口唇ヘルペス

口唇ヘルペス治療を目的とした市販薬は販売されていますが、「再発した際の口唇ヘルペス治療」の用途に限定されています。

また、薬剤師の指導が必要な第一類医薬品に分類されているため、薬剤師が在籍している薬局やドラッグストアでなければ購入できません。

初めて口唇ヘルペスになった方や性器ヘルペスの方は、対面販売はできないため海外通販の利用がおすすめです。

ヘルペス市販薬が再発にしか使用できない理由

初めて症状が出た場合は、本人にも自覚がなく、他の病気か口唇ヘルペスかどうかを自己判断することが難しいため病院の処方が推奨されています。

また初感染が成人以降の場合は、水ぶくれだけでなく発熱やリンパ節の腫れなどが起こる可能性もあり、症状が重くなりやすいということも理由の1つです。

そのため、市販で買えるヘルペス薬はすべて再発した人しか購入できないようになっているのです。

ヘルペスの飲み薬は市販で買えない

ヘルペスの治療薬には飲み薬と塗り薬があります。

しかし、飲み薬は医師による処方が必要な処方箋医薬品に分類されているため、市販では購入できません。

抗ウイルス薬や抗生物質などが手軽に入手できるようになると、薬剤に耐性を持つウイルスや細菌が現れるリスクが高くなります。

そのため、抗ウイルス薬であるヘルペスの飲み薬も市販されていません。

市販の塗り薬は性器ヘルペスに効く？

薬局やドラッグストアでヘルペス治療薬として販売されているのは、口唇ヘルペス用の塗り薬です。

口唇ヘルペス用の塗り薬には、性器ヘルペスの治療薬と同じアシクロビルか、ビダラビンというDNAの複製に関与する酵素の働きを阻害する有効成分が配合されています。

市販されている口唇ヘルペス用の外用薬を性器ヘルペスに使用した場合、皮膚の表面におけるヘルペスウイルスの増殖は抑えることが可能です。

しかし、性器ヘルペスは身体の内側でもウイルスが増殖していく感染症です。

皮膚表面だけウイルスを取り除いてもいずれ体内のウイルスが増殖し再発してしまうため、市販の口唇ヘルペス用塗り薬では性器ヘルペスを治療することはできません。

性器ヘルペスに効く薬を見る

口唇ヘルペスの市販薬は、口唇ヘルペスができた人かつ再発した人しか購入できません。

では初回感染の場合や性器ヘルペスに感染した場合はどのように購入すればいいのか？

口唇ヘルペスの薬の購入方法を3つに分けて説明します。

市販

市販薬はマツキヨ、ウエルシア、ツルハなど身近なドラッグストアで購入できます。

ただし、第一類医薬品であるヘルペス治療薬の販売は薬剤師に限られているため、薬剤師が不在の場合は購入できません。

購入時は薬剤師による薬の説明を受けたり、初回感染か再発か等の確認が必要となります。

また、口唇ヘルペスの市販薬は、Amazonや楽天などの通販サイトでも購入可能です。

しかし通販の場合も、購入時は使用者の年齢、薬の使用経験といった複数項目の問診が必要です。

オンライン上ではありますが、こちらも薬剤師の承認がなければ購入できないため通販購入の際もご注意ください。

病院

初めて口唇ヘルペスに感染した場合は、病院での購入が推奨されています。

ヘルペスで病院を受診すれば、即日で治療薬を入手することが可能です。

その一方で、診察料や検査料に加え通院にかかる交通費など、治療するために必要なコストは高くつきます。

特に性器ヘルペスではれば、性感染症というデリケートな病気であることもあり、
誰とも顔を合わせずに治療したい方にとってはハードルが高いという一面もあります。 病院での購入は、多少手間とコストがかかっても今すぐヘルペス治療薬が欲しい、という方向けの方法だと言えそうです。

海外通販

海外通販による購入方法は、個人輸入代行サイトを利用して海外から医薬品を購入する方法です。

初回感染・再発に限らず購入できる点や、効果の高い内服薬を購入できる点がメリットです。

海外通販でヘルペスの治療薬を購入する最大のメリットは、薬価が安く治療コストを抑えられる点です。

まとめ買いを利用すれば、1錠あたり100～200円前後で購入できる場合もあり、病院での処方に比べて1/3～1/2程度の価格で購入することができます。 また、再発性が高いヘルペスに対して、ストックや予防を目的に購入する方も多いです。

デメリットとしては、海外からの発送となり商品到着までに数日～二週間ほどかかることがあるという点です。

治療に際してコストを優先したい方には、海外通販での購入がおすすめです。

口唇ヘルペスの薬には塗り薬と飲み薬があり、どの薬を選べば良いか分からない方もいるでしょう。

薬の選び方を症状、成分、使い心地の3つのポイントに分けてご紹介します。

症状にあわせて選ぶ

口唇ヘルペス治療薬には塗り薬と飲み薬があり、症状や進行度合いによって使い分けることをおすすめします。

軽度の口唇ヘルペスは塗り薬でも改善が期待できますが、症状が進行した口唇ヘルペスや性器ヘルペスは飲み薬で効率良く治療しましょう。

また、軽度の口唇ヘルペスであっても、早く治したい場合や再発を繰り返している場合は飲み薬がおすすめです。

尚、飲み薬は症状によって用法用量が異なるため、判断が難しい場合には病院を受診しましょう。

成分で選ぶ

ヘルペス治療薬の有効成分は、塗り薬と飲み薬で成分が異なります。

それぞれの成分の特徴を解説します。

塗り薬

アシクロビルは、ヘルペスに効く抗ウイルス薬として初めて発見された成分です。

ウイルスの合成に必要なデオキシグアノシンという化合物と構造が似ており、アシクロビルがDNAに取り込まれることで増殖を抑える作用があります。

ビダラビンはDNAポリメラーゼ阻害薬に分類され、ヘルペスウイルスのDNA合成に必要な酵素の働きを阻害することで増殖を防ぐ成分です。

塗り薬を詳しく見る

飲み薬

アシクロビルは前述の通り、ヘルペスウイルスのDNA合成を阻害する成分です。

内服薬として使用可能ですが、副作用が心配な方にはアシクロビルを配合した塗り薬がおすすめです。

バラシクロビルはアシクロビルのプロドラッグで、体内で吸収しやすいよう変換されているため、より高い効果が期待できます。

ファムシクロビルは、抗ウイルス薬のペンシクロビルのプロドラッグです。

ヘルペスの初期症状が現れた段階で1日2回服用すると、1日程度で症状が改善されたという報告もあり、即効性が期待できる成分です。

飲み薬を詳しく見る

使い心地で選ぶ

ヘルペス治療薬の塗り薬には、軟膏タイプとクリームタイプがあります。

市販薬の成分や配合量はほとんど変わらないため、以下を参考に使い心地で選んでみてください。

水ぶくれが破れた箇所や狭い範囲への塗布には軟膏、広範囲への塗布にはクリームがおすすめです。

ヘルペスの市販薬は、過去に病院で口唇ヘルペスの診断を受けた方のみ購入が可能です。

おすすめのヘルペス市販薬を簡単にご紹介します。

ただし、「一日でも早く治したい」「症状が強い」こんな場合は飲み薬の使用がおすすめです。

また、錠剤をストックすることで常にヘルペスに備えることが可能ですし、1日1錠服用で再発を予防する方法もあります。

飲み薬を詳しく見る

アラセナS

	アラセナS 2g
商品画像
有効成分	ビダラビン30mg
分類	第一類医薬品
薬のタイプ	軟膏・クリーム
副作用	刺激感
用法用量	1日1〜4回、患部に塗布
価格	1本：1,485円～
子供への使用	6歳以上
その他注意すべき人	・妊娠中、授乳中の方 ・アトピー性皮膚炎の方

処方薬のアラセナA3％と同じ有効成分「ビダラビン」を含んでいます。

軟膏とクリームの2タイプがあり、使い心地によって選ぶことができます。

参照元：使用上の注意｜アラセナS（口唇ヘルペス市販再発治療薬）

アクチビア軟膏

	アクチビア軟膏 2g
商品画像
有効成分	アシクロビル50mg
分類	第一類医薬品
薬のタイプ	軟膏
副作用	発疹、はれなど
用法用量	1日3〜5回、患部に塗布
価格	1本：1,210円～
子供への使用	6歳以上
その他注意すべき人	・妊娠中、授乳中の方 ・アトピー性皮膚炎の方

イギリスの製薬メーカーグラクソスミスクライン製造の塗り薬で、ヘルペス塗り薬のなかでも代表的な薬です。

処方薬のゾビラックス軟膏5％と同じ有効成分「アシクロビル」を含んでおり、軟膏タイプでしっかり皮膚を保護できます。

参照元：アクチビア軟膏-添付文書

ヘルぺシアクリーム

	ヘルぺシアクリーム 2g
商品画像
有効成分	アシクロビル50mg
分類	第一類医薬品
薬のタイプ	クリーム
副作用	発疹、はれなど
用法用量	1日3～5回、患部に塗布
価格	1本：1,210円～
子供への使用	6歳以上
その他注意すべき人	・妊娠中、授乳中の方 ・アトピー性皮膚炎の方

アクチビア軟膏同様、処方薬のゾビラックス軟膏5％と同じ有効成分を含んでいます。

クリームタイプでべたつかず、伸びやすい点が特徴です。

参照元：ヘルぺシアクリーム-添付文書

アシクロビル軟膏α

	アシクロビル軟膏α 2g
商品画像
有効成分	アシクロビル50mg
分類	第一類医薬品
薬のタイプ	軟膏
副作用	発疹、はれ、皮むけなど
用法用量	1日3～5回、患部に塗布
価格	1本：1,078円～
子供への使用	6歳以上
その他注意すべき人	・妊娠中、授乳中の方 ・アトピー性皮膚炎の方

アシクロビル軟膏αは、奥田製薬株式会社から発売されている口唇ヘルペスの再発治療薬です。

有効成分・アシクロビルを配合した軟膏で、唇の周りにできた水疱に食後や就寝前に塗布します。

参照元：アシクロビル軟膏α-添付文書

ヒフールAC

	ヒフールAC 2g
商品画像
有効成分	アシクロビル50mg
分類	第一類医薬品
薬のタイプ	軟膏
副作用	発疹、かゆみなど
用法用量	1日3～5回、患部に塗布
価格	1本：1,350円～
子供への使用	6歳以上
その他注意すべき人	・妊娠中、授乳中の方 ・アトピー性皮膚炎の方

ヒフールACは、万協製薬株式会社から発売されている口唇ヘルペスの再発治療薬です。

ウイルスの増殖を抑え、症状を緩和させる効果が期待できます。

症状が出始めたらなるべく早く使用することで、悪化を防ぐことができます。

参照元：ヒフールAC-添付文書

口唇ヘルペスを効果的に治療できる飲み薬は、原則、医師に処方してもらう必要があります。

しかし、通院が難しい場合やストックしておきたい場合は、海外通販の利用がおすすめです。

また、ヘルぺシアクリームやアシクロビル軟膏αなどの市販薬に配合されている有効成分・アシクロビルを含む塗り薬も購入できるため、初めて口唇ヘルペスになった方でも病院を受診せずに購入可能です。

バルトレックス

バルトレックスは、有効成分・バラシクロビルを配合した内服薬です。


バラシクロビルはゾビラックス（アシクロビル）の構造を変換し、腸から吸収しやすいよう改善された成分です。

従来のゾビラックスより服用回数が少ないため、ヘルペスの主流の治療薬となっています。

ゾビラックス

ゾビラックスは、有効成分・アシクロビルを配合した内服薬です。

DNAポリメラーゼ阻害薬に分類され、ヘルペスウイルスのDNA合成に必要な酵素の働きを阻害することで増殖を防ぐ作用があります。

また、帯状疱疹治療薬や性器ヘルペスの再発予防薬としても用いられます。

ファムビル

ファムビルは、有効成分・ファムシクロビルを配合した内服薬です。

ファムシクロビルには、ヘルペスウイルスのDNA合成を阻害し、ウイルスの増殖を防ぐ作用があります。

ヘルペスが再発した場合は、早い段階で服用を始めることで症状を抑制可能です。

アシクロビルクリーム

	アシビルクリーム
商品画像
価格	1本：1,350円～
有効成分	アシクロビル
商品詳細	商品詳細へ

アシビルクリームは、濃度5％のアシクロビルを配合した軟膏タイプの外用薬です。

ヘルペスに対する効果が高い塗り薬として世界中で用いられています。

アシクロビルがヘルペスウイルスの増殖を抑え、水ぶくれなどの症状を鎮めます。

また、内服薬のアシクロビルと比較すると副作用のリスクが低いため、気軽に治療したい方におすすめです。

ヘルペスを素早く治すためには、以下の点も事前に把握しておきましょう。

ヘルペスウイルスの種類

「ヘルペス」と一言にいっても、以下のようにウイルスの種類によって症状が起こる部位が異なります。

ウイルス名	できる部位	特徴
単純ヘルペスウイルス1型	口の周り	小さな水ぶくれが 唇周辺にできる
単純ヘルペスウイルス2型	性器周辺	小さな水ぶくれが性器にできる 初回は特に痛みが強い
水痘・帯状疱疹ウイルス	水疱瘡：全身 帯状疱疹：上半身	水疱瘡は子供に多く、 帯状疱疹は高齢者に多い

いずれも上記で説明した抗ウイルス薬を使用しますが、薬剤の服用量などが異なります。

素早く治すためには、症状が起こる部位や特徴を把握した上で治療することが大切です。

帯状疱疹の薬について

再発にも注意

ヘルペスウイルスは再発しやすく、特に性器ヘルペス（2型ウイルス）の場合は1年以内に8割以上が再発するといわれています。

そのため、再発が不安な場合は個人輸入で飲み薬を常備しておくとすぐ治療できるため安心です。

また再発しやすい方は、再発抑制療法としてファムビルやバルトレックスを事前に服用する方法もあります。

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型への感染で起こる疾患です。

特に新生児やアトピー性皮膚炎の方など肌が弱い方がなりやすいとされています。

また、一度感染すると体内に残り続け、免疫力の低下をきっかけに再発してしまう厄介な病気でもあります。

そんな口唇ヘルペスの原因や症状に関しても詳しく解説します。

口唇ヘルペスの原因

単純ヘルペスウイルスは感染力が高いウイルスで、特に水ぶくれなどの症状が起きている患部には多くのウイルスが存在します。

このウイルスが唇の粘膜に接触することで、口唇ヘルペスに感染します。

主に以下のようなケースが感染の原因となります。

キスなど感染者との接触だけでなく、手や物などを介して感染するケースもあるため、友人や家族など身近に感染者がいる場合は注意が必要です。

また、自身の口元に傷や炎症が起きている場合や、風邪などで免疫力が下がっている場合はさらにヘルペスウイルスに感染しやすくなります。

口唇ヘルペスの症状

口唇ヘルペスは以下のように段階を経て症状が起こります。

感染初期では、患部にピリピリ・ムズムズ・チクチクといった熱感やかゆみを感じます。

この刺激感がヘルペスの前兆でもあり、再発を何度も繰り返す方には治療をはじめる目安にもなっている症状です。

前駆症状が起きてから数時間後に患部は赤く腫れ、2～3日後には水ぶくれができます。

水ぶくれにはウイルスが大量に存在するため、手で触って他人や別の部位に感染を広げないよう注意が必要です。

1～2週間ほど経つと水ぶくれは乾燥し、かさぶたになり治っていきます。 ヘルペスウイルスは治療が早いほど治りも早いとされているため、口唇付近に①のような違和感がある場合は初感染・再発時に関わらず即座に治療を開始しましょう。

ここからは、口唇ヘルペスの市販薬に関するよくある質問にお答えします。

初めてヘルペスになった方や、手元に薬がない方は参考にしてみてください。

感染初回時も市販薬を使用していい？

口唇ヘルペスは他の症状との判別が難しく、初めて発症した場合は病院の受診が推奨されます。

市販薬を購入する場合は薬剤師からヒアリングを受けるため、ドラッグストアでは購入できません。

ヘルペス市販薬は「再発した際の口唇ヘルペス治療」に用いられる薬のため、自己判断で初回から使用しないよう注意が必要です。

口唇ヘルペスは薬を買わずに放置しても治る？

症状の進行度合いや体調などの条件により異なりますが、薬を使用しなくても10日～3週間程度で治る場合があります。

しかし、体力や免疫力が低下している場合は症状が長引きやすく、再発のリスクも高まるため、薬による治療がおすすめです。

薬がない時の応急処置は？

手元に薬がない場合は、以下の方法で対応してみてください。

また、ヘルペスウイルスは感染力が高いため、患部を手で触る・食器やタオルを共有するなどの感染を広げる行為は控えましょう。

水ぶくれが破けている場合はマスクを着用して、ウイルスが広がらないよう対策することが大切です。

市販薬が効かなかった場合は？

市販薬の使用目安は7日～10日程度で、効いていれば徐々に患部が乾燥しかさぶたができます。

しかし、市販薬を5日程度使用しても改善されない場合は、他の病気を発症している、または重症化している可能性があります。

このような場合は市販薬の使用を中止し、医師に相談しましょう。

子供がヘルペスになった場合も市販薬は使える？

子供がヘルペスになった場合も、大人と同様に内服薬や外用薬で治療します。

市販薬も再発時に限り使用可能ですが、市販薬は年齢制限がある場合が多いです。 たとえばアラセナSやアクチビア軟膏など、多くの市販薬が6歳未満の乳幼児への使用を禁止しています。 6歳未満の乳幼児が感染した場合は、再発などに限らず病院で診察を受けましょう。