NMN(nicotinamide mononucleotide)はニコチンアミドモノヌクレオチドの略称で、日本では2016年頃から研究されている若返り成分です。
しかし、NMNを検索すると「危険」というワードが挙がっており、安全性の観点から使用を迷っている方もいるでしょう。
本記事では、NMNには本当に危険性があるのかどうか、また安全に若返り効果を得るためのポイントをご紹介します。
NMNに危険性はあるのか
まずはNMNに危険性があるのかどうかを、NMNの摂取方法であるサプリと点滴に分けて解説します。
また、副作用のリスクについても併せてご紹介します。
- サプリメントの危険性
- 点滴の危険性
サプリによる副作用は少ない
NMNの効果や安全性に関して、世界中でさまざまな研究がおこなわれています。
現状、多くの研究結果ではNMNサプリを服用した場合の人体への危険性は低いことが分かっています。
最長で12週間(約3ヶ月間)服用を続けた研究もありますが、重大な副作用の報告はなかったため、長期の服用でも安全に服用可能です。
ただし、他の医薬品と併用した場合や妊娠中の女性が服用した場合の安全性などはまだ研究が進んでいません。
妊娠中の方や持病がある方などは、NMNサプリを服用する前に医師に相談してみてください。
点滴は安全性が証明されていない
NMNは、経口摂取の他に点滴による摂取が可能です。
点滴はサプリより効果が得やすく、より用量の高いNMNを摂取できる方法で、クリニックで行われています。
しかし、点滴はサプリメントのように臨床試験に基づいた安全性は確立されていません。
また、NMNを点滴投与した場合は、以下のような副作用が確認されています。
・頭痛
・吐き気、嘔吐
・アナフィラキシーショック
血管の痛みは点滴箇所に起こる痛みで、通常の点滴でも起こり得る症状です。
重大な副作用は確認されていませんが、一方で健康に悪影響が出る可能性も提示されています。
逆効果になる可能性も
NMNを点滴で摂取すると、老化防止どころか健康に悪影響が出る恐れがあります。
何故サプリメントは問題ないのに点滴だと悪影響がでるのか、NMNの作用から解説します。
NMNが体内で吸収されると、NAD(nicotinamide adenine dinucleotide)という補酵素に変換されます。
NADにはアンチエイジング効果が期待でき、若返りに必要な酵素のひとつです。
しかし、人体にはNADを壊すSARM1という酵素があり、体内でNMNの濃度が高くなるとSARM1を活性化させることが分かっています。
つまり、点滴で高濃度のNMNを投与した場合、SARM1が活性化して若返り成分のNADが破壊される可能性がある、ということです。
尚、サプリメントで経口摂取した場合は吸収濃度が腸管で調整されるため、上記のような心配はほとんどありません。
参考:「NMN、ブームへの警鐘」、今井眞一郎ワシントン大学卓越教授|Beyond Health
安全にNMNでの若返りを叶えるために
NMNの危険性は高くありませんが、摂取方法によっては逆効果になる恐れがあります。
より安全に若返りを叶えるためのポイントを3つご紹介します。
品質の高いサプリを選ぶ
NMNサプリは国内外で開発されていますが、不純物が混ざっている製品や偽物が出回っている可能性もあります。
副作用のリスクが高まったり効果が得られない、といったデメリットがあるため、成分純度が開示されている商品やGMP認定工場で製造されている商品を選びましょう。
商品名 | NMNサプリ | NMNパウダー |
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画像 | ||
価格 | 30錠:3,900円~ | 1本:5,600円~ |
特徴 | 純度99%のNMNを含有 GMP認定工場で製造 |
純度99%のNMNを含有 GMP認定工場で製造 粉末タイプのNMN |
ボタン |
NMN点滴ではなくサプリを
NMN点滴による摂取は、以下の要因により体内のNMN濃度が高くなる恐れがあります。
・点滴では400mgなど元々高用量のNMNを扱っている
サプリメント服用では、NMNを必要以上摂取しても腸管が吸収をブロックするため濃度は高くなりません。
しかしNMNの点滴投与では、このような調節機能がはたらかず濃度が高くなりがちです。
NMN濃度が高い状態を長期間つづけると、運動神経の麻痺といった副作用が起きる可能性があります。
NMN研究の第一人者であるワシントン大学の今井教授も、現時点では点滴を推奨していません。
長期間高用量を摂取しない
1日あたりのNMN摂取推奨量は150~300mgとされています。
推奨量を超えた高用量を長期間摂取するケースは臨床試験もおこなわれていないため、高用量の摂取はまだ安全性が確立されていません。
また、NMNサプリを過剰摂取しても腸管では一定量しか吸収されないため、自己判断で増量せず用法用量を守ることが大切です。
サプリ以外でNMNと近い効果を得る方法
NMNはビタミンB3の一種で、もともと体内に存在する成分です。
効率良く摂取したい方はサプリがおすすめですが、サプリや点滴からの摂取が不安な方は運動や食事などの生活習慣で、NMNと近い効果を得ることができます。
最新のNMN研究を参考に、NMNに近い効果を得る方法をご紹介します。
適度な運動
NMNやNADを作るためには、NAMPTという酵素が必要です。
また、NMNが体内で吸収されると、アンチエイジング効果が期待できるNADに変換されるため、まずはNAMPTを増やすことが大切です。
このNAMPTは、有酸素運動や筋トレで増加することが分かっています。
週3~4回、1回あたり60分程度の有酸素運動を継続することでNAMPTの量が増加することが証明されています。
もともと運動習慣がない方は1日20~30分のウォーキングでも問題ありません。
ご自分のできる範囲で少しずつ運動を始めてみると良いでしょう。
朝食はたっぷり食べる
人間の体内では、昼や夜などの生体リズムに合わせてNADの量が変動を繰り返しています。
主に昼間に活動する人間の生体リズムでは、NADは昼に増加し、夜に減少するとされています。
前述の通り、NMNをNADに合成するための酵素・NAMPTは運動によって増加するため、活動的になる昼間に向けて朝食をたっぷり食べることが大切です。
特にNMN研究者の今井教授は、「普通の人が夕食に食べるような豪勢な食事を朝食で食べる」ことを推奨しています。
特にタンパク質やポリフェノールを含む食材を積極的に食べるといいでしょう。
また、夕食は「ワイン1~2杯にフルーツとナッツ、お腹が空いていたらそうめんや焼きそばを少し」程度に抑えると良いとされています。
規則正しい生活
前述の通り、NADの量は生体リズムに合わせて変動しています。
睡眠時間や活動時間が不規則な場合は生体リズムが崩れるため、規則正しい生活が大切です。
また、NMNの研究をおこなっている慶應大学医学部の伊藤教授も、「ルーティンのある生活を守ること」が身体の老化防止に大切と述べています。
不規則な生活を続けるとNMNが作られなくなるため、規則正しい生活を心掛けて体内時計を整えることがNMNを作りやすい環境の維持につながります。
参考:次世代成分NMNは「老化制御」にどう働くのか!?研究者が語る – YouTube
安全に効果を得るならサプリを
NMNは身体を若返らせる注目成分です。
さまざまな研究により、NMNを経口投与した場合の安全性には問題がないことが分かっています。
一部のクリニックでは点滴による投与もおこなっていますが、安全性や手軽さを重視する方にはサプリの服用がおすすめです。