ミノキシジルは唯一発毛効果が認められており、外用薬、内服薬ともに薄毛治療に欠かせない成分です。
当ページでは女性でも使えるのか？女性用ミノキシジルはどこで買えばいいの？など薄毛に悩む女性に向け解説していきます。
ミノキシジルは女性も使える発毛成分
ミノキシジルは男性だけでなく、女性の薄毛にも有効な成分のため、女性でも使うことができます。
日本皮膚学会の薄毛治療ガイドラインによると、現在、女性の薄毛治療で最も高い「推奨度：A」を保持している治療薬はミノキシジル外用薬のみです。
推奨度：A
推奨文：ミノキシジル外用を行うよう強く勧める（男性型脱毛症：5％ミノキシジル，女性型脱毛症：1％ミノキシジル）．
一方、ミノキシジル内服薬は、外用薬と比較すると副作用が多く、安全性が懸念されることもあるため、前述のガイドライン上においても男女ともに推奨はされていません。
しかし、ミノキシジル内服薬は効果が高いことから、医師の治療方針によっては、医師の指導のもとに処方されることがあります。
外用薬（リアップなど）
外用薬は、頭皮に直接塗るタイプが主流です。
ミノキシジル配合の市販薬で有名なのは「リアップ」という商品で、女性用としては「リアップリジェンヌ」という商品名で販売されています。
女性でも使用することができるミノキシジルですが、男性用と女性用では、ミノキシジルの配合されている濃度が異なります。
女性用ですと、薬剤中のミノキシジル濃度は1～2％ほどの、低い含有量に抑えられています。
男性用ですと、ミノキシジル含有量は5％程度が目安となりますが、薄毛治療専門のクリニック等では、医師の管理のもとにそれ以上の濃度のものが処方されることもあります。
使用方法
直接頭皮に塗布するミノキシジルの使用方法は、リアップリジェンヌの場合ですと、以下のようになります。
内服薬（ミノキシジルタブレット）
ミノキシジルの内服薬ですと、ミノキシジルタブレット（ミノタブ）というものがあります。
内服薬については現在、日本国内で市販薬は存在しておらず、承認もされていません。
また、ミノキシジルの内服薬については、前述のように男女ともに推奨もされていません。
ですが、薄毛治療に対しては効果が高いため、薄毛治療をおこなうクリニックでは医師が海外から輸入して処方する場合があります。
AGAを治療した男性患者のうち、発毛の効果が高かったケースでは、ほとんどがミノキシジルタブレットを服用していると考えられます。
そして、女性も医師の管理のもとにミノキシジルタブレットを処方される場合があります。
服用方法
ミノキシジル内服薬の服用について、以下のようにクリニックでは指導されています。
ミノキシジルの服用は効果があることが認められているものの、副作用が懸念されるため、その後の用量の増減は少しずつ様子を見ながら決めていきます。
こんな悩みを抱えてる方におすすめ
・髪の毛のボリュームが減ってヘアスタイルが決まらなくなってきた
・前髪の分け目が透けて見えるようになってきた
・確実に髪の毛を増やしたい
女性の脱毛症（FPHL）は、さまざまな要因が引き金となることがありますが、女性ホルモンが減少し、男性ホルモンが優位になることで発症する女性の脱毛症は「FAGA（女性男性型脱毛症）」や「壮年性脱毛症」と呼ばれています。
FAGAの症状としては、頭頂部を中心とした頭部全体で毛髪の量が少なくなり、抜け毛が増えて髪全体がまばらに薄くなることが特徴です。
そのため、脱毛している部位がはっきりとわかる状態ではなく、全体的に「なんとなく薄い」と感じる「びまん性脱毛症」となってあらわれることが多いです。
ミノキシジルは、このようなFAGAの方に向いているお薬です。
ミノキシジルが向いていない人
女性の脱毛症は、さまざまな要因が引き金となってあらわれます。
そのため、女性の脱毛症がすべて「FAGA（女性男性型脱毛症）」に分類されるわけではありません。
特に、ミノキシジルは甲状腺の疾患による脱毛症の方は飲んではいけないお薬です。
甲状腺はホルモンを分泌していますが、そのホルモンが多すぎても少なすぎてもバランスを崩して、体に異常をきたします。
甲状腺ホルモンは体のさまざまな働きに関与していますが、実は毛母細胞の活性にも関与しています。
甲状腺ホルモンが多すぎるとバセドウ病、少なすぎると橋本病という病気に罹患しますが、どちらになったとしても、脱毛症を引き起こすことがあります。
脱毛症としては、どちらの場合でもびまん性脱毛症となってあらわれることが多いので、FAGAの脱毛症と見分けがつきにくいために注意が必要です。
また、円形脱毛症はストレスや外傷など、外的な要因が引き金となって起こる脱毛症のため、ミノキシジルを服用して治療できる脱毛症ではありません。
このような場合は、ミノキシジルではなく、病気を治療するお薬を服用することで改善する場合があります。
ミノキシジルはなぜ生える？
ミノキシジルは、血管を拡張させて血流を促し、毛母細胞に栄養を届けやすくする効果がある成分です。
また、外用薬として使用した場合は、毛母細胞を包むように囲んでいる毛包の活動を活発化させるように、直接働きかけます。
毛髪には「ヘアサイクル」という、毛髪が生えてから抜け落ちるまでの周期がありますが、ミノキシジルはヘアサイクルが乱れたことで小さくなった毛包を大きく成長させます。
ミノキシジルは、日本で唯一、血行促進効果で毛髪を作り出す毛母細胞を活性化し、発毛を促す効果が認められているのです。
育毛剤と発毛剤の違い
ドラッグストアなどで売られている「育毛剤」には、頭皮環境を正常に保ち、薄毛や抜け毛を予防する効果があります。
対して、ミノキシジルは発毛成分が認められており、「発毛剤」には、新しい髪の毛の生成を促して薄毛を改善する効果があります。
似ているように見えて、「育毛剤」と「発毛剤」には上記のような違いがあり、使用目的が異なっており、育毛剤には発毛させる成分が含まれていないので、髪の毛を健康にすることはできても生やすことができません。
効果が出るまでの期間
ミノキシジルの効果を実感できるまでの期間は、おおよそ4～6ヶ月ほどとされています。
もちろん個人差はあるので、使用開始から1ヶ月くらいの早い内に効果を実感する人もいます。
男性では、高濃度のミノキシジルで4ヶ月、低濃度ですと6ヶ月ほどで効果を実感することが多いようですが、女性がミノキシジルを使用する場合は低用量なので、効果の発現までは6ヶ月ほどの期間をみるのが一般的です。
また、ミノキシジルは、脱毛症の原因を取り除くお薬ではないので、効果が得られたのちに使用を中止してしまうと、徐々に使用する前の状態に戻ってしまいます。
ミノキシジルは、効果を実感できた後も使い続けるようにするのがおすすめです。
女性でミノキシジルを使用している人の投稿
実際に女性でミノキシジルを使用している方のSNSでの投稿を紹介します。
育毛1ヶ月半で割と生えてきて嬉しい#女性薄毛 #ミノキシジル #女性 pic.twitter.com/ru22zMrg4D
— Nana (@Nana02157655) February 26, 2024
女なのにm字ハゲが進行してきたので、ミノキシジル5%外用とメソセラピー(幹細胞＋PRP)を始めてみました。
ミノキシジル副作用の初期脱毛に怯えています。#FAGA #AGA #ミノキシジル— める＠額挙上•二重修正検討中 (@meruganbaru) September 21, 2023
美容皮膚科もやってるクリニックで自費診療で出してもらったよー！
女性用のミノキシジルは3%が最大容量って貰った説明文書に書いてあったけど、なぜか15%まで出せるらしい…笑— ねここ (@19autumn27) February 25, 2024
ミノキシジル以外のAGA治療薬を女性は使えるのか
男性特有の脱毛症のことをAGAと呼びます。
ミノキシジル以外のAGA治療薬には、「プロペシア」や「ザガーロ」があり、それぞれ、有効成分は以下になります。
・ザガーロ：デュタステリド
女性はこの2つのAGA治療薬を使うことはできません。
どちらの成分も、男性ホルモンを抑制する効果を持つ成分だからです。
これらの成分を女性が使用すると、女性の体内にもわずかに存在する男性ホルモンを抑制することになり、ホルモンバランスを崩す原因となるからです。
また、妊娠中にこれらの成分に触れることがあると、胎児の成長にも支障をきたす場合があります。
そのため、女性はこれらの成分が配合されたAGA治療薬を使うことはおろか、触れることも禁忌となります。
女性がミノキシジルを使う場合の注意事項
ミノキシジルを女性が使うことに問題はありません。
ですが、注意しなければならないことがいくつかありますので、以下でご紹介していきます。
副作用
女性にとって、ミノキシジルは危険なものではありませんが、医薬品のため副作用があります。
ミノキシジルの外用薬使用であらわれる副作用は、以下のとおりです。
・頭痛、立ちくらみ、めまい
・胸痛、心拍数の増加
・原因不明の体重増加、手足のむくみ
ミノキシジルの内服薬使用であらわれる副作用は、以下のとおりです。
・動悸、息切れ
・頭痛、めまい
・顔や手足のむくみ
・多毛症
・肝機能障害
・心疾患
初期脱毛は、ミノキシジルの効果があらわれ始めた頃に生じる脱毛のことで、ヘアサイクルが乱れていた時期に生えた、細く柔らかい不健康な髪の毛が抜け落ちることで起こります。
一般的には、ヘアサイクルが正常に戻るにつれて新しい髪の毛が生えてくるため、ミノキシジルが効き始めているサインと言える現象です。
そのほか、外用薬の副作用としては頭皮の外側から起こる副作用が多いのに対し、内服薬は血流を促す効果があることから、血流にかかわる副作用があらわれることがあります。
妊娠中や授乳中の使用について
ミノキシジルは、妊活中や妊娠中、授乳中に使用することは注意が必要です。
現在、ミノキシジルが妊婦や胎児に与える影響については、安全性が確認されていないというのが現状です。
また、授乳中の女性がミノキシジル外用薬を使用すると、母乳中に成分が移行するということがわかっています。
授乳中の女性がミノキシジルを使用して赤ちゃんに授乳してしまった場合、赤ちゃんがミノキシジルの成分を摂取してしまうことになり、それによって赤ちゃんがどのような影響を受けるが今でも未知な部分があるのです。
使用できない人
発毛効果が高いミノキシジルですが、医薬品であるため、使用できない人がいます。
・壮年性脱毛症以外の脱毛症の人（円形脱毛症、甲状腺疾患による脱毛など）
・原因のわからない脱毛症の人
・妊娠または妊娠している可能性のある人
・高血圧、低血圧の人
・心臓、肝臓に障害のある人
また、女性は、女性用として販売されている低用量のものを使用することはできますが、高用量の男性用商品は使用することができません。
女性用ミノキシジルはどこに売っている？
ミノキシジルが効果のある医薬品であることはわかりましたが、女性用のミノキシジルはどこで売っているのでしょうか？
購入できる場所は外用薬と内服薬で異なるので、それぞれに分けてご紹介します。
| 外用薬 リアップなど |
内服薬 ミノキシジルタブレット |
|
|---|---|---|
| 市販 | ○最大濃度5％まで 4,000～5,000円 |
× |
| クリニック | ○ 15,400～33,000円/月 |
○ 月々2～3万円 |
| 通販（個人輸入） | ○ 1本2,500円～ |
○ 100錠3,400円～ |
| リンク | 詳細へ | 詳細へ |
外用薬（リアップなど）
ドラッグストアなどでも買えるものが多い外用薬ですが、市販で買えるものから、買えないものまであります。
ミノキシジルが配合されている外用薬をご紹介します。
ドラッグストアなど市販
市販で買えるミノキシジルは、ドラッグストアやAmazonなどで販売されています。
女性用のミノキシジルは、基本的にミノキシジルの含有量が1％の低用量のものです。
その中でも代表的な市販薬についてご紹介します。
・価格：5,000円
・メーカー：大正製薬
ミノキシジルを1％配合した、女性の壮年性脱毛症治療薬です。
ミノキシジルに加え、「パントテニールエチルエーテル」「トコフェロール酢酸エステル」「l-メントール」といった、頭皮の環境を整えて発毛をサポートする成分が豊富に配合されています。
また、乾燥しがちな頭皮にうるおいを与える「ヒアルロン酸Na」も配合。
薬液の量を計測しやすい容器に入っています。
・価格：4,960円
・メーカー：アートネイチャー
「毛髪のプロフェッショナル」として増毛や育毛で有名なアートネイチャーが販売しているミノキシジル配合の外用薬です。
ミノキシジルを1％配合し、「パントテニールエチルエーテル」「トコフェロール酢酸エステル」「l-メントール」といった、発毛を促す成分が配合されています。
・価格：3,980円
・メーカー：富士化学工業株式会社
富士化学工業が製造しているミノキシジルを1％配合した発毛剤です。
ミノキシジルのほか、「パントテニールエチルエーテル」「トコフェロール酢酸エステル」「l-メントール」を配合しています。
このタイプの発毛剤では他社に比べて価格が抑えられているのが特徴です。
皮膚科や美容クリニック
ミノキシジルが配合された発毛剤は、皮膚科や美容クリニックでも取り扱いがあります。
市販されている発毛剤は、男性用でミノキシジル濃度の上限が5％となっていますが、医師の判断であればそれ以上の濃度での処方もできます。
薄毛治療を専門とするクリニックでは、そのクリニックオリジナルの発毛剤を処方するところもあります。
国内では、以下のようなクリニックオリジナルの発毛剤で、高い濃度でミノキシジルが配合されていました。
・外用薬：ミノキシジル6～14％
・価格：27,500～33,000円/月
・外用薬：ミノキシジル6.5%
・価格：15,400円/月
個人輸入（通販）
個人輸入代行サイトを利用すると、海外のミノキシジル外用薬を購入することができます。
海外では、「ロゲイン」や「ツゲイン」、コストコブランドでおなじみの「カークランド」がメジャーなブランドです。
海外でメジャーなブランドの発毛剤が、日本で購入するよりも安く購入することができるため、個人輸入を利用する人が増えています。
個人輸入ではミノキシジルが高濃度で配合された発毛剤を購入することができますが、女性の場合は始めから高濃度の発毛剤を使うよりも、低い濃度の発毛剤から始めることが推奨されています。
| 商品名 | ツゲイン | フォリックスFR02 |
|---|---|---|
| 画像 |  |
 |
| 成分 | ミノキシジル | ミノキシジル アデノシン プロシアニジンB2など |
| 価格 | 2％1本：2,500円 | 2％1本：4,450円 |
| ボタン |
内服薬（ミノキシジルタブレット）
ミノキシジルタブレットのような内服薬は、市販で購入することはできません。
病院で処方してもらうか、個人輸入で購入する蚊の2択となります。
皮膚科や美容クリニック
皮膚科や美容クリニックなどの病院で処方してもらうと、そのときの体調なども併せて医師に相談することができるため、ミノキシジル内服薬を初めて使うという場合は、まず医師に相談されることをおおすすめします。
女性がミノキシジルタブレットを病院で処方してもらうときは1日2.5mgが最大用量で、その半分から服用を始めることが一般的です。
クリニックで処方されるときは内服薬単体ではなく、併用できるサプリメントや育毛ローション、発毛を促進する施術などがセットになることが多いです。
なお、これらがセットになって、月々2～3万円ほどになるのが一般的です。
個人輸入（通販）
内服薬は、インターネットの個人輸入サイトでも購入することができます。
個人輸入サイトでの販売価格は病院で処方されるよりもかなり安く、病院で購入するときと違って治療薬を単体で購入することができるため、薄毛治療にかかるコストを抑えたいという場合におすすめな方法です。
内服するミノキシジルは日本国内で承認されていないため、薄毛クリニックなどで処方されている内服薬は、医師が個人輸入で入手しているものでもあります。
内服薬が不安ならパントガールがおすすめ
内服薬の副作用などが不安という場合には、パントガールがおすすめです。
パントガールは、ドイツで承認されている薄毛治療薬です。
有効成分として、ミノキシジルではなくパントテン酸が配合されており、安心して服用することができます。
パントガールやルグゼバイブは、薄毛の治療をおこなう病院でも処方されることがあり、価格は6千～1万円ほどと、病院によってバラつきがあります。
女性のミノキシジル使用に関するQ＆A
女性のミノキシジル使用は、不安を抱える方が多くいらっしゃいます。
薄毛治療に使用するミノキシジルについて、よくある質問をご紹介します。
夫の5％のミノキシジルをローションなどで薄めて使ってもいいですか？
水で薄めるなど、自己判断による使用方法はおすすめできません。
有効成分が薄まることで期待する効果が得られない可能性が高くなるばかりか、そのほかに含有されている成分も薄まるために、どのような副作用が起こるか判断ができなくなるためです。
医薬品は、配合された成分の含有量が揃ってこそ効果を発揮し、その副作用を予測しているものなので、正しい配合率が大切なのです。
初期脱毛が出てきました。途中でやめたほうが良いですか？
初期脱毛はミノキシジルが効果を発揮している証拠なので、ここで投薬を辞めてしまうと、元の状態に戻ってしまう可能性が高まります。
この初期脱毛している時期を乗り越えると、効果を発揮した髪の毛が濃く太く生えてくることが期待されますので、まずは効果が実感できるとされている6ヶ月間をめどに使用を続けてください。
個人輸入のミノキシジルは危険ですか？
インターネット上では個人輸入のミノキシジルが危険だと言われていますが、内服するミノキシジルについては日本で未承認となっており、クリニック等で医師が処方している内服薬も海外から輸入しているものとなっています。
個人輸入業者の中には、ED治療薬などの偽物を販売している業者がいることも事実ですが、偽物を扱っている業者を見極め、信頼できるサイトを選んで購入すれば危険なものではありません。
使用後どれくらいで効果が出ますか？
個人差はありますが、発毛の効果を実感できるまでに4ヶ月ほどと言われています。
遅くても6ヶ月ほどなので、もし半年で発毛の効果を実感できないときは、ミノキシジルが体質に合っていない可能性も考えられます。
その際は、医師にご相談されることをおすすめします。
