テストステロンとは?わかりやすく解説!よくある減少の兆候や補充リスクを解説

男性の身体や精神面に大きな影響をもつ男性ホルモンのテストステロン。

「疲れる、いらいらする…」「性欲がなくなった…」
こんな風になんとなく不調を感じている場合、テストステロンが影響しているかもしれません。

この記事では、テストステロンの基礎知識や対処法について解説いたします。

テストステロンとは?

テストステロン
テストステロンは、筋肉や骨の強化、性機能の維持、精神の安定などに関わる、男性にとって大切なホルモンです。

このホルモンは主に精巣で作られ、脳からの指令を受けて分泌されます。

血液を通じて全身に届き、体つきや性欲、気力の維持など、さまざまな働きをサポートします。

また、テストステロンは世界保健機関(WHO)の必須医薬品モデルリストに掲載されています。

これは、基本的な医療に欠かせない医薬品とされ、健康の維持において国際的にも重視されている証です。

参考:WHO必須医薬品モデルリスト – 第23版、2023年

テストステロンの効果

テストステロンの効果
テストステロンには、身体と精神の両面にさまざまな効果があります。

筋肉量や骨の密度を保つ働きがあるほか、性欲やED改善、精子の生成など性機能の維持にも深く関わっています。

さらに、気力や集中力、感情の安定にも影響するため、ストレスに強く前向きな心を保つうえでも重要です。

これらの働きから、テストステロンは男性の健康と活力を支える中心的な存在といえます。

テストステロンの臨床試験

テストステロン補充療法の効果と安全性を検証した大規模臨床試験(Tトライアル)が、アメリカでテストステロン値が低い高齢男性を対象に実施されました。

その結果、性機能や性欲、気分、うつ症状がわずかに改善し、ヘモグロビン値が上昇して貧血の改善が見られたほか、骨の強度と密度の増加も確認されました。

一方で、歩行能力や認知機能に大きな改善はなく、心血管へのリスクが懸念される結果も報告されています。

これらの知見から、治療の効果と安全性をより明確にするには、大規模かつ長期的な研究が必要とされています。

テストステロンが多すぎるとどうなる?

テストステロンは、少なすぎても多すぎても健康に悪影響を与えるホルモンです。

過剰に増えると筋肉量が不自然に増加する一方で、皮脂の増加や脱毛、攻撃性の上昇、睡眠障害などが起こることがあります。

テストステロンが多すぎると、身体的、精神的に与える影響の例は下記です。

身体的影響
  • にきびや脂性肌の悪化
  • 脱毛(男性型脱毛症)
  • 心筋梗塞や血栓のリスク上昇
  • 肝機能障害
  • 前立腺肥大や前立腺がんの進行リスクなど
精神・行動面の影響
  • 攻撃性や衝動性の増加
  • 気分の不安定化(怒りっぽくなる)
  • 不安や抑うつの悪化
  • 過剰な性衝動
  • 睡眠障害など

その他、テストステロンが増えると顔つきが変わる(角ばる、男らしさが強調される)といった、外見上の変化も報告されています。

テストステロンが多い人と少ない人の特徴

テストステロンが多い人と少ない人の特徴
テストステロンの分泌量によって、体つきや性格、行動に明確な違いが現れることがあります。

特徴 テストステロンが多い人 テストステロンが少ない人
体格 筋肉質で引き締まっている 筋肉がつきにくく、脂肪がつきやすい
性欲 強く、性行動が活発 性欲の低下、朝立ちが減る
感情・気分 自信に満ちて前向き イライラや抑うつ気分になりやすい
行動パターン 積極的でリーダーシップがある 無気力で意欲が湧かない
体毛 体毛が濃くなる傾向がある 体毛が薄くなる、抜け毛が目立つ
骨や筋肉の強さ 骨密度が高く、筋力が保たれる 骨密度が低下しやすく、筋力も衰える

テストステロンが減少する原因

テストステロンは年齢だけでなく、日々の生活習慣の影響でも減少します。

以下の要因には注意が必要です。
  • 加齢
    年齢を重ねると自然にホルモン分泌が低下します。
  • ストレス
    慢性的なストレスは、脳のホルモン分泌指令を妨げます。
  • 運動不足
    筋肉を使わない生活は、テストステロンの低下につながります。
  • 過剰なダイエット
    栄養不足により、ホルモンの材料が足りなくなります。
  • 睡眠不足
    睡眠中にホルモンが作られるため、睡眠の質が重要です。
  • 飲酒・喫煙
    精巣機能を低下させ、テストステロンの分泌が減少します。

また、糖尿病や肥満などの慢性疾患もホルモンの分泌を妨げる要因のひとつです。

テストステロンが減りだしたときの兆候

テストステロンが減りだしたときの兆候
加齢によってテストステロン値が低下すると、身体的・精神的にさまざまな変化が現れます。

この状態はLOH症候群(加齢性腺機能低下症)と呼ばれ、症状が分かりづらく気づかれにくいのが特徴です。

LOH症候群の症状および徴候
1)リビドー(性欲)と勃起能の質と頻度,とりわけ夜間睡眠時勃起の減退
2)知的活動,認知力,見当識の低下および疲労感,抑うつ,短気などに伴う気分変調
3)睡眠障害
4)筋容量と筋力低下による除脂肪体重の減少
5)内臓脂肪の増加
6)体毛と皮膚の変化
7)骨減少症と骨粗鬆症に伴う骨塩量の低下と骨折のリスク増加
引用:日本泌尿器科学会/日本Men’s Health医学会/「LOH症候群診療ガイドライン」検討ワーキング委員会「加齢男性性腺機能低下症候群 診療の手引き」

テストステロンが減りだしたときに感じる変化としては、性欲の低下や朝立ちの減少、筋力や体力の衰えが見られます。

また、イライラや気分の落ち込み、集中力の低下、睡眠の質の悪化も典型的な兆候です。

これらは単なる疲労や加齢による変化と見過ごされやすいため注意が必要です。

男性版!更年期症状チェックリスト簡易版

ご自身の体調の変化を簡単に確認できるチェックリストをご用意しました。

当てはまる項目が多い、または点数が高い場合は、男性更年期による不調の可能性があります。
まずはセルフチェックから始めてみましょう。

各項目について【なし/軽い/中程度/重い/非常に重い】の1〜5段階で自己評価し、合計点を出してください。

更年期症状簡易チェックリスト

1.総合的に調子が思わしくない
2.関節や筋肉が痛みを感じる
3.過度に汗をかく
4.睡眠が浅い、眠れないなどの悩みがある
5.よく眠くなる、疲れやすいと感じる
6.いらいらしやすい
7.神経質になった、おちつかない
8.急に強い不安に襲われることがある
9.疲労感が強く、行動する意欲がわかない
10.筋力が落ちてきたと感じる
11.気持ちが沈むことがある
12.人生の絶頂期はすぎたと感じることがある
13.力尽きた、どん底にいると感じる
14.髭の伸びが遅くなってきた
15.性的能力の衰えが気になる
16.朝の勃起の回数が減っている
17.性欲減退している

点数
[なし]1点
[軽い]2点
[中程度]3点
[重い]4点
[非常に重い]5点

合計点の目安は、17〜26点問題なし、27〜36点軽度、37〜49点中等度、50点以上は重度です。

点数が高い、または生活に支障がある場合は医療機関で検査を受けてみることをおすすめいたします。

テストステロンの検査

テストステロンの検査には、医療機関で受ける方法と自宅でできる検査キットの2つがあります。

精密な診断は病院での検査が適していますが、手軽にホルモン値を確認したい方は、自宅の検査キットが向いています。

項目 病院での検査 自宅の検査キット
検査方法 採血で総テストステロンや遊離テストステロンを測定。必要に応じてLH・FSHも併用 唾液または自己採血を採取し、配送して測定
検査でわかること 低テストステロンの有無、原因推定、治療の要否 目安としてのホルモン値。診断や原因推定は不可
値段 保険診療なら自己負担は3割:1,000〜3,000円程度 血液キット約10,000円前後、唾液約8,000円前後
診療科 泌尿器科、メンズヘルス外来、内科など 該当なし
保険適用について 症状があり医師が必要と判断した場合に保険算定される 自由診療のため全額自己負担
テストステロンテスター
テストステロンテスター
1個:6,480円~
テストステロンテスター
ホルモン量測定キット
1個:6,480円~

テストステロンの基準値・正常値

テストステロンの正常値は、年齢や測定方法により異なります。

国際的には、若年健常男性の総テストステロンの基準値は264〜916ng/dLとされ、これが広く参照されています。

日本国内の検査機関では、通常2.00〜7.60ng/mL(200〜760ng/dL)が参考範囲として用いられています。

さらに臨床の現場では、総テストステロン250ng/dL以上、遊離テストステロン7.5pg/mL以上を正常の下限と解釈することが一般的です。

なお、検査は日内変動があるため朝の測定が推奨されます。

テストステロンを増やす方法

テストステロンを増やす方法

テストステロンを増やす方法には、生活習慣や栄養面の改善で自然分泌を促す方法と、医療的な補充療法(TRT)があります。

生活習慣の改善は運動や食事、睡眠などを見直すことから取り組めるため、誰でも始めやすい一方、効果は緩やかに現れます。

これに対し、医療的補充療法は短期間で高い効果が期待できます。

日常生活でできる方法

日常生活でテストステロンを増やすには、簡単な方法として食べ物から必要な栄養を摂取することです。

テストステロンを増やす食べ物
  • 牛肉
  • マグロ
  • 牡蠣
  • アーモンド
  • 納豆 など

これらにはタンパク質や亜鉛、ビタミンDなどテストステロンの生成に必要な栄養が豊富です。

栄養バランスを毎日考えるのが面倒な方は、成分が凝縮されたサプリメントを活用すると効率的です。

さらにワンランク上の対策をしたい場合は、運動習慣を取り入れるとより効果的で、とくにスクワットは大きな筋肉を使うため分泌促進に役立ちます。

テストステロンを増やすサプリ

テストステロンを増やすサプリメントは、男性ホルモンを補い性機能や筋力、活力を高めるための補助食品です。

商品名 スぺマン マカ アシュワガンダ
画像 スぺマン マカ アシュワガンダ
成分 ハッショウマメ、ゴクシュラなど マカ アシュワガンダ
効果 ED改善、精子増量・質向上、性欲増進、筋力アップなど ED改善、更年期障害、ペニス増大など ED改善、ストレス解消、老化防止など
用法用量 1回1錠を1日2回、食後に服用 1日2錠を服用 1回1錠を1日2回、食後に服用
価格 60錠:1,450円(1錠24円)~ 100錠:3,200円(1錠32円)~ 60錠:2,000円(1錠33円)~
詳細

テストステロンが減少する原因

医薬品で補充する方法

テストステロンの不足が明確な場合、医薬品による補充療法(TRT)が選択肢となります。

治療には注射剤、経皮吸収型ジェル、貼付剤、内服薬などがあり、いずれも血中のテストステロン値を安定させ、性機能や筋力、骨密度、活力の改善を目的とします。

治療は保険適用される場合もありますが、症状や検査結果などによっては対象外となり自費診療になることもあります。

その場合、通院の継続は費用面だけでなく、診察の手間や時間的な負担も大きくなりがちです。

そうした背景から、処方箋不要で医薬品を購入でき、通院の手間を省ける個人輸入(海外通販)を選択肢のひとつとされる方も増えています。

テストステロンを増やす内服薬・外用薬

テストステロンの補充には、内服薬と外用薬があります。

内服薬は体内から全身的に作用し、外用薬は皮膚から吸収して穏やかに効果を発揮します。

◇内服薬◇

商品名 セルノスカプセル テストヒール アクアビロン
画像 セルノスカプセル テストヒール アクアビロン
成分 ウンデカン酸テストステロン ウンデカン酸テストステロン ウンデカン酸テストステロン
効果 筋力増強、更年期障害改善な 筋力増強、ED改善など 筋力増強、活力の改善など
副作用 前立腺肥大、赤血球増加など 前立腺肥大、ヘマトクリット値の増加 前立腺肥大、ヘモグロビンの増加など
用法用量 1日40〜120mgを水かぬるま湯で服用 1日40〜120mgを水かぬるま湯で服用 1日40〜120mgを水かぬるま湯で服用
価格 30錠4,280円(1錠142円) 30カプセル4,650円(1カプセル155円)〜 10カプセル2,900円(1カプセル290円)〜
詳細

◇外用薬◇

商品名 アンドロフォルテクリーム5%(テストステロン) セルノスジェル テストジェル
画像 アンドロフォルテクリーム5%(テストステロン) セルノスジェル テストジェル
成分 テストステロン テストステロン テストステロン
効果 筋肉増強、男性機能回復など 筋肉増強、精力増強など 筋肉増強、更年期障害の改善など
副作用 皮膚のかぶれ、発疹、ニキビなど 紅斑、ニキビ、乾燥など ニキビ、体毛増加、脱毛(男性型脱毛症)など
用法用量 1日1回2mlを局所に塗布(最大4mlまで) 1日1回1包を皮膚の柔らかい部分に塗布 1日1回1袋を皮膚の柔らかい部分に塗布
価格 1箱(50g)17,980円〜 14包6,500円(1包464円)〜 30袋16,500円(1袋550円)〜
詳細

テストステロンを増やす注射剤

注射剤はテストステロンを直接筋肉や血中に投与し、短期間で効果を実感しやすい方法です。

製剤によって効果の持続期間が異なるため、数週間から数ヶ月ごとに投与します。

即効性が高い一方で、ホルモン量の変動や副作用が出やすい場合があるため注意が必要です。

テストステロンの副作用

テストステロンの主な副作用は以下のとおりです。

・前立腺肥大
・多血症
・ニキビ
・体毛増加
・脱毛(男性型脱毛症)
・睡眠時無呼吸の悪化
・血圧上昇
・気分変化
・男性不妊の可能性

副作用の症状が気になる場合は、早めに医師の診察を受けてください。

テストステロンの注意点

特定の合併症や既往歴がある方には、テストステロン補充療法が推奨されない場合や、慎重な投与が必要な場合があります。

推奨されない方
  • 前立腺がんや乳がんの方
  • 重度の前立腺肥大を持つ方
慎重な投与が必要な方
  • 心疾患や肝疾患の既往がある方
  • 睡眠時無呼吸症候群を持つ方

これらに該当する場合は、副作用やリスクが高まるため、投与には十分な注意が必要です。

テストステロンのよくある質問

テストステロンはAGAと関係がありますか?

テストステロンは男性ホルモンのひとつで、体内で「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されます。

このDHTが毛根にある受容体と結びつくことで、発毛サイクルを乱し、髪の成長を妨げると考えられています。

そのため、テストステロン自体が直接薄毛を引き起こすのではなく、DHTへの変換とその作用がAGAの主な原因とされているのです。

このようにテストステロンは間接的にAGAと関係しており、ホルモンバランスの変化が薄毛に影響する可能性が考えられます。

ただ、AGA自体は加齢と遺伝的要因などが影響するため、テストステロン補充療法だけが原因とは限りません。

こうした背景から、AGAの治療ではDHTの働きを抑える「5α還元酵素阻害薬(フィナステリド・デュタステリド)」が用いられます。

これらの治療薬はDHTの生成を抑制し、毛根への悪影響を防ぐことで、発毛サイクルを整える効果が期待できます。

フィナステリド120錠+ミノキシジル120錠 デュタステリド120錠+ミノキシジル120錠
画像 フィナステリド120錠+ミノキシジル120錠 デュタステリド120錠+ミノキシジル120錠
成分 フィナステリド
ミノキシジル
デュタステリド
ミノキシジル
価格 1mg/2.5mg240錠:5,710円 0.5mg/5mg240錠:7,000円
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テストステロンは女性にも関係がありますか?

女性の体内にも少量のテストステロンが存在し、骨や筋肉の維持、性欲や気分の安定に関わっています。

加齢やホルモンバランスの乱れで分泌が減少すると、疲労感や気分の落ち込み、性欲低下が起こることがあります。

そのため、テストステロンは男性だけでなく女性の健康や生活の質にも影響を与える重要なホルモンです。

まとめ

テストステロンは筋力や性機能、活力などに深く関わる重要なホルモンであり、加齢とともに減少することで心身にさまざまな不調を招きます。

生活習慣の改善やサプリメントで自然に分泌を促す方法、医薬品による補充療法など複数の対策が存在します。

不調を感じた際は放置せず、自分に合った方法を取り入れることが大切です。

参考サイト

一般社団法人日本内分泌学会|男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)
日本泌尿器科学会|加齢男性性腺機能低下症候群診療の手引き

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