グルコフェン

グルコフェンは有効成分にメトホルミンを含む糖尿病治療薬で、2型糖尿病の血糖値コントロールに使用されるメトグルコのジェネリック医薬品です。

先発薬よりも低価格でありながらメトグルコと同じ効果が期待できます。

食事や運動では血糖値を改善できない患者さんに対し、つぎの段階の治療として薬剤治療をおこなう際によく用いられる薬です。

有効成分のメトホルミンが血糖値を下げることで、肝臓のブドウ糖新生を抑えたり、インスリンの効き目を高めたりするほか、2型糖尿病により引き起こされる合併症を予防します。

こんな方におすすめ

グルコフェンがおすすめの方は下記の通りです。


グルコフェンの有効成分メトホルミンには、肝臓から糖が新しく作られるのを抑え、インスリンの効き目を高めるなど血糖値を下げる効果があり、血糖値コントロールが必要である2型糖尿病患者の治療に有効です。

単剤で使用することで低血糖が起こりにくいといった特徴があります。

グルコフェンは2型糖尿病に有効

グルコフェンに配合されている有効成分メトホルミンは、2型糖尿病の治療に有効とされ日本でも治療に使われることが多いく、欧米では第一選択薬とされています。

ここから糖尿病に対し具体的にどのような作用があるのか解説していきます。

2型糖尿病とは？

2型糖尿病は生活習慣病のひとつであり、不規則な食事や運動不足といった生活習慣により引き起こされます。

通常、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが血糖値を下げ、正常範囲になるようコントロールしています。

しかし2型糖尿病になるとインスリンの働きが低下したり、インスリンが効きにくくなったりすることで、血糖値が下がらず高い状態が続いてしまうのです。

初期段階では自覚症状があまりないとされていますが、放っておくと少しずつ血管や神経に影響を及ぼしさまざまな合併症を引き起こすことに繋がります。

2型糖尿病への効果

グルコフェンはインスリン抵抗性改善薬と呼ばれる治療薬で、有効成分であるメトホルミンが肝臓で新しく糖が作られるのを抑え、血糖値をコントロールするのに欠かせないインスリンというホルモンの効きを良くする作用があります。

この作用により血圧を下げることができるため、2型糖尿病の治療に有効です。

血糖値を下げるために使われる薬はほかにもインスリンの分泌を促進するものや、ブドウ糖の吸収を抑え排泄を促すものがありますが、グルコフェンはインスリン分泌を促進する作用は無いため、低血糖が起こりにくい薬とされています。

グルコフェンの注意点

グルコフェンは低血糖などの副作用が起きにくく、安全性が高い糖尿病治療薬とされていますが、正しく服用しなければ副作用のリスクを高めることや、健康を害することに繋がるため注意が必要です。

ここから、グルコフェンを使用する際の注意点をいくつかご紹介します。

腎機能が低下している人の服用禁止

腎臓の機能が低下している方がグルコフェンを服用すると、乳酸アシドーシスが起こりやすくなる危険性があります。

乳酸アシドーシスとは、乳酸が分解されず蓄積されることで血中の乳酸濃度が上がり、血液が酸性に傾く現象で、致死率の高い非常に危険な症状です。

グルコフェンは腎排泄型薬剤と呼ばれ、薬の成分は腎臓の働きにより体外に排泄されます。

そのため腎機能が低下している方は十分に薬の成分が排泄されず、乳酸アシドーシスを起こすリスクが高くなります。

食事しない際は服用しない

食事をしない空腹状態でグルコフェンを服用すると、重篤な副作用である乳酸アシドーシスが起こりやすくなります。

乳酸アシドーシスは血中が酸性に傾く状態で、吐き気や倦怠感などの初期症状に始まり、過呼吸や昏睡などの症状へ繋がる、致死率が高く危険な副作用です。

食事できないほど体調がすぐれない時は服用をやめ、体調が回復し食事ができるようになってから再開しましょう。

75歳以上の方は服用しない

75歳以上の方がグルコフェンを服用する場合、医師と相談の上、慎重に投与することが望ましいです。

高齢者は腎臓や肝臓などの内臓機能が低下していることが多く、薬の排出や代謝が十分におこなわれないことによる副作用のリスクが高くなります。

とくに脱水症状から乳酸アシドーシスを引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。

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参考サイト

商品のご説明には、販売国の商品説明書の他に、次のサイトを参考にしています。
・医療用医薬品 : メトホルミン塩酸塩

1日500㎎を2～3回に分けて水かぬるま湯で服用してください。

空腹状態で服用すると副作用のリスクが高くなるため、服用のタイミングは食事の直前か食後です。

効果や副作用を観察しながら慎重に量を増減し、治療にもっとも適した用量を決めていきますが、1日の最大投与量は2,250㎎までとされているため、これを超えての服用はしないでください。

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アルコールの影響

メトホルミンを含む薬は過度なアルコールが禁忌とされています。
大量のお酒は乳酸の代謝を悪くしたり、アルコールの利尿作用により脱水を起こしたりすることで、乳酸アシドーシスが発現する危険性が高くなります。

飲酒が禁止されているわけではありませんが、人により飲酒量の適量は異なり曖昧になりがちなため、リスクを避けるためにもできるだけ控えることです。
グルコフェン服用中は飲酒を避け、飲酒をする場合はグルコフェンの服用を中止しましょう。

グルコフェンを服用できない方

以下に該当する方はグルコフェンの服用が禁止されています。

・過去に乳酸アシドーシスを起こしたことのある方
・重度の腎機能障害の方や透析をしている方
・重度の肝機能障害の方
・心血管系やショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓など肺機能に高度の障害がある方や、低酸素血症を伴いやすい状態の方
・脱水症の方や脱水の恐れがある方
・過度にアルコールを摂取している方
・重症ケトーシスや糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病など輸液、インスリンによる治療が必要な方
・手術前後、重症感染症、重篤な外傷のある方
・飢餓や栄養不良状態、衰弱した状態、脳下垂体機能不全または副腎機能不全の方
・妊娠中または妊娠の疑いのある方
・グルコフェンの成分およびビグアナイド系薬剤に対してアレルギー反応を起こしたことのある方

主な副作用

グルコフェンのおもな副作用は下記の通りです。

■消化器
下痢、吐き気、食欲不振、腹痛、嘔吐、消化不良、腹部膨満感、便秘、胃炎、胃腸障害、おならの増加

■血液
貧血、白血球の増加・減少、好酸球増加

■肝臓
肝機能異常

■腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇

■代謝異常
乳酸上昇、CK上昇、血中カリウム上昇、血中尿酸増加

■そのほか
めまい・ふらつき、全身倦怠感、空腹感、眠気、動悸、脱力感、発汗、味覚異常、頭痛、むくみなど

上記の症状に十分注意して服用しましょう。
またなかには重大な副作用である乳酸アシドーシスの初期症状も存在します。
異常を感じたらすぐに使用を中止し医療機関を受診してください。

重大な副作用

・乳酸アシドーシス
乳酸が分解されず蓄積されることで血中の乳酸濃度が上がり血液が酸性に傾く現象。
吐き気や倦怠感などの初期症状に始まり、悪化すると過呼吸や昏睡などに繋がる。
致死率が高く、副作用の中でも危険とされている。

・低血糖
低血糖は重症化すると昏睡や意識の消失を起こすこともあるため、初期のうちに対処する。
初期症状である脱力感や強い空腹感、発汗が現れたときは糖質を含む食品の摂取をする。
α-グルコシダーゼ阻害剤を併用した際に低血糖の症状が現れた場合はブドウ糖の摂取が有効。

・肝機能障害およびこれによる黄疸
AST、ALT、ALP、γ-GTPなど肝機能の数値異常やそれに伴う黄疸がみられることがある。

・横紋筋融解症
兆候として、手足の筋肉痛やしびれ、脱力感、赤褐色の尿などがみられる。
骨格筋を構成する筋細胞が溶けてしまったり壊死してしまったりする症状で、早期発見・早期対処が必要。

上記症状または体に異常を感じた場合は服用を中止し速やかに医療機関を受診してください。

併用禁忌

アルコールは過度の摂取が禁忌とされています。
アルコールの過剰摂取は、乳酸の代謝を悪くしたり、アルコールの利尿作用により脱水を起こしたりすることで、重大な副作用である乳酸アシドーシスのリスクが高まるため避けてください。

併用注意

以下の薬剤との併用は副作用のリスクを高める恐れや薬の効果を弱めてしまう恐れがあることから、注意が必要とされています。

■乳酸アシドーシスを起こす可能性のある薬剤
・腎毒性の強い抗生物質(例：ゲンタマイシン)
・ヨード造影剤
・利尿作用のある薬剤(例：SGLT2阻害薬)

■低血糖を起こす可能性のある薬剤
・糖尿病用薬(例：α-グルコシダーゼ阻害剤、インスリン製剤、DPP-4阻害剤)
・たん白同化ホルモン剤
・サリチル酸剤
・β-遮断剤
・モノアミン酸化酵素阻害剤

■グルコフェンの血糖を下げる効果を減弱させる可能性のある薬剤
・利尿剤
・アドレナリン
・副腎皮質ホルモン
・卵胞ホルモン
・ピラジナミド
・甲状腺ホルモン
・イソニアジド
・ニコチン酸
・フェノチアジン系薬剤

■その他
・OCT2、MATE1、またはMATE2-K阻害剤
・イメグリミン塩酸塩

参考サイト
服用方法・副作用・併用禁忌・注意のご説明には、販売国の商品説明書の他に、次のサイトを参考にしています。
・医療用医薬品 : メトホルミン塩酸塩

・直射日光が当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。

・小さな子の手が届かない場所に保管してください。

・誤飲の原因になったり、品質が変わる恐れがあるため容器は入れ替えないでください。

・1包を分割した残りを服用する場合は、なるべく空気に触れないように保管し、2日以内に服用してください。

・表示されている期限を過ぎたものは服用、使用しないでください。

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