ホルモン

ホルモンは内分泌腺で作られる物質で、身体の正常な働きに関わっています。

加齢や病気によりホルモンが減少すると、本来の働きが得られなくなるために身体に不調が現れます。

不足したホルモンを補うため（ホルモン補充療法）に用いられる薬剤がホルモン剤です。

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効果

ホルモン剤の種類によって期待できる効果が異なります。

代表的な3種類のホルモン剤（男性ホルモン剤、女性ホルモン剤、甲状腺ホルモン剤）の効果は以下の通りです。

男性、女性ともに更年期障害の症状改善に用いる場合が多く、甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモンの不足で起こる諸症状を改善します。

薬のタイプ

ホルモン剤には、外用薬（塗り薬、貼り薬）と内用薬があります。

それぞれにメリットとデメリットがあるため、症状や希望に合わせて選ぶことが大切です。

塗り薬は皮膚からホルモンを徐々に吸収するため、少量でも自然に近いリズムでホルモン補充が可能です。

ただし、肌に合わずかぶれてしまう可能性があるため、使用できない方もいます。

貼り薬も塗り薬と同様に皮膚からホルモンを吸収します。

塗り薬との違いは、貼っている間はホルモンの血中濃度が一定に保持される点です。

肌がかぶれる場合には使用できません。

飲み薬は、肝臓で代謝して必要な臓器に吸収されていきます。

手軽に服用できる一方、肝臓に負担がかかる点がデメリットです。

また、男性ホルモン剤には注射タイプもありますが、自身で打つことはできないため通院する必要があります。

以下のホルモン剤を種類ごとにご紹介します。

テストステロン（男性ホルモン剤）

	アンドロフォルテクリーム5%	セルノスジェル	アクアビロン
有効成分	テストステロン	テストステロン	ウンデカン酸テストステロン
価格	1箱：17,980円～	14包：4,500円～	10カプセル：2,900円～
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男性ホルモンには、テストステロンの他、DHT（ジヒドロテストステロン）やDHEA（デヒドロエピアンドロステロン）などの種類があります。

これらのホルモンのうち、不足することで男性更年期障害やEDを引き起こすのはテストステロンです。

そのため、男性ホルモン剤では主にテストステロンを補充します。

日本国内では注射タイプが主流ですが、海外では塗り薬や飲み薬も一般的に使用されています。

海外通販では塗り薬や飲み薬が購入できるため、通院せずに男性ホルモンを補充したい方は海外通販の利用がおすすめです。

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女性ホルモン剤

	プレマリン	クリマラ	シクロプロギノバ
有効成分	結合型エストロゲン	エストラジオール	エストラジオール吉草酸エステル、ノルゲストレル
価格	28錠：4,280円～	1箱：2,870円～	21錠：2,600円～
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女性ホルモンには、エストロゲン（卵胞ホルモン）とプロゲステロン（黄体ホルモン）があります。

2種類のホルモンのうち、不足することで更年期障害や骨粗しょう症を引き起こすのはエストロゲンです。

そのため、女性ホルモン剤では主にエストロゲン製剤が使用されます。

しかし、エストロゲンだけが増加すると子宮内膜症や子宮筋腫が悪化する恐れがあるため、プロゲステロンとの併用が一般的です。

ただし、子宮を全摘出している女性はエストロゲンのみ補充します。

女性ホルモン剤には塗り薬、貼り薬、飲み薬があり、症状や希望に合わせて処方されます。

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甲状腺ホルモン剤

	チロノーム	レボチロン	メチメズ（メルカゾールジェネリック）
有効成分	チロキシンナトリウム	レボチロキシンナトリウム	チアマゾール
価格	120錠：4,000円～	50錠：2,700円～	90錠：4,000円～
商品詳細	商品詳細へ	商品詳細へ	商品詳細へ

甲状腺は喉の辺りにあり、身体のさまざまな臓器に働きかける甲状腺ホルモンを分泌しています。

甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモンが減少し、甲状腺機能亢進症では甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。

いずれも身体に不調をもたらすため、適切な治療が必要です。

甲状腺ホルモンの補充が必要なのは、「甲状腺機能低下症（橋本病）」です。

一方、「甲状腺機能亢進症（バセドウ病）」では、甲状腺ホルモンの合成や分泌を抑えるために抗甲状腺薬が用いられます。

甲状腺機能の低下と亢進は治療法が異なるため、正しい治療を受けることが大切です。

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ホルモンバランスが崩れることによって起こりうる疾患について解説します。

更年期障害

更年期障害は女性のイメージが強いですが、男性ホルモンの減少による男性更年期障害の方が年々増加しています。

いずれも症状が似ており、40～50代の方に多い症状です。

男性は、男性ホルモンの減少によって更年期症状が現れるため、テストステロン（男性ホルモン剤）を補充します。

女性は、女性ホルモンの減少によって更年期症状が現れるため、女性ホルモン剤を補充します。

また、男女ともに生活習慣の乱れや環境の変化が発症の原因になることがあります。

運動やバランスの良い食事、規則正しい生活を心掛けることも大切です。

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生理不順

低用量ピルには、エストロゲンとプロゲステロンが含まれていますが、配合されているホルモンの量が異なるため、更年期症状などの治療に使用されるホルモン剤とは区別して考えられます。

一般的な生理不順（生理周期の乱れ）は、低用量ピルによって症状を改善します。

しかし、若年層の女性でも無月経や無排卵の方は女性ホルモン剤によるホルモン補充療法をおこなう場合があります。

ただし、女性ホルモン剤を長期間使用すると子宮体がんの発症リスクが高まるため、医師による経過観察を受けましょう。

また、30代後半以降は閉経に伴う生理不順の可能性があるので、低用量ピルではなく女性ホルモン剤の方が有効な場合があります。

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ホルモン剤は、人為的にホルモンを補充するため、副作用が現れる可能性があります。

ホルモン剤の種類ごとに、確認されている副作用をご紹介します。

テストステロン（男性ホルモン剤）

テストステロン（男性ホルモン剤）の補充療法による副作用には、以下のような症状があります。

また、長期間ホルモン剤で男性ホルモンを補充した場合、自分の身体で精子を作る機能が弱まってしまい、男性不妊症を引き起こす恐れがあります。

たくさん補充すれば効果が強まるわけではないため、用法用量を守ることが大切です。

女性ホルモン剤

これらの副作用は、補充療法を開始して1～3ヶ月程度で軽減する場合がほとんどです。

また、発現頻度は低いですが血栓症を発症する可能性があります。

肥満症の方や喫煙習慣のある方は発症リスクが高いため、注意が必要です。

甲状腺ホルモン剤

甲状腺ホルモン剤の補充による副作用は、ほとんどありません。

ただし、投与量が増加し甲状腺ホルモンが過剰に増えすぎてしまった場合は、頻脈や動悸、不眠症状が現れる可能性があります。

一方、甲状腺機能亢進症の治療に用いられる抗甲状腺薬には、以下のような副作用があります。

無顆粒球症の発現頻度はごく稀ですが、顆粒球という白血球が無くなる病気です。

顆粒球は免疫細胞の役割を果たしており、細菌感染を引き起こしやすくなるため注意が必要です。

ここからは、ホルモン剤に関するよくある質問にお答えします。

ホルモン補充療法の継続や中断を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

ホルモン補充療法はいつまで続ける必要がありますか？

ホルモン補充療法は、性別や症状によって推奨される継続期間が異なります。

男性では、男性ホルモン剤の長期連用が不妊症の原因になる場合があります。

長期にわたる過剰投与は避けましょう。

また、約3ヶ月ごとに診察や検査を受けることをおすすめします。

女性ホルモン剤は症状により異なります。

投与期間や年齢に制限はありませんが、推奨される期間や開始時期の目安は以下の通りです。

ホルモン補充療法を急にやめた場合どうなりますか？

加齢などによりホルモンが減少することで、さまざまな症状が現れます。

しかし、ホルモンが少ない状態に身体が慣れれば、症状は徐々に治まるとされています。

ホルモン補充療法では、急激に減少してしまったホルモンを補うことで症状を軽減させます。

そのため、急に投与を中断すると症状がぶり返す恐れがあります。

定期的に病院を受診し、ホルモン補充療法の期間や方針について、医師と相談することをおすすめします。