多汗症の治療薬として話題のエクロックゲル。
脇汗を止める効果はどれくらいあるのか、使用感はどうなのかなど、気になる点は多いでしょう。
そこで、多汗症の筆者が実際にエクロックゲルを使ってみた感想をまとめました!
エクロックゲルの使用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
エクロックゲル使ってみた結果
まずは、筆者がどの程度の多汗症だったかを簡単にお話ししておきます。
・汗染みが目立つグレーのTシャツは当然着れない
・ワキガとまではいかずとも、においも気になる
・脇汗パットや制汗剤は常に持ち歩いている
などなど、脇汗がひどいことで日常生活に支障を来すレベルでした。
エクロックゲルを14日間使用してどう変わったのか、簡単に説明していきます。
【初日】
アプリケーターの上にジェルを出して使用するので、塗りながらジェルがこぼれないか少し不安でした。
ジェルを塗った箇所はスースーしますが、初日は変化を感じられませんでした。
【3日目】
3日目でも特に何かが変わった感覚はありません。
気温が高かったこともあり、変わらず脇からは大量の汗が出て脇汗パットが手放せませんでした。
【5日目】
このあたりからようやく効果を実感し始めたような気がします。
あくまで体感ですが、使う前と比べると汗染みの範囲が狭くなっているような……
同時に、なんとなく喉が渇きやすくなる感覚もありました。
【7日目】
7日目ともなるとかなり効果が出てきて、日中は8割くらい脇汗が抑えられているような感じがしました。
夜になると効果が薄れてくるのか5割くらいになりますが、使用してない時と比べると十分汗の量は減っています。
【14日目】
7日目以降は特に大きな変化もなく、安定して汗が抑えられています。
汗だけでなく、においも前より気にならなくなりました。
毎日塗るのがやや面倒ではありますが、効果はちゃんと実感できました。
かかった費用
私は皮膚科に行って処方してもらいました。
初診料と処方箋料などで1,400円程度、薬代と調剤料で2,000円程度だったので、合計3,400円程度です。
保険が適用されたものの、2週間で3,400円だと個人的には結構かかるなという印象でした。
副作用について
エクロックゲルには、以下のような副作用があります。
・肌の赤み、かゆみ
・湿疹
・刺激感
・口や喉の渇き
・排尿障害
私が感じたのは、喉が渇く、尿が出にくい(排尿障害)などの症状です。
肌には副作用らしきものは感じられませんでしたが、個人差もありそうですね。
エクロックゲルを使ってみた感想
結論から言うと、効果はかなり実感できました。
脇汗がかなり減って、ストレスも軽減されたのは嬉しかったです。
ただし完全に汗が止まるわけではないので、気温の高い日や緊張した時などはかなり汗が出てしまうことも。
毎朝塗らなければいけない点も個人的にはネックでした。
20g入りが1本で2週間分なので、継続するには定期的に病院に行かなければいけない点もデメリットでしょう。
コストや手間を考えると、パースピレックスやプロバンサインなど別の治療薬や、ボトックス注射などの方が自分には合っているように感じました。
使ったことのある多汗症治療薬との比較
筆者がエクロックゲル以外に使用したことのある多汗症治療薬は、パースピレックスとプロバンサインです。
個人的には内服薬のプロバンサインが一番自分に合っていました。
汗が出て困るという場面の前に、飲んでおくと嘘のように汗が止まります。
病院で処方してもらえますが、個人輸入でも購入できます。
プロスパス(一般名:プロパンテリン) プロバンサインジェネリック |
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---|---|---|
15mg 100錠:5,500円 15mg 200錠:8,900円~ |
プロバンサイン(一般名:プロパンテリン) | ||
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15mg 100錠:5,700円 15mg 200錠:10,800円~ |
塗布タイプに限定するなら、エクロックゲルよりはパースピレックスの方が私には合っていました。
制汗効果が高いのはもちろん、1回の塗布で3~5日程度効果が持続し、ロールオンタイプで使いやすい点も良かったです。
エクロックゲルとは
ここで改めて、エクロックゲルについて簡単に紹介しておきます。
エクロックゲルはソフピロニウム臭化物を有効成分に含む多汗症の治療薬です。
発汗を誘発するアセチルコリンの作用を阻害することで、発汗を抑制します。
脇専用の薬なので、顔や手のひらなど、脇以外の部位への使用は推奨されていません。
エクロックゲルは通販で買えるのか
エクロックゲルは通販では購入できないため、入手方法は病院処方のみです。()
また、保険適用には以下の条件のうち2つ以上に当てはまらないといけません。
・左右対称に発汗がみられる
・睡眠中は発汗が止まっている
・1週間に1回以上多汗の症状が出る
・家族にも同じ症状の患者がいる
・脇の多汗によって日常生活に支障を来す
該当しない方は10割負担となってしまうため注意が必要です。
エクロックゲルを使えない人
以下に該当する方は、エクロックゲルの使用は禁じられています。
・前立腺肥大による排尿障害がある方
・エクロックゲルの成分に対し過敏症の既往歴のある方
また、以下に該当する方も使用は推奨されていないため注意してください。
・脇に傷や湿疹、皮膚炎などの症状がある方
・妊娠中の方
・授乳中の方
・12歳未満の方
多汗症治療薬の比較
エクロックゲル以外にも、多汗症の治療薬はいくつかあります。
それぞれの特徴や、どんな部位の多汗症への使用が適しているかをまとめました。
医薬品名 | エクロックゲル | ラピフォートワイプ | プロバンサイン | パースピレックス (塩化アルミニウム) |
アポハイドローション |
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画像 | |||||
推奨度 | 頭部・顔面 C2 腋窩 B 手掌 C1 足底 C1 |
頭部・顔面 C2 腋窩 B 手掌 C1 足底 C1 |
C1 | 頭部・顔面 C1 腋窩 B 手掌 C1 足底 C1 |
ガイドライン 情報なし |
特徴 | エクロックゲルは外用抗コリン薬に分類され、ソフピロニウム臭化物を有効成分に含みます。 ジェル状の外用剤で、主に脇の多汗症治療に用いられます。 |
ラピフォートワイプもエクロックゲルと同じく外用抗コリン薬に分類されます。 ラピドラインが主な有効成分で、ウェットティッシュのような使い切りタイプのワイプ製剤です。 |
プロバンサインは内服タイプの多汗症治療薬で、有効成分プロパンテリン臭化物を配合しています。 一度の内服で全身の汗が抑えられるのが特徴です。 |
パースピレックスは塩化アルミニウムを有効成分に含む医療用制汗剤で、脇や手のひら、足の裏などに使用可能です。 制汗作用だけでなくワキガの改善効果も期待できます。 |
アポハイドローションはオキシブチニン塩酸塩に含む多汗症治療薬です。 ローションタイプで、主に手のひらの多汗症治療に用いられます。 |
推奨度参考:原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023 年改訂版
通販で買える多汗症治療薬
プロバンサインやパースピレックスは通販(個人輸入)でも購入可能です。
病院処方と比べて、通院の手間や診察料などのコストがかからないというメリットがあります。
効果の高い多汗症治療薬を手軽に購入したい方におすすめです。
プロバンサイン
プロバンサインは、内服タイプの多汗症治療薬です。
有効成分のプロパンテリン臭化物が汗腺のアセチルコリンの働きを阻害し、発汗を抑制します。
外用剤と違い、1日3回の内服で全身の汗を抑えられる点が特徴です。
プロスパス(一般名:プロパンテリン) プロバンサインジェネリック |
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15mg 100錠:5,500円 15mg 200錠:8,900円~ |
プロバンサイン(一般名:プロパンテリン) | ||
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15mg 100錠:5,700円 15mg 200錠:10,800円~ |
パースピレックス
パースピレックスは医療用の制汗剤で、多汗症だけでなくワキガにも効果的です。
エクロックゲルと同じく塗布タイプですが、パースピレックスは1回の使用で3~5日と長期間効果が持続します。
毎日塗らなくてもいい手軽さと強力な制汗効果から、多汗症に悩む方の間でも高い人気を誇ります。
商品名 | パースピレックスローション | パースピレックスロールオン | パースピレックスロールオン・コンフォート | パースピレックスロールオン・ストロング | パースピレックス・フォーメンマキシマム |
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画像 | |||||
特徴 | ローションタイプ 手や足などボディ用 |
オリジナルタイプ | 敏感肌用 | 強力タイプ | メンズ用 強力タイプ |
成分 | 酸化アルミニウム 乳酸アルミニウム エタノールなど |
酸化アルミニウム 乳酸アルミニウム エタノールなど |
ヒドロキシプロピルセルロース 酸化アルミニウム 乳酸アルミニウム |
エタノール 塩化アルミニウム PEG-12ジメチコン |
エタノール 塩化アルミニウム PEG-12ジメチコン |
濃度 | 25% | 15% | 8% | 25% | 25% |
持続時間 | 3~5日 | 3~5日 | 2~3日 | 5日 | 5日 |
価格 | 3,150円/1本 | 3,100円/1本 | 3,150円/1本 | 2,500円/1本 | 3,300円/1本 |
ボタン |
個人差はあると思うが、効果は実感できた
今回エクロックゲルを使用してみた結果、私は十分に効果を実感できました。
特につらい副作用もなかったので、できる範囲で使用を継続してみようと思います。
とはいえ通院の手間やコスト面などのネックもあるため、プロバンサインやパースピレックスなど通販で購入できるものもうまく使っていきたいですね。