今回の記事では、ためしてガッテンで取り上げられた血圧を下げる方法について解説していきます。
実際にやってみた結果も紹介するので、血圧が高めの方はぜひ参考にしてください。
ためしてガッテンの血圧を下げる方法
ためしてガッテンによる血圧を下げる方法は、番組内や書籍などで様々な方法が取り上げられています。
今回は、そのなかでも主なものを2つ紹介します。
ハンドグリップ
ハンドグリップはカナダ人医師が考案し、アメリカの心臓学会でも評価されている方法です。
30%ほどの力で握る運動をするだけ、という非常に簡単な方法で血圧を下げる効果があると実験で証明されています。
番組でも実際にこの方法を4週間試してみたところ、被験者8人中7人の血圧が下がっていました。
また、番組に出演した岡本孝信教授の研究でも、ハンドグリップによって大動脈血圧が170程度から150程度まで下がっています。
それでは、次項でハンドグリップの詳しいやり方を動画で分かりやすく解説するので、皆様もぜひ試してみてください。
※参考:コラム:ハンドグリップ運動は血圧を低下させる(岡本)|体育研究所
ハンドグリップのやり方
ハンドグリップの方法は以下の通りです。
②2分間タオルを握る
③1分間休む
上記を3~4回行います。
ためしてガッテンでは左右交互に行っていましたが、右手・左手どちらでも効果は一緒とのこと。
また、実際にハンドグリップでどれくらい血圧が下がるのか試してみました。
結果、1セット試しただけで血圧が129→123に!
より効果を実感したい方は、週3回×4週間程度と長期間で試してみると良いでしょう。
インターバル速歩
インターバル速歩とは、早歩きとゆっくり歩行を交互に行う方法で、高血圧をはじめとした生活習慣病の予防・治療に効果があるとされています。
信州大学の能勢教授による実験では、
②最大体力の40%以下のゆっくり歩行を3分間
※①と②を交互に行う
上記の方法で1日30分、週4回を5か月間行い、インターバル速歩にどのような効果があるかを検証しました。
結果は、筋力や体力が10%増加し、高血圧症などの生活習慣病指標が最高20%低下したことが分かりました。
※参考:「インターバル速歩」から見えてきた運動処方の未来|能勢博
インターバル速歩のやり方
インターバル速歩のやり方は以下の通りです。
②全力の70%くらいの速さで早歩きをする
③3分経ったら徐々に速さを落とし、全力の40%以下でゆっくりと歩く
④早歩きとゆっくり歩行を交互に行う
速歩をする際は、なるべく歩幅を大きくし腕をしっかり振るのがポイントです。
さらに運動後30分以内に乳製品を摂取すると、筋力の向上や体力の向上による高血圧をはじめとした生活習慣病の改善に大きな効果を発揮するとされています。
手軽に摂取できる牛乳やヨーグルト、チーズが特におすすめです。
ふくらはぎなどの血管のばし
デスクワークなどで体を動かすことが少ないと、手や足の先が冷える方も多いかもしれません。
実は冷え性が脳梗塞や動脈硬化などにつながる危険性もあるため、注意する必要があります。
冷え性は血液循環が悪いことが原因のひとつです。
血流が悪い
↓
血圧が急上昇、急降下し血圧の変動が大きくなる
↓
脳の血管にも影響を与え、脳梗塞や動脈硬化を引き起こしやすくなる
血流が悪いと血圧にも変動が起き、その結果脳梗塞や動脈硬化などを起こしやすくするのです。
大きな血圧変動をなくすためには、「血管のばし」で冷え性を改善することがおすすめです。
血管のばしのやり方
番組で紹介された「下半身の血管のばしストレッチ」を5つご紹介します。
冷え性の人が3週間続けたところ、血流が良くなり血管年齢の若返りがみられました。
短時間でどれも簡単なやり方で行えるため、ぜひ毎日続けてみましょう。
①正座した状態で両手を前につき、片足を後ろに伸ばす
※このとき腰が上がらないよう注意
②腰・太ももの付け根をしっかりと伸ばす
①立った状態で片足を1歩後ろへ引く
②前にある足の膝を両手で押さえてふくらはぎを伸ばす
※このとき腰を引いて顔は前を向く
①正座した状態から片膝を立てる
②内ももの間隔を開く
③立てたほうの膝に両手を乗せ、膝が胸につくように上体をゆっくりと前に傾ける。
①正座した状態で手を後ろにつき、上体を後ろに傾ける
②片足を前に伸ばす
③曲げている方の足のかかとをお尻につける
①仰向けに寝た姿勢で片足を曲げる
②曲げたほうの膝を両手で抱え、胸に引き寄せる
ひとつのポーズで左右30秒ずつ、朝と夜の計2回行ってください。
また、ストレッチを行う際は以下のポイントにも注意すると良いでしょう。
グーパー体操
グーパー体操とは、手をニギニギと握って閉じてを繰り返す体操です。
手を強く握ることで血流をせき止め、開いた瞬間にせき止めていた血液を一気に流します。
このポンプのような働きにより、血管の細胞を活性化させ、血行を促進する効果があるのです。
また末端の血流をよくすることで血液を送り出す心臓の負担も軽減できます。
具体的なやり方は下記の通りです。
②手のひらを片手ずつグーッと強く握ったあと、一気に力をパッと開く
上記①②を繰り返し、左右1分ずつ・朝と夜の1日2回行ってください。
ただし、寝起きなど血圧が高くなるときに行わないようご注意ください。
降圧剤は通販でも買える
先程紹介した血圧を下げる方法をはじめとした、薬に頼らない方法では即効性は期待できません。
効率よく血圧を下げるためには、ためしてガッテンで紹介された方法などを行いつつ、薬を適切に使用して血圧をコントロールするのが良いでしょう。
商品名 | ノルバスク | オルメテック・ジェネリック | メインテート |
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画像 | |||
価格 | 30錠:2,850円~ | 30錠:2,250円~ | 30錠:2,300円~ |
特徴 | アムロジピンベシルを含むカルシウム拮抗薬 1日1回の服用で効果が長持ち |
オルメサルタンを含む、 アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬 |
ビソプロロールフマルを含むβ遮断薬 心不全や不整脈の治療にも |
ボタン |
降圧薬は病院に行き医師の診察を受けて処方してもらう必要がありますが、実は通販でも購入することができます。
忙しかったり病院に行くのが面倒だったりする方は、ぜひ通販を利用してみてください。
血圧が高くなる原因
血圧が高くなる原因には次のようなものがあります。
・運動不足
・喫煙
・肥満
・ストレス
・加齢
・遺伝
なかでも日本人の高血圧の原因は、乱れた食生活による塩分の摂り過ぎが特に多いとされています。
塩分を摂り過ぎると喉が渇き、水分を多く摂るようになります。
すると水分が血液量を増加させ、高血圧に繋がるのです。
ほかにも運動不足は体にたまった塩分と水分を排泄する働きを弱め、喫煙やストレスは血管を収縮させ血圧を上げやすくします。
しかし加齢や遺伝以外は生活習慣などが強く影響しているため、生活習慣を見直すことで改善することができます。
薬以外で血圧を下げる方法
ためしてガッテンで紹介された方法で血圧が下がらなかった方は、他にも効果的な方法を紹介するので試してみてください。
血圧を下げるツボ
道具なしでいつでも簡単にできるのがツボ押しです。
血圧低下の効果が期待できるツボを3つご紹介します。
・合谷(ごうこく)
場所:手の甲にある人差し指と親指の骨が合わさる谷間
効果:上半身の筋肉をゆるめ、血流をよくする
血管を拡げしなやかにする働きがあるNO(一酸化窒素)の発生を促進する
押し方:人差し指と親指で挟むようにツボを押さえ、強めに3~5分ほど押す
・人迎(じんけい)
場所:喉ぼとけから左右に指ふたつ分、外側へ進んだ位置で脈打つのを感じるところ
効果:自律神経を整え、血圧を下げる作用がある
押し方:指の腹でツボを押さえ、息が苦しくならない程度の力を加えて軽くマッサージする
・湧泉(ゆうせん)
場所:足の指をグーしたときに人差し指と中指の間にできるくぼみ
効果:血行を促進することで冷え性やむくみ、高血圧を改善
押し方:両手の親指でツボを3~5秒押す、押した秒数離すを数回繰り返す
深呼吸
深呼吸は血圧低下に効果的で、2~3回の深呼吸が血圧を10㎜Hg下げると言われています。
深呼吸で血圧が下がる理由は、自律神経を整える作用と血管拡張作用があるためです。
自律神経には以下の2つがあります。
- 交感神経
・緊張状態にはたらく
・心拍数を増やし血圧を上げる - 副交感神経
・リラックスした状態にはたらく
・心拍数を低下させ血圧を下げる
深呼吸は副交感神経の働きを優位する効果があるため、血圧が下がる効果も期待できます。
さらに肺を大きく収縮するため、血管を広げ血流を良くする作用もあるのです。
深呼吸をするときは、鼻から大きく息を吸いお腹をふくらませ、お腹をへこませながら吸うときの倍以上の時間をかけてゆっくりと吐き出すことを意識してください。
ダイエット
高血圧になる原因の一つとして、肥満が挙げられます。
血圧と体重は深く関係しており、体重を1kg減らせば血圧は0.5〜2mmHg下がると言われているので、適正体重まで減量しましょう。
肥満の方が高血圧になる理由としては、内臓脂肪により血管が圧迫されたり血液中の脂質が増加してドロドロになったりすることなどが挙げられます。
先程紹介したインターバル速歩など、無理のない範囲で運動量を増やすのがおすすめです。
食事
血圧を下げるためには、「DASH食」と呼ばれる食事方法を取り入れるのがおすすめです。
DASH食とは、ミネラル・食物繊維・たんぱく質を増やし塩分・脂肪分は減らす食事のことです。
カルシウムやカリウムなどのミネラルには降圧作用があり、食物繊維やたんぱく質には塩分の摂取を抑制し血管を丈夫にする作用があります。
特に減塩は血圧を下げるには重要なことで、1日の塩分摂取量を6g未満に抑えることで高血圧患者の20%に血圧の低下が認められたというデータもあります。
塩分を摂りすぎると血液量が増えて血圧が上昇してしまうので、1日の塩分摂取量は6gを目安に抑えましょう。
- 醤油ラーメン1杯:5.7g
- きつねうどん:5g
- 寿司10貫:3.7g
- カレーライス:3.3g
- ウインナー2本:0.8g
睡眠
睡眠と血圧にも深い関係があり、質の高い睡眠を十分に取ることで血圧を下げる効果が期待できます。
通常、起きている間は血圧は上昇し寝ている間は低下するようになっています。しかし、睡眠不足に陥ると自律神経のバランスが乱れ、血圧が高い状態が続いてしまいます。
睡眠の質を高める方法を紹介するので、「眠りが浅いかも…」という方はぜひ参考にしてみてください。
・身体を暖める
・就寝前のスマホやPCを控えめにする
・飲酒や喫煙は控える
血圧を下げる飲み物は?
血圧を下げる飲み物は下記の通りです。
・緑茶
・ドクダミ茶
・ルイボスティー
・ノンアルコールの赤ワイン
・お酢
・乳酸菌飲料
・野菜ジュース
・牛乳
血圧を下げるためには、カリウム・カルシウム・マグネシウムといったミネラルを、ミネラルウォーターや牛乳などの飲み物から補給するのがおすすめです。
ミネラルには塩分の排出を促進し、血圧が上がるのを防ぐ働きがあります。
またワインなどに多く含まれるポリフェノールには、血管拡張作用や血圧を上昇させる活性酸素の働きを抑える効果があります。
反対に血圧を上げてしまうため、避けるべき飲み物は下記の通りです。
・スポーツドリンク
・カフェインの多い栄養ドリンク
・甘いジュース
・お酒
炭酸飲料水やスポーツドリンクといった甘い飲み物には、砂糖が大量に入っています。
そのため飲み続けることで体脂肪を増やし、高血圧に繋がる恐れがあるのです。
またアルコールやカフェインは適量であれば血圧を下げますが、飲み過ぎると血圧を上げてしまうため注意しましょう。
血圧を下げる食べ物は?
血圧を下げる食べ物は下記の通りです。
・トマト
・雑穀米
・海藻類
・きのこ類
血圧を下げるのに効果的な栄養素には、ミネラル、アミノ酸、食物繊維、EPA、DHAなどがあります。
特に塩分の排出を促進し血圧が上がるのを防ぐミネラルの働きは重要です。
なかでもミネラルが豊富に含まれているバナナやトマトを積極的に摂りましょう。
トマトには、ほかにもGABA(アミノ酸)やリコピンなど、血圧を下げるのに効果的な栄養素が豊富に含まれています。
また前述したように、高血圧を予防するためには、1日の塩分摂取量を6グラム未満に抑える必要があります。
カップ麺などの味の濃い食品は避け、できるだけうす味にしたり、減塩された調味料を使ったりするなど工夫しましょう。
よくある質問
ここでは、血圧を下げることに関するよくある質問について解説していきます。
ふくらはぎマッサージは危険?
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、マッサージをすることで血流が良くなります。
しかし、ふくらはぎの血管には血栓ができやすく、強く揉みすぎると血栓が剥がれて肺などの血管が詰まってしまう危険性があります。
特に、糖尿病や肥満の方は通常よりも血栓ができやすくなっている場合が多いので注意が必要です。
即効性のある血圧を下げる方法は?
高血圧に対して即効性があり、高い効果が得られるのは医薬品の使用です。
薬を使用せずに血圧を下げたい場合は、本記事でご紹介したタオルグリップや体操、生活習慣の改善といった方法をお試しください。
しかし即効性は期待できないため、焦らず無理をしない程度に継続していくことが大切です。
また高血圧の原因の一つに肥満があります。
BMIが25以上の肥満のひとは高血圧になりやすくなるため、ダイエットで適正体重を目指しましょう。
ハンドグリップはどのくらいの頻度で実施すればいい?
理想は週3回、1日置きの頻度です。
ハンドグリップは継続することで血圧維持につながるため、約1ヶ月は続ける必要があります。
途中でやめてしまうと血圧がもとに戻る可能性もあるため、無理せず継続することが大切です。
またハンドグリップはあくまでも補助としておこなうため、これだけで効果が得られるわけではありません。
効果を得るためには食生活やその他運動など、生活習慣の改善も必要となります。
まとめ
今回の記事では、ためしてガッテンで紹介された血圧を下げる方法などについて解説させて頂きました。
お医者さんから血圧が高いと言われると不安になってしまいますが、運動や食事などに気をつけることで改善することができるので、ぜひ試してみてください。
また、それでも下がらない場合や運動が続かない場合は薬に頼るのも選択肢の1つです。