新型コロナウイルスによって、ワクチンへの関心が高まっているこの頃。
コロナ禍でのインフルエンザ流行に備えて、インフルエンザワクチンの接種を考えている方も多いのではないでしょうか?
ここでは、インフルエンザワクチンの効果や最適な接種タイミングなどをご紹介します。
インフルエンザワクチンの効果
インフルエンザワクチンには、以下のような効果があります。
①発症を予防する効果 | 65歳以上の高齢者:34~55% 65歳未満の健康な方:70~90% |
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②重症化を防ぐ効果 | 65歳以上の高齢者:82% |
インフルエンザは、感染すると発熱・頭痛・せきなどの症状が発症しますが、多くは1週間程度で回復します。
しかし中には、肺炎や脳症などを引き起こし、最悪の場合死に至るケースもあります。
特に以下に当てはまる方は重症化しやすいとされているため、積極的に接種をして万が一に備えましょう。
今冬は、新型コロナウイルス第6波との同時流行も懸念されています。
たとえ重症化リスクが低い若者であっても、油断せず予防接種を受けることが大切です。
子供への効果
山梨大学の研究では、3歳未満の子供を対象にしたワクチンの効果を以下のように報告しています。
3歳未満の子供全体 | 年上の 兄弟がいる子供 |
保育園に 通っている子供 |
|
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1.5歳 | 21% | 25% | – |
2歳 | 27% | 25% | 21% |
3歳 | 31% | 30% | 30% |
同様に厚生労働省の調査でも、6歳未満の子供への発症予防効果は20%~60%ほどで、重症化を防ぐ効果もあるとしています。
子供を対象にした研究はいくつかあり、報告によって数値に幅があります。
しかし、いずれもワクチン接種による効果はあるとの見解です。
インフルエンザワクチンはいつ打つべき?
例年通りでいけば、インフルエンザの流行は11月~12月頃から始まり、1~3月頃にピークを迎えます。
インフルエンザワクチンの効果の持続期間は、接種後1~2週間後から約5か月間とされています。
効果的に予防するのであれば、流行に合わせて11月中旬~12月上旬までの接種を目指しましょう。
もし接種のタイミングが遅れてしまったとしても、春先の流行に備えて接種しておくと安心です。
インフルエンザワクチンの接種回数
インフルエンザワクチンの接種回数は、日本国内とWHO基準とで異なります。
- 13歳未満:2回
- 13歳以上:1回
※13歳以上であっても、基礎疾患のある場合などは2回接種が可能(要相談)
- 6ヶ月~9歳未満:2回(過去に2回接種歴があれば翌年から1回)
- 9歳以上:1回
国内の病院では、「13歳未満は2回、それ以上は1回」を原則として接種を進めています。
しかし病院によっては、費用やお子さんの注射嫌いなどを考慮して、WHO基準の接種回数をおすすめする病院もあるようです。
さらに、2021年~2022年はインフルエンザワクチンの供給が例年より少なくなる可能性があるため、ワクチンの在庫数なども関係してくるかもしれません。
いずれにせよ、接種前に医師と相談して決めると良いでしょう。
複数回接種する場合の接種間隔
インフルエンザワクチンを複数回接種する場合は、原則以下の間隔を空けて接種をします。
- 13歳未満:2~4週間の間隔
- 13歳以上:1~4週間の間隔
しかしどの年齢の方も3~4週間の間隔をあけて接種したほうが効果が高いとされています。
インフルエンザワクチンの疑問
「インフルエンザワクチンは効果がない」
などのうわさを聞いたことはありませんか?
ここでは、そんなインフルエンザワクチンの気になる疑問に回答します。
インフルエンザワクチンは効果がない?
勘違いされやすいですが、インフルエンザワクチンには感染を完全に防ぐ効果はありません。
たまに、
「ワクチンを接種したのに、インフルエンザにかかってしまった」
という話を耳にしますが、インフルエンザワクチンの主な働きは感染した場合の症状を抑えるというもの。
そのため、特に重症化・死亡リスクが高い子供や高齢者などは、例え感染を防げなくとも接種したほうが良いのです。
また、効果がないと感じられる原因として、接種時期が遅れたために「流行に間に合わなかった」ということも考えられます。
インフルエンザワクチンの効果は、接種後1~2週間からはじまり1か月後にピークを迎えます。
可能であれば、流行が始まる2週間前に接種しておくと安心です。
違うタイプが流行すると効果がない?
インフルエンザウイルスには、A型・B型・C型があります。
特に国内で流行するのはA型・B型の2種類です。
インフルエンザワクチンは、毎年そのシーズンに流行するウイルスを予測して製造されます。
そのため、もし予測が外れた場合、ワクチンと異なる型のウイルスに感染する可能性もあります。
しかし、予測が外れた場合も重症化を防ぐ効果は期待できるため、やはり接種自体はしたほうが良いでしょう。
インフルエンザワクチンの費用は?
インフルエンザワクチンは、自由診療で1回約3000円~4000円です。
料金は病院によって異なるため、接種前に病院のホームページなどを確認しておくと良いでしょう。
また、お住いの自治体によっては、助成金が出る場合もあります。
費用や接種時期などは自治体によって異なるので、こちらも必ず確認しておきましょう。
2021年はインフルエンザワクチンが少ない?
2021年~2022年は、新型コロナウイルスの影響でインフルエンザワクチンに関心を持つ方が多いようです。
その分、10月時点でワクチン接種の予約受付を休止した病院もあるなど、例年より接種しにくい環境になる様子。
もしかかりつけや近くの病院でワクチンがなく接種できない場合は、予防薬を服用してインフルエンザを予防する事もおすすめです。
予防薬でもワクチンと同じ効果が得られる
インフルエンザは、「タミフル」「リレンザ」などの予防薬でも対策が可能です。
これらの薬を服用することで、服用期間中ウイルスの発症率を下げることができます。
予防薬には、内服薬と吸入薬の2種類のタイプがあります。
名称 | タミフル | リレンザ | イナビル | ゾフルーザ |
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種類 | 経口薬 | 吸入薬 | 吸入薬 | 経口薬 |
処方価格 | 約6,000円 | 約4,500円 | 約6,500円 | 約15,000円 |
個人輸入 | 2,470円~ | 6.180円 | ー | ー |
詳細はこちら | 詳細はこちら | ー | ー |
これらは病院でも処方されていますが、タミフル・リレンザは個人輸入でも購入可能です。
通院せず手軽に購入したい方は、個人輸入での購入も検討してみてください。
インフルエンザの対策はお早めに
インフルエンザワクチンの効果を十分に発揮するには、遅くとも12月上旬までには接種を済ませておきましょう。
しかし、2021年~2022年はインフルエンザワクチンの供給が少ないこともあり、予防薬での予防など他の対策を視野にいれておくこともおすすめします。
しっかり対策して、これからの季節を乗り切りましょう。