実は冬に増える食中毒!ノロウイルスには気を付けて

実は寒い季節にたびたび起こる食中毒

「食中毒」と聞くと、食事が腐りやすい夏場に感染するものと思いがちですよね?

しかしです。

今まで、食中毒は寒い季節に発生しづらいもの、というイメージがありましたが、寒い季節にも増えるウイルス性食中毒が存在します。

実は、この季節の大半を占めている食中毒は、ノロウイルスなのです。

今回のコラムでは、冬に増加するノロウイルスについて取り上げます。

冬に増加するノロウイルスとはなに?

ノロウイルスは、外部から腸内にウイルスが入り込んで急性胃腸炎を発症する病気です。

流行時期ですが、11月くらいから発生し始め、12月・翌年1月にピークを迎えるといわれています。

そもそもの由来は、1968年にアメリカ・オハイオ州・ノーウォークという地域の小学校で集団発生した急性胃腸炎患者の便から検出されたウイルスからくるもので、ノーウォークウイルスと名づけられました。

そして、2002年に国際ウイルス学会により、正式にノーウォークウイルスと世界統一名称が決まりました。

どういった症状を引き起こすの?

ノロウイルスの症状は、腹痛、吐き気や嘔吐、37℃~38℃前後の発熱です。

ウイルスに感染すると、急に胃がひっくり返るような強力な痛みと吐き気が襲ってきます。
同時に、激しい下痢や嘔吐が繰り返し起こります。
潜伏期間は12~48時間です。

これらの症状は、2~3日ほどすると治りますが、乳幼児や高齢者、免疫力が落ちている方は症状の重症化に注意が必要です。

症状が収まっても1週間ほどは便の中にウイルスが残り続けるため、手洗いなど徹底して衛生管理を行い、二次感染が起こらないよう注意する必要があります。

ノロウイルスの感染経路は?

ノロウイルスの感染経路をいくつか取り上げていきましょう。

1、嘔吐物や排泄物から感染 ノロウイルスが飛び散ったトイレのドアノブやトイレの便座などを手で触れてしまい、不十分な手洗いのまま食べ物を口に入れて感染したり、感染者の嘔吐物や排泄物を間違った方法で処理した手で、食べ物を触り、口に入れたときに感染する恐れがあります。
2、空気感染 ノロウイルスに感染している方の嘔吐物や排泄物がしっかりと処理できておらず残ったままだと、空気感染する可能性があります。
アルコール消毒にも乾燥にも抵抗力があるノロウイルスは、処理したつもりでも死滅せずに空気中に漂っていることがあり、正しい処理をする必要があります。
過去の事例では、ノロウイルスに感染した方が嘔吐したカーペットが乾燥し、空気中に漂っていたウイルスにより2週間ほど経ってから感染したという報告もあります。
3、カキ・ホタテ・ハマグリなどの二枚貝や簡易の水道水からの感染 体内にノロウイルスが溜まりやすいカキなどの二枚貝は、生で食べるとノロウイルスに感染することがあるため、生で食べる際は注意が必要です。
この時期は、できるだけ加熱してから口にすることをお薦めします。
また、きちんと消毒がされていない簡易の水道水や井戸水を飲んで感染する場合もあります。
4、調理器具を通して感染 生ものを調理する際、包丁やまな板、調理用のお箸にノロウイルスが付いていたことを知らずに、別の食材を調理して感染する場合があります。
生ものを調理したら、熱湯や塩素系漂白剤で除菌してから、他の食材を調理してください。

ノロウイルスの感染経路で一番多いのは、1や2で、人から人へ感染するパターンが一番多いとされています。

周りにノロウイルスの感染者がいなくても、カキを食べていなくても感染する場合があり、確定的な感染経路が分かりずらいところがノロウイルスの怖いところです。

ノロウイルスが含まれているのはあくまで嘔吐物や排泄物なので、咳やくしゃみなどの唾液からは感染する可能性は低いとされています。

ノロウイルスの検査と治療法

ノロウイルスの疑いがある場合は、医療機関で診断してもらいましょう。
その検査方法ですが、便を用いて迅速検査キッドで陰性か陽性かの判定を行います。

ただ、この検査自体が簡単なもので正確性に欠ける部分があるようで、患者さんの症状を医師が聞き取り、ノロウイルスかどうかの判断をしている医療機関が多いようです。

ノロウイルスの治療法ですが、実はこのウイルスに効くワクチンや抗ウイルス剤はなく、対症療法で脱水症状を防ぐなどしかありません。
そして、2~3日の潜伏期間を経て、自然治癒を待つことになります。

まれに症状によっては、医師の判断で下痢止めを使用することもありますが、腸管がウイルスを排除する動きを止めてしまうため、基本的には使用しません。

対症療法で脱水症状を防ぐ方法は、水もしくは、糖質や電解質が配合された経口補水液を少しずつ摂取し、十分に休養を取ります。

そして、下痢が完全に収まるまでは職場や学校へは行くことができません。
感染力が強いので他の人に移してしまう恐れがあるからです。

近くにノロウイルスにかかっている人がいたら?

ノロウイルスは、非常に感染力が高く二次感染を引き起こす恐れがあるため、正しい方法で処理しましょう。

嘔吐物や排泄物などは直接手で触らずに、手袋を使用して処理してください。

そして、家庭用の塩素系漂白剤を使用して殺菌しましょう。
(エタノールでは、ノロウイルスの殺菌効果はありません。)

ふき取った汚物が付いたものはビニール袋にいれて完全密封して燃えるごみとして処分してください。

ノロウイルスを防ぐ方法

ノロウイルスを防ぐ一番の方法は予防になります。

手洗いの徹底をする トイレから出たあと、料理を作った後、二枚貝を取り扱ったあとは、薬用石鹸や流水で手を十分に洗うようにしましょう。
完全にウイルスを殺菌することはできませんが、手についたウイルスを皮脂と一緒に洗い流すことは可能です。
食品は過熱する 食品はなるべく加熱調理するようにしましょう。
85℃以上、1分以上の過熱でウイルスの感染力を抑えることができます。
そして、調理器具は洗剤を使って洗浄し、洗浄したあとは家庭用塩素系漂白剤で浸すように拭き取れば感染力を抑えることができます。

おわりに

今回のコラムでは、ノロウイルスについて取り上げましたがいかがだったでしょうか。

以前、お子さんからノロウイルスを移されて苦しんでいる同僚がいました。
何も食べられずに腹痛と嘔吐でかなりきつかったとのことだったので、感染したくないですよね。

皆さんも十分気を付けてください。

いつでもどこでも手をしっかり洗う。
料理はよく火を通して。

これらを徹底して、ノロウイルスを寄せ付けないようにしましょう。

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