ヘルペスと聞くと唇や性器に症状が起きるというイメージが一般的かもしれません。
しかし、頭痛を引き起こす場合もあります。
今回はヘルペスという病気の症状や頭痛が起きた際の対処法、治療薬について解説します。
ヘルペスで頭痛は起きる?
ヘルペスとは、ヘルペスウイルスが体内で増殖することで起きる感染症です。
唇や性器に水ぶくれなど皮膚症状が現れるのが一般的ですが、頭痛を引き起こす場合もあります。
ここでは、ヘルペスの種類ごとに症状の特徴を解説していきます。
口唇ヘルペスの場合
基本的に唇を中心に皮膚症状が現れるのが特徴です。
しかし初感染の場合は、頭痛・発熱・リンパ節の腫れ・倦怠感といった全身症状を引き起こしやすく、特に成人以降の初感染だと症状が重くなることもあります。
その後、免疫力の低下などで再発した場合は、徐々に症状が軽くなっていく場合が多いようです。
性器ヘルペス
性器の周りに皮膚症状が現れ、口唇ヘルペスよりも痛みが強いのが特徴です。
感染すると性器に違和感を感じ、ポツポツとした水ぶくれができます。
また、頭痛・発熱・リンパ節の腫れ・倦怠感といった全身症状が現れる場合もあります。
特に女性の場合は、排尿痛による排尿障害や歩行障害も併発しやすく、重症化すると入院による治療が必要になることもあります。
ヘルペスの頭痛はいつまで続く?
頭痛がいつまで続くかは、症状に個人差があるため断言はできません。
しかしヘルペスは最初に水ぶくれなどの皮膚症状が現れ、その後頭痛を引き起こす場合が多いので、皮膚症状が治る頃には頭痛も治るのが一般的です。
頭痛があると重症化するのではないかと不安になりますが、皮膚症状と同様に7~10日で落ち着いていくケースが多いようです。
ですが、あまりに症状が強い場合や症状が長引く場合は医師に相談するようにしてください。
ヘルペス脳炎の可能性も
先程、ヘルペスによる頭痛についてお話ししましたが、症状が強い場合や長引く場合は「ヘルペス脳炎」という病気を併発している可能性もあります。
ヘルペス脳炎とは、免疫力の低下によって体内に存在するヘルペスウイルスが再活性化することなどで引き起こされる脳炎の一種です。
初期段階では発熱や頭痛など通常のヘルペスでも生じる症状が現れますが、進行すると幻覚やけいれん、錯乱などの脳機能障害が起こります。
治療が遅れると後遺症が残ったり死亡したりする場合もあるので、通常のヘルペスには見られない症状が現れたらすぐに受診してください。
頭痛がある場合の治療薬
ここではヘルペスによって頭痛が現れた際に用いる治療薬を紹介します。
基本的に病院で処方される薬がほとんどなので、まずは医師に相談することをおすすめします。
抗ウイルス剤
ヘルペスは口唇・性器ともにヘルペスウイルスが原因となるため、治療には抗ウイルス剤が必要です。
実際に病院でよく処方される抗ウイルス剤とそれぞれの特徴を紹介します。
ヘルペスの主な治療薬 | |
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バルトレックス | 吸収効率が良いため、他の抗ウイルス剤よりも服用回数が少なく済む |
ゾビラックス | 古くから使われてきた治療薬 錠剤以外にも塗り薬や注射薬がある |
ファムビル | 他の抗ウイルス剤と比べて作用の持続時間が長い |
商品名 | バルクロビル(バルトレックス) | アシビルDT(ゾビラックス) | ファムビル・ジェネリック |
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価格 | 10錠:1,600円~ | 100錠:5,600円~ | 12錠:2,850円~ |
特徴 | バルトレックスのジェネリック 1錠160円~と低価格 |
ゾビラックスのジェネリック 大容量で再発時の常備薬にも |
ファムビルのジェネリック |
ボタン |
服用回数が少ないことから、現在はバルトレックスが主流の治療薬となっています。
点滴
症状が重かったりヘルペス脳炎を発症したりしている場合は、点滴を用いることがあります。
錠剤タイプの抗ウイルス剤と比べて吸収速度が速いので、速やかに効果を発揮します。
現状、ヘルペスに使用できる点滴はアシクロビルを含むゾビラックス点滴のみとなっています。
解熱鎮痛薬
頭痛や発熱は、解熱鎮痛薬でも対応することができます。
アセトアミノフェンやロキソプロフェンなどは抗ウイルス剤と併用しても問題ないので、安心して使用することができます。
商品名 | ロキソニン | カロナールジェネリック | ボルタレン(ボベラン) |
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価格 | 100錠:9,000円~ | 100錠:2,670円~ | 90錠:3,000円~ |
特徴 | 効き目の高い痛み止め | 副作用が少なく安全性も高い | 処方薬 市販の薬で効かない時におすすめ |
ボタン |
解熱鎮痛薬は抗ウイルス剤や点滴と違って、ドラッグストアなどで手軽に市販購入できるのでおすすめです。
ただし、ヘルペス脳炎の疑いがある場合は解熱鎮痛薬のみでは対応できないので、幻覚やけいれんなどの異常を感じたら必ず医師に相談するようにしてください。
ヘルペスの症状に関するQ&A
ここでは、ヘルペスの症状に関する疑問やお悩みについて解説します。
気になる症状がある方は参考にしてください。
ヘルペスで頭痛がある場合は何科に行けばいい?
頭痛がヘルペスによって引き起こされている場合は、まずは根本的な原因であるヘルペスを治療する必要があるので皮膚科や内科を受診しましょう。
ただし、性器ヘルペスの場合は泌尿器科や婦人科でも問題ありません。
ヘルペスで頭痛はなぜ起きる?
ヘルペスの原因となるヘルペスウイルスは、人に感染すると三叉神経節と呼ばれる顔面の神経に潜伏します。
その後、免疫力の低下によって皮膚症状が現れますが、その際に首から脳天に張り巡らされた後頭神経を刺激することで頭痛を引き起こしてしまうのです。
ヘルペスでのどの痛みは起きる?
ヘルペスウイルスが咽頭に感染すると、のどの痛みを引き起こす場合があります。
のどの痛み以外にも、首のリンパ節や扁桃が腫れたり口腔内に水ぶくれができたりすることもあり、それに伴って頭痛・発熱を引き起こす可能性もあります。
いずれの場合もヘルペスウイルスが原因となっているので、内服薬等で治療するのがおすすめです。
まとめ
今回の記事では、ヘルペスによって引き起こされる頭痛について解説させて頂きました。
通常のヘルペスであればそこまで心配いりませんが、ヘルペス脳炎を発症している場合は病院で速やかな治療が必要となります。
幻覚やけいれん、錯乱といった異常な症状が現れたらすぐに受診するようにしましょう。