男性不妊

男性不妊とは、男性が原因で妊娠出来ない状態の事を指します。
男性不妊の原因は大きく分類すると3つありますが、8割は「精子の問題である」と言われています。

男性不妊の原因を見てみる

「不妊＝女性の問題」と思われがちですが、近年は男性が原因で妊娠出来ないケースが増加傾向にあります。

2017年にWHO（世界保健機関）が調査した結果によると、男性不妊の割合は以下の数字になっていました。

上記の調査結果から読み取れるように、男性が原因の不妊は約48％です。
つまり男性不妊の確率は「極めて高い」と言えるため、女性だけではなく男性も不妊治療を受ける必要があります。

男性不妊の治療を始めるにあたり、まずは精液検査が必須となります。
精液検査は基本的に病院や専門機関で行うのですが、「病院で射精したくない」という方が一定数います。

最近は自宅でも行えるようになった為、病院で射精する事に抵抗がある方は、精液検査キットを試してみましょう。

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男性不妊の原因は、大きく分類すると3つあります。

男性不妊の原因の中で、造精機能障害が一番多いと言われています。
7,257名を対象に行われた2016年の全国調査結果によると、男性不妊の8割以上（5,991人）が造精機能障害でした。

データ引用元：厚生労働省子ども・子育て支援推進調査研究事業

男性不妊を改善するにあたり、まずは原因を明確にする必要があるため、1つずつ紹介していきます。

造精機能障害の原因と治療方法

造精機能障害とは、精子を作る機能に問題があり、正常な精子を作れない状態の事です。
男性不妊の8割以上に該当し、以下のような症状が原因で、造精機能障害になってしまう方が多い傾向にありました。

8割に該当するデータが出ているため、男性不妊で悩んでいる方は、まず造精機能障害を疑うようにしてください。

正常な精子かどうかは、肉眼で判別する事が出来ません。
ですので「男性不妊かもしれない…」と思った段階で、すぐに精液検査を行う事をおすすめします。

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また精子の状態によって、治療方法が異なります。
男性不妊の知識として、以下のような「精子の病名」なども理解しておきましょう。

性機能障害の原因と治療方法

性機能障害とは、精子に問題はないが「ED」や「射精障害」など、性行為が出来なくなってしまう状態の事です。

全国調査のデータによると、性機能障害は全体の13.5％（980人）に該当しておりました。

「ED」と「射精障害」で治療方法は異なるため、1つずつ簡単に紹介します。

EDの治療方法は、基本的にバイアグラなどED治療薬の服用です。
ED治療薬を服用する事で、血管が拡張しペニスに送られる血液量が増えるため、普段より硬い勃起が可能となります。

ED治療薬の詳細を見てみる

射精障害は1つにまとめられていますが、種類としては3つに分類できます。

射精障害はEDより改善しにくいため、「人工授精」や「顕微授精」など不妊治療を行う傾向にあります。
早めの妊娠を考えている方は、優先的に不妊治療を行った方が良いかもしれません。

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精路通過障害の原因と治療方法

精路通過障害とは、造精機能や性機能には全く問題ないが、精子の通り道（精管）に問題がある状態の事です。

2016年に行われた調査結果によると、全体の3.9％（286人）に該当しており、以下のような症状が原因で精路通過障害になっている傾向にありました。

精路通過障害が原因だと、「乏精子症（精子が少ない）」や「閉塞性無精子症（精子がない）」と診断される事が一般的です。

治療方法は原因によって異なりますが、基本的に手術療法となります。
鼠径ヘルニアで例を挙げると、精管をつなぎ合わせる「精路再建手術」などがあります。

精路通過障害になる可能性は低いですが、上記の症状を経験した事がある方は注意が必要です。

手術療法の詳細を見てみる

男性不妊の検査方法は色々とありますが、一番初めに行われる検査は「精液検査」です。
精液検査が行われ精液に異常があった場合、病気などを特定するため別の検査を行う必要があります。

検査方法を細かく分類すると数十種類に及んでしまうため、この記事では以下3つに分類して解説していきます。

病院で精液検査

基本的に精液検査を行える場所は、以下のどちらかです。

・泌尿器科がある病院
・不妊外来を行っているクリニック

保険が適用されれば1,000円前後で検査を行えますが、自費で行う場合は5,000円前後の費用がかかる場合もあります。
診察費用なども加算されるため、合計10,000円はかかると思っておきましょう。

精液検査を行う事で、WHO（世界保健機関）が定めている「精液検査の基準値を超えているかどうか」を確認出来ます。

上記を調べる事で、「男性不妊かどうか」が明確になります。
精液に問題がなければ女性不妊が問題になるため、様々な不妊治療に関する提案やアドバイスがもらえます。

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自宅で精液検査

最近は精液検査キットが普及している為、自宅でも精液検査が行えるようになりました。
ただ自宅での精液検査は簡易的なもので、「精子濃度が1500万/ml以上かどうか」の確認しか出来ません。

それでも自宅で気軽に精液検査を行えるため、以下のような男性が主に利用しております。

精子濃度だけではなく「精液量」や「精子数」なども確認したい方は、病院やクリニックで正確な精液検査を行うようにしてください。

精液検査キットは2,000円前後で購入出来るため、この機会に精液検査を行ってみてはいかがでしょうか？

その他の検査方法

精液検査と併行して、以下のような検査を行う場合もあります。

特殊な検査も数多く存在しますが、上記のような検査が一般的に行われています。

男性不妊の治療方法は、大きく分類すると4つあります。

どの治療法も重要ですので、1つずつ紹介していきます。

薬物療法

薬物療法とは、投薬で男性不妊を治療する方法の事で、以下2つに分類出来ます。

内分泌療法とは、不足しているホルモンを補充する治療方法です。
脳の視床下部や下垂体などに問題があると、精子に重要なホルモンが不足しやすくなるため、造精機能障害になりやすくなります。

病名の例を挙げると、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症などです。

根本的な原因を解消出来るため、男性不妊の改善率は高いですが、内分泌療法を必要とする男性は少ない傾向にあります。

そして内分泌療法は、個人差が非常に大きいです。
そのため治療期間にも個人差が生まれてしまい、改善するまでホルモン値を観察しながら投薬を続ける必要があります。

非内分泌療法は、サプリや漢方薬を使用する治療方法です。
誰でも行える治療方法なため、改善率は低い傾向にあり、効果が得られない可能性もあります。

精子の形成は「74日～120日かかる」と言われているため、非内分泌療法は「最低でも3ヶ月服用する必要がある」と覚えておきましょう。

非内分泌療法を行う場合、以下のような成分を摂取した方が良いと言われています。

※CoQ10＝コエンザイムQ10

上記を踏まえ、おすすめのサプリを厳選しましたので、簡単に紹介していきます。

画像
商品名	フェルチルマン	ZINC	メンズアルギニン
価格	2,600円～	4,500円～	7,130円～
錠数	30錠 （1ヶ月分）	250錠 （約8ヶ月分）	90錠 （3ヶ月分）
成分	アルギニン カルニチン CoQ10 など	亜鉛	アルギニン ビタミンC ビタミンE など
ポイント	男性不妊に良い成分が多く含まれているサプリ	亜鉛に特化したサプリで精液量が増加しやすくなる	他のサプリよりビタミン系が多く含まれている

繰り返しになってしまいますが、非内分泌療法は男性不妊の改善効果が得られない場合もあります。
ですので3ヶ月以上服用し、効果を実感出来なかった場合は、別のサプリを試してみてください。

手術療法

手術療法とは、外科的治療で男性不妊を治療する方法の事です。
男性不妊で主に行われる手術療法は、以下の3つとされています。

※TESE：精巣内精子回収術

精索静脈瘤は手術で改善しやすく、以下のように改善率は比較的高い傾向にあります。

精路再建手術は「閉塞性無精子症」を改善したり、「パイプカット」をした後に妊娠を希望する男性が行う手術です。
精子自体の改善には繋がりませんが、精路（精子の通り道）が改善されるため、男性不妊も改善しやすい傾向にあります。

TESEとは、精巣から直接精子を取り出す手術の事です。
TESEには2種類存在し、以下のように精子採取率などが異なります。

手術療法を行えば男性不妊は改善されやすくなりますが、「すぐに妊娠出来るわけではない」という事を理解しておきましょう。

不妊治療

明確な定義はされておりませんが、初めに「不妊治療」と「男性不妊治療」の違いを簡単に解説しておきます。
「妊娠率を高める」という目的は同じですが、以下のような違いがあります。

では本題である、不妊治療について紹介していきます。
不妊治療は数多く存在しておりますが、男性不妊に関係がある不妊治療は以下3つです。

「無精子症なら顕微授精」という風に、精子の状態（数や運動率など）によって治療方法が異なります。
そして男性不妊の治療とは異なり、卵子の採取など女性も関係してきます。

自然妊娠を望む方もいれば、早い妊娠を望む方もいると思います。
不妊治療を1人で行う事は出来ないため、夫婦でしっかり話し合い医師に相談してみてください。

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生活習慣の改善

男性不妊の原因は、完全に解明されたわけではありません。
ですが日々の生活習慣が大きく関係していると言われています。

生活習慣を改善する事で、精子の数や運動率などの改善が期待出来るため、自然妊娠が出来るようになる場合もあります。

1～4の改善は妊活にも繋がるため、夫婦で生活習慣の改善をしてみてはいかがでしょうか？

男性不妊になりやすい人の特徴を見てみる

男性不妊にかかる治療費用を表にしてご紹介します。

上記はあくまでも「1回あたりの治療費用」です。
検査代や診察代、入院代などは含まれていないため、場合によっては数百万円かかる場合もあります。

保険の適用について

男性不妊の治療でも「薬物療法」や「手術療法」の場合、保険が適用される事もあります。
厚生労働省が公表している資料によると、以下のように記載されておりました。

人工授精などは保険が適用されないため、全て自費で不妊治療を行わなければいけません。

そして病院やクリニックによって、検査や診察に対しても保険が適用されない場合があります。
保険が適用されるか気になる場合は、診察を受ける前に公式サイトを見たり、電話で確認したりするようにしましょう。

助成金について

人工授精などは保険が適用されませんが、男性不妊治療の一部を助成してくれる制度があります。
実際に厚生労働省では、不妊に悩む夫婦への支援をする「特定治療支援事業」を行っています。

不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、高額な医療費がかかる、配偶者間の不妊治療に要する費用の一部を助成しています。

引用元：不妊に悩む夫婦への支援について

そして各都道府県でも、特定不妊治療の助成を行っています。
東京都福祉保健局の公式サイトを見てみると、以下のように記載されておりました。

所得制限：制限なし
助成額（男性不妊）：1回30万
助成上限回数：1子ごとに6回まで

引用元：東京都福祉保健局

上記以外にも、「特定医療機関で不妊治療を受ける」や「妻の年齢が43歳未満」など、細かい対象要件があります。
各家庭によって助成金を申請出来るか異なるため、住んでいる地域で助成金をもらえるか調べたり、医師に助成金を受けられるかどうか確認したりしましょう。

「男性不妊かどうか」を確認するには、精液検査を行う必要があります。
ですが以下3つを確認する事で、男性不妊かどうかのセルフチェックが可能です。

どれも非常に重要ですので、１つずつ紹介していきます。

陰嚢・睾丸のセルフチェック

「陰嚢や睾丸のどこを見れば良いか」のチェックリストを作成しました。
数秒でわかる内容ばかりですので、ぜひチェックしてみてください。

1つ以上該当する場合は、男性不妊の可能性を疑いましょう。

精液のセルフチェック

「精液のどこを見れば良いか」のチェックリストを作成しました。
性行為や自慰行為を行った際は、ぜひチェックしてみてください。

上記からわかるように、精液の見た目からわかる情報は非常に少ないです。
「上記に該当する方」または「精液に不安がある方」は、精液検査を行い自分の精子状態を確認しましょう。

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男性不妊になりやすい病気

男性不妊になりやすい病気も存在するため、チェックリストを作成しました。

上記の病気や手術の経験がある方は、男性不妊になる確率が一般男性より高い傾向にあるため注意してください。

以下に該当する方は、男性不妊になりやすい傾向があります。

1～5の「食生活」や「運動」は、妊活の一環でもあるため、パートナーと一緒に改善してみてください。

パートナーと出来る妊活を見てみる

6～8に関しては、男性にしか該当しません。
どれも非常に重要ですので、1つずつ紹介していきます。

精巣に負担をかけている

日常生活で以下に該当する行動をしている方は、精巣に負担がかかっている傾向があるため注意が必要です。

精巣を温めたり圧迫したりする行為は、精子に良くないと言われています。
些細な事ですが、男性不妊に大きく関係するため、なるべく上記を行わないようにしましょう。

AGA治療薬を服用している

プロペシアなどのAGA治療薬には、以下のような副作用が報告されています。

そのためAGA治療薬を服用している方は、服用していない方より男性不妊になりやすい傾向があります。

AGAの治療は重要です。
ですが妊娠を第一に考える場合は、AGA治療薬の服用は一時的に止める事をおすすめします。

定期的に射精を行っていない

禁欲期間が長すぎると精子の運動率などが低下するため、男性不妊になりやすい傾向があります。
だからと言って、毎日射精すれば良いわけではありません。

では、どの程度の禁欲期間が理想なのか？
「射精しない期間」について色々と議論されていますが、以下2つの考えが有力とされています。

上記の事から多くの病院やクリニックは、間を取って「禁欲期間は2日～5日が良い」と言っている傾向にあります。
性欲がある方は2日に1回でも良いですし、性欲があまりない方は1週間に1回でも良いと思います。

「必ず○日禁欲しなければいけない」という決まりはありませんので、ご自分の体調と相談をして射精を行うようにしてください。

男性不妊は難しい事が多く、わからない事の方が多いと思います。
そこで多くの方が悩んでいる男性不妊の疑問について、Q＆A方式で紹介していきます。

Q、何科に行けば良いの？

男性不妊の治療は、迷わず泌尿器科を選んでください。
パートナーと一緒に不妊治療を受ける場合は、産婦人科でも検査を行うことがあります。

Q、忙しくて病院に行けない場合はどうすれば良い？

忙しくて病院に行けない場合、まずは以下3つを試してみましょう。

まずは出来る内容から始める事が重要です。
「薬物療法」や「日常生活の改善」で男性不妊が改善するケースもあるため、ぜひ試してみてください。

Q、精液を増やすにはどうすれば良い？

精液を増やすには、亜鉛などを多く摂取する必要があります。
精液量の増加を第一に考えるなら、亜鉛が多く含まれているZINCというサプリがおすすめです。

Q、精液検査を行う場合、どこで射精するの？

精液検査を行う場合、主に以下のような場所で射精する事になります。

多くの男性が病院で射精する事に抵抗があるため、精液検査を嫌がる傾向があります。

病院での精液検査に抵抗がある方は、精液検査キットを使用してみてください。
簡易的な検査になりますが、自宅で精液検査を行えるため非常に人気があります。

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