新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省や首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている情報もご確認ください。
またワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。
新型コロナウイルスの治療薬や関連する情報
当ページでは新型コロナウイルスの治療薬や、関連する情報についてまとめています。
ニュース記事等を紹介していますが、日々新しい情報が更新されるため、最新情報は以下の厚生労働省のサイトよりご確認ください。
- 【2021.11/04】
コロナ飲み薬、英国が世界初承認 臨床試験では入院リスク半減 - 【2021.10/18】
“コロナ後遺症で働けない”相次ぐ 仕事に影響66% 後遺症外来 - 【2021.10/18】
コロナワクチン3回目接種で救急セット用意推奨 – 厚労省が事務連絡、エアロゾル発生手技の可能性も - 【2021.10/17】
コロナ飲み薬、年内にも登場 ウイルス増殖防ぐ 米メルクや塩野義が開発
新型コロナウイルス(SARS-CoV2)とは?
遺伝情報としてRNAをもつRNAウイルスの一種です。
粘膜など人の細胞に付着し入り込むことで増殖します。
反面、粘膜には入り込めますが健康な皮膚には入り込めず付着するだけにとどまります。
表面についたウィルスは時間の経過によって壊れますが、種類によっては24時間から72時間ほど感染力を保つため、手洗いや消毒が効果的です。
新型コロナウイルス感染者状況
日本国内の感染者数(NHKまとめ)
感染確認 | 重症 | 死亡 | 退院 | |
---|---|---|---|---|
日本国内 | 171万5030人 前日比+372人 |
294人 | 1万8148人 前日比+27人 |
168万9692人 |
うちチャーター機 | 14人 | |||
クルーズ船 | 712人 | 0人 | 13人 | 659人 |
合計 | 171万5742人 前日比+372人 |
294人 | 1万8161人 前日比+27人 |
169万351人 |
(2021/10/20時点)
※感染者は毎日新しい情報に更新されています。最新情報は以下のサイトでご確認ください。
変異株について
世界各地で今も新たな変異株が確認されています。
変異株は従来株に比べ、以下のように性質が変化している可能性があります。
- 感染性が増している
- 重篤度が増している
- ワクチン効果を弱める
国立感染症研究所では変異の分析を行い、リスクに応じて懸念される変異株(VOC)と注目すべき変異株(VOI)とに分類しており、これらには十分な警戒が必要です。
国内で確認されている変異株には以下の種類があります。
- アルファ株(イギリス型)
- ベータ株(南アフリカ型)
- ガンマ株(ブラジル型)
- デルタ株(インド型)
- E484Kがある変異株(起源不明)
- カッパ株(インド由来)
- イプシロン株(アメリカ由来)
- シータ株(フィリピン由来)
※WHOでは、イータ株、イオタ株、ラムダ株、ゼータ株も注目すべき変異株(VOI)と分類しています。
新型コロナウィルスは増殖と流行の過程で変異していき、約2週間に1回ほどのペースで変異しているといわれています。
日本で現在承認されているコロナ治療薬
2020年の5月にはレムデシビルがコロナ治療薬として厚生労働省により特例で承認され、続いてデキサメタゾンが2例目としてコロナ治療薬に認められました。
現在日本で承認されているコロナ治療薬を紹介します。
薬剤名 | 承認日 | 投与方法 | 対象 |
---|---|---|---|
レムデシビル | 2020年5月7日 | 点滴静注 | 中等症~重症 |
デキサメタゾン | 2020年7月21日 | 経口・経管・静注 | 重症 |
バリシチニブ | 2021年4月23日 | 経口 | やや重症より |
カシリビマブ イムデビマブ |
2021年7月19日 | 点滴静注 | 軽症~中等症 (重症化リスクが高い患者) |
ソトロビマブ | 2021年9月27日 | 点滴静注 | 軽症~中等症 (重症化リスクが高い患者) |
※現在軽症の場合大半が自然治癒が考えられ、中等症や重症の場合薬物治療が検討されています。
参考:治療薬、ワクチン、医療機器、検査キットの開発について|厚生労働省
レムデシビル
レムデシビルは元々エボラ出血熱の抗ウイルス薬で、アメリカでも日本でも初のコロナ治療薬として承認されました。承認当初は重症患者のみでしたが、2021年1月に中等症の患者にも投与が承認され、現在では保険適応となっています。
デキサメタゾン
デキサメタゾンは日本で2例目のコロナ治療薬です。抗炎症作用のあるステロイド薬で、経口薬の他軟膏・ローション・クリーム・点眼薬・点鼻薬・点耳薬など多種多様です。コロナ患者の中でも人工呼吸器や酸素投与が必要な重症患者の治療薬として推奨されています。
バリシチニブ
バリシチニブはJAK阻害薬で、元々関節リウマチやアトピー性皮膚炎の治療薬として承認されています。新型コロナウイルスに関しては酸素吸入が必要な肺炎への適応が追加、レムデシビルとの併用が緊急承認されています。
カシリビマブ・イムデビマブ
カシリビマブとイムデビマブを組み合わせ、抗体カクテル療法(ロナプリーブ点滴静注セット)としてコロナ治療薬に承認されました。軽症~中等症向けで、重症化リスクを低減させます。
ソトロビマブ
ソトロビマブは軽症~中等症に使用できる2例目のコロナ治療薬です。重症化リスクの高い患者に対し、現在は入院患者のみですが、今後は外来や往診でも使えるよう検討されています。
世界で現在開発・治験中のコロナ治療薬(飲み薬)
薬剤名・名称 | 開発・治験中 | 特徴 | 状況 |
---|---|---|---|
モルヌピラビル | メルク | RNAポリメラーゼ阻害薬 | FDAに緊急使用許可申請中 11/4にイギリスが販売を承認 |
ファビピラビル | 富士フイルム富山化学 | RNAポリメラーゼ阻害薬 | 再治験中 |
S-217622 | 塩野義製薬 | 3CLプロテアーゼ阻害薬 | 9月に最終治験開始・年内供給予定 |
PF-07321332 | ファイザー | 3CLプロテアーゼ阻害薬 | 年内に緊急使用許可申請予定 |
AT-527 | ロシュ・アテア | RNAポリメラーゼ阻害薬 | 再治験中 |
※2021年10月現在の状況
参考:今だから「治療薬」を考える 飲み薬登場、変わるコロナとの闘い【けいざい百景】
モルヌピラビル
モルヌピラビルは元々インフルエンザの治療薬として開発されました。2021年10月11日にメルク社がFDA(アメリカ食品医薬品局)にモルヌピラビルの緊急使用の許可を申請しました。この申請が通れば世界で初の新型コロナウイルスに対する飲む抗ウイルス薬になることから注目を浴びています。
2021/11/05追記
11/4日にアメリカのメルクがモルヌピラビルの販売をMHRA(イギリス医薬品・医療製品規制庁)が承認しました。これで世界で初めての軽症者~中等症向けのコロナの飲み薬が承認となったのです。今後アメリカや日本で最終治験が進み、12月には許可が出る見通しです。
ファビピラビル
ファビピラビルはアビガンと呼ばれるインフルエンザ治療薬です。日本だけで承認されていましたが、新型コロナウイルスに対して効果が期待できると、世界各国で治験が開始されました。医師の判断で必要になった場合使用可能となっています。現在再治験中。
S-217622
S-217622は日本の塩野義製薬が開発中の経口タイプのコロナ治療薬(抗ウイルス薬)です。2021年7月から臨床試験が開始されており、軽症や無症状の患者に対しての有効性や安全性を評価中。承認されれば自宅療養者や宿泊療養者などに対しても早期治療が期待できます。
PF-07321332
PF-07321332はファイザーが開発中のコロナ治療薬で、経口タイプと静脈注射があります。ウイルスの増殖に必要な酵素の働きを防ぎます。軽症~中等症の患者向けで、塩野義製薬が開発中の治療薬同様、自宅療養者や宿泊療養者に対して早期治療が期待されます。
AT-527
AT-527はアメリカのアテア社とスイスのロシュ社が共同開発している抗ウイルス薬です。治験中でしたが2021年10月19日に、臨床試験で期待通りの有効性が確認できなかったと報告しています。これを受けて年内治験の結果発表だったのが、2022年の後半になる見込みです。
治験終了後の医薬品
イベルメクチン
イベルメクチンは糞線虫症(ふんせんちゅう)や疥癬(かいせん)の治療薬です。イベルメクチンは新型コロナウイルスの治療薬として承認されておりません。
また、興和株式会社が行った臨床試験でもイベルメクチンを使用しても統計的な有意差はなかったと公表しています。
参考サイト:イベルメクチンの第Ⅲ相臨床試験結果