AGAとは、男性ホルモンや遺伝、生活習慣を原因とする男性特有の脱毛症です。
一般に頭頂部や額の生え際で抜け毛が起こり、薄毛が進んでいくのが特徴です。
主な治療法にはAGA治療薬の使用、メソセラピー、植毛などがあります。
当ページではAGAの原因や症状、治療法などについて分かりやすく解説していきます。
AGAとは
AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略称で、日本語では男性型脱毛症と呼ばれています。
ストレスに起因する円形脱毛症もありますが、男性が薄毛や抜け毛で悩むほとんどの原因はAGAです。
AGAは主に頭頂部や前頭部で抜け毛が起きて徐々に薄毛が進行していきます。
日本人男性のAGA発症率は全年齢平均で30%と、3人に一人の割合で発症していることになります。
一般的に20代後半から発症して次第に進行していきますが、中には10代という若いうちに発症する人もいます。
ヘアサイクルについて
毛髪には1本ごとにヘアサイクル(髪の生え代わりの周期)があります。
通常のヘアサイクルは以下の通りです。
2.退行期:毛が抜けないようにするために毛包が小さくなる(2~3週間)
3.休止期:毛乳頭が活動を休止する(2~3か月の間)
4.脱毛&新生期:毛乳頭が活動を再開し新たな髪が作られて古い髪は脱毛する
通常であればこのサイクルを繰り返します。
ところがAGAを発症すると、成長期間が100日ぐらいに短くなり、充分に成長しないまま退行期に入ってしまいます。
結果、細く短い毛ばかりの薄毛状態になってしまいます。
AGAの進行パターン
AGAの進行パターンには大きく分けて以下の3つがあります。
U字型:前頭部の生え際が段々と後退していくパターン
O字型:後頭部から丸く薄毛が進行していくパターン
最終的にはどのパターンも側頭部と後頭部の髪の毛だけが残ります。
またアメリカのハミルトン医師が分類しノーウッド医師が改修した、「ハミルトン・ノーウッド分類」というタイプ分け方法もあります。
12パターンの世界基準があり、AGAの進行度合いが判断できます。
AGAの原因
AGAの主な原因は、男性ホルモンによって生成されたDHTが、ヘアサイクルの成長期を短くしてしまう点にあります。
4人に1人は遺伝によるものであると考えられています。
また他にも、睡眠や運動不足、食生活などの生活習慣や、強いストレスも影響していると言われており、人によって原因は様々です。
それでは、主な原因を説明していきます。
男性ホルモン(DHT)
男性ホルモンの一種テストステロンが、還元酵素5αリダクターゼによってDHT(ジヒドロテストステロン)に変化し、男性ホルモン受容体と結合して、前頭部や頭頂部の髪の毛の細胞分裂を抑制します。
その結果、通常3~5年の髪の成長期間が最短で100日ぐらいと極端に短縮。十分に成長しないまま退行期に入ってしまいます。
この男性ホルモンの影響で、細く短い毛ばかりが増えて薄毛へと進行してしまうのです。
遺伝
AGA発症の原因の4分の1が遺伝によるものと言われています。
AGAが発症するかどうかは、前述のDHTと結合する男性ホルモン受容体の感受性が強いかどうかによって決まります。
感受性が強い遺伝子を受け継いだ場合は、薄毛になる可能性が高くなります。
この感受性の強さを持つ遺伝子情報は、母親から受け継ぐX染色体に含まれています。
そのため、AGAは父親より母親からの遺伝による影響の方が大きいと考えられているのです。
生活習慣
前述の男性ホルモンや遺伝の他にも、睡眠や運動の不足、食生活、喫煙やアルコールといった生活習慣がAGAの原因となります。
それぞれの影響やメカニズムを紹介していきます。
睡眠不足
睡眠中は髪の毛を含めて成長ホルモンがもっとも多く分泌されます。
また睡眠中には血行が良くなり毛根への栄養補給も。
睡眠が不足すると、成長ホルモン分泌量の減少や、血流の悪化により頭皮や髪の毛への栄養供給低下が引き起こされるのです。
食生活
高カロリーや高脂質の食品を多く摂ると皮脂の分泌が増え、毛穴つまりの原因となります。
その結果、頭皮への栄養供給を減少しAGAへとつながるのです。
糖分の摂り過ぎも、中性脂肪が増加して血行が悪くなります。
また、過度なダイエットによる栄養不足、不規則な食事時間による肥満なども頭皮への栄養補給に影響を及ぼします。
喫煙・アルコール
喫煙すると血管が収縮し血流が悪くなります。
その結果、頭皮への栄養補給にも影響を及ぼすのです。
アメリカの研究では、喫煙する男性の方が喫煙しない男性よりDHTの生成量が多いという結果も。
複数の側面から喫煙とAGAは関連しているのです。
アルコールの場合、体内に入るとアセトアルデヒドに変換され、DHTの生成を増やします。
ただし、適度の飲酒はストレスの解消にはなるため一概に絶対にダメとは言えません。
運動不足
運動不足の人は、ホルモンバランスが乱れてDHTが増加する傾向にあると言われています。
また、血行不良に陥っている可能性が高く、頭皮への栄養供給に影響が。
加えて、ストレスがたまる原因ともなります。
ストレス
過度なストレスは、血管の収縮によって頭皮への栄養供給に影響したり、自律神経やホルモンバランスを乱します。
また、ストレスを感じるとコルチゾールというホルモンの一種が分泌されやすくなり、それに伴い男性ホルモンが増加することも。
男性ホルモンの増加はテストステロンの増加へと繋がることになります。
AGA治療法
AGAの治療法には、以下のようなものがあります。
それぞれ解説していきます。
AGA治療薬
AGAの治療法では、発毛促進剤や抜け毛抑制剤などのAGA治療薬による投薬治療が最も一般的で第1の選択肢となります。
以下に紹介する治療薬は、日本皮膚科学会が発表したガイドラインの中で一番有用性が高ランクの”推奨度A”に分類された治療薬です。
それぞれ紹介していきます。
プロペシア
プロペシアは主成分のフィナステリドが、この還元酵素のⅡ型の働きを阻害して、DHTの生成を減少させます。
これによってヘアサイクルの乱れを防いで抜け毛を抑制し、薄毛を改善させるという効果を持っています。
プロペシアはジェネリックも販売されており、継続する必要があるAGA治療では価格の安いジェネリックがおすすめです。
プロペシア | フィナクス | フィンペシア | プロスカルピン | |
---|---|---|---|---|
画像 | ||||
分類 | 先発薬 | ジェネリック医薬品 | ジェネリック医薬品 | ジェネリック医薬品 |
成分 | フィナステリド | フィナステリド | フィナステリド | フィナステリド |
価格 | 1mg28錠:9,300円 | 1mg100錠:4,000円 | 1mg30錠:1,520円 | 1mg30錠:2,500円 |
購入 |
ザガーロ
ザガーロの主成分デュタステリドは、プロペシアと同様に還元酵素5αリダクターゼの働きを阻害します。プロペシアは還元酵素のⅡ型のみに作用しますが、、ザガーロは還元酵素のⅠ型、Ⅱ型の双方に作用。さらにⅡ型に対してはプロペシアより3倍高い阻害効果を持つと言われています。
これによって、より強くDHTの生成を阻害し、ヘアサイクルの乱れを減少させます。
アボダート | デュタストロン | デュタス | ベルトリド | |
---|---|---|---|---|
画像 | ||||
分類 | 先発薬 | ジェネリック医薬品 | ジェネリック医薬品 | ジェネリック医薬品 |
成分 | デュタステリド | デュタステリド | デュタステリド | デュタステリド |
価格 | 0.5mg30錠:4,500円 | 0.5mg30錠:2,700円 | 0.5mg30錠:3,600円 | 0.5mg100錠:9,000円 |
購入 |
ミノキシジル
ミノキシジルには血管の拡張効果があります。
血管が拡張されることによって、毛乳頭細胞へ髪の成長に必要な酵素や栄養の吸収が活性化、髪の毛の成長を促進するという働きを持っています。
ミノキシジルには塗る外用薬と内服薬があり、外用薬は国内で承認されていますが、内服薬は未承認です。
ただし、内服薬の方が外用薬より効果が大きいため、海外から内服薬を輸入して処方しているAGAクリニックがたくさんあります。
メソセラピー
メソセラピーは、AGA治療薬の成分や髪の成長を促す成長因子、ビタミン・ミネラルを配合した薬液を、体内に直接注入して髪の毛の成長を促す治療法です。
頭皮への皮下注射や、電磁パルス、極細針ローラーで注入する方法があります。
その他、費用は高いですが注入時の痛みが少ない、レーザーを使った注入法も行われています。
この注入を2~4週間に1回というペースで、効果を確認しながら半年から1年間ぐらい継続するという治療方法です。
費用相場
メソセラピーの費用は、薬液の種類や注入する方法で大きく異なります。
一般的な1回あたりの費用は20,000~80,000円ほどです。
2~4週間に1回というペースで、半年~1年続けるため、総額で300,000~1,000,000円かかることになります。
自毛植毛
自毛植毛は、AGAの影響を受けていない側頭部や後頭部の健康な毛髪を、薄毛になってしまった部分に移植するという治療方法です。
植毛は、麻酔をかけて健康な部分の頭皮を毛包ごと採取し、移植部分にそれをはめ込む切り込み入れて移植するという手術を行います。
手術には、髪の毛1本ごとを採取して移植する方法や、頭皮を帯状に切除してから採取する方法があります。
術後は、しばらくの間、痛みを伴うと共に傷跡も残ります。
費用相場
植毛手術の費用は、移植する毛髪本数や手術方法によって異なりますが、費用の相場として移植する1株あたり800円~1,200円前後となります。
1,000株(毛髪2,000~2,500本ぐらい)移植すると、800,000円~1,200,000円と比較的高額です。
トルコなど海外での手術もあり、手術費用は国内より安いようです。
AGAに関するQ&A
ここでは、AGAに関するよくある疑問に対し、Q&A形式で回答を紹介していきます。
AGAは治ることはありますか?
AGAは発症してから徐々に進行していく病気です。自然に治ることはほぼ無く、AGAを改善したい場合何らかの治療受けないと治りません。
治療法は確立されていますので進行は抑えられますが、完治することは難しいです。
また、治療薬の使用を止めた場合は、徐々に元の状態に戻ってしまいます。
症状が進む前に、発症してからはなるべく早く治療を開始するようにしましょう。
AGAの薬で一番強いのはどれですか?
AGAの薬には抜け毛抑制剤と発毛促進剤があり、それぞれで一番強いものは異なります。
抜け毛抑制剤では、前述のとおりザガーロがプロペシアより強い効果があり、プロペシアで効果が無かった場合に、ザガーロに切り替えて効果が現れることがあります。
発毛促進剤はミノキシジルが基本的に使用される治療薬です。このため、プロペシアやザガーロと共にミノキシジルを併用すれば、より高い改善効果を得ることが出来ます。
フィナステリド100錠 ミノキシジル100錠 200錠:6,750円 |
デュタステリド90錠 ミノキシジル100錠 190錠:8,800円 |
AGAはどの病院へ行けばよいですか?
AGAの治療は、皮膚科医院やAGA専門クリニックで受診してください。
昔よりAGA治療を取り扱う病院が増えてきており、メンズクリニックなどでも治療を行っているところがあります。
事前にHPを確認して、AGA治療薬の価格や取り扱っている種類など確認しておくことをおすすめします。
まだ20代前半ですが薄毛です。AGAの可能性はありますか?
一般的に20代後半以降からの発症が多いです。しかし中には10代で発症する人もあります。
AGAかどうか気になる場合は、早めに病院で診断してもらってください。
発症後になるべく早く治療を始めれば、進行を抑えられます。
いつまでAGA治療で通院しなければいけませんか?
AGAの治療は進行を抑制することで、完治することはほぼありません。
このため治療を続けることが必要です。
もし通院するのが面倒だったり支障があるようであれば、病院より安い価格で海外から治療薬を個人輸入できます。
また面倒な輸入手続きを代行してくれる当サイトのような専門業者への依頼が便利です。