膀胱炎の治療には抗生物質が用いられますが、身体にあるツボを指圧することでも症状の緩和や予防が可能と言われています。
本記事では、膀胱炎におすすめのツボと押し方のコツをご紹介します。
すぐに実践できるため、ぜひ参考にしてみてください。
ツボは即効性も期待できる
ツボは神経や筋肉が集まる位置にあり、ツボを押した刺激が脳に伝わると身体の各所にも伝わり、働きを活発にすると考えられています。
即効性が期待できるツボも存在し、血液の流れが良くなったり、身体の不調がたちまち解消されたりします。
知識があればいつでもどこでも手軽に指圧できるため、膀胱炎の症状を緩和したい方や予防したい方は、これからご紹介する10箇所のツボを覚えてみてください。
膀胱炎にピッタリのツボ10選
膀胱炎の改善や予防に効果的な、お腹、背中、足のツボをご紹介します。
位置が近いツボがいくつかあるため、併せて指圧することでより高い効果が期待できます。
膀胱兪( ボウコウユ)
膀胱兪は、お尻の出っ張った骨から内側の斜め下にあり、膀胱の背部あたりに位置するツボです。
膀胱炎や頻尿といった泌尿器系疾患の他、腰痛や坐骨神経痛にも効果が期待できます。
日頃から膀胱兪を指圧することで、膀胱炎を発症しにくくなります。
また、カイロなどで膀胱兪のあたりを温める方法もおすすめです。
関元( カンゲン)
関元は、おへそから指4本分下にあり、膀胱の上あたりに位置するツボです。
膀胱炎や頻尿といった泌尿器系疾患の他、生理痛や冷え性、消化不良などにも効果が期待できます。
関元は膀胱や子宮の上あたりにあるツボのため、強く刺激しすぎないよう注意しましょう。
また、血行促進や自律神経を整える効果もあるため、日常的に指圧することをおすすめします。
太谿(タイケイ)
太谿は、足の内側のくるぶしとアキレス腱の間にあるツボです。
血行促進や冷え性改善に効果があり、膀胱炎の原因菌を排出するために大切な免疫力アップに繋がります。
アキレス腱を傷つけないように優しく押しましょう。
腎兪(ジンユ)
おへその高さで両手を腰に当てた時、親指が当たるあたりが腎兪です。
膀胱兪より少し上に位置しています。膀胱や腎臓の機能改善、血行促進が期待できます。
膀胱兪と併せて押すと、より効果的です。
陰交(いんこう)
陰交は、おへそから指1本分下にあるツボです。
血行を促進し、泌尿器系疾患や冷え性の改善に効果が期待できます。
関元と併せて押すと、より効果的です。
中極(ちゅうきょく)
中極は、おへそから指5本分下にあり、膀胱の上あたりに位置するツボです。
膀胱や子宮の近くにあるため、泌尿器系や婦人科系疾患の改善、予防効果が期待できます。
膀胱炎を発症している時に強く押しすぎると痛むことがあるため、優しく指圧しましょう。
水道(すいどう)
関元(おへそから指4本分下)から、指3本分外側に位置するツボです。
体内の水分の巡りが良くなるため、排尿を促します。
膀胱炎を治すためには水分をよく摂るよう指導されますが、水分の摂り過ぎによるむくみ改善にも効果が期待できます。
帰来(きらい)
関元(おへそから指4本分下)から、指2本分外側に位置するツボです。
膀胱炎や尿道炎の他、生理不順の改善にも効果が期待できます。
関元や水道と併せて押すと、より効果的です。
至陰(しいん)
至陰は、足の小指の外側にあるツボです。爪の付け根から外側にスライドさせた位置にあります。
排尿に関わるホルモンのバランスを整え、膀胱炎の原因菌の排出を助けます。
至陰は小さなツボですが、全身の気の流れを整える大切なツボです。
湧泉(ゆうせん)
足の指を丸めるように曲げた時に、へこむ場所が湧泉です。
膀胱炎の他にも頭痛、めまい、高血圧、更年期障害、不眠など、さまざまな疾患や症状に効果が期待できるツボです。
冷え性や腎臓の機能改善にも効果があるため、膀胱炎の予防として日常的に指圧することをおすすめします。
鍼灸は膀胱炎での有効性が認められている
ツボは自分1人でも手軽に指圧可能ですが、慢性的な膀胱炎にお悩みの方は鍼灸もおすすめです。
鍼(はり)と灸(きゅう)を用いて神経を刺激し、痛みや疲労の軽減、機能回復をはかる東洋医学の治療法です。
1997年にはNIH(アメリカ国立衛生研究所)によって、「鍼灸の有効性には科学的根拠がある」と認められました。
NIHは、鍼灸が膀胱炎に対しても有効であることを発表しています。
膀胱炎を繰り返さないためには
生活習慣や体質、持病によって膀胱炎を繰り返しやすい人がいます。
ここからは、膀胱炎を再発させないための予防策をご紹介します。
水分をよく摂る
トイレを我慢しない
性行為後は尿道付近を清潔にする
腸内環境を整える
ストレスを溜めない
睡眠の質を高める
膀胱炎は尿道から侵入した細菌が繁殖することで発症します。
細菌が侵入しないように清潔に保つことや、細菌が繁殖する前に排出することが大切です。
また、ストレスや睡眠不足によって免疫力が低下するため、直接的には関係ないように思えてもストレスや睡眠不足の解消を心掛けましょう。
症状がある場合はしっかりと治療
膀胱炎を発症した場合は、抗生物質を服用して細菌を殺菌する必要があります。
指圧や鍼灸だけで必ずしも完治するわけではないため、症状がひどい場合は医師に相談してください。
しかし、ツボの指圧や鍼灸には症状の緩和や予防効果があるため、膀胱炎の症状を軽くしたい方や再発を防ぎたい方は実践してみてください。