
つわりによる吐き気や気持ち悪さが続くと、食事も思うようにとれず「助けてほしい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
つわりは多くの妊婦にみられる体調変化ですが、食事や生活習慣を工夫することでやわらぐ場合もあります。
また、症状が強くつらい場合には、つわり薬による治療が検討されることもあります。
そこで本記事では、つわりで気持ち悪いと感じたときの対処法や、症状の軽減に用いられる薬について解説していくので、ぜひ参考にしてください。
つわりが気持ち悪くて「助けて」と思ったら?

つわりの症状には個人差がありますが、強い不快感が続き、日常生活に支障をきたすことも珍しくありません。
そのため、無理をして家事や仕事を続ける必要はなく、体調がすぐれないときは体を休めて過ごすことが大切です。
また、症状が強く食事や水分がとれない場合は、医療機関への相談も検討しましょう。
次項では、つわりの症状が強い場合の受診の目安について解説します。
つわりの危険サイン
つわりは妊娠初期にみられる体調変化ですが、症状が強くなると、妊娠悪阻(にんしんおそ)と呼ばれる状態になることがあります。
妊娠悪阻とは、つわりの症状が重くなり、強い吐き気や嘔吐が続くことで、食事や水分を十分にとれなくなる状態を指します。
このような状態が続くと、脱水や体重減少など、体への負担となる可能性があるため、早めに医療機関を受診することが大切です。
受診が推奨される具体的な目安については、以下で解説します。
受診の目安
次のような症状がみられる場合は、体への負担が大きくなっている可能性があるため、医療機関を受診しましょう。
- 食事や水分が十分にとれない
- 1日に3回以上吐いてしまう
- 妊娠前より体重が5%以上、または3kg以上減っている
- 頭痛やめまいなどの症状がみられる
- トイレの回数が減っている
このような状態が続くと、脱水や栄養不足につながることもあるため、早めに専門の医師へ相談してください。
つわりは「薬」で症状を軽減できる場合もある

つわりの症状がつらい場合は、不調をやわらげるために薬を使用する方法もあります。
日本では、つわりは我慢するものと思われがちですが、海外では治療薬を用いて症状の緩和を目指すこともあります。
そのため、吐き気などの症状がつらい場合は、医師に相談しながら薬の使用を検討することも選択肢のひとつです。
後半では、つわりの症状を軽減する目的で使用される薬について解説します。

つわりで気持ち悪いときに食べやすい食べ物
つわり中は、食事をとること自体がつらく感じ、普段は食べられるものでも口にしにくくなることがあります。
このようなときは無理をせず、負担の少ない食品を少量ずつとることが大切です。
つわりのときに食べやすいとされる食品には、次のようなものがあります。
- ゼリー
- フルーツ
- 炭酸水
- クラッカー
- 冷たい麺類
食べられるものは体調によって変わるため、無理なくとれる食品を少しずつ取り入れていきましょう。
つわりの症状別の対策

つわりの症状には個人差があり、吐きづわりや食べづわり、においつわりなど、いくつかのタイプがあります。
体調のつらさや対処法は、症状のあらわれ方によっても異なるため、それぞれのタイプに合わせた対策を知ることが大切です。
吐きづわりの対処法
●少量ずつこまめに食べる
一度に多く食べると吐き気が強くなることがあるため、食事の量を控え、回数を分けてとりましょう。
●消化のよい食べ物を選ぶ
おかゆやうどん、ゼリー、フルーツなど、胃の負担が少ないものを選ぶことで、体調への影響を抑えやすくなります。
●水分を少しずつとる
一度に多く飲むと吐き気が出やすくなるため、水分は時間をあけながら少しずつ補給しましょう。
●横になって体を休める
体調がすぐれないときは無理をせず、横になってゆったり過ごすことを心がけてください。
食べづわりの対処法
●空腹の時間を作らない
空腹になると気持ち悪さが出やすくなるため、クラッカーやビスケットなど、手軽に口にできる軽食を用意すると安心です。
●朝起きる前に軽く食べる
起床直後は空腹で吐き気が出やすいため、枕元に軽食を用意しておき、起き上がる前に少し食べるとよいでしょう。
●消化のよい食事を心がける
脂っこい料理や刺激の強い食べ物は胃に負担がかかるため、あっさりした食事を選ぶことが大切です。
●血糖値が急に下がらないようにする
食事の間隔が空くと血糖値が下がりやすく、気持ち悪さが出ることがあるため、こまめに食べることを意識しましょう。
においつわりの対処法
●苦手なにおいを避ける
料理中のにおいや香水、タバコの煙などは吐き気を引き起こすことがあるため、できるだけ近づかないようにしましょう。
●換気をこまめに行う
室内ににおいがこもらないよう、窓を開けてこまめに換気してください。
●マスクを着用する
外出時やにおいが気になる場所では、マスクを着用することで症状がやわらぐ場合があります。
●冷たい食べ物を選ぶ
温かい料理はにおいが立ちやすいため、冷たい食事や常温の食べ物を選ぶと食べやすくなることがあります。
よだれつわりの対処法
●こまめに吐き出す
無理に飲み込もうとすると気持ち悪さが強くなることがあるため、ティッシュや小さな容器などを用意しておくと安心です。
●口の中をさっぱりさせる
唾液の不快感が気になるときは、うがいやミントガム、タブレットを取り入れることですっきりさせることができます。
●水分を適度にとる
不快感が強いときは、水や炭酸水などを少量ずつ飲むことで、気持ち悪さがやわらぐ場合があります。
眠気つわりの対処法
●無理せず休む
眠気は体が休息を必要としているサインでもあるため、無理をせず体を休めることが大切です。
●短時間の仮眠をとる
強い眠気を感じるときは、15〜30分ほどの短い仮眠をとることで、体調が楽になる場合があります。
●生活リズムを整える
夜更かしを避けて十分な睡眠時間を確保することで、日中の強い眠気がやわらぐことがあります。
●軽いストレッチや散歩をする
体調に余裕があるときは、軽く体を動かすことで気分が変わり、眠気がやわらぐ場合があります。
つわりはいつまで続く?

つわりは妊娠初期に多くみられ、早い場合は妊娠5週ごろから症状があらわれることがあります。
また、妊娠9〜11週ごろにもっとも強くなることが多く、その後は妊娠12週ごろから徐々に落ち着く傾向があります。
しかし、症状のあらわれ方には個人差があり、妊娠12〜16週を過ぎても症状が続く方もいるため、無理をせず体調に合わせて過ごすことが大切です。
つわりは薬で軽減できる

つわりは無理に我慢し続ける必要はなく、不調をやわらげる目的で薬が用いられることがあります。
実際に、日本では症状を我慢して過ごす方も多い一方で、海外では吐き気を軽減するためのつわり薬が使用されています。
つわりの症状が続くと、食事や水分がとりにくくなり、妊娠中の体調に影響するため注意が必要です。
そのため、症状がつらい場合は、医師に相談しながらつわり薬の使用を検討することもひとつの方法です。
つわり薬にはいくつかの種類があるため、次項では安全性や具体的な特徴について解説します。
つわりの薬は飲んでも大丈夫?
妊娠中の服用について、お腹の赤ちゃんへの影響がないか不安に感じる方も多いでしょう。
ただし、すべてのつわり薬が危険というわけではなく、妊娠中でも医師の判断のもとで使用が検討されるものもあります。
実際に海外の医療現場では、つわりによる吐き気を軽減するための治療薬が用いられ、体調への負担が和らぐ場合もあります。
そのため、症状が強く生活に支障がある場合は、無理に我慢せず医師に相談することが大切です。
次項では、つわりを軽減する目的で用いられることのある薬を紹介します。
おすすめのつわり薬
つわりによる吐き気や気持ち悪さを軽減するために用いられる薬はいくつかあり、症状に合ったものを選ぶことが大切です。
なお、アメリカやカナダなどでは、つわりの症状を和らげる目的で薬が処方されることが一般的です。
また、医療ガイドラインにおいても、妊娠悪阻(にんしんおそ)の治療選択肢のひとつとして、つわり薬の使用が紹介されています。
以下では、それぞれのつわり薬の特徴や有効成分について解説します。
ボンジェスタ
ボンジェスタとボンジェスタジェネリックを紹介します。
ボンジェスタは、抗ヒスタミン作用をもつコハク酸ドキシラミンと、ビタミンB6であるピリドキシン塩酸塩を有効成分とする配合剤です。
コハク酸ドキシラミンには、吐き気を引き起こす神経の働きを抑える作用があるとされています。
また、ピリドキシン塩酸塩は体内の代謝を助けるビタミンであり、神経伝達物質の合成に関わることでつわりによる吐き気を軽減します。
ボンジェスタは海外での使用実績があるつわり薬で、主に妊娠中の吐き気の治療に用いられる点が特徴です。
プリンペラン
プリンペランジェネリックは、吐き気止めとして使用される制吐剤です。
有効成分であるメトクロプラミドは、胃や腸などの消化管の動きを整える作用があり、胃の内容物の排出を促すことで、吐き気や嘔吐を抑える働きがあります。
また、吐き気に関わる神経の働きを抑えることで、食欲不振や胸やけなどの消化器症状の改善にも有効です。
このような作用から、症状の程度によっては、つわりによる吐き気や気持ち悪さの軽減を目的として使用される場合もあります。
ゾフラン
ゾフランは、有効成分としてオンダンセトロンを含む制吐剤です。
オンダンセトロンは、吐き気を引き起こす神経に関わる5-HT3受容体に作用し、吐き気や嘔吐などの消化器症状を抑える働きがあります。
主に抗がん剤治療や手術後の吐き気の抑制を目的に使用されますが、欧米ではつわりによる不調の軽減を目的に用いられることもあります。
ただし、つわり専用の薬ではなく、国内においてつわりの治療薬として認可されていないため、使用には慎重な判断が必要です。
ビタミンB6
ビタミンB6は、体内の代謝や神経の働きに関わるビタミンのひとつです。
妊娠中は体内で必要とされるビタミンB6の量が増えるとされており、不足すると、タンパク質の代謝や神経伝達物質の合成がうまく働かなくなる可能性があります。
吐き気や体調不良は、こうした体内の変化が関係しているのではないかと考えられており、海外ではつわりの症状の軽減を目的として用いられることもあります。
まとめ
つわりは妊娠初期に多くの方にみられる体調の変化であり、吐き気や気持ち悪さが続くことがあるため、体を休めながら過ごすことが大切です。
症状の程度には個人差がありますが、食事の工夫や生活習慣の見直しによって、体調がやわらぐ場合もあります。
それでも症状が強い場合は、つわり薬を用いることで緩和される可能性があるため、我慢をせず医療機関に相談することが重要です。
つらい時期を乗り越えるためにも、自分の体調に合わせて無理のない対処法を見つけましょう。

