「最近髪が薄くなってきた」「抜け毛が酷い」といった薄毛のお悩みを抱えている女性も多いでしょう。
薄毛には種類があり、種類に合った治療をおこなうことが大切です。
本記事では、薄毛治療の中でも確実性の高い治療法を、薄毛の種類ごとにご紹介します。
薄毛にお悩みの方や予防したい方は是非実践してみてください。
女性の薄毛を治す方法
「FAGA」とも呼ばれる女性の脱毛症。
ゆっくりと進行していくため気づきにくい場合もありますが、放置すればするほど脱毛してしまう症状です。
そのため気になった段階で早めに治療していくのが良いでしょう。
本項目では、日本皮膚科学会の脱毛症診療ガイドラインを参考に、確実性の高い治療法をご紹介します。
治療法 | 内容 |
---|---|
ミノキシジル | 発毛成分ミノキシジルを塗布 さまざまな薄毛に効果が高い |
薄毛改善サプリ | 育毛サプリを服用 |
メソセラピー | 有効成分を頭皮に注入 |
レーザー治療 | レーザーを頭皮にあてる |
ヘアスタイル変更 | ポニーテールなどを控える 特に牽引性脱毛症向き |
頭皮マッサージ | 頭皮をマッサージ |
ステロイド | ステロイドを塗布や注射 特に円形脱毛症向き |
局所免疫療法 | 患部に薬を塗布 特に円形脱毛症向き |
また、女性の薄毛は「びまん性脱毛症」が多いとされていますが、他にも種類があるため自分の薄毛を見極めてから治療するのがポイントです。
ミノキシジル
- びまん性脱毛症で悩んでいる方
- 休止期脱毛症で悩んでいる方
- 確実性の高い方法でヘアケアしたい方
びまん性脱毛症をはじめ、男女問わずさまざまな薄毛に有効なのがミノキシジルです。
以下の作用により、ヘアサイクルの正常化・毛髪量の増加・薄毛の予防などの効果が期待できます。
・毛髪の成長に大切な組織「毛母細胞」を刺激
脱毛症診療ガイドラインで推奨する治療薬の中では、ミノキシジルの外用薬が唯一推奨度Aとされています。
商品名 | ミノクソール | ツゲイン | フォリックスFR02 |
---|---|---|---|
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有効成分の濃度 | 5%、10% | 2%、5%、10% | 2% |
価格 | 1本60ml:3,400円~ | 1本60ml:2,500円~ | 1本60ml:4,450円~ |
特徴 | 5%、10%は最安値 | 低濃度から始めたい方におすすめ | ミノキシジルの他にも 多数の育毛成分配合 |
ボタン |

参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版|日本皮膚科学会ガイドライン
女性はミノキシジルの使用に注意
ミノキシジルは効果の高い発毛剤ですが、女性の場合は以下の点にも注意してください。
外用薬は市販では1%しか購入できませんが、クリニックや海外通販では2%~10%と高濃度のミノキシジルも購入可能です。
より高い効果を求める場合は高濃度の外用薬がおすすめですが、副作用のかぶれ等が起きやすくなる場合も。
さまざまに使用し、自分にどの程度の濃度が合うのか試してみると良いでしょう。
同様に本格的に薄毛を改善したい場合、「ミノキシジル内服薬を使用したい」と思う方もいるかもしれません。
ミノキシジルの内服薬は、高い効果がありますが心臓に負担がかかるため副作用が起こる可能性も高いとされています。
まずは外用薬からはじめ、効果が物足りない方は慎重に使用するといいでしょう。

薄毛改善サプリ
- びまん性脱毛症で悩んでいる方
- 休止期脱毛症で悩んでいる方
- 副作用を気にせずヘアケアしたい方
- 外用薬と併用したい方
ミノキシジルは医薬品ですので、頭皮のかぶれなど副作用が起こる可能性もあります。
「まずは副作用のないサプリメントから試したい」という方には、以下の薄毛改善サプリがおすすめです。
商品名 | パントガール | ルグゼバイブ |
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有効成分 | パントテン酸カルシウム、ビタミンB1、ケラチン、L-シスチンなど | パントテン酸カルシウム、ケラチン、L-シスチン、馬プラセンタなど |
価格 | 90錠:7,200円~ | 90錠:7,700円~ |
特徴 | 世界で初めて女性薄毛に 効果が認められた |
エイジングケアに有効な 馬プラセンタを配合 |
ボタン |
女性用の育毛サプリは、パントテン酸カルシウムという成分が含まれるものが多いです。
特にパントガールは臨床試験も行われており、3か月の服用で服用者の70%が脱毛減少。
服用者の20%が脱毛がなくなったという結果も報告されています。
ただし、妊娠中や授乳中、12歳未満の方は服用を控えたほうが良いとされるため該当の方はご注意ください。
メソセラピー
- びまん性脱毛症で悩んでいる方
メソセラピーは注射やレーザーによって有効成分を頭皮に注入する注入治療法で、女性の薄毛治療をおこなっている美容クリニックなどで受けることができます。
使用する成分はクリニックによって異なり、ミノキシジルや発毛効果が期待できる成分を独自配合しているクリニックもあります。
メソセラピーは2~4週間おきに半年から1年程度継続して施術をおこなうため、複数回通院しなければなりません。
費用は施術期間(回数)により異なりますが、相場は10~80万円です。
内服薬や外用薬による治療より高い効果が期待できますが、費用が高額なため、まずはミノキシジルやサプリから試すことをおすすめします。
レーザー治療
- びまん性脱毛症で悩んでいる方
メソセラピー注入治療のようなクリニックで行われる治療法として、レーザー治療というものがあります。
レーザー治療は、LEDを頭皮に照射し頭皮の血流改善・育毛を図る治療法です。
ヘルメットのような機械を頭に被せ、20分前後待つだけという簡単な治療法でありながら、脱毛診療ガイドラインでは推奨度Bと効果も見込めます。
ただし4ヶ月以上毎日行う必要があり、費用も1台250,000円と高額です。
費用が気になる方は、まずは外用薬からはじめるといいでしょう。
ヘアスタイルを変える
- 牽引性脱毛症で悩んでいる方
ポニーテールや編み込み、お団子ヘアなど、髪がきつく引っ張られるヘアスタイルは牽引性脱毛症になりやすいため注意が必要です。
ヘアアレンジの頻度を低くしたり、分け目を変えたりすることで予防可能です。
学校や仕事の都合で毎日ポニーテールにしなければならない場合は、なるべく弱い力で縛り、帰宅後は髪を下ろして過ごすことをおすすめします。
頭皮マッサージ
- 牽引性脱毛症で悩んでいる方
- びまん性脱毛症で悩んでいる方
頭皮の血行不良は、髪の毛や頭皮のダメージにつながり薄毛の原因となります。
頭皮マッサージでツボを刺激し、血行促進や毛穴詰まりの解消をおこなうことで脱毛の改善が期待できます。
頭皮マッサージにはいくつか方法があり、最も手軽にできる方法が自分でおこなうハンドマッサージです。
入浴時のシャンプーやトリートメント中に、指の腹で頭皮を動かすように刺激しましょう。爪で頭皮を傷つけないように注意してください。
自宅でできるセルフケアとして、マッサージ器を使用する方法もおすすめです。防水タイプのマッサージ器は入浴時に使用できるため、効率良くマッサージがおこなえます。
ステロイド
- 円形脱毛症で悩んでいる方
ステロイドには免疫反応や炎症を抑える作用があり、単発性通常型や多発性通常型の治療としてよく用いられます。
内服薬・外用薬・局所注射・点滴で治療できますが、内服薬や点滴は副作用のリスクが高いため、外用薬や局所注射が推奨されています。
また、長期間の連続使用は推奨されませんが、脱毛が改善したからといってすぐに薬を中断すると再発する恐れがあります。
医師の指導のもと適切に使用しましょう。
局所免疫療法
- 円形脱毛症で悩んでいる方
局所免疫療法は、スクアレン酸ジブチルエステル(SADBE)やジフェニルシクロプロペノン(DPCP)といった薬を用いて、人工的に皮膚をかぶれさせる方法です。
円形脱毛症は、T細胞が毛母細胞を破壊する自己免疫反応であると考えられているため、かぶれによってT細胞を毛母細胞から遠ざけ、脱毛を食い止める狙いがあります。
日本国内では治療法としての認可が下りていないため保険適用外となり、治療期間も6ヶ月~1年ほどかかります。
しかし、ステロイドと異なり副作用のリスクが低いため、子どもでも受けられる治療法です。
女性の薄毛の種類
女性の薄毛は原因によっていくつかの種類に分けられます。
種類により症状や治療法も異なるため、まずはご自分がどの症状に当てはまるかきちんと知ることが大切です。
代表的な薄毛症状や原因をそれぞれご紹介します。
びまん性脱毛症
びまん性脱毛症は、加齢に伴うホルモンバランスの変化やストレスなどによって引き起こされる脱毛症で、女性が発症しやすいという特徴があります。
具体的には、つぎのような原因が考えられます。
・乱れた生活習慣(睡眠、食生活など)
・ストレス
・ヘアサイクルの乱れ
・頭皮の血行不良 など
これらの原因によって頭全体の毛の密度が低くなり、ボリュームダウンや地肌が透けて見えるといった症状が見られます。
34歳女性 薄毛に悩み脱毛科に行くも、これは治りにくいと部分ウィッグを勧められ、泣きながら亜鉛サプリを飲みリアップジェンヌを塗り込んでいる😭(2週間経過)#AGA #薄毛 #FAGA #びまん性脱毛症 pic.twitter.com/IRgmzd1inb
— ありのままの姿見せるのよ (@arinomamano123) February 7, 2022
びまん性脱毛症は徐々に進行するため、いつの間にか毛量が少なくなり薄毛を実感する方も多いでしょう。
休止期脱毛症
正常な髪では、【成長期→退行期→休止期】のヘアサイクルを繰り返しています。
しかし、休止期脱毛症では何らかの原因によりヘアサイクルが乱れ、休止期に入ってしまうことで頭全体の毛が急激に抜け落ちます。
休止期脱毛症はつぎのような原因によって引き起こされます。
・鉄欠乏性貧血
・性感染症
・甲状腺異常
・薬剤性(薬の副作用)
・栄養失調 など
特に有名なのが分娩後脱毛症で、産後のストレスやホルモンバランスの変化などにより現れる症状です。
ついに来ました!産後脱毛!
右頭部と前髪が
びっくりするくらい抜けまくってます悩まず経過を見守りたいと思います🌙 pic.twitter.com/sezSTzubbE
— ゆりもり*石関友梨 (@Maetelyuri) September 17, 2021
妊娠や出産が原因であれば、大半は産後6ヶ月~1年ほどで改善します。
このように症状は一時的で、薄毛の原因を取り除くことで改善できる脱毛症です。
牽引性脱毛症
牽引性脱毛症は頭皮や髪に過度な力が加わったり、血行不良を起こすことで毛が抜ける脱毛症です。
他の脱毛症とは異なり、ホルモンバランスや他の疾患の影響を受けて発症するものではありません。
考えられる原因はつぎのとおりです。
・ヘアアイロン
・エクステ など
上記のように、髪をきつく引っ張ることで分け目や生え際を中心に脱毛します。
また、常に同じ分け目でも分け目部分が薄くなりやすいため注意が必要です。
円形脱毛症
一般的な円形脱毛症の症状は、毛髪の一部が丸い形に脱毛するというものです。
しかし、複数箇所に円形脱毛ができる場合、頭全体や全身の毛が抜け落ちる場合など、いくつか種類があります。
単発性通常型:脱毛箇所が1箇所
多発性通常型:脱毛箇所が複数ある
全頭型:頭全体の髪が抜け落ちる
全身型:頭以外の全身の毛が抜け落ちる
蛇行型:耳の周りから後頭部の下部の毛が帯状に抜け落ちる
円形脱毛症の明確な原因は分かっていませんが、つぎのような原因が考えられます。
神経障害
内分泌異常
自己免疫疾患 など
自然に治ることもありますが、重症化すると治療にも時間がかかるため、医師や専門家に相談することをおすすめします。
女性の薄毛の原因
前述のとおり薄毛にはさまざまな種類がありますが、類似している原因がいくつかあり、日常生活の中にも潜んでいます。
心掛け次第で薄毛を予防できる場合もあるため、つぎに挙げる点を意識してみてください。
加齢
ホルモンバランスはストレスや月経周期などにより変動しますが、閉経後は急激に女性ホルモンが減少します。
そのため、30代後半や40代頃から薄毛が気になり始めることが多いでしょう。
加齢を食い止めることはできませんが、ホルモン剤やサプリ、ホルモン補充療法によって女性ホルモンの補充は可能です。
ホルモンバランスの変化は薄毛以外に更年期や骨粗しょう症の原因にもなるため、薬やサプリで補うことをおすすめします。
睡眠不足
ヘアサイクルには、代謝を促す成長ホルモンが大きく関係しています。
しかし、睡眠不足になると成長ホルモンの分泌量が減少し、毛髪の形成に必要なタンパク質の合成が十分に行われなくなってしまいます。
成長ホルモンが特に分泌される午後10時~午前2時にぐっすり眠れるよう、睡眠の質を高めることも大切です。
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メラトニンタイムリリース 100錠:3,560円~ |
偏った食生活
無理なダイエットや暴飲暴食、ジャンクフードばかりの食事は栄養不足に陥りやすく、ホルモンバランスが乱れて薄毛に繋がります。
髪の健康に良い栄養素であるタンパク質、ミネラル、ビタミン、イソフラボン、Lシスチンなどを積極的に取り入れましょう。
タンパク質:肉類、卵、イワシ、納豆、チーズなど
ミネラル:昆布、海苔、ひじき、ほうれん草、大豆など
ビタミン:レバー、ウナギ、あさり、納豆、バナナ、キウイなど
イソフラボン:大豆(納豆、味噌、豆腐、豆乳、きなこなど)
Lシスチン:小麦粉、レバー、かつお節、海苔、干しシイタケなど
ストレスを溜めている
ストレスは、睡眠不足や食生活の偏りといった生活習慣の乱れに繋がります。
特に、10~20代の若い年代の薄毛はストレスが主な原因です。
また、ストレスや生活習慣の乱れによってホルモンバランスが乱れると、女性ホルモンが減少して男性ホルモンが増加することがあります。
男性ホルモンが多いと薄毛になりやすいため、ストレスを溜めないようにしましょう。
何度もカラーやパーマをしている
髪の毛のカラーリングやパーマは、頭皮や髪にダメージを与えます。
頻繁に繰り返すとダメージが蓄積して薄毛に繋がるため注意が必要です。
薄毛が気になる方は控えるか、毛先だけにするなど工夫してみましょう。
紫外線対策していない
紫外線のダメージを受けるのは、顔や身体の皮膚だけではありません。
頭皮が過剰な紫外線を浴びると毛母細胞がダメージを受け、髪が抜けやすくなります。
また、紫外線やブルーライトなどの光によって皮膚が老化する光老化も薄毛を進行させる原因のひとつです。
UVスプレー、帽子、日傘などのアイテムで頭皮の紫外線対策も忘れずにおこないましょう。

間違ったヘアケアをしている
ドライヤーやヘアアイロンの使用は高温の熱が伝わるため、髪や頭皮にダメージを与えます。
また、髪を引っ張るような強いブラッシングや、きつく引っ張って結ぶ髪型は薄毛になりやすいため注意が必要です。
髪へのダメージが軽減されているヘアケア商品を使用したり、ヘアアレンジの頻度を低くしたりすることで予防可能です。
現在行っているヘアケアが、髪や頭皮に良い方法かどうか見直してみましょう。
女性の薄毛に関する疑問
ここからは、女性の薄毛に関するよくある質問にお答えします。
治療を検討している方は是非参考にしてみてください。
若くても薄毛になる?
女性の場合、30代後半や40代頃から薄毛を実感しやすいとされています。
しかし、無理なダイエットやストレス、不規則な生活が原因となり、10~20代でも薄毛になることがあるため注意が必要です。
何歳まで治療できる?
薄毛治療に年齢の上限はないため、何歳まででも治療可能です。
ただし、ミノキシジル内服薬などは循環器系に副作用が出る恐れがあるため、十分注意して使用してください。
また、ステロイドは効果が強いため成人していない方の使用は推奨されていません。使用したい場合は医師に相談してください。
薄毛治療は保険適用される?
保険が適用されるのは命に関わる病気や怪我の治療と定められているため、薄毛治療は原則保険適用外です。
ただし、脱毛箇所の炎症や痒みに対する治療、脱毛の原因となっている疾患の治療などには保険が適用される場合があります。
治療薬を安く手に入れたい場合には個人輸入でも購入可能です。
病院で処方される医薬品や、日本では流通していない海外製の医薬品を安い値段で購入できます。
薄毛治療の男女の違いは?
男性の薄毛(AGA)は遺伝や生活習慣、ストレスが原因であることが多く、額付近や頭頂部、側頭部から徐々に脱毛箇所が広がっていきます。
治療にはご紹介したミノキシジルの外用薬をはじめ、ミノキシジル内服薬やフィナステリドなど様々な種類の治療薬が存在します。
一方女性の薄毛治療は、主な治療薬はミノキシジル外用薬です。
男性の治療薬として一般的な内服薬も、女性は禁忌として使用できない場合もあります。
気になったらすぐ始めよう
薄毛治療には確実な方法があるわけではありません。
しかし、ミノキシジルやサプリなどによって予防や改善が期待できます。
薄毛の種類によって推奨される治療法が異なるため、本記事を参考に原因をつきとめて、すぐに治療を開始しましょう。