にビタミンDも配合。テストステロンを増やしたいという方に適したサプリメント。 |
価格 | 1,400円 20日分 20粒 |
2,690 円 180粒(約30日分) |
5,980円 90粒(30回目安) |
ボタン |
漢方薬で増やす方法
テストステロンは、漢方薬でも増加を期待できます。
漢方薬は男性更年期障害の治療で用いられるため、食欲不振や疲労感など更年期障害の症状が出ている方におすすめです。
・八味地黄丸(はちみじおうがん)
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
なかでも「補中益気湯」は服用によってテストステロンが上昇することが分かっています。
日常生活で増やす方法
日常生活において、テストステロンを増やすために心がけた方がよいこともあります。
・睡眠をとる
・日光浴をする
・タンパク質を摂る
テストステロン補充療法などで直接摂取することも可能ですが、日常生活において上記を意識することも重要です。
過剰に紫外線に当たることはおすすめできませんが、適度な日光浴がテストステロンを上昇させるという研究が報告されています。
十分な睡眠時間を確保することも、テストステロンを増やす方法として大切な方法です。
2010年にシンガポール国立大学で行われた研究では、睡眠時間が少ない人ほどテストステロンレベルが低かったという報告があります。
テストステロン低下の原因となるストレスも睡眠によって改善できるため、7時間程度の睡眠時間を確保するようにしましょう。
テストステロンを増やすことで充実した生活を
テストステロンは30代以降は減ることはあっても、何もしなければ増えることはありません。
この先5年後10年後も若々しく、充実した生活を送るためには男性ホルモンであるテストステロンは欠かせない存在です。
テストステロンを増やす方法をご紹介しましたが、どれでもすぐできる方法です。
日々の生活を見直すのはもちろん、簡単な筋トレなどの運動でも続けることが大事です。
テストステロン補充療法は即効性があり、一番簡単な方法です。
気になる場合は検討してみてもいいかもしれません。(注射剤などは医師に相談しましょう)