カルシウム|生薬・成分リスト

カルシウム

幼いころから、カルシウムをたくさん摂取するように!と両親や、親戚、先生などに言われたことはありませんか?
大きくなりたいなら!や、骨が丈夫になるから!といったように抽象的な表現でカルシウムを摂取することを勧められた方は少なくないと思います。

でも大人になってみると、実際たくさん摂取したことでどうなったのだろう…。
はたまた、大人になってからはなかなか摂取できていないけど大丈夫かな…などと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実はこのカルシウムはミネラルの一種で、人体にはとても大切な役割を持つ栄養素の一種なのです。

カルシウムとは

カルシウムとは、ミネラルの一種であると上記しましたが、ミネラルとはヒトの機能維持やその調節自体に欠かせない微量栄養素といわれて、その種類は全部で16種類もあることがわかっています。

ヒトの体内でもっとも多く存在しているミネラルこそがこのカルシウムで、成人の体重の1.5%といわれており、体内に存在するカルシウムのうち99%は骨や歯の構成成分となり、残りの1%で筋肉などの神経組織や、血液中に存在します。

この骨のなかにあるカルシウムの主要なミネラルはリンと統合しており、このリン酸カルシウムの一種とされるヒドロキシアパタイトという化合物として存在していることがわかっています。

血液中にカルシウムが減少することにより、骨の中のカルシウムが血液中に移動して、血液中のカルシウムの濃度は常時、一定に保たれており、骨がカルシウムを貯めてくれる貯蔵庫となって活躍しています。

カルシウムの働き

日本は、全世界を見ても食に関しては恵まれているといるものの、実は日本人はこのカルシウム栄養素が不足しているといわれております。

では、実際にこのカルシウムが不足することでどういった症状が現れるのかをここで解説します。

▽カルシウム不足により現れる症状その1
“骨や歯が弱くなる”

リンとカルシウムが体内にて結合することにより、リン酸カルシウムとなって、骨と歯の土台として欠かすことができないことで、この土台が崩れるだけ骨や歯が弱まります。

▽カルシウム不足により現れる症状その2
“精神的障害”

カルシウムが骨や歯以外の神経組織の栄養にもなっていることは、既述でご理解いただいていることと思います。
そのため、このカルシウムが不足することにより、情報の伝達を担う神経伝達がうまく働かなくなることにより、精神的障害を引き起こすこといわれており、具体的な症例としては、うつ病、情緒不安定、認知症などがカルシウムが不足することによって、これらの症状が引き起こされるとされています。

▽カルシウム不足により現れる症状その3
“筋肉系の障害”

上記の精神的障害と同じくして、カルシウムが不足することにより筋肉を動かす際に必要とされる神経組織が働かなくなることで、思い通りに動かない、筋肉の痙攣や最悪の場合は、心臓の動きが悪くなることによる心不全となる可能性も高まります。

▽カルシウム不足により現れる症状その4
“血管系の障害”

カルシウムが十分に足りていることで、血液中のカルシウムの濃度や体液を一定に保つことができているので、これが不足することにより、カルシウムの貯蔵庫である骨からカルシウムの流出が増え、高血圧や、動脈硬化といった障害を引き起こす要因となる可能性が非常に高まります。

また、昔からイライラしている人を見ると、カルシウムが足りていないということを言ったことがある、または聞いたことがある方がいらっしゃると思いますが、これは上記にて既述した“精神的障害”と“筋肉系の障害”によって、神経細胞内の情報伝達が正常にしていないことで、あらゆる情報をスムーズに伝達することができず、精神的に不安定とって、イライラする傾向があることから、カルシウムが不足するとイライラする、怒りっぽくなる原因になるとされています。

また、他にもカルシウムの調節がうまくいっていないことが原因で同じようなことが引き起こされる場合があります。こいった際には、ビタミンD不足がその要因として考えられますが、通常の食事をしていれば本来であればカルシウム不足だけによってイライラする、怒りっぽくなるといったことはあまりないといわれています。

カルシウムを含んだ食材

カルシウムを多量に含む食品を想像してみると、大体が乳製品だと思われる方が多いでしょう。

しかし、他にも魚介類や海藻類、野菜・豆類なども多量に含んでおり、特に野菜・魚介・海草類はこのカルシウムの供給源としておすすめです。特に魚介類の煮干しには多くのカルシウムが含まれており、煮干しには他にも多くのミネラルや栄養素も補給することができるのでおすすめです。

しかし、なかにはホウレンソウに含まれる成分で、カルシウムの吸収を阻害する栄養素も存在しておりますが、このような食材でもその他のミネラルや栄養素をたくさん補給することが出来ると考えられます。ここで大事になのは、食事は偏ることがないように様々な食品を日ごろから意識して栄養素を摂取することが大切です。

骨や歯はカルシウムでそのほとんどが形成されているため、年齢と共にこれらを形成している骨密度は低下していきます。

骨密度は、成長期に一番蓄えられるといわれ、ピーク時は20歳だと言われています。

特に女性は、骨の成長を促すホルモンとなるエストロゲンが分泌されることで、一気に骨密度が低下するため男性よりも骨粗鬆症になる傾向が高いと言われています。

このカルシウムがいかに身体に大切な栄養素であるのかということは良く理解していただけたと思いますが、先にも記述したように、骨にこれを貯蔵しておくことができるのは大体20歳までであるので、それからは骨に貯蔵されることがないため、できるだけ日ごろの食事やサプリメントでこれを補う必要があります。

またカルシウム以外にも、カルシウムを体内へよりその吸収率を高めるためのビタミンDも摂取をすると良いでしょう。

カルシウムの副作用

通常、ふつうに食事をしている時に、基本的にカルシウムを摂取しすぎるということはなく、カルシウムだけを摂取したとしても、過剰に吸収されることはありません。

しかし、カルシウムが体内へ吸収されるのを助けるビタミンDを一日の最大摂取目安量となる500μgをこえた後も摂取し続けることで、カルシウムは毒性に働きます。

またカルシウムも過剰に摂取することによって、動脈硬化、腎臓障害、高血圧、結石などの症状を引き起こす要因となり、またマグネシウムや亜鉛、鉄といった他の栄養素を吸収しずらくするともいわれています。

カルシウムが不足している、または不足していると感じることにより、サプリメントを過剰に摂取することがなければ基本的にこのようなことにはなりませんし、必要量となるカルシウムやこのビタミンDも含めた栄養素を、日ごろの食生活のみでは、摂取することは難しいため、サプリメントは手頃でとてもおすすめですが、何事も過度な摂取はよろしくありません

また、カルシウムは一時的に過剰に摂取しても、20歳を超えた後の大抵の方は貯蔵されることがないため、大切なのは毎日、長期間カルシウムを摂取し骨密度を高めていくことが大切です。

また、栄養素を摂取することと同じく、適度な運動を行うことで骨に刺激を与えてより丈夫な骨がつくられます。

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