花粉症の症状はくしゃみや鼻水、目のかゆみなどが代表的ですが、花粉が原因で咳が出る場合があります。
風邪や感染症と間違えやすいですが、花粉シーズンは花粉症も疑いましょう。
本記事では、風邪との見分け方や対処法、おすすめの薬をご紹介します。花粉症の咳で悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
花粉症でも咳は出る?
花粉症の方はくしゃみや鼻水、目のかゆみに悩まされることが多いですが、症状のひとつとして咳が出る場合があります。
鼻や目の症状と同様に、口から侵入した花粉が喉の粘膜に付着することが原因です。
喉の粘膜に付着した花粉を異物と判断し、身体が異物を排除しようとするために咳が出てしまうのです。
花粉症の咳の特徴
花粉症の咳の特徴は以下の通りです。
・喉に不快感がある(イガイガする)
・起床後、昼、就寝時に咳が出やすい
・痰が絡んだ咳が出る
異物を排除するために咳を連発したり、喉を痛めてイガイガする場合があります。
また、花粉が飛散しやすい正午ごろや日没ごろ、空気が乾燥しやすい起床時に咳が出やすいでしょう。
鼻水が喉の奥まで流れ込んで後鼻漏を起こすと、痰が絡んだ咳が出る場合もあります。
喘息が原因の場合も
喘息は花粉症と同様に、アレルギーが原因で気管支が狭くなったり炎症を起こしたりする病気です。
喘息を持っている方の気管支や気道は平常時でも炎症を起こしているため、アレルゲンが侵入すると刺激になり、以下のような症状が現れます。
・喉がゼーゼー、ヒューヒューと鳴る(喘鳴)
・息苦しさ
・胸の痛み など
喘息と花粉症はいずれもアレルギーが原因で起こるため、併発しやすいと言われています。
実際に、喘息の方の62.5%は花粉症などのアレルギー性鼻炎を併発しています。
また、花粉シーズンには喘息の咳の症状が悪化しやすい傾向があります。
花粉症の薬を飲んでも効果がない場合には、喘息を併発している恐れがあるため病院を受診しましょう。
風邪との違い
花粉症の咳の症状は風邪とよく似ているため、花粉症の薬と風邪薬のどちらを使用すれば分からない場合があります。
以下のポイントを参考に、花粉症と風邪を見極めることが大切です。
・花粉の飛散時期に症状が出る
・朝方や晴れの日に症状が強く出る
・鼻炎症状(くしゃみ、鼻水、鼻詰まり)がよく起こる
・目の症状(目のかゆみ、涙目)も起こる
・透明でサラサラとした鼻水が出る
・咳が連続して出やすい
・発熱していない
症状には個人差があるため、自身の判断で不安な場合は病院を受診することをおすすめします。
花粉症の咳を止める方法
花粉症の咳を止めるためには以下の薬がおすすめです。
それぞれの特徴やおすすめの成分をご紹介します。
花粉症の薬を使用する
花粉症の咳は花粉が原因で喉がアレルギー症状を起こしているため、鼻や目の症状と同様に花粉症の薬が有効です。
内服薬でアレルギー症状を抑え、後鼻漏を起こしている場合には点鼻薬もおすすめです。
内服薬
花粉症の内服薬にはさまざまな種類がありますが、抗ヒスタミン成分を配合した内服薬がおすすめです。
CMでよく耳にする「アレグラ」や「アレジオン」は抗ヒスタミン薬に分類されます。
抗ヒスタミン薬の中でも、フェキソフェナジンを配合した薬は眠気が起こりにくいため車の運転も可能です。
生活スタイルや症状に合わせて、ご自分に合う内服薬を選びましょう。
商品名 | ザイザル・ジェネリック | ビラノア・ジェネリック | アレグラ・ジェネリック | アレロック・ジェネリック |
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価格 | 20錠:1,900円~ | 10錠:2,000円~ | 30錠:3,150円~ | 100錠:5,000円~ |
有効成分 | レボセチリジン | ビラスチン | フェキソフェナジン | オロパタジン |
特徴 | 病院でもよく処方される人気薬 効き目が高い |
他の薬より眠くなりにくく、 効き目もそこそこある |
眠くなりにくい マイルドな効果 |
比較的眠くなりやすいが 効き目も高い |
ボタン |
点鼻薬
咳とあわせて鼻水が出る場合、後鼻漏になってしまう場合もあります。
後鼻漏を治すためには鼻炎を改善する必要があるため、内服薬の他に点鼻薬の併用がおすすめです。
基本的にはステロイド点鼻薬を使用し、鼻炎が特に酷い時に血管収縮剤を使う方法が一般的です。
商品名 | ナゾネックス点鼻液 | メタスプレー | ナシビン点鼻薬 |
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価格 | 1本:3,600円~ | 1本:1,350円~ | 1本:1,530円~ |
有効成分 | モメタゾンフランカルボン酸エステル (ステロイド) |
フランカルボン酸モメタゾン (ステロイド) |
オキシメタゾリン (血管収縮薬) |
ボタン |
ただし、ステロイド点鼻薬は効果を実感できるまでに1~2日かかり、血管収縮剤は常用すると鼻炎を悪化させるデメリットがあります。
点鼻薬の特徴を十分に理解して使用しましょう。
咳止め薬を服用する
咳が長く続いている場合や、日常生活の妨げになっている場合には咳止め薬で止めることができます。
花粉症によるアレルギー性の咳には、クロルフェニラミンを配合した咳止め薬がおすすめです。
ただし、花粉症の咳はアレルギーが原因のため、先述した花粉症の薬ではないと効き目が感じられない場合もあります。
服用しても咳が止まらない場合は、花粉症の薬を服用してみましょう。
商品名 | エスエスブロン錠 | プレコール | アネトンせき止め液 |
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価格 | 60錠:818円~ | 36錠:1,580円~ | 3包:598円~ |
有効成分 | ジヒドロコデインリン、dl-メチルエフェドリン、クロルフェニラミン | イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン、クロルフェニラミン | コデインリン酸塩水和物、dl-メチルエフェドリン、クロルフェニラミン |
ボタン |
子供の場合は対象年齢を確認
お子様が花粉症の咳で悩んでいる場合にも花粉症の薬や咳止め薬が有効です。
ただし、配合成分によっては小児が服用できない場合があります。
市販の花粉症の薬や咳止め薬に記載されている対象年齢を、使用前に必ず確認しましょう。
また、子ども用の薬も販売されているため、年齢に合わせて選ぶことをおすすめします。
薬を使用しても咳が治らない場合
花粉症の内服薬が効かない場合や咳が激しく息苦しい場合には、咳喘息を起こしている恐れがあります。
喘息に適した内服薬やステロイド吸入薬で治療する必要があるため、すぐに病院を受診してください。
花粉症の咳を予防する方法
花粉症の咳は、日常生活の心掛けで予防できる場合があります。
薬を使用しない咳の予防方法を3つご紹介します。
咳を予防したい方や薬だけに頼りたくない方はぜひ参考にしてみてください。
マスクの着用
花粉症による咳は、喉の粘膜に花粉が付着することで起こります。そのため、花粉を吸い込まないようにマスクを着用しましょう。
外出時は必ずマスクを着用し、長時間外出している場合は清潔なマスクに交換することをおすすめします。
また、帰宅後は衣類や持ち物に花粉が付着している可能性が高いため、家の中に持ち込まないよう払い落しましょう。
うがいや洗顔をして、口内や顔に付着した花粉を洗い流すことも大切です。
部屋を加湿する
湿度が低く空気が乾燥していると、喉の粘膜が乾燥したり花粉が宙に舞いやすくなります。
喉が乾燥すると些細な刺激でも咳が出やすくなるため、部屋を加湿して乾燥を防ぎましょう。
加湿器の使用がおすすめですが、洗濯物や濡れたタオルを室内干ししたり、水を入れたコップを置いておく方法でも加湿効果が期待できます。
温かい飲み物を飲む
部屋の加湿と併せて、温かい飲み物を飲むことでより効果が期待できます。
温かい飲み物は乾燥を防ぎ、血行促進効果で免疫細胞の働きを正常化させる効果があります。
また、以下のような食愛を飲み物に混ぜる方法もおすすめです。
大根おろし:抗菌作用がある、免疫力を高める
はちみつ:殺菌作用がある
※1歳未満のお子様ははちみつNG
また、緑茶や紅茶にも殺菌作用があるため、ぜひ試してみてください。
まとめ
花粉症による咳は、花粉症の薬や咳止め薬で改善が期待できます。
また、マスクの着用や加湿といった日常生活の心掛けで花粉症を予防することも大切です。
本記事でご紹介した予防方法を参考に、ぜひ実践してみてください。