ジャディアンスとフォシーガを徹底比較!自分にあった選び方解説

ジャディアンスとフォシーガはSGLT2阻害薬と呼ばれる種類に分類される糖尿病治療薬です。

どちらも血糖値のコントロールに加え、心臓や腎臓の保護や体重減少への効果も期待されています。

2つの薬は分類や効果など共通点が多く、何を基準に選ぶべきかわからない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ジャディアンスとフォシーガにはどのような違いがあるのか特徴について詳しくまとめ、比較しました。

服用を検討している方はぜひ参考にしてください。

ジャディアンスとフォシーガの違い

ジャディアンス フォシーガ
画像 ジャディアンス フォシーガ
成分 エンパグリフロジン ダパグリフロジン
分類 SGLT2阻害薬 SGLT2阻害薬
効果 血糖値を下げる、体重減少 血糖値を下げる、体重減少、血圧を下げる
対象疾患 2型糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病 2型糖尿病、1型糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病
副作用 カンジタ症、便秘、口の渇き、頻尿、下痢、腹痛、頭痛、めまいなど カンジタ症、便秘、口の渇き、頻尿、下痢、腹痛、頭痛、めまいなど
服用方法 1日1回10mgもしくは25mgを1錠 1日1回5mgもしくは10mgを1錠
価格 10mg 30錠:6,000円
10mg 60錠:10,000円
25mg 30錠:6,900円
25mg 60錠:13,600円
10mg 14錠:4,000円
10mg 28錠:6,300円
10mg 98錠:14,500円
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ジャディアンスとフォシーガはどちらも食事から摂取した余分な糖を尿から排泄する作用を持つ「SGLT2阻害薬」に分類される薬です。

効果や副作用の種類を比較してもほとんどが同じですが、有効成分や対象疾患が異なります。

糖尿病治療に置いてジャディアンスが2型糖尿病のみに有効であるのに対し、フォシーガは1型糖尿病にも使用可能です。

つまりフォシーガのほうがジャディアンスよりも作用範囲がより広くなっていることが大きな違いとして挙げられます。

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こんな方におすすめ

ジャディアンスとフォシーガはそれぞれつぎの方におすすめです。

ジャディアンス
  • 2型糖尿病の方
  • 心血管疾患の方
  • 朝に継続して飲める方
フォシーガ
  • 2型糖尿病の方、1型糖尿病の方
  • 慢性腎疾患の方
  • 朝に飲むことが難しい方

どちらも2型糖尿病の治療に有効ですが、近年ではジャディアンスは心血管疾患、フォシーガは腎機能に対する有効性がとくに注目されています。

また糖尿病治療においてはジャディアンヌが2型糖尿病に対してのみ効果的である一方、フォシーガは1型・2型の両方に使用可能です。

服用方法も異なるため、ダイエット目的で使用する場合には自分のライフスタイルに合わせて飲むタイミングが合うほうを選ぶことをおすすめします。

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ジャディアンスとフォシーガの効果比較

ジャディアンスとフォシーガの効果比較
効果は、体重減少効果と2型糖尿病効果それぞれにおいて、どちらが高い効果を得られるのか臨床試験の結果をもとに比較しました。

使用目的に合わせて適切に選ぶことで、より高い効果を得られることが期待できます。

体重減少効果の比較

体重減少効果について、ジャディアンスとフォシーガで下記の通り臨床試験データをまとめました。

その結果から比較したところ、体重減少効果についてはフォシーガのほうがは高いことがわかります。

【ジャディアンス】
・1日1回24週間
・10mg:-1.93kg、25mg:-2.15kgの体重減少があった
【フォシーガ】
・1日1回24週間
・5mg:-2.56kg、10mg:-3.17kgの体重減少があった

投与量10㎎で比較すると、ジャディアンスが1.93kg減少しているのに対し、フォシーガでは3.17kgも減っており、同じ用量でもフォシーガの方が体重の減少効果は高いです。

また、同じ期間内で服用回数も変わりませんが、ジャディアンスが最大2.15kg減少しているのに対し、フォシーガでは最大3.17kgで、ジャディアンスとフォシーガでは体重の減少に1㎏近くもの差があります。

これらの結果から、ジャディアンスよりもフォシーガの方が体重減少効果について高い効果が発揮されることが期待できます。

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2型糖尿病の効果の比較

ジャディアンスとフォシーガの2型糖尿病に対しての効果について、下記の通り臨床試験データをまとめました。

★ジャディアンス

投与前値 投与前値からの変化量 プラセボとの差
プラセボ 7.92 0.08
10mg 7.89 −0.65 −0.74
25mg 7.86 −0.76 −0.85

★フォシーガ

投与前値 投与前値からの変化量 プラセボとの差
プラセボ 7.5 −0.06
5mg 7.5 −0.41 −0.35
10mg 7.46 −0.45 −0.39

その結果から比較したところ、2型糖尿病への効果はジャディアンスのほうが高いことがわかります。

過去1~2ヶ月間の血糖の値を平均的に示す指標をHbA1c値と呼び、この値が高いほど血糖値が高く、反対に低いほど血糖値も低くなることを示します。

投与量10㎎で比較すると、ジャディアンスのHbA1c値が0.74低下しているのに対し、フォシーガでは0.39の低下で、同じ用量でもジャディアンスの方が2型糖尿病に対する効果が高いと言えます。

対象疾患の比較

対象疾患の比較
ジャディアンスとフォシーガの効果は下記の通りです。

ジャディアンスの効果
  • 2型糖尿病
  • 慢性心不全
  • 慢性腎臓病
フォシーガの効果
  • 1型糖尿病
  • 慢性心不全
  • 慢性腎臓病

ジャディアンスとフォシーガの効果はほとんどが共通しています。

しかしフォシーガは2型糖尿病だけでなく、1型糖尿病の方も投与可能であることが大きな違いです。

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服用方法の比較

服用方法の比較
どちらも継続的に服用していかなければならないため、習慣化するためにも服用方法は大切な要素です。

ジャディアンスとフォシーガを服用方法で比較したところ、1日1回の服用と服用回数は同じですが、用量や服用のタイミングには大きな違いがあります。

ここから詳しく解説していきます。

飲む用量の比較

ジャディアンスとフォシーガの1回の服用量は下記の通りで、症状や目的に合わせて増減されます。

【ジャディアンス】
10mgもしくは25mg
【フォシーガ】
5mgもしくは10mg

お薬なびで販売されている用量はジャディアンス10㎎と25㎎の2種類で、フォシーガは10㎎のみとなります。

フォシーガは用量が少なく種類も1種類のみのため、服用の負担や飲み間違えるリスクを軽減できる点がメリットです。

しかし、フォシーガを5㎎で服用する場合は、ピルカッターなどで錠剤をカットし自分で調整する必要があります。

ジャディアンスは用量が多いですが、10㎎と25㎎の2種類あるため、いずれかをそのまま服用することができます。

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飲むタイミングの比較

【ジャディアンス】
朝食前もしくは朝食後に服用
【フォシーガ】
指定は特になし

ジャディアンスは朝食後に服用することで、昼食や夕食から摂った余分な糖を排泄させる作用があります。

また食事をせずに服用してしまうと低血糖のリスクが高まるため、食後の服用が望ましいとされているのです。

一方、フォシーガは食事の摂取に関わらずいつでも服用できますが、十分な効果を得るためには、毎日同じ時間に服用し血中濃度を一定に保つことが奨められています。

副作用の比較

副作用の比較
できるだけ安全性が高いものを服用するためには、副作用が重要なポイントです。
副作用が辛く服用ができなかったり続けられなかったりすると十分な効果を得られません。

また副作用が起こりやすいものは、服用すること自体を不安に感じる方もいるのではないでしょうか。

そこでジャディアンスとフォシーガのおもな副作用と重大な副作用についてまとめ、比較しました。
事前に症状や頻度などを知り、どちらも服用には十分注意してください。

主な副作用の比較

ジャディアンスとフォシーガのおもな副作用はそれぞれ下記の通りです。

★ジャディアンス

0.1〜5% 尿路感染、膀胱炎、外陰部腟カンジダ症、無症候性細菌尿、亀頭包皮炎、陰部そう痒症、高脂血症、めまい、便秘、そう痒症、発疹、頻尿、多尿、排尿困難、口渇、体重減少
0.1%未満 外陰部腟炎、細菌性腟炎、トリコモナス症、亀頭炎、外陰腟そう痒症、外陰腟不快感、体液量減少、血液濃縮、味覚異常、腹部膨満、湿疹、じん麻疹、尿量増加、尿意切迫、空腹感、血中ケトン体陽性、尿中ケトン体陽性

★フォシーガ

5%以上 性器感染(腟カンジダ症等)
1〜5%未満 尿路感染(膀胱炎等)、体液量減少、便秘、口渇、頻尿、尿量増加、陰部そう痒症
1〜5%未満 ケトーシス、食欲減退、多飲症、下痢、腹痛、悪心、嘔吐、背部痛、筋痙縮、発疹、腎機能障害、排尿困難、頭痛、振戦、めまい、眼乾燥、外陰腟不快感、高血圧、低血圧、倦怠感、無力症、体重減少、異常感
頻度不明 ヘマトクリット増加

ジャディアンスとフォシーガは、どちらも体内の余分な糖を尿中から排泄させる作用で働くため、尿路感染や頻尿など同じ副作用が多くみられます。
しかし、副作用の頻度を比べるとフォシーガよりジャディアンスの方が低く、副作用が起こりにくいことがわかります。

重大な副作用の比較

ジャディアンスとフォシーガの重大な副作用はそれぞれ下記の通りです。

ジャディアンス フォシーガ
低血糖 1.4% 頻度不明
脱水 0.3% 頻度不明
ケトアシドーシス 0.1%未満 頻度不明
腎盂腎炎 0.1%未満 0.1%未満
外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽) 0.1%未満 頻度不明
敗血症 0.1%未満 0.1%未満

重大な副作用の種類についてはどちらも同じですが、頻度を比較するとジャディアンスは発現率がすべてわかるのに対し、フォシーガは頻度不明が多いです。

発現率がわかるものは臨床試験段階から症状の報告があったもので、服用人数や発現した数がわかるため計算がされています。

しかし開発段階では見られなかったものの、市場に広まった際に報告があった場合に頻度不明と記載されるのです。

併用禁忌の比較

ジャディアンスとフォシーガはどちらも併用禁忌薬はありません。

そのため、ほかの薬を服用している方でも問題なく使用することができます。

また併用注意薬はどちらも同じで下記の通りです。

糖尿病用薬
・スルホニルウレア剤
・α-グルコシダーゼ阻害薬
・チアゾリジン系薬剤
・速効型インスリン分泌促進薬
・ビグアナイド系薬剤
・GLP-1受容体作動薬
・DPP-4阻害薬
・インスリン製剤等

血糖降下作用を増強する薬剤
・サリチル酸剤
・β遮断薬
・モノアミン酸化酵素阻害剤等

血糖降下作用を減弱する薬剤
・副腎皮質ホルモン
・アドレナリン
・甲状腺ホルモン等

利尿薬
・ループ利尿薬等
・チアジド系薬剤

併用注意薬は併用が禁じられているわけではありませんが、相互作用により影響を与える可能性があるため注意が必要です。

上記に該当する薬を服用中の方や治療中の疾患がある場合は、事前に医師や薬剤師にご相談ください。

ジャディアンスとフォシーガは併用できる?

併用禁忌薬ではないため、ジャディアンスとフォシーガは併用が可能です。

しかし、併用注意薬には該当しているため、これら薬剤を一緒に使用する場合は注意が必要です。
ジャディアンスとフォシーガはどちらもSGLT2阻害薬に分類される薬で、同様のメカニズムで働きます。

そのため併用すると、相互作用により効果が増強されてしまい副作用が現れやすくなる可能性や低血糖など重篤な副作用に繋がる恐れがあるのです。

ジャディアンスとフォシーガのふたつを併用する際は十分注意しましょう。
糖尿病の方で併用したい場合は、医師へご相談ください。

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まとめ

ジャディアンスとフォシーガの違いとして挙げられるのは下記の通りです。

・体重減少や糖尿病への効果の高さ
・1型糖尿病の使用可否
・副作用のリスク
・服用方法

効果について臨床試験を比較したところ、体重減少効果ではフォシーガの方が高く、糖尿病への治療効果ではジャディアンスが高い効果でした。

また近年ではジャディアンスに心血管疾患への有効性、フォシーガに腎機能に対する有効性が注目されています。

またフォシーガよりジャディアンスの方が副作用の頻度が低く、安全性が高いといえます。

ほかにも1回量やタイミングなど服用方法においても異なる点があるため、自分のライフスタイルや服用の目的、リスクなどを考慮した上で選ぶことが大切です。

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