ED(勃起不全)になる原因

ED(勃起不全)になる原因は様々です。原因が1つだけとは限らず、複数の原因がEDを引き起こしていると治療に多くの時間が必要になることもあります。 まずは「どんな原因でEDになっているのか」を知ることが重要です。原因を知ることで適切な治療を行い、短い期間で改善させることができます。

器質性~体に原因がある場合

血管性の疾患

高血圧や動脈硬化はEDととても深い関係にあります。
血圧が高い状態が続くと動脈硬化を引き起こしますが、動脈の壁にコレステロールが溜まって脂肪分が沈着すると血管が狭くなり、血液が流れにくくなります。これが動脈硬化です。

男性の陰茎(ペニス)は、陰茎の動脈に血液が流れ込むことで勃起しますが、陰茎動脈は1~2ミリ程度と非常に細め、動脈硬化になるとすぐに血液の流れが悪くなってしまいます。これがEDを引き起こすのです。

高血圧の人の6割~7割ほどがEDを併発していると言われており、男性にとっては特に無視できない病気の1つといっていいかもしれません。

神経性の疾患

勃起は脳から神経を介して、陰茎(ペニス)に信号が伝わることで起こります。
しかし、脳にある中枢神経や脊髄神経、末梢神経のいずれかが損傷を受けたり障害が生じると陰茎に信号が伝わらなくなり、ED(勃起不全)になります。

また、脳腫瘍や脳出血、パーキンソン病などを患うと自律神経障害を起こしEDを発症させやすくなります。

心因性~心に原因がある場合

精神性の疾患

精神性疾患、特にうつ病の人の約半数はEDを併発していると言われています。
うつ病もEDも不安やストレスが原因という共通点があるため、強い相関関係にあるとみていいでしょう。

また、うつになって無気力で意欲のない状態が続くと性的欲求を抑えこんでしまい、性的刺激が十分に脳に伝えられず、脳から陰茎の神経へ信号が送られなくなりEDになってしまいます。

混合性~体と心に原因がある場合

加齢

性機能の維持に必要な男性ホルモンのテストステロンは、20歳代をピークに減少していきます。
加齢とともにテストステロンが減少していくと、LOH症候群(加齢性腺機能低下症)を発症します。
男性の更年期障害と呼ばれることもあり、性機能の低下だけでなく認知機能も低下し、心血管疾患、糖尿病、うつの重要なリスクファクターにもなります。

40代で20%、50代で40%、60台で60%の男性がEDと推定され、勃起能力が落ちるのは身体的な老化現象の一部といってもいいかもしれません。

肥満・運動不足

肥満がEDの大きな誘因になることがあります。
肥満の人は高血圧や動脈硬化、糖尿病などEDの原因になるような生活習慣病を併発しているケースが多いためです。

また、運動不足で筋力が低下すると血流が悪くなり、EDを招きやすくなります。運動不足は肥満の重大な因子でもあり、EDの発症を自ら呼び寄せていることにもなります。

BMI値が高いほどEDのリスクが上昇します。
30以上あればEDのリスクは約1.7倍高くなるという報告もあり、注意が必要です。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

糖尿病

血糖値が高くなって糖尿病になると、細小血管がダメージを受け血流が悪くなります。
陰茎への血流も悪くなり、同時に末梢神経にも影響を及ぼしますので、陰茎に張り巡らされている神経がダメージを受け脳からの勃起の信号をうまく伝えられなくなります。

これらの血管障害や神経障害がEDを発症させる直接の原因になるため、糖尿病の人はEDへのリスクが高くなります。

外傷・手術

交通事故など重大な事故に遭遇し、骨盤の骨折や脊髄の損傷などによって、性的興奮を伝える神経や血管に障害が生じてEDになる場合があります。

また手術、特に前立腺がんや直腸がんなど骨盤内臓器の手術によって、神経や血管が損傷し勃起機能が低下する恐れもあります。

喫煙

ご存知のように、タバコには多くの有害物質が含まれています。中でも、ニコチン、タール、一酸化炭素は三大有害物質と呼ばれ、体に大きな影響を与えています。

  • ニコチン
    …末梢血管を収縮させ、血圧を上昇させたり心拍数を増加させたりします。そのため、血流が悪くなって動脈硬化が起こりやすくなり、陰茎への血液が行き届かなくなります。
  • タール
    …よく「ヤニ」と言われるもので、発がん性物質として知られています。
  • 一酸化炭素
    …血液中のヘモグロビンと結びつき、酸素の運搬を阻害します。その結果、善玉コレステロールを減少させ動脈硬化を促進し、EDを引き起こします。

EDの人の半数近くが喫煙者というデータもあり、喫煙している限りEDのリスクは避けられないと考えていいでしょう。

電子タバコは三大有害物質は含まれていないため、上記のようなタバコによるEDのリスクはありませんが、加熱式タバコの場合、ニコチンを含んでいるためEDになるリスクがあることは銘記しておいたほうがいいでしょう。

その他~心と体以外に原因がある場合

薬剤

薬の副作用によってEDが起きてしまうことがあります。
  • 降圧剤
    …アテノロールなどのβ遮断薬やヒドロクロロチアジドなどのサイアザイド系の利尿剤(血圧を下げることで尿の出をよくする)。これらの薬剤でEDの症状が見られた場合、バイアグラなどのED治療薬で改善効果があらわれます。
  • 抗うつ薬、抗精神病薬、精神安定剤
    抗うつ薬の中には、脳内のセロトニンを増加させるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、三環系の副作用として性欲の低下やEDが認められている薬剤もあります。パキシル、ジェイゾロフト(SSRI)、サインバルタ、イフェクサー(SNRI)などがそれに当たります。
    抗精神病薬や精神安定剤にも、ホルモンのバランスをくずしてEDを発症しやすい高プロラクチン血症を生じやすい薬剤があります。 これらの薬剤によるEDでも、ED治療薬は有効に働きます。

この他にも、男性ホルモンのテストステロンの分泌を抑える薬や、前立腺がんの治療薬である抗アンドロゲン薬は男性ホルモンの分泌を抑制する作用があるため、その副作用としてEDが生じる恐れがあります。

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