二クロノム

二クロノムの特徴

二クロノムは、有効成分として二クロサミドを配合した寄生虫治療薬です。

二クロサミドは、世界保健機関（WHO）から寄生虫治療における必須医薬品として公表されており、その有効性が認められています。

二クロノムは、サナダムシとも呼ばれる条虫の駆除に効果があり、Naiom Healthcareによって製造された医薬品です。

条虫症とは

条虫症は、寄生している条虫の種類によって、有鉤条虫症、無鉤条虫症、日本海裂頭条虫症などに分類されます。

とくに有鉤条虫症では、幼虫(糞虫)が消化管以外に寄生する有鉤糞虫症と呼ばれる重篤な病気が存在します。

いずれの場合でも早期治療が重要であり、二クロノム(二クロサミド)はその治療に有効な医薬品です。

条虫症の原因

条虫症は、寄生虫である条虫が体内に寄生する病気です。

感染経路はさまざまであり、不衛生な環境下で育った豚や牛などの加熱不十分な肉の摂取や、魚類に寄生した幼虫の摂取が原因となります。

さらに、不衛生な場所では土壌や飲料水に条虫卵が混入する場合があるため、それらを介して感染する恐れもあります。

条虫症の症状

条虫症でみられる症状は、さまざまです。

寄生している条虫が消化管内にとどまっている場合、無症状であることも珍しくありません。

しかし、下痢や腹痛、吐き気といった消化器系の症状のほか、倦怠感、貧血、体重減少などの全身症状があらわれる場合もあります。

さらに、重症化すると眼球や脳に寄生し、視力障害、意識障害、運動障害などを引き起こす恐れがあります。

イベルメクチンとの違い

二クロノムとイベルメクチンは、効果を発揮する寄生虫の種類に違いがあります。

条虫症の治療に用いられるのは、条虫(サナダムシ)に対して効果を示す二クロノムです。

一方、イベルメクチンは糞線虫やヒゼンダニなどの寄生虫に効果があり、腸管糞線虫症や疥癬の治療に使用されます。

さらに、これらの治療薬はそれぞれ服用方法や服用時の注意点にも違いがあります。

二クロノムの効果

二クロノムは、条虫に対する駆除効果を発揮する医薬品です。

有効成分である二クロサミドは、条虫の代謝を阻害し、腸管からの排出を促進することで治療効果を示します。

具体的には、広条虫、魚条虫、矮性条虫、牛条虫などによる感染症の治療に用いられる治療薬です。

一方、蟯虫や回虫といったほかの虫感染症には効果がありません。

二クロノムに関する疑問

条虫症は便として排泄されたら放置しても大丈夫ですか？

条虫が便として排泄された場合でも、そのまま放置するのは危険です。

排泄されたものが虫の一部である可能性があり、体内に寄生虫が残っていると成長を続ける場合があります。

その結果、症状が悪化する恐れもあるため、治療薬の服用や医療機関の受診など、適切な処置をおこないましょう。

二クロノムは妊娠中でも服用できますか？

二クロノムの有効成分である二クロサミドは、妊娠中や授乳中でも比較的安全に使用できるとされています。

二クロノムはどのくらいで効果が出ますか？

二クロノムは、通常1～3日間の服用で効果を実感できるといわれています。

ただし、個人差や条虫の種類の違いによって、効果のあらわれ方がすべて同じとは限りません。

たとえば無鉤条虫症では、症状の改善は1～2週間が目安で、完全治癒の確認には3～6ヶ月ほどかかることが一般的です。

さらに、脳や眼球に寄生しているケースでは外科的治療が必要になる場合もあり、治療が長期化する可能性があります。

二クロノムの服用方法

二クロノムの服用は、基本的に空腹時(食前1時間または食後2時間)におこないますが、胃の不調が気になる方は軽食後でも問題ありません。

なお、服用方法や服用期間は、寄生している条虫の種類によっても異なるため、ご注意ください。



治療完了後は、再発の有無を確認するために1～3ヶ月後に糞便検査を受け、経過観察することが推奨されています。

※効果・副作用・服用方法など、商品に関する記載内容は一般的な薬剤情報であり、専門家の指示ではありません。
お薬なびでは、服用に関する一切の責任を負いかねますため、必ず医師や専門家にご相談のうえご使用ください。

二クロノムを服用し忘れた場合

二クロノムを飲み忘れた場合は、気づいた時点でできるだけ早く服用してください。

ただし、次の服用時間が近い場合は、忘れた分の服用はせずに通常のスケジュールに戻しましょう。

決して、2回分をまとめて服用しないようご注意ください。

二クロノムの服用に注意が必要な方

二クロノムを服用する際、以下のいずれかに該当する場合は、事前に医師にご相談ください。

• 食品や動物など、何かしらのアレルギーがある方
• 二クロサミド、もしくはそのほかの医薬品にアレルギーや異常な反応を起こした経験がある方

その他の方に関して

二クロノムは、授乳中の使用について乳児への影響は最小限とされていますが、高齢者に関する研究はおこなわれていません。

小児に関しては、2歳以上を対象とした限られた人数の試験で、有用量では特別な副作用は認められず、使用に関する問題の報告はされておりません。

ただし、いずれの場合も研究が十分とはいえないため、ご使用の際は医師へ相談してください。

二クロノムは副作用が少ないとされていますが、稀に次のような症状があらわれる場合があります。

• 吐き気
• 腹部の不快感
• 頭痛
• 倦怠感
• めまい

その他のリスク

二クロノムの服用に関しては、以下のリスクにもご注意ください。


二クロノムの服用中に異常があった際は、速やかに医療機関に相談してください。

とくに、中枢神経系に条虫が感染しているケースでは、専門医の判断が必要不可欠です。

併用禁忌

現在報告されておりません。

併用注意

二クロノムを服用する際は、以下の点に注意が必要です。

• 抗凝固薬：出血リスクが上昇する可能性があります。
• 抗てんかん薬：医薬品の効果が弱まる恐れがあります。

上記の医薬品以外にも、処方薬や市販薬を服用している方、アルコールやたばこを併用する方は、相互作用が起こる可能性があります。

二クロノムを服用する際は、事前に必ず医師や薬剤師などの専門家へご相談ください。

参考サイト

MAYO CLINIC｜Niclosamide (oral route)

・医薬品は密閉容器に入れ、熱や湿気、凍結、直射日光を避け、室温で保管してください。

・誤飲事故を防ぐため、子どもの手が届かない場所で保管してください。

・使用期限が切れた医薬品や不要になった医薬品は、保管せず適切に破棄してください。

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