クリノタブ

クリノタブの特徴

クリノタブは、有効成分ミノサイクリンを含むテトラサイクリン系抗生物質です。

テトラサイクリン系抗生物質は、幅広い種類の細菌に効果があります。

●にきびの原因であるアクネ菌
●性感染症として知られるクラミジアや淋病
●膀胱炎の原因となる大腸菌

など、細菌が原因でおこるさまざまな感染症の症状を改善します。

また、肺炎や気管支炎のような呼吸器感染症、歯周病、皮膚感染症、ツツガ虫(ダニ幼虫)によっておこるリケッチア感染症などにも有効です。

クリノタブは１錠あたり100mgのミノサイクリンが含まれており、日本国内ではミノマイシンという医薬品名で50mgと100mgが処方されています。

クリノタブのメーカー

クリノタブは、1980年代に設立されたイタリアに本拠地をかまえる製薬会社Teofarma(テオファーマ)によって販売されています。

クリノタブのほかに、ニフェジピンを有効成分とする血圧を下げる医薬品や消化器官の不調を改善する医薬品なども販売しており、多彩な商品を取り扱っています。

クリノタブの効果

クリノタブの有効成分であるミノサイクリンは、細菌の増殖を抑制する効果があります。

細菌が増殖するにはDNAのコピーとタンパク質の合成が必要です。

しかし、ミノサイクリンは細菌内に取り込まれると、タンパク質の合成に関わるリボソームと結びつき、tRNAとの接近を阻害します。

その結果タンパク質の生成が停止するため、細菌は増殖を抑制され、最終的に死滅するのです。

このような作用により、クリノタブはさまざまな細菌に効果があります。

次の項目では、主に3つの症状への効果についてご紹介いたします。

にきびや酒さ

にきびは、アクネ菌という皮膚の表面に生息する常在菌の増殖でおこります。

クリノタブは細菌の増殖を抑制する作用があるため、アクネ菌の増殖を抑制しにきびを改善します。

酒さには症状が2種類あります。

・血管が開くことで赤みが出る症状
・毛穴が炎症をおこし赤いぶつぶつができてしまう症状

クリノタブは炎症抑制効果があるため、毛穴の炎症を抑え赤いぶつぶつを減らし、酒さを改善します。

クラミジアや淋病

クラミジアは、クラミジア・トラコマチスという菌が原因となる感染症です。

最も多いのは、性器に感染してしまう性器クラミジア感染症。
クラミジア菌は細胞壁をもたないため、細胞破壊の作用がある抗生物質は効果がありません。

しかし、タンパク質の生成自体を停止させるクリノタブなら効果的です。

淋病は、淋菌により淋菌性尿道炎(男性)や淋菌性子宮頚管炎(女性)を引き起こしますが、クリノタブにより細胞の増殖を抑制し、死滅させることができます。

国内で実施された臨床試験では、有効成分のミノサイクリンが尿路感染症や婦人科領域感染症に対して、以下の有効率が報告されています。

膀胱炎や赤痢菌

膀胱炎は主に大腸菌が原因となりますが、淋病やクラミジアなどの性感染症が原因となる場合もあります。

クリノタブはこれらの原因菌に効果があるため、細胞の増殖を阻害し死滅させるのです。

赤痢菌はグラム陽性菌に分類されますが、クリノタブはグラム陽性菌やグラム陰性菌の両方に効果があります。

細胞の増殖を抑制し死滅させ、腹痛や下痢などの症状を改善します。

国内で実施された臨床試験では、有効成分のミノサイクリンが尿路感染症や消化器感染症に対して、以下の有効率が報告されています。

その他の抗生物質

近年、有効成分に対して抵抗力を持つ耐性菌が現れているため、服用しても効果を得られにくい場合があります。

クリノタブを服用したものの、あまり効果を感じない場合は、別の抗生物質がおすすめです。

抗生物質を変えることで、より効果を実感し、症状が改善する可能性があります。

細菌感染症治療に有効な医薬品がこちら。

※表は横にスクロールできます。

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参考サイト

服用方法・副作用・併用禁忌・注意のご説明には、販売国の商品説明書の他に、次のサイトを参考にしています。
・医療用医薬品 : ミノサイクリン塩酸塩

一般的な服用方法を症状ごとにご紹介します。
■にきびの治療
初期治療として1日1～2回の服用を、中程度なら6週間～8週間、重症なら8～12週間服用します。

再発防止や症状のコントロールのために、中程度なら3～6ヶ月、重症なら6ヶ月以上継続する場合もあります。

1回服用量	50mg～100mg
1日服用回数	2回まで
服用間隔	12時間以上空けてください

■クラミジアの治療
1日1回の服用を7日間継続するのが一般的な目安です。

1回服用量	100mg
1日服用回数	2回
服用間隔	12時間または24時間ごとに服用

■膀胱炎の治療
1日1回の服用を7日間継続するのが一般的な目安です。

1回服用量	100mg～200mg
1日服用回数	1～2回
服用間隔	12時間または24時間ごとに服用

服用に注意が必要な方

以下に該当する方は、クリノタブの服用ができません。


以下に該当する方は、クリノタブの服用に注意が必要です。

服用時の注意事項

めまいや吐き気の副作用があるため、服用後の車の運転や高所での作業、危険な機械の操作は控えてください。

また、十分な量の水で服用しなかったり服用後すぐに横になってしまったりすると、クリノタブが食道にとどまってしまい、潰瘍を引き起こす可能性があります。

コップ1杯の水で服用し、就寝直前の服用は避けてください。

食品との飲み合わせ

クリノタブは、牛乳などの乳製品との相性が良くありません。

同時に摂取してしまうと、乳製品に含まれるカルシウムと有効成分が結合し、吸収が妨げられてしまいます。

クリノタブを服用する時間と乳製品を摂取する時間を2～3時間ずらせば問題ありません。

クリノタブの副作用は以下のとおりです。

発現頻度1％未満	頭痛、爪、皮膚、粘膜などの色素沈着、便秘、舌炎、倦怠感
発現頻度1％以上	食欲不振、めまい感、悪心、嘔吐、腹痛
頻度不明	発疹、発熱、浮腫、蕁麻疹、光線過敏症、急性熱性好中球性皮膚症、しびれ感、AST、ALTの上昇等肝機能検査値異常、黄疸、胃腸障害、下痢、口内炎、味覚異常、歯牙着色、肛門周囲炎、舌変色、好酸球増多、BUN上昇、菌交代症に基づく新しい感染症、ビタミンB群欠乏症状、ビタミンK欠乏症状、嘔吐・頭痛など頭蓋内圧上昇に伴う症状、耳鳴、聴覚障害、関節痛

重大な副作用

クリノタブの重大な副作用は以下のとおりです。

体に何らかの異変を感じた場合は、服用を中止しすぐに医師の診察を受けてください。

併用禁忌

特に報告されていません。

併用注意

クリノタブの併用注意薬は以下のとおりです。

・カルシウム
・マグネシウム
・アルミニウム
・ランタン
・鉄剤
・抗凝血剤(ワルファリンカリウム等)
・スルホニル尿素系血糖降下薬(グリベンクラミド、グリクロピラミド、グリメピリド等)
・メトトレキサート
・ポルフィマーナトリウム
・ジゴキシン
・黄体・卵胞ホルモン配合剤
・経口避妊剤
・外用剤以外のビタミンA製剤やレチノイド製剤(エトレチナート、ビタミンA、トレチノイン、レチノールパルミチン酸エステル)

・直射日光が当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。

・小さな子の手が届かない場所に保管してください。

・誤飲の原因になったり、品質が変わる恐れがあるため容器は入れ替えないでください。

・1包を分割した残りを服用する場合は、なるべく空気に触れないように保管し、2日以内に服用してください。

・表示されている期限を過ぎたものは服用、使用しないでください。

Teofarma

シンガポール