亜鉛の効果とは？男女別に得られる効果と効果的な服用方法を解説します

亜鉛は、必須ミネラルのひとつに分類されるほど、健康な身体において重要な栄養素です。

不足すると貧血や味覚障害、免疫力の低下など、さまざまな機能の低下につながります。

この記事では、亜鉛の摂取によって得られる効果や、より効率的な摂取方法について解説します。

亜鉛の効果

亜鉛はサプリメントでも幅広く販売されていますが、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。

ここでは、亜鉛から得られるさまざまな効果を紹介していきます。

男女共通の効果

男女共通でみられる効果として、免疫力の向上や、健康的な肌や毛髪のサポート、うつ症状の改善などが挙げられます。

以下では、それぞれの効果について詳しく解説していきます。

免疫力の向上

亜鉛は細胞の代謝を促進し、免疫細胞が活性化することで免疫力を向上させる働きがあります。

健康維持と同時に、病気やケガの回復にも重要な役割を果たしているのです。

免疫力が低下すると、細菌やウイルスからの防御能力が低くなり、風邪などの感染症にかかるリスクが高まります。

そのことから、亜鉛の摂取は感染症対策においても注目されています。

肌や毛髪の健康サポート

肌や毛髪はタンパク質によって構成されており、亜鉛はそのタンパク質の合成に不可欠な栄養素です。

細胞の代謝を促進する作用もあるため、細胞が生まれ変わるサイクルを早める働きも。

これはターンオーバーとも呼ばれ、美しい肌や健康的な毛髪を維持するうえで欠かせない要素であり、育毛にも効果的とされています。

傷んだ細胞の修復にもつながるため、けがや毛髪ダメージなどの改善にも期待できます。

うつ症状の緩和

亜鉛は、脳機能を向上させることで精神的な安定をもたらし、うつ症状の緩和が期待できる可能性があります。

亜鉛が不足すると、ノルアドレナリンと呼ばれるホルモンの分泌が滞り、精神状態が不安定になることで、落ち込みやすくなります。

うつ症状と診断された方は、健康な方と比べて亜鉛の割合が約14%ほど下回っていたという研究結果も。

また、抗うつ剤のみの治療よりも、抗うつ剤と亜鉛を併用した方がより有効であるという報告もあります。

うつ症状がみられた場合は、亜鉛を不足させないよう心掛けましょう。

痩せやすい身体を作る

亜鉛は栄養をエネルギーに変換する酵素を活性化し、基礎代謝を向上させる作用が期待できます。

基礎代謝の向上により、静止時でもエネルギーを効率的に消費でき、痩せやすい身体をつくることができるのです。

食事制限によるダイエットは亜鉛不足を招き、余分な栄養が蓄積されて太りやすい体質になる可能性があります。

痩せやすい身体を作るためにも、亜鉛を不足させない食生活を心がけましょう。

さらにダイエットの効果を得たい場合は、亜鉛と一緒にダイエットサプリを併用するのもいいでしょう。

糖尿病の予防

一部の研究によると、亜鉛の摂取は糖尿病の発症リスクを低減させる可能性があるとの結果がでています。

糖尿病は、主にインスリンの機能が鈍くなり、体内の細胞が糖分を十分に取り込むことができず、血液中の血糖の上昇がつづく状態をさします。

亜鉛は膵臓でのインスリン分泌を促進し、血糖値のコントロールを正常に働かせる作用があるとされているため、糖尿病の予防につながる可能性があるのです。

男性への効果

男性に現れる効果として、勃起力の向上や抜け毛の抑制、精子の形成などが挙げられます。

以下では、それぞれの効果について詳しく解説していきます。

勃起力の向上

亜鉛は、男性ホルモンの生成に欠かせないテストステロンを増やす効果が期待できます。

テストステロンの増加により、性欲の向上や血流の改善が見込まれ、勃起機能の低下を予防できる可能性があるのです。

ただし、亜鉛には即効的に勃起力を改善するED治療薬のような作用はありません。

勃起力の低下にお悩みの場合は、ED治療薬などの医薬品を試してみるのも選択肢の1つです。

抜け毛の抑制

亜鉛は毛髪の成長に重要な栄養素であり、不足することで毛髪の成長を妨げる可能性があります。

毛髪に欠かせない栄養素としてタンパク質が挙げられますが、タンパク質そのものが髪の毛になるわけではありません。

食事などから摂ったタンパク質はアミノ酸に分解され、髪の毛を構成するケラチンが生成されます。

このケラチンが生成される過程で必要なのが、亜鉛なのです。

タンパク質を十分に摂っているのに抜け毛が改善しない場合は、亜鉛不足の可能性があるため注意しましょう。

また、亜鉛を摂取していても抜け毛が収まらない場合は、AGA治療薬を試すのも選択肢の1つです。

精子の形成

亜鉛は、セックスミネラルと呼ばれるほど性と密接に関係しており、精子の形成や男性ホルモンであるテストステロンの生成に深くかかわっています。

精子は睾丸で生成されますが、亜鉛が不足した場合、睾丸の機能が低下し、精子の数や質に異常が生じる危険があります。

それにより、男性不妊症のリスクが高まる可能性も。

睾丸はいちど萎縮してしまうと、どれだけ亜鉛を摂取しても元に戻ることは難しいとされています。

正常な睾丸の機能を維持するためにも、亜鉛不足は避けましょう。

女性への効果

女性に現れる効果として、生理痛や生理不順の改善、更年期障害の緩和などが挙げられます。

以下では、それぞれの効果について詳しく解説していきます。

生理痛や生理不順の改善

亜鉛は女性ホルモンの分泌を活発にし、子宮環境を良好に保つことで、生理痛や生理不順の改善が期待できます。

女性ホルモンが減少すると、子宮内膜が剥がれ落ちるサイクルが不安定になり、生理不順が起こる可能性があります。

また、月経前症候群も女性ホルモンの変動に関連しており、イライラや鬱などの不快な感情も生じやすくなる危険性も。

とくに生理前はホルモンバランスが崩れやすいため、亜鉛を不足させないよう意識しましょう。

卵巣の機能維持

亜鉛は、卵巣の正常な機能を維持するうえで重要な栄養素のひとつです。

女性生殖器の一部である卵巣は、卵子の発育と成熟、そして女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌を担っています。

女性ホルモンの分泌量が減少することで、卵巣の機能が低下し、生成される卵胞に悪影響を与え、不妊症の原因となることも。

卵巣の機能を維持し、正常な月経サイクルや妊活に働きかける亜鉛は、女性にとって欠かせない栄養素といえます。

更年期障害の緩和

亜鉛は女性ホルモンのバランスを整える作用があるため、更年期障害の緩和にも期待できます。

更年期になると、卵巣の機能低下により、女性ホルモンのバランスが乱れ、鬱や気分の落ち込み、疲労感などの症状が現れやすくなります。

その際に亜鉛が不足した場合、それらの症状が悪化する可能性が高まるのです。

更年期障害は、障害の程度に個人差がありますが、急激に減少する女性ホルモンに対処するために、亜鉛不足を招かないよう意識しましょう。

摂取はサプリがおすすめ

1日当たりの亜鉛の食事摂取基準は、男性で約11mg、女性で8mgと定められています。

亜鉛は野菜や果物にはあまり含まれておらず、魚介類、肉類、種実類などに多く含まれています。

そのなかでも以下がおすすめです。

亜鉛は主食である精白米にも含まれていますが、実際の平均摂取量は、男性で9mg前後、女性で7mg前後と、不足しがちな現状も。

亜鉛は体内で生成できない成分であるため、日々意識して食事を摂る必要があります。

食事だけで十分な量を摂ることが難しい場合は、サプリメントで補うこともひとつの選択肢です。

効果的な摂取方法

亜鉛をサプリメントで摂取する場合、どのように使用すると効果的なのでしょうか。

一緒に摂取すると良いとされている食べ物や栄養素、飲むタイミングなどを紹介します。

ぜひ参考にしてください。

おすすめの栄養素

亜鉛は、以下の栄養素と一緒に摂取することで吸収率が上がり、摂取効率が向上するとされています。

クエン酸は、亜鉛をコーティングする作用があり、ビタミンCはその作用をサポートします。

動物性タンパク質は、亜鉛の吸収率を向上させ、タンパク質の合成を促進する作用もあります。

一方で、以下の栄養素は亜鉛の吸収を妨げる可能性があるため、注意が必要です。

飲むタイミング

亜鉛は、食事の1時間前か、食後2時間後が効率的な摂取タイミングとされています。

ただし、亜鉛のサプリメントを空腹時に摂取した場合、胃の不快感や吐き気が起こる可能性があるため、その場合は食後に摂るようにしましょう。

また、一度に摂取するよりも、朝、昼、夜などと小分けにして摂取することで、亜鉛を常に補い、保持できます。

1日1粒の場合は、栄養を吸収しやすい夜に飲むのがおすすめです。

亜鉛不足のサイン

亜鉛が不足すると、細胞機能や組織修復に支障が生じ、以下の症状が発生しやすくなります。

亜鉛を摂取する際の注意点

亜鉛は健康を維持するうえで必要な栄養素であり、不足するとさまざまな症状を引き起こします。

ただし、必要以上の摂取や、他の栄養素との組み合わせによっては健康に悪影響を及ぼす可能性も。

以下では、亜鉛を摂取するうえでの注意点を解説していきます。

亜鉛の摂りすぎには注意

亜鉛の過剰摂取は、以下の症状を引き起こしやすくします。

健康な身体に必要な栄養素であっても、男性は40mg、女性は35mgの耐容上限量が設けられているため、それ以上は摂取しないよう注意しましょう。

飲み合わせに注意する

さらに、お互いの吸収が阻害される可能性があるとされている、カルシウム飲料の同時摂取も控えましょう。

亜鉛を効果的に摂取するためには、これらとの摂取タイミングや組み合わせに気を付けることが重要です。

亜鉛に関するよくある質問

亜鉛は毎日摂取しても問題ないのか、また、どれくらいで効果が現れるのでしょうか。

ここからは、亜鉛に関するよくある質問について解説していきます。

亜鉛を毎日飲むとどうなる？

亜鉛は毎日摂取しても問題ありません。

健康な身体に欠かせない栄養素であるため、不足させないように小分けで摂取し、常に保持することが重要です。

ただし、耐容上限量を超えると不調を招く可能性があるため、摂取量には注意が必要です。

亜鉛は効果が出るまでどのくらいかかるのか？

亜鉛は医薬品ではないため、効果の出方や感じ方には個人差があります。

また、即効性があるものではないため、適切な量を守り、継続的な摂取を心掛けることが大切です。

細胞が生まれ変わる過程により徐々に体調が整っていくため、約3ヶ月間は服用を続けましょう。

また、多く摂取することで効果が早くでるものではありません。

適切な摂取量を守り、継続して摂取することが重要です。

亜鉛は白髪に効果がある？

白髪に直接的な効果があるわけではありませんが、亜鉛は健やかな毛髪を維持するために重要な栄養素です。

毛髪は毛母細胞の分裂により形成され、メラノサイトから受け渡された色素によって黒い毛が生成されます。

亜鉛は、メラノサイトの働きを活性化させるため、白髪予防に効果的といえます。

ただし、白髪を予防したい場合は、亜鉛などのミネラルだけではなく、タンパク質、ビタミンなどさまざまな栄養素をバランスよく摂取することがおすすめです。

まとめ

亜鉛が不足すると、貧血や味覚障害、免疫力の低下などの障害が発生しやすくなります。

食事での摂取が難しい場合は、サプリメントを活用して必要な量を補うようにしましょう。

ただし、過剰摂取には十分注意してください。