ワーキングメモリーを解放して長期記憶を定着させていきませんか?

すぐに思い出せないことが多い

「昨日テレビで見た俳優の奥さんってさー、あの目が大きい女優さんでしょ?名前、何だっけ?」

「あの映画に出てた人だよね?あのアクション映画!あれ!ほら!なんだっけ?敵役があの人でさー!あの人、あの人!」

「そうそう、えーと!…思い出せない。。」

「なんだっけー?」

友人と話していて、こんな記憶の一つや二つありますよね?
今回のコラムは、記憶の種類と長期記憶を定着させるワーキングメモリについて取り上げようと思います。

人間の記憶は短期記憶と長期記憶

人間の記憶には、短期記憶と長期記憶と呼ばれるものがあります。

短期記憶 海馬という脳の真ん中あたりにある部分で、テレビで見たニュースの情報や食べたご飯の内容など短期的な情報を一時的に記憶します。
長期記憶 短期記憶を処理する海馬は、多くの情報をインプットしますが、短期的な情報のみしか処理できないため、その中でも特に重要だと判断した情報のみを大脳皮質という脳の表層部分に記憶させます。
これを長期記憶といいます。

この長期記憶は、ワーキングメモリというものに余裕があり、無駄なく働いていれば定着しやすいといいます。
そんなワーキングメモリとはどのようなものなのでしょうか?

ワーキングメモリとは?

ワーキングメモリとは、脳の前頭連合野という部分で数十秒ほどの間に一時的にいくつかの情報を保持し、同時処理する働きのことをいいます。
作業記憶とも呼びます。

ワーキングメモリで同時処理する情報は、5つから7つ前後ですが、この働きは年を重ねるごとに低下していく傾向にあります。
(具体的には、40代より低下しはじめ、50代になると約30パーセントほど低下するといわれています。)

しかし、ワーキングメモリを常に余裕のある状態にしておけば、効率的に新しい情報を次々に処理できるため、本当に必要な情報の取捨選択が早くなり、長期記憶として定着し易くなります。

ワーキングメモリを余裕のある状態にするには、常にワーキングメモリを解放(=脳の外にアウトプットすること)してあげることが必要です。

鍛えるのではなく解放してあげて

ワーキングメモリが、5つから7つ前後しか保持できない性質のものだと考えると、あまりに多くの情報を詰め込みすぎるのは良くありません。
頭の中が混乱して、新しい情報を取り込む余裕がなくなるためです。

そのためには、ワーキングメモリを常に解放(=脳の外にアウトプットすること)しておき、新しい情報を処理できるようサポートすることが必要となります。

方法を3つ紹介します。

①後回しにせずその場ですぐ処理 電話や得意先へのメール、上司への報告などすぐに処理できる物事はすぐに行うことで、ワーキングメモリに余裕を持たせることができます。
②メモを取って視覚化 すぐに処理できないことは、メモを取ることをお薦めします。
メモを取って視覚化し、状況把握や優先順位を明らかにしておくだけでもワーキングメモリに余裕を持たせることができます。
③図解化し全体のイメージをつかむ 時間が掛かる案件で、情報を整理するのも複雑な案件は、図解化することをお薦めします。
・A案件、B案件、C案件の内容
・社内のどの部署と繋がっていて、どのお客さんとやり取りしなければならないか?
・いつまでの納期か?

これらの方法で頭の中をクリアにすることにより、優先順位も明らかになりますし、ワーキングメモリに余裕をもたせることもできるのです。

感情とセットで長期記憶が定着

ところで、長期記憶は、海馬が特に重要だと判断した情報のみを記憶するものですが、海馬が特に重要だと判断する情報は何でしょう?

それは、喜怒哀楽の感情を伴った経験や繰り返し作業することで取り込まれた情報です。

感情は、海馬に近い部分にある扁桃体で作られるため、感情に紐づいた情報は海馬に記憶として定着しやすくなります。

このことから、ワーキングメモリが本当に必要だと判断する情報に感情が伴えば、長期記憶として定着しやすいということがいえます。

とはいえ、望むならば怒と哀をのぞいた喜と楽の感情で記憶を増やしたいものですね。

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