胃もたれや乗り物酔い、ストレスなど吐き気の原因はさまざまです。
同様に吐き気を抑えるための薬にも多くの種類があるため、吐き気の原因に合わせて選ぶことが大切です。
本記事では、おすすめの吐き気止めを症状別にご紹介します。また、服用方法や副作用についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
吐き気止めの薬の種類
まずは病院で処方される薬と薬局でも購入できる市販薬に分けて、吐き気止めの種類をご紹介します。
処方薬
病院で処方される薬では、ナウゼリンやプリンペラン、ガスモチンが代表的です。
胃や腸の動きを活発にし、消化や排泄を促すことで吐き気を改善します。
商品名 | ナウゼリン | プリンペラン | ガスモチン |
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成分名 | ドンペリドン | メトクロプラミド | モサプリドクエン酸塩 |
特徴 | 子供から大人まで幅広く処方 妊婦の使用は禁止 |
うつ病などが原因の吐き気にも 妊婦も使用可能 |
慢性胃炎の時に使用 |
服用方法 | 1回10mgを1日3回食前に服用 | 1日7.67〜23.04mgを2〜3回に分割し、食前に | 1日15mgを3回に分けて食前または食後に服用 |
ボタン |
成人の慢性胃炎や胃下垂・嘔吐・食欲不振、および子どもの風邪や嘔吐などにはD2受容体阻害薬のナウゼリンやプリンペランがよく処方されます。
また、胸やけや胃もたれがひどい場合にはセロトニン受容体作動薬のガスモチンを処方する場合もあります。
また、薬によっては錠剤の他に座薬・点滴など多様なタイプがあります。
子供や嘔吐で飲み薬を飲んでも吐いてしまう場合は座薬、重症時や緊急時は点滴がおすすめです。
上記のような重症時は病院で診察を受けましょう。
市販薬
市販薬では、胃に作用する胃腸薬や自律神経に作用する酔い止め薬などで吐き気を抑えることができます。
太田胃散のような胃腸薬をはじめ、市販の吐き気止めは多数あります。
商品名 | 太田胃散A錠 | ガスター10 | ハイウルソ | トラベルミン |
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成分名 | リパーゼAP6 | ファモチジン | ウルソデオキシコール酸 | ジフェンヒドラミンサリチル酸塩 |
特徴 | 脂肪の分解を助けて消化を促す | 胃もたれや胃痛に効果的 | 胃の働きを回復させて消化を促す | 乗り物酔いやメニエール症候群の症状を緩和 |
服用方法 | 1回3錠を1日3回まで | 1回1錠を1日2回まで | 1回1包を1日3回まで | 1回1錠を1日3~4回まで |
症状によっても適している薬が異なるため、次項でご紹介する選び方を参考に選んでみてください。
【症状別】吐き気止めの薬の選び方
吐き気の原因は消化不良や乗り物酔い、薬の副作用など多岐にわたるため、症状に合わせた薬を選ぶことが大切です。
これらの症状や原因別に、おすすめの吐き気止めをご紹介します。
胸やけがある場合
胸やけやむかつきによる吐き気の原因は、胃酸過多や胃酸の逆流が考えられます。
そのため、胃の働きを改善する胃腸薬がおすすめです。
商品名 | ナウゼリン | プリンペラン | ガスモチン | ガスター10 | スクラート胃腸薬S |
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成分名 | ドンペリドン | メトクロプラミド | モサプリドクエン酸塩 | ファモチジン | スクラルファート |
価格 | 100錠:2,700円~ | 30錠:2,200円~ | 30錠:3,600円~ | 6錠:952円 | 36錠 |
特徴 | 胃炎や胃下垂による吐き気 | 胃炎や胃下垂による吐き気 | 胃炎や胃下垂による吐き気に効果的 | 胃もたれや胃痛に効果的 | 胃もたれや腹部膨満感に効果的 |
服用方法 | 1回10mgを1日3回食前に服用 処方薬 |
1日7.67〜23.04mgを2〜3回に分割し、食前に 処方薬 |
1日15mgを3回に分けて食前または食後に服用 処方薬 |
1回1錠を1日2回まで 市販薬 |
市販薬 |
ボタン |
これらの胃腸薬は、逆流性食道炎による吐き気にも効果が期待できます。
食べ過ぎた場合
食べ過ぎによる吐き気の原因は、胃もたれや消化不良が考えられます。
そのため、消化を促進させる胃腸薬がおすすめです。
商品名 | 太田胃散A錠 | ハイウルソ |
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成分名 | リパーゼAP6 | ウルソデオキシコール酸 |
価格 | 45錠:659円~ | 12包:548円~ |
特徴 | 脂肪の分解を助けて消化を促す | 胃の働きを回復させて消化を促す |
服用方法 | 1回3錠を1日3回まで | 1回1包を1日3回まで |
ボタン |
これらの胃腸薬は、脂っこい食べ物の食べ過ぎや便秘による腹部膨満感に効果が期待できます。
ストレスがある場合
ストレスや睡眠不足によって自律神経が乱れ、吐き気を催す場合があります。
ストレスが原因の吐き気には、胃腸薬の他に漢方薬もおすすめです。
商品名 | 半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
太田漢方胃腸薬Ⅱ | ストレージ タイプI |
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成分名 | ハンゲ、ブクリョウ、コウボクなど | ブクリョウ、ケイヒ、エンゴサクなど | 安中散料エキス |
価格 | 24包:1,828円~ | 54錠:704円~ | 6包:890円~ |
特徴 | 喉の異物感や神経性の胃炎を改善 | 自律神経の乱れを正して吐き気を改善 | ストレスによる胃の痛みや不快感に |
服用方法 | 1回1包を1日3回 | 1回3錠を1日3回 | 1包を1日2回服用 ※年齢によって増減 |
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漢方薬は飲み続けることで効果が期待できるため、継続して服用しましょう。
また、ストレスを溜めないような生活を送ることも大切です。
乗り物酔いの場合
乗り物酔いは三半規管や身体への揺れ、視覚情報などによって発生します。
脳や自律神経が混乱している状態のため、自律神経に作用する薬が有効です。
商品名 | アネロンニスキャップ | トラベルミン |
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成分名 | マレイン酸フェニラミン、アミノ安息香酸エチルなど | ジフェンヒドラミンサリチル酸塩 |
価格 | 3錠:511円~ | 6錠:518円~ |
特徴 | 乗り物酔いによる吐き気やめまいを緩和 | 乗り物酔いやメニエール症候群の症状を緩和 |
服用方法 | 1回1カプセルを1日1回 | 1回1錠を1日3~4回まで |
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これらの酔い止め薬には子ども用もあるため、年齢に合わせて服用してください。
つわりの場合
妊娠中は服用できない薬が多いですが、吐き気止めの中でもプリンペランは服用できます。
また、妊娠中は胎児に悪影響を与えないビタミン剤やサプリメントであれば服用可能です。つわりがひどい場合にはビタミンB6がおすすめです。
商品名 | プリンペラン | ビタミンB6 |
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成分名 | メトクロプラミド | ビタミンB6 |
価格 | 30錠:2,200円~ | 80錠:665円~ |
特徴 | 胃の働きを活性化させて消化を促す | つわりによる吐き気や消化不良を緩和 |
服用方法 | 1日7.67~23.04mgを2~3回に分けて服用 | 18歳以上の妊婦は1日1.3mgを服用 |
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ただしつわりの程度や体質、その他の症状により対処法が異なるため、まずは医師に相談することをおすすめします。
生理時に起きた場合
生理時の吐き気は、生理周期によるホルモンバランスの変化や、生理痛の原因物質であるプロスタグランジンが関係しています。
そのため、通常の吐き気止めではなく、生理痛の症状を緩和する低用量ピルや超低用量ピルの服用がおすすめです。
商品名 | マーベロン | トリキュラー | ヤーズ |
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成分名 | デソゲストレル エチニルエストラジオール |
レボノルゲストレル エチニルエストラジオール |
ドロスピレノン エチニルエストラジオール |
価格 | 28錠:1,440円~ | 21錠:1,800円~ | 28錠:2,700円~ |
特徴 | 避妊の他ニキビの改善にも | 不正出血などの副作用が起きにくい | 新しい世代のピルで、 副作用が控えめ |
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低用量ピルにはさまざまな種類があるため、ご自分の症状や体質に合ったピルを選びましょう。
ピルの副作用の場合
生理痛による吐き気は低用量ピルで緩和可能ですが、反対にピルの副作用で吐き気を催す場合もあります。
特に、飲み始めてから2~3ヶ月頃は副作用が現れやすいため、慣れるまでは吐き気を感じる可能性があるでしょう。
ピルの副作用による吐き気には、つわりの項目で紹介したビタミンB6や乗り物の酔い止め薬がおすすめです。
副作用が長く続く場合はピルが身体に合っていない可能性もあるため、医師に相談しましょう。
二日酔いの場合
体内でアルコールを分解する際にアセトアルデヒドという物質ができます。
このアセトアルデヒドが、吐き気や頭痛などの二日酔いの原因のひとつです。
二日酔いの吐き気には、アルコールの分解を促進したり、胃もたれやむかつきを解消できる薬がおすすめです。
商品名 | 新黒丸α | ガスター10 | ファモチジン(ガスター) |
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成分名 | ウコン、オウゴン乾燥エキスなど | ファモチジン | ファモチジン |
価格 | 30錠:630円~ | 6錠:952円~ | 100錠:3,480円~ |
特徴 | 胃の働きを改善して、二日酔いの吐き気を緩和する | 胃もたれや胃痛に効果的 | 胃もたれや胃痛に効果的 大用量でコスパが良い |
服用方法 | 1回3粒を1日3回まで | 1回1錠を1日2回まで | 1回1錠を1日2回まで |
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二日酔いはアルコールを飲み過ぎなければ防げるため、飲む量をセーブすることも大切です。
子供の場合
お子様が吐き気を訴えている場合、以下の薬がおすすめです。
なお、吐き気には様々な原因があるため、原因や併発している症状にあわせて薬を選びましょう。
商品名 | センパア プチベリー | パンシロンアクティブ55 |
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成分名 | クロルフェニラミンマレイン酸塩、スコポラミン臭化水素酸塩水和物 | ビオヂアスターゼ2000、プロザイム6、リパーゼAP12など |
価格 | 10錠:311円~ | 34包:1,911円~ |
特徴 | 乗り物酔いの吐き気に 飲みやすいイチゴ風味で3歳から使用可能 |
胃もたれや胃の不快感に 3歳から使用可能 |
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吐き気止めの薬はどこで買える?
吐き気止めには病院処方薬や市販薬があり、さまざまな場所で購入可能です。
・薬局、ドラッグストア
・病院
・国内通販
・海外通販
第2類医薬品、第3類医薬品、ビタミン剤などは処方箋なしでも購入できるため、ドラッグストアや一部のコンビニ、国内通販などで気軽に入手できます。
一方、ナウゼリンやドンペリドンなどの効果が強い薬は、病院で処方してもらわなければなりません。
しかし、海外通販ではナウゼリンやドンペリドンも購入できるため、「通院するのが面倒」「吐き気止めを常備したい」などの方は海外通販がおすすめです。
吐き気止めの薬の注意点
吐き気止めを服用する際の注意点をご紹介します。
薬によっては副作用や飲み合わせの悪い薬があるため、服用方法や注意点を守ることが大切です。
服用方法に注意
基本的にどんな薬も、効果が現れるまでには最低15~30分ほどかかります。
たとえば乗り物酔いの酔い止め薬は、薬の効果が出るまでに酔ってしまう可能性があるため、事前に服用するなどの対策が大切です。
また、医薬品には薬ごとに「推奨する服用タイミング(食前、食後、食間)」が定められています。
たとえば、ナウゼリンやプリンペランなどは食前に服用することで効果を発揮する薬です。
このように、服用する前に必ず服用方法を確認し、用法用量を守って服用しましょう。
副作用に注意
吐き気止めの種類によっては、以下のような副作用が現れる可能性があります。
ガスター10:便秘、軟便など
酔い止め薬:口の渇き、眠気など
副作用が長く続く場合や症状がひどい場合には、服用を中止し医師に相談してください。
また、併用が禁止されている薬や服用できない方(妊娠中の方、肝機能障害の方など)が定められている薬も存在します。
ご自分が当てはまるかどうか、服用前に必ず確認しましょう。
吐き気止めの薬に関するよくある質問
ここからは、吐き気や吐き気止めの服用に関するよくある質問にお答えします。
吐き気を抑える方法を知りたい方や薬が効かない方はぜひ参考にしてみてください。
薬を使わずに治す方法はある?
吐き気止めを服用できない場合は、以下のような対処法がおすすめです。
・空気を入れ替える、外の空気を吸う
・冷たい水でうがいをする
また、仕事中や外出中でも簡単にできる方法として吐き気に効くツボを押すのもおすすめです。
おすすめのツボ①内関(ストレスによる吐き気に)
手首にできるしわから指3本分離れた位置にあるのが内関です。
自律神経を安定させ、胃の痛みや不快感・吐き気を軽減させる効果があります。
おすすめのツボ②足三里(胃の不快感がある方に)
膝のお皿の下から指4本分下にあるツボです。
腹痛・下痢・吐き気などの胃腸症状をはじめ、膝の痛みなどにも有効です。
おすすめのツボ③中脘(胃腸が弱っている方に)
おへそから指ん4本分の、胃の中間部にあるツボです。
消化不良・胃もたれ・食欲不振に有効で、便秘にも効果があります。
吐き気止めの薬が効かない場合は?
処方薬や市販薬の種類に限らず、体質的に薬の成分が合わず薬が効かないがあります。
薬の種類を変えても効果が見られない場合は他の原因が関係している可能性もあるため、病院で原因を特定してもらいましょう。
吐き気止めは症状ごとに選ぼう
吐き気止めにはさまざまな種類がありますが、成分や作用が異なるため症状ごとに選びましょう。
また、漢方薬やピル、ビタミン剤などが有効な吐き気もあるため、気分が悪い原因を正しく見極めることが大切です。